最初はグレイの戦いだけを投稿する予定だったのですが、思ったより文字数が少なかったので、ヴィヴィオの戦いも一緒に投稿する事にしました。
1話目がサブタイ通りグレイvsルーファス。1時間後に投稿される2話目がヴィヴィオvsアインハルトの話となっております。
感想お待ちしております。
大魔闘演武最終日。
クロッカスの街全域を舞台として行われる最終戦〝大魔闘演武〟が開始され、各ギルドが全力を尽くして最後の戦いに挑んでいた。
そしてその頃……華灯宮メルクリアスの地下の牢獄。そこには捕われたルーシィとユキノの姿があった。
「ルーシィ、ルーシィ」
「!」
牢屋に備え付けられた寝床の上でボーっとしていたルーシィは、誰かに呼ばれる声を聞いて顔を上げる。するとそこには、見知った仲間たちが鉄格子の向こう側に立っていた。
「ユーノ!!! ナツ!!! ティアナにウェンディ、ミラさんも!!!」
「しー」
「も"め"ん」
つい大声を出してしまったルーシィの口を、ナツが口元を鷲掴みにして塞ぐ。
「オイラたちもいるよ」
「みんな…」
「どうやってここに……」
「その話は後でするから、今は少し下がって。ナツ」
「おうっ」
ユーノの言葉に頷きながらナツは熱を帯びた両手で鉄格子を掴み……
「ふんぬっ!!!!」
そのまま熱と腕力で鉄格子をひん曲げて、牢を破ったのであった。
「はいっ、着替え持って来たわよ」
「垂れ幕張ってあげるから、さっさと着替えなさい」
「ありがとう、みんな!」
「ユキノさんのもありますよ」
「私は結構です」
「あとはどうやって脱出するかね」
「出来る事なら、誰にも見つからずに城を出たいな」
「侵入の時と同じ手は使えませんしね」
「ちょっと待って、鍵を取られたままなの!! 探さなきゃ」
「じゃあ、鍵を取り戻して城を脱出する方法を考えないとね」
牢屋からルーシィとユキノを救出し、あとはどうやってルーシィたちの鍵を取り返し、城から脱出するかを考える一同。
するとその瞬間……彼らが立っていた牢屋の床が、ガコォォオオン!!っと音を立てて開いた。
「なっ!!」
「地面が…」
「何コレ…」
「落とし穴!?」
「侵入がバレたのか!!?」
「まだ着替え中なんですけど!!」
そしてナツたちはそのまま真っ逆さまに落とし穴の中へと落ちて行き……やがて地面に叩き付けられたのであった。
「痛ーい」
「だいぶ深い所まで落とされたね」
「何だここは」
ナツたちが落とされた場所は、薄暗い洞窟のような場所であった。
『ようこそ奈落宮へ』
「ア?」
「誰?」
するとそこへ響き渡る、女性の声。
『見事に罠にかかりましたね』
「え?」
「罠!?」
『辺りを見なさい。ここは死の都〝奈落宮〟』
言われた通り周囲を見回してみると、そこらには人骨などが多く転がっていた。
『罪人の行き着く最後の自由。しかしここから出られた者は1人もいない。そこで朽ちていくがよい──賊よ』
そう言い放たれると同時にナツたちの目の前に現れたのは、先ほどからの声の主であるヒスイ・E・フィオーレの姿が映し出された映像であった。
「誰だアイツ!!」
「姫です。この城の」
「お姫様!?」
「怖い……」
「その姫の策略にまんまと引っ掛かったって訳ね」
「くっそーっ!! 出口どこだ出口ーー!!!」
「見当たらないわね」
「ど……どうしよう」
「とりあえず移動しよう。どこかに出口があるかもしれない」
ヒスイの罠にはまり、奈落宮に閉じ込められてしまったナツたちは、出口を探して歩き始めたのであった。
第202話
『グレイvsルーファス』
『図書館エリアで
一方その頃……クロッカスの街にある巨大図書館ではグレイとルーファスが、そしてクロッカスの広場ではヴィヴィオとアインハルトがそれぞれ相対していた。
