LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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何とか書けました。

今回が正真正銘2014年最後の更新となります。

感想お待ちしております。


進めばそこが道となる

 

 

 

 

 

 

クロッカスの街で繰り広げられている4つの戦い。

 

 

ラクサスvsゼスト

 

はやてvsジュラ

 

エルザvsミネルバ

 

グレイ&ヴィヴィオvsリオン&ギンガ

 

 

街の一角でそれぞれ行われている4つの戦い。その戦いに魅せられ、会場のボルテージは最高潮にまで達していた。

 

 

だがその戦いも……いよいよ終わりの時が近づいてきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第211話

『進めばそこが道となる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「いけーラクサス!!!」」

 

 

「オオオオオオオオッ!!!」

 

 

「イエー!!!」

 

 

ラクサスがゼストに一発返した事で、彼の勇姿を見た雷神衆が応援席から精一杯の声援を送る。

 

 

「ぬぅ……地槍・大震撼!!!」

 

 

「うぁっ!!!」

 

 

だがすぐに体制を立て直したゼストは槍を地面に突き立て、ラクサスの足元から魔力の奔流が発生させて凄まじい魔力の渦でラクサスの体を上空へと吹き飛ばす。

 

 

「雷竜方天戟!!!!」

 

 

一槍通貫(いっそうつうかん)!!!!」

 

 

だがラクサスは負けじと空中からゼスト目掛けて雷の矛を投擲する。それに対してゼストは自身の魔法〝槍騎士(ランサー)〟によって貫通力を向上させた槍のひと突きでラクサスの雷の矛を貫いて打ち砕く。

 

 

しかしラクサスはそれを見越していたかのように、すぐさま雷を纏った状態で素早くゼストに殴り掛かる。

 

 

「ライトニングラッシュ!!!!」

 

 

「ぬうぅぅ!!!」

 

 

そしてゼストに雷を纏った拳を叩き込み、同時に雷撃も浴びせるラクサス。だがゼストは雷撃を喰らいながらも槍を構え直し……

 

 

鬼薪(きしん)!!!!」

 

 

「ぐおぉぉっ!!!」

 

 

目にも止まらぬ槍の連続突きをラクサスに喰らわせたのであった。

 

 

「オラァァ!!!!」

 

 

「ぬおぉぉぉ!!!!」

 

 

お互い鬼気迫るかのような面持ちで繰り広げられる雷を纏った打撃と槍による攻撃の応酬。

 

 

ラクサスの拳がゼストの顔面に叩き込まれ…ゼストの槍がラクサスの体を斬り裂く。そんな激しい応酬により、2人の体はすでにボロボロになっている。しかしそれでもラクサスとゼストは攻撃の手を休めなかった。

 

 

「すげぇ…」

「あのゼストと互角に戦ってる……」

「あいつ……レイヴンを1人で倒しちまった奴だぜ」

 

 

その凄まじい光景に、観客席の人たちも思わず息を呑む。

 

 

「おおおおおおおお!!!」

 

 

そしてラクサスの放った凄まじい雷がゼストの体を飲み込む。

 

 

「なるほど…やはり強いな。妖精女王(ティターニア)と戦った時と同じ……いや、それ以上の高揚感を感じる」

 

 

「ハア、ハア、ハア…思った通りのバケモンだぜアンタ……」

 

 

ボロボロになりながらもどこか楽しそうな笑みを浮かべているゼストと…辛そうに息を乱しながらも、強い闘志を瞳に宿すラクサス。

 

 

「こういう時、何て言うんだっけかな……ナツ」

 

 

そう言って目を伏せるラクサスの脳裏に浮かぶのは、ナツがよく口にしているお決まりのあのセリフ……

 

 

 

 

 

「燃えてきたぜ」

 

 

「この勝負、最後まで全身全霊をもって相手をしてやる」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方…はやてとジュラの戦いでは……

 

 

「ブリューナク!!!!」

 

 

