LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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お待たせいたしました!!!

ついに大魔闘演武決着です!!!!

今回の章が始まって約8ヶ月……ここまでとても長かったです。

しかしこれが終着点ではありません。大魔闘演武編はまだまだ続きます。

あともう自分の中ではエリオ×ウェンディは決定的なものとなりました。

感想お待ちしております。


GLORIA

 

 

 

 

 

 

大魔闘演武・最終日前日……夜。

 

 

クロッカスの街にある宿屋『ハニーボーン』の前……深夜になり、すっかり人気のなくなったそこではエリオとウェンディの2人が、神妙な面持ちで佇んでいた。

 

 

「えっと…話ってなに? エリオ君」

 

 

「うん…」

 

 

「明日の二正面作戦……本当は僕も一緒に、ルーシィさん奪還の方に協力したかったんだけど……」

 

 

「仕方ないよ、エリオ君はナツさんの代わりに大魔闘演武に出る事になっちゃったんだから」

 

 

「わかってる。僕たちにとっては絶対に負けられない戦いなんだ……必ず勝ってみせる」

 

 

「うん!!」

 

 

強い覚悟が宿った表情でそう言い放つエリオの言葉に、ウェンディは笑顔を浮かべて大きく頷いた。

 

 

「それで話っていうのはね、ウェンディに1つ頼みがあるんだ」

 

 

「頼み?」

 

 

「うん……ウェンディの天空魔法の力を、僕に分けてほしいんだ」

 

 

「!! エリオ君、それって……」

 

 

「そう……ナツさんの雷炎竜と同じ力を得るって事だよ」

 

 

「でも…滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が違う属性の魔法を取り込んだら、かなりの負担がかかるんだよ!!」

 

 

「わかってる。それでも必要なんだ」

 

 

「そんな事しなくても、エリオ君は十分強いじゃない!!」

 

 

「確かに僕は自分でも信じられないくらい強くなれた。でも、明日の最終戦は今までで一番厳しい戦いになる。今のうちに出来る事はやっておきたいんだ」

 

 

「で…でも……」

 

 

エリオの頼みに対し、ウェンディは戸惑いながらも反対の姿勢を見せる。

 

 

「それにね……僕はただ力が欲しくてこんな事を頼んでるんじゃないんだ」

 

 

「え?」

 

 

しかしエリオがそんなウェンディの言葉を遮って次に言い放った言葉に、ウェンディは目を丸くした。

 

 

「一番の理由はね──ウェンディと一緒に戦いたいからなんだ」

 

 

「!!!」

 

 

「ウェンディと一緒なら、僕は戦う勇気をもらえる。どんなに厳しくても戦える…どんな戦いでも頑張れる…どんな相手でも勝てる気がするんだ」

 

 

「エリオ…君……」

 

 

「ウェンディじゃないとダメなんだ……だから……僕に力を貸して欲しい」

 

 

そう言ってウェンディに向かってそっと手を差し伸べるエリオ。

 

 

「……ズルイよ。そんな風に頼まれちゃったら、私が断れないってわかってたんでしょ?」

 

 

するとそんなエリオに対してウェンディは頬を朱に染めながら片頬を膨らまして、彼をジト目で睨んだ。

 

 

「あはは……まぁね」

 

 

「もう……」

 

 

苦笑するエリオの言葉にウェンディは嘆息しながらも、彼が差し出していた手を、自身の両手で包み込むように優しく握った。

 

 

「その代わり約束して──絶対にみんなで勝って優勝するって」

 

 

「もちろんだよ。ウェンディも明日の潜入、気を付けてね」

 

 

「うん」

 

 

そう言って互いに誓い合うように手を取る2人の姿を……夜空に浮かぶ月のみが眺めていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第213話

GLORIA(グロリア)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天と雷……天雷竜だと!?」

 

 

「そうさ…これが僕とウェンディの力だ」

 

 