「これも計算通りなのか!? 初代」
「はい」
「ではこの勝負、グレイ様が勝つのですね!!」
「それはわかりません」
「何で!?」
ジュビアの言葉に対してそう答えるメイビスに、思わず驚愕の声を上げるヴィータ。
「しかし勝たねばなりません。ルーファスという者は
◆◇◆◇◆◇◆◇
時はさかのぼり……最終戦前日の『BAR SUN』では、メイビスと出場チームによる作戦会議が行われていた。
「じゃ、何か? あのルーファスってのがオレたちの位置を特定してるってのか?」
「その通りです」
「まずはそのルーファスを倒すのがよさそうだな」
「それだけではありません。私の計算では、ルーファスがいる位置の近くにアインハルトという少女が待機しているハズです。もし戦闘中に彼女が乱入すれば、ルーファス攻略は一気に難しくなるでしょう」
「じゃあ…ルーファスを倒す係と、その間にアインハルトを足止め、もしくは撃破する係が必要って訳ですね」
「そいつァオレたちにやらせてくれ」
「ルーファスさんをパパが…アインハルトさんは私が相手をするよ」
そう言って立ち上がったのは、グレイとヴィヴィオである。
「初代、いいだろ」
「私の計算では、あなたとルーファスの相性はあまりよくありません。ヴィヴィオの方も、総合的に見てもアインハルトの力はあなたより一枚も二枚も上手です。勝てる可能性はとても……」
「そんなのどうでもいいんだよ!!!」
「そんなのどうでもいいんです!!!」
メイビスのその言葉に対し、グレイとヴィヴィオは同時に声を張り上げる。
「ルーシィを助ける。そしてやられたカリを返してえ」
「アインハルトさんと戦って、あの人としっかり向き合いたい。だからお願いします、戦わせてください!!」
「「
◆◇◆◇◆◇◆◇
「時に想いは計算を超える。見せてください──あなたたちの想いを」
そう言うとメイビスは、グレイとヴィヴィオがそれぞれ戦う映像が映し出された
◆◇◆◇◆◇◆◇
「行くぞ仮面野郎!!」
そう言って最初に攻撃を仕掛けようと動き出したのは……グレイ。
「アイスメイク…
「記憶」
今までの
「逃がすかよ!!!
「記憶」
グレイは続けて巨大な氷のハンマーを落とすが、それも軽く回避される。
「何をもごもご言ってやがる」
「記憶は武器になる。私は『見た事のある魔法』を記憶し、記憶を元に新たな魔法を造形できる」
「何だそりゃ」
「君の記憶『氷』の魔法、オルガの記憶『雷』の魔法。憶えている」
疑問符をン浮かべるグレイに対して、ルーファスはそう言い放つと……
「
「ぐはっ!!!」
上空から多数の黒雷を落とすと同時に落ちた場所から氷を出現させるという魔法を造形し、グレイを襲った。
「憶えている。ナノハ・タカマチの記憶『砲撃』の魔法。スティングの記憶『光』の魔法」
しかしルーファスの攻撃はまだ終わっていなかった。
「
「があぁっ!!!」
続けて上空からなのはの砲撃魔法のような白い光が一直線に落とされ、その光がグレイの体を包み込んだのであった。
「グレイ様!!!」
「アレってもしかして…私とスティング君の魔法の合わせ技!!?」
「あの仮面野郎…いくらでもオリジナルの魔法を造れんのかよ!!?」
グレイとオルガ…なのはとスティングの魔法を融合させたルーファスの攻撃に、ジュビアとなのはとヴィータが声を荒げて驚愕する。
「荒ブル風牙ノ社!!!」
さらにルーファスは複数の竜巻を発生させる魔法を造形する。
「
それに対してグレイは巨大な氷の盾を造形して迫り来る竜巻を防御しようとするが……
「
「!! 盾が消え……ぐあぁぁぁぁあああ!!!!」
ルーファスがそう呟いた瞬間、グレイの意志に反して氷の盾が消滅し、そのまま竜巻によって吹き飛ばされてしまう。