「岩鉄壁!!!!」

 

 

はやては自身の周囲にダガー状の魔法弾を生成すると同時に発射を繰り返し、対するジュラは地面から突出させた岩石の壁ではやての魔法弾を防いでいく。

 

 

「フン!!」

 

 

「うっ!!」

 

 

するとジュラは壁に使っていた岩石をバラバラの小さなキューブ状に分解して、それらをはやてに向かって一斉に弾丸のように放つ。突然の反撃に、はやては咄嗟の反応で回避しようとしたが、躱し切れずに頭や肩に被弾してしまう。

 

 

「ハァァアアアアア!!!」

 

 

「むぐぅ!!!」

 

 

しかしはやてはお返しと言わんばかりにシュベルトクロイツを構え、強大な魔力の塊を放ち、ジュラの体を飲み込む。

 

 

「クラウ・ソラス!!!」

 

 

崖錘(がいすい)!!!」

 

 

続けてはやては白い魔力の砲撃魔法を放つが、それに対してジュラは地面を複数の柱の様に隆起させて迎え撃つ。

 

 

そして両者の魔法が激突し、凄まじい爆発と衝撃が巻き起こる。

 

 

「スレイプニール!!!」

 

 

するとはやては、自身の背中に三対六枚の黒翼を広げる。

 

 

「ACSドライブ!!!」

 

 

そしてその翼をバサリと羽ばたかせ、シュベルトクロイツの先端にある剣の部分を突き立てて、猛スピードで一直線にジュラへと向かって突進して行くはやて。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「!?」

 

 

だがジュラはその攻撃をシュベルトクロイツの先端を鷲掴みにして止めると、同時にはやての足元の地面から柱のような岩石を突出させて攻撃する。

 

 

「くっ…!!」

 

 

それに対してはやては後方に下がりながらジュラの地面からの攻撃を回避し続けていると、やがて回避して切れないと判断したのか、黒翼を羽ばたかせて上空へと舞い上がる。

 

 

「逃がさんっ!!!」

 

 

それを見たジュラは突出させた岩石を先ほどと同じように小さなキューブ状に分解し、上空にいるはやてに向かって散弾のように放つ。

 

 

その攻撃を、縦横無尽に空を駆けまわって回避していたはやてだが……

 

 

「そこだっ!!!」

 

 

「きゃあっ!!」

 

 

ジュラに動きの軌道を読まれ、そこを狙って放たれた岩石が直撃する。するとその衝撃で背中の黒翼が消滅し、はやては真っ逆さまに墜落していく。

 

 

「くっ……せやったら、これでどないやっ!!!」

 

 

しかしはやては負けじと、墜落しながらも夜天の書を開き、シュベルトクロイツをジュラへと向ける。

 

 

「遠き地にて闇に沈め!!!」

 

 

そして詠唱の言葉を口にし、その魔法を発動させた。

 

 

 

「デアボリック・エミッション!!!!!」

 

 

 

その瞬間……発生した巨大な漆黒の球体が広範囲に渡って街の建築物と共に、ジュラの体を飲み込もうとする。

 

 

しかし……

 

 

 

巌山(がんざん)!!!!!」

 

 

 

ジュラは自身の身を守るように巨大な仏像の様な形をした岩を出現させる。

 

 

そして2人の魔法が衝突すると、クロッカスの街どころかドムス・フラウにまで響くような信じられないほどの凄まじい地響きが発生したのであった。

 

 

「うおおお!!」

「ジュラもはやてもとんでもねえ!!」

「衝撃がここまで…!!」

 

 

その衝撃に会場全体が騒然とする。

 

 

「いいぞはやてーー!!!」

 

 

「その調子です!! 我が主!!!」

 

 

「がんばって!! はやてちゃーん!!!」

 

 

「やはり強いな、ジュラ殿は」

 

 

「ああ。だが、我等の主は負けはしない」

 

 