体中から雷を迸らせながら、吹き荒れる風をまるで衣のように体に纏わせた姿……天雷竜となったエリオに、驚愕を露にするスティング。だが彼が驚愕したのはそれだけではない。

 

 

「キズが…治って……!!?」

 

 

そう…エリオが天雷竜となった瞬間から、エリオの全身に刻まれたキズがみるみるうちに治癒されていったのである。

 

 

「どうやらこの姿になると、ある程度のキズは回復するみたいだね」

 

 

そう言ってエリオ自身も、全てではないにしても、ある程度のダメージが回復した事に多少驚いていた。

 

 

「だが、天空の滅竜魔法は自己回復は出来ねえハズ」

 

 

「これは僕の魔法じゃない……ウェンディの魔法だからさ」

 

 

スティングの疑問に対してそう答えると、エリオは静かに拳を構える。

 

 

「行くぞ」

 

 

「!!」

 

 

そしてそう宣言すると同時に、エリオは一直線に駆け出して、風と雷を纏った拳でスティングに殴り掛かった。

 

 

「くっ……!!」

 

 

その攻撃に咄嗟に反応したスティングは横に飛んでその攻撃を回避する。

 

 

そして対象を外したエリオの拳は、そのままその先にあった民家の壁に当たり……一瞬で民家を粉々に破壊したのであった。

 

 

「なっ!!?」

 

 

壁どころか民家そのものを一瞬で粉々にしたその破壊力に、大きく目を見開くスティング。

 

 

「逃がすかっ!!」

 

 

「チッ!!」

 

 

さらに追撃を仕掛けてくるエリオの攻撃を、舌打ちをしながら回避し続けるスティング。だが彼がエリオの攻撃を避けるたびに、建物は粉砕され…地面は抉られ…それによって発生した瓦礫をも吹き飛ばしていく。

 

 

『これは…何という破壊力だーーーー!!!! たった一撃であらゆるモノを粉砕する!!! まるで嵐だーーーーッ!!!』

 

 

チャパティの比喩通り、エリオが攻撃した後はまるで嵐が通り過ぎたかのように凄まじいものであった。

 

 

「逃げてばかりだけど…怖気づいたのかい?」

 

 

「っ……ナメんなァ!!!」

 

 

エリオの挑発の言葉に激昂したスティングは、回避を止めてドラゴンフォースを纏った腕で彼の拳をガードするが……

 

 

「今度は君が──ふっ飛べ」

 

 

「ぐっ…あぁぁあああああ!!!!」

 

 

勢いまでは防ぐことができず、そのままエリオの拳によって押し飛ばされてしまった。

 

 

「この…!!! まだまだァ!!!!」

 

 

しかしスティングも体制を立て直すと、負けじと両手に白い光を纏わせながらエリオへと殴り掛かる。

 

 

「来い!!!」

 

 

そんなスティングに対してエリオは、ニッと口元に笑みを浮かべながらそう言い放った。

 

 

「オォォォオオオオオオ!!!!」

 

 

雄叫びを上げて果敢にエリオへと拳を振るうスティングだが、エリオはそれを見切ったように回避しながら反撃し、逆にスティングにダメージを与え、彼を殴り飛ばす。

 

 

「がはっ!!!」

 

 

殴り飛ばされたスティングは地面を転がりながらもすぐに起き上り、今度は白い光を纏った両手を合わせて光を1つに集束させると……

 

 

「ホーリーレイ!!!!」

 

 

そのまま両手から無数の白い聖なる閃光を放つ。それに対してエリオは、自身の両腕に雷と風をそれぞれ纏い……

 

 

「天雷竜の……旋風!!!!」

 

 

その両腕を円を描くように思いっきり振るい、雷が入り混じった巨大な竜巻を発生させた。

 

 

そしてエリオが発生させたその竜巻にスティングの白い閃光が全て飲み込まれ、渦の中に消えていったのであった。

 