「あの男…相手の魔法を忘れさせる事もできるのか」
「ルーファスは新たな魔法を造形できる事に対し、グレイは一度使った魔法は使えなくなる」
「そんなの不利すぎるわ……!!」
相手の魔法をも忘却させるルーファスにシグナムとリインフォースがそう呟き、グレイとの相性の悪さにシャマルが唸る。
「この戦いは私が君に
「そいつァ、どうかな……」
そう言い放つルーファスに対し、グレイはボロボロになりながらもそう言い返す。
「
「面白い事を言う。君が何を記憶していると?」
「テメェにはわかんねえだろうがな、受けた痛みも…負けた悔しさも…勝った喜びも…全部だ!! この体と拳と頭に叩き込んである!! それが次の戦いの力になる…今までの戦い全てが…その記憶が…オレの力の全てだ!!! お前をぶっ倒す力が──オレの記憶だ!!!!」
そう言い放つと同時に、グレイは上半身の服に手をかけて……そのまま勢いよく脱ぎ捨てた。
『脱いだ!! 脱いだ!! 脱いだーーー!!!!』
「グレイ様ーー!! 大胆♡」
「いつもの事じゃねーか」
「でも…これでようやくグレイの全力全開なの!!!」
脱いだグレイを見て顔を真っ赤にするジュビアにヴィータがツッコミ、なのははグレイが本気になったのだと悟った。
「
「ほう、何か策でもあるのかね」
ルーファスがそう問い掛けると、グレイは自身の右拳を左手に添えるような造形の構えを取る。
「アイスメイク…」
「記憶」
その構えを見て、ルーファスは次にグレイが造り出すものを記憶しようと見据える。
しかし……
「
「!!」
次の瞬間……グレイは凄まじい速さで次々と氷の武器を造形していく。その武器の形状は様々で、1つ2つとその数をどんどん増やしていく。
「これは…なんという造形の速さだ!!!」
あまりにも速いグレイの造形スピードにルーファスも驚愕する。
「覚えたかい?」
そして造形が終わる頃には、グレイの周囲には大量の氷の武器が存在していた。
「そうか!!」
「一度にこれだけの造形をすれば……」
「記憶が……追いつか…ない!!」
グレイの高速造形の前には、さすがのルーファスもその全てを記憶する事はできなかった。
「一勢乱舞!!!!」
「ぬあぁぁぁああ!!!!」
そしてグレイはそれらの武器を一斉にルーファスへと放ったのであった。
「しかし!!! 氷属性だけなのが惜しい!! 私はその氷を滅する炎を憶えている!!
だがその攻撃でルーファスを倒し切る事は敵わず、ルーファスは地面から発生させた強大な炎でグレイの氷を全て焼き払ったのである。
だが次の瞬間……グレイがルーファスの放った炎の中を突っ切って、彼の目の前に現れる。
「オレはもっと熱い炎を──覚えてる」
そして……
「
「ぐあぁぁぁぁああああああ!!!!!」
一対の氷の剣で十字に切り裂かれ……ルーファスは地面に倒れたのであった。
『グレイだーーーっ!!!!
グレイとルーファスによる造形魔導士の戦いは……グレイに軍配が上がり、雪辱を果たしたのであった。
妖精の尻尾:77P→78P
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方その頃……もう1つの戦いが行われている広場では。
「どうやら、あちらの方は決着がついたようですね。ルーファスさんが敗れたのは予想外ですが……」
そう言って戦闘音が響き渡って来た図書館エリアの方へと視線を向けながら、無傷の姿で静かに佇むアインハルト。
「ではこちらも──決着としましょうか」
そして視線を正面へと戻してアインハルトが見据える先には……
「ハァ…ハァ…ハァ……!!!」
無傷のアインハルトとは対照的にボロボロの姿で辛そうに息を乱し、地面に片膝をついているヴィヴィオの姿があったのであった。
つづく