そんな中で妖精の尻尾(フェアリーテイル)の応援席で声を張り上げて、はやてに声援を送っているヴォルケンリッターの面々。

 

 

「ラクサス…はやて……」

 

 

「2人ともこれほどの強さとは思っていなかった…という顔ですね」

 

 

「む」

 

 

その隣でマカロフは映像を見ながら愕然としていると、メイビスの言葉に図星を突かれて思わず唸る。

 

 

「皆、成長するのです。これからの時代を生きる若者たちは」

 

 

そしてメイビスは優しい表情を浮かべながら、映像に映る若者たちを見守るのであった。

 

 

「これは…たまげたわい」

 

 

「私の広域殲滅魔法を防ぐやなんて…ホンマにとんでもない人やわ」

 

 

巻き起こった衝撃から身を守りながら地面に着地したはやてと、多少のダメージを負いながらも彼女の攻撃を防ぎ切ったジュラ。2人はボロボロの姿になりながらも、そう言葉を口にする。

 

 

「この数年でここまで滾った事はなかったのう」

 

 

「結構ええもんやな、お互い全力を尽くした本気のバトルも」

 

 

はやてとジュラは楽しそうな笑みを浮かべながら互いにそう言い放つ。

 

 

 

 

 

 

「ほな行こか──超とっておきの魔法でケリつけたるわ」

 

 

「来い──どちらかが果てるまで戦おうぞ!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃…カグラをかばった際に右足を負傷したエルザはミネルバによって痛めつけられ、地面に倒れ伏していた。

 

 

「うう…う」

 

 

「その足ではもう立ち上がれまい」

 

 

倒れ伏すエルザに向かってそう言い放つミネルバだが、その言葉に反してエルザはゆっくりと立ち上がろうとする。

 

 

「何度でも立ち上がる。負けられぬ戦いがある以上、私は何度でも立ち上がる。言ったハズだ、お前たちは一番怒らせてはいけないギルドを敵に回した」

 

 

「怒りは美容に悪いぞ」

 

 

エルザの言葉を嘲笑うようそう言うミネルバ。

 

 

「よくもルーシィを、仲間を、カグラを、ミリアーナを──私は怒っているんだ」

 

 

「そんな怒りに妾が怯むとでも?」

 

 

エルザの怒りの篭った瞳で睨まれても、ミネルバはものともせずに彼女に攻撃を仕掛ける。

 

 

「ぐっ! はっ!!」

 

 

「妾の空間魔法はこの視界全てが攻撃範囲だ」

 

 

そう言うと、ミネルバは視界に映る空間を爆発へと変化させてエルザに攻撃を仕掛けて行く。

 

 

「最強のギルドにふさわしき最強の魔法〝絶対領土(テリトリー)〟」

 

 

しかし……

 

 

 

「見切った!!!!」

 

 

「!」

 

 

 

次の瞬間……ミネルバの攻撃を見切ったエルザの双剣が、ミネルバの体を斬り裂いた。

 

 

「なっ…がっ……くぅっ!!」

 

 

ダメージを負わされた事に驚愕しながらも、ミネルバは歪んだ空間を纏った手で攻撃を仕掛けるが……

 

 

「おぶっ!!」

 

 

難なく躱され、逆に体を斬られてしまう。

 

 

「う…ぐ……イ・ラルガス(おのれ)!!!!」

 

 

「私の怒りは──ギルドの怒り!!!!」

 

 

そして……

 

 

第二魔力源(セカンドオリジン)解放!!!!」

 

 

エルザは隠していたもう1つの魔力の器……第二魔力源(セカンドオリジン)を解放し、新たな鎧を換装する。

 

 

 

 

 

天一神(なかがみ)の鎧!!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「「ハァ…ハァ…ハァ…!!」」

 

 

「許してくれ、ヴィヴィオ」

 

 

「そろそろトドメをさすわよ、リオン君」

 

 

一方でタッグバトルを繰り広げていたグレイ&ヴィヴィオとリオン&ギンガ。

 

 