 

「!!?」

 

 

その光景に目を見開くスティング。だがエリオの放った竜巻は消えずにその猛威を振るい……

 

 

「うあぁぁぁあああああああ!!!!」

 

 

そのまま竜巻の中に飲み込まれ、激しい螺旋の渦と、渦の中を走る雷撃によってボロボロになるほどのダメージを受け、やがて竜巻の消滅と共に上空へと投げ出されてしまう。

 

 

「がっ…あ…!!!」

 

 

スティングは体中を走る激痛に意識を飛ばしそうになる。

 

 

「オレは……レクターの為に……!!!」

 

 

そんなスティングの脳裏に浮かぶのは、いつでも自分の強さを信じてついてきてくれたレクターの姿。

 

 

「レクターにオレの強さを見せてやる為に……負ける訳には──いかねぇんだよォ!!!!!」

 

 

そんなレクターに対する想いの強さが、飛びかけていたスティングの意識をムリヤリ繋ぎ合わせたのだった。

 

 

「気力で持ち直したね。それが君の〝想い〟の強さ……けど」

 

 

地上からスティングを見上げながら様子を伺っていたエリオは小さくそう呟く。

 

 

「白竜の……」

 

 

そして口の中に魔力を集束して頬を膨らませ、上空から地上にいるエリオに狙いを定めるスティング。

 

 

「天雷竜の……」

 

 

それに対してエリオも口の中に魔力を集束させて、同じように頬を膨らます。

 

 

 

「ホーリーブレス!!!!!」

「咆哮!!!!!」

 

 

 

そして……聖なる白き光のブレスと、雷と天空の2つの属性が1つとなったブレスがそれぞれ両者の口から放たれ……衝突したのであった。

 

 

「「オオォォォォオオオオオ!!!!!」」

 

 

2人の雄叫びに呼応するように勢いが増し、凄まじい衝撃をまき散らしながらせめぎ合う2つのブレス。

 

 

だがしかし……次第にエリオのブレスが、スティングのブレスを押し返し始めていた。

 

 

「うっ…ぐぅ……あぁぁああああああ!!!!」

 

 

やがて、スティングのブレスはエリオのブレスに押し負け、そのままスティング自身を飲み込んだのであった。

 

 

「なんで…だ……レクターへの想いで覚醒したオレの力が…何故通用しない……」

 

 

「それは簡単な事だよ」

 

 

「!!?」

 

 

そう言ってスティングの疑問に答えたのは、両足に纏った風の力でスティングと同じ高さにまで飛び上がったエリオであった。

 

 

「君と僕には、決定的な差がある」

 

 

「っ…ほざけェ!!!」

 

 

「この魔法を託してくれたウェンディ……今この場にいないナツさんやティアナさん……そして応援してくれているギルドのみんな……僕がみんなを想っているように、みんなも僕を想ってくれている」

 

 

静かにそう語るエリオに対して、光を纏った拳を突き出すスティングだが、エリオはその攻撃を片手で難なく受け止めながら言葉を続ける。

 

 

「僕とみんな……お互いがお互いを想い合う……その心が、僕にさらなる力を与えてくれる!!!」

 

 

「想い合う心…だと…」

 

 

「そう…それこそが──仲間との絆の力だ!!!!」

 

 

「!!? うわぁぁっ!!!」

 

 

そう言い放つと同時に、エリオは掴んでいたスティングの腕を振り回し、そのまま地面へと目掛けて投げつけて彼を地面に叩きつける。

 

 

「仲間との絆を胸に秘めているか否か……それが僕と君の差だ」

 

 

そう言うとエリオは、再び両足に纏った風の風圧を利用して、地面に倒れているスティング目掛けて勢いよく急降下していく。

 

 

「滅竜奥義……改!!!!」

 

 

激しく迸る雷電と螺旋に渦巻く風を纏った拳を強く握り締めながら、まっすぐ一直線に急降下していくエリオ。

 