しかし相次ぐ連戦ですでに疲労困憊のグレイとヴィヴィオに対して、まだ少しの余裕を見せているリオンとギンガ。

 

 

「ヴィヴィオ……」

 

 

するとグレイはヴィヴィオに手を差し出し、それを見たヴィヴィオは何も言わずにその差し出された手を握る。

 

 

「奴等の弱点はチームワークだ。オレたちならもっと力を合わせられる」

 

 

「パパ」

 

 

「全魔力をぶつける!!!!」

 

 

「うんっ!!!!」

 

 

そしてグレイとヴィヴィオはお互いの繋がれた手を強く握り締め、最後の攻撃にかかったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

進め若者よ、野風の如く。

 

 

あなた方の燃えるような血と汗と涙は、日暈(ひがさ)のように美しい。

 

 

恐るるなかれ──若者よ。

 

 

進めばそこが道となる。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「滅竜奥義……!!!!」

 

 

最後の力を振り絞り、ゼストに向かって駆けだしながら右手の拳に全魔力を集中させるラクサス。

 

 

そして……

 

 

 

 

 

鳴御雷(ナルミカヅチ)!!!!!」

 

 

 

 

 

ラクサスの突き出した雷撃を纏った拳は……ゼストの槍を叩き折り、そのまま彼の体に直撃したのであった。

 

 

「──見事」

 

 

そしてその言葉を最後に、ゼストは静かに地面に倒れたのであった。

 

 

『ラクサスの勝利ーーー!!! 歴戦の魔導士を撃破ーーー!!!』

 

 

妖精の尻尾:81P→82P

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおっ!!!!」

「はああああああああああっ!!!!」

 

 

お互いに繋がれた手に、今持てる全ての魔力を集中させるグレイとヴィヴィオ。

 

 

「おのれ!!! オレの前でジュビアの娘であるヴィヴィオに馴れ馴れしくしおって!! ギンガ!!!」

 

 

「……………」

 

 

そんなグレイに対して憤慨しながらギンガの名を呼ぶリオンだが、何故かギンガは2人を見つめたまま動かない。

 

 

「何をしているギンガ!!! 反撃だ!!!」

 

 

「これが親子の絆……素敵……」

 

 

グレイとヴィヴィオの絆に魅せられたギンガは、うっとりとしながらそう呟いた。

 

 

「「行っけェェェエエエエエ!!!!」」

 

 

「ギンガ!! ボーっとするなっ!!!」

 

 

「!!」

 

 

リオンに強く肩を揺すられてようやく正気に戻るギンガだが、時すでに遅く……

 

 

 

 

 

氷欠泉(アイスゲイザー)!!!!」

 

 

「ディバインバスター!!!!」

 

 

 

 

 

グレイとヴィヴィオ……2人の魔力が合わさった合体魔法(ユニゾンレイド)が放たれたのであった。

 

 

「おのれギンガ~!!!」

 

 

「ゴメーーン!!!」

 

 

それを喰らったリオンとギンガは、仲良く吹き飛ばされて戦闘不能となったのだった。

 

 

妖精の尻尾:82P→84P

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ロ・ホウセト(くだらない)ロ・ホウセティア(くだらないんだよ)!!!!」

 

 

「これで終わりだ」

 

 

イ・ラーグド(消えろ)!!!!」

 

 

天一神の鎧を身に纏ったエルザに向かって、空間魔法を放つミネルバ。

 

 

しかしエルザが手に持った薙刀の一振りが……それをいとも容易く斬り裂いた。

 

 

「魔法を斬ったぁ!!?」

 

 

「いや違う!! 空間を斬ったのか!!?」

 

 

その光景を映像越しに見て、驚愕するスバルとノーヴェ。

 

 

「天一神の鎧。装着時の魔力消耗が激しい為に、装備できる者10年現れず」

 

 

「何だその本?」

 

 

「鎧大図鑑?」

 

 

その隣で、鎧の図鑑のような本を開いたレビィが天一神の鎧について読み語る。

 

 

「しかしその鎧を纏いし者──魔の法を破りし天地無双の剣となる」

 

 

そして天一神の鎧を纏ったエルザに魔法を斬り裂かれたミネルバには、先ほどまでの余裕の態度など微塵も残っていなかった。

 

 

「バカ……な……そなたのどこにそんな力が残って……」

 

 

「お前は私の大切な者を傷つけすぎた」

 

 

エルザの気迫に怯えたように表情を歪め、後退るミネルバ。

 

 

「や、よせっ!!」

 

 

「報いを受けよ」

 

 

「やめろっ!!! 妾は……妾はっ!!!!」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

天一神(なかがみ)星彩(せいさい)!!!!!」

 

 

 

 

 

エルザの薙刀による一閃が……ミネルバを薙ぎ払い、ミネルバを叩き伏せたのであった。

 

 

妖精の尻尾:84P→87P

 

 

『エルザだーーーっ!!!! 剣咬の虎(セイバートゥース)のリーダーを倒し、3Pを獲得ーーー!!! そして先ほどグレイとヴィヴィオがリオンとギンガを倒し、2P獲得!!!! 逆転!! 逆転!!! 逆転ーーーーん!!!!』

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「チェーンバインド!! ストラグルバインド!!!」

 

 

「ぬ!?」

 

 

はやては2つの捕縛魔法を同時に発動し、それらを巻き付けてジュラの身動きを封じる。

 

 

「このバインドでもジュラさんを止められるんは数十秒だけやろな……でも、それだけあったら十分や!!!」

 

 

するとはやてはシュベルトクロイツを投げ捨てると、自身の右腕に魔力を集中させる。

 

 

「集え……妖精に導かれし光の川よ……!!!」

 

 

そしてその右腕を左手で支えながら、詠唱の言葉を口にする。

 

 

「ア…アレはまさか……初代!!!」

 

 

「いいえ、私は貸し出してはいませんよ。おそらくアレは、彼女が自力で習得した魔法です」

 

 

はやての詠唱を聞いたマカロフがメイビスへと視線を向けると、メイビスはマカロフの疑問を否定しながら首を横に振ってそう言い放つ。

 

 

「私が以前カナに貸して差し上げた時、彼女は一番近くで見ていましたからね。おそらくその時に見て覚えたのでしょう」

 

 

「見て覚えたって……あの魔法は我がギルドに伝わる超魔法の1つですぞ!! そう簡単に……」

 

 

「ええ、普通なら到底不可能……ですからこれはもう彼女の〝才能〟としか言えませんね」

 

 

「た…確かにはやては夜天の書に蒐集された魔法を使いこなせるほどの才能はありますが……」

 

 

「いいえ、そっちの才能ではありません」

 

 

マカロフの言葉を否定しながら、メイビスはクスリと笑いながら続けて口を開く。

 

 

 

初代(わたし)六代目(あなた)と同じ、仲間を守り…ギルドを育み…家族に教え説く者──ギルドマスターとしての才能です」

 

 

 

そう言ってメイビスは満面の笑顔を浮かべ、嬉しそうにそう言い放ったのであった。

 

 

その間にも、はやての右腕には膨大な魔力が集束されて眩い輝きを放ち始め、同時に彼女の服の右腕の部分が弾け飛ぶ。すると……露になったはやての右腕に、ギルドマークをあしらったような紋章が浮かび上がった。

 

 

「こ…これは……!!!」

 

 

すると目を見開き驚嘆するジュラの周囲を、光り輝く魔力のリングが取り囲む。

 

 

「照らせ!! 邪なる牙を滅する為に!!!」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

妖精の輝き(フェアリーグリッター)!!!!!」

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に伝わる妖精三大魔法の1つ……妖精の輝き(フェアリーグリッター)が発動し、全てを滅する光の一撃がジュラを飲み込んだのであった。

 

 

「ハァー…ハァー…ハァー…ハァー……」

 

 

それから光が止み、はやてが息を乱しながら見つめる視線の先に立っているのは……光の一撃を受けてボロボロとなったジュラの姿のみ。

 

 

 

「参った」

 

 

 

そしてジュラは口元に笑みを浮かべながら降参を意味する言葉を呟くと……ゆっくりとその場に倒れたのであった。

 

 

『決まったーーーー!!!! 勝者ハヤテーーー!!! 聖十の魔導士を撃破して3P獲得ーーー!!!!』

 

 

妖精の尻尾:87P→90P

 

 

『強いーー!!!! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)強すぎるーーー!!!! 1人も倒されずに優勝となるかーーーっ!!!! 残るは剣咬の虎(セイバートゥース)スティングただ1人!!! ヤジマさん、これはもう……』

 

 

『ウム……妖精の尻尾(フェアリーテイル)はかなり優勝に近づいたね』

 

 

『すごいカボ』

 

 

残った敵は途中から姿を消したスティングのみ。大魔闘演武優勝まであと1歩である。

 

 

「優勝……」

「オレたちが……」

「ずっと最下位だったオレたちが…」

「バカ!! 泣くのはまだ早ェ…えぐ」

 

 

念願の大魔闘演武優勝を目前にして、マックスやウォーレンたち妖精の尻尾(フェアリーテイル)の7年後メンバーの中にはすでに感極まって泣いている者もいた。

 

 

「まだ1人残ってる」

「でも…たった1人であのメンツ相手に何ができるってんだ」

「そーだそーだ!」

「もう妖精の勝ち決定だよ!!」

「FT!!」「FT!!」「FT!!」「FT!!」「FT!!」

 

 

会場中から鳴り響くFT(フェアリーテイル)コール。ついに大魔闘演武決着かと思われた時、1人の観客がある事に気がついた。

 

 

「ん?」

「どうした?」

「いや…あの点差……」

 

 

妖精の尻尾:90P

剣咬の虎: 83P

 

 

「7点差がどうかしたのか?」

「あのさ…仮にスティングが妖精の7人を全員倒したらどうなるのかな」

「リーダーが3点で、その他の6人が1点だから……9点!!!!」

 

 

そう……よく考えてみれば実は点数差的にセイバーは十分に逆転できる位置にいるのだ。その事に気がついた会場中がザワつき始める。

 

 

『まさかとは思いますが……』

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)はほぼ全員負傷スてるからねぇ』

 

 

『全員倒すつもりカボ!!!!』

 

 

まるで狙っていたかのような展開に……会場全体が騒然としていたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そして当のスティングはというと……身を隠していた路地裏で、1人小さく「ふう」と息を吐きながら、口を開いた。

 

 

「ここまで願った通りのシナリオになるとはね……これはもう運命なんだろうな……」

 

 

そう……今のこの状況、この展開こそが、スティングが最高の逆転劇を演じる為の最高の展開なのだ。

 

 

「この時を待っていた……レクターに見せてやるんだ、オレの強さを」

 

 

そう言ってゆっくりと立ち上がり、妖精の尻尾(フェアリーテイル)を呼び寄せて、戦いに赴こうとするスティング。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがその時……スティングにとって、たった1つの誤算が生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど……どうりでずっと姿が見えないと思ったよ」

 

 

「!!?」

 

 

スティングが身を隠していた路地裏に響く、彼以外の人物の声。その声を耳にしたスティングは驚愕しながらも、声が聞こえた方向へと視線を向けた。

 

 

「じゃあこの展開も、君の願ったシナリオ通りかい?」

 

 

そしてそう言い放つ声を聞きながら……スティングはその声の主を睨むように見据えながら、その人物の名前を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……エリオ…モンディアル……!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく






今年も『LYRICAL TAIL』を読んでいただき、本当にありがとうございました!!!


来年もどうぞよろしくお願いします!!!


それでは、よいお年を!!!
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