 

そして……

 

 

 

 

 

照雷轟天撃(しょうらいごうてんげき)!!!!!!」

 

 

 

 

 

天と雷……2つの属性を合わせた凄まじい一撃が、スティングに叩き込まれたのであった。

 

 

「がっ…はっ……!!!!」

 

 

スティングはもはや声にならない叫びを上げ、段々と意識が遠くなっていくのを感じながらも、エリオに向かってゆっくりと手を伸ばす。

 

 

「(オレ…は……まだ……レク…ター……)」

 

 

だがその手はエリオに届く事はなく……地面にパタリと落ちると同時に、今度こそ意識を手放したのであった。

 

 

妖精の尻尾:90P→91P

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に最後のポイントが追加され、今までの戦いの光景を見ていた会場がシン…と静寂に包まれる。

 

 

そして次の瞬間……

 

 

 

『決着!!!! 大魔闘演武優勝は……妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!!!!』

 

 

 

チャパティの優勝宣言と共に、はち切れんばかりの大歓声が一気に会場を支配した。

 

 

観客たちは優勝した妖精の尻尾(フェアリーテイル)に惜しみない拍手と歓声を送り…ついに念願の優勝を果たした妖精の尻尾(フェアリーテイル)のメンバーたちは声を大にして喜び合ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「……んっ…ううん……?」

 

 

「あ、起きた? スティング」

 

 

「……ヴィヴィオ? 痛っ」

 

 

エリオに敗れ、意識を失っていたスティングは意外と早く気がついた。そして目が覚めた彼の視界に最初に映ったのは何故か自分の顔を覗き込んでいるヴィヴィオの顔であり、その事に疑問符を浮かべながら全身に走る痛みに顔を顰める。

 

 

「オレは……」

 

 

そして徐々に意識がハッキリしてきたスティングは倒れながら辺りを見回すと、そこにはヴィヴィオだけでなく自分を倒したエリオや、エルザやグレイ…ラクサスにはやてにガジルなど、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々が勢ぞろいしていた。その光景と自分の有様を見て、ようやく今の状況を理解する。

 

 

「ああ…そうか……オレは負けたんだな」

 

 

自身が敗北したという事実……それを認識したスティングは自身の顔を片手で覆う。

 

 

「情けねーなァ…あんだけ大口叩いておいて、ナツさんどころかエリオにも勝てやしねぇ……カッコ悪ィなぁ……オレ」

 

 

悔しげにそう呟くスティングの顔は、覆われている彼自身の手で見る事はできないが、その手の隙間からは一筋の涙が伝っていた。

 

 

「そんな事ないよ」

 

 

「!」

 

 

そんなスティングにそう告げたのは、未だに彼の顔を覗き込んでいるヴィヴィオであった。

 

 

「ナツさんの時も、エリオの時も、スティングはレクターの為に全力で戦ってた。全力を尽くして戦った人がカッコ悪いなんて事あるわけないよ……むしろカッコよかったよ、スティング」

 

 

「ヴィヴィオ……」

 

 

満面の笑顔を浮かべながらそう言ってくれるヴィヴィオの言葉を聞いて、呆然と彼女の笑顔を見つめるスティング。

 

 

因みにこの時、スティングは気づいていないが……ヴィヴィオは倒れているスティングの頭を自身の膝の上に乗せている体勢……いわゆる〝膝枕〟状態なのである。

 

 

「どうでもいいが、あいつらいつまであの体勢なんだ」

「ギヒヒ…気になんなら止めて来いよ、お父さん」

「誰がお父さんだテメェ!!!」

「まぁまぁグレイさん、ヴィヴィオも年頃なんやから」

「初々しい限りではないか」

「そうですよ、ここは優しく見守っておきましょう」

「意外と親バカなんだな」

 

 

その後ろでグレイたちが本人たちに聞こえないようにこんな会話をしていたのは余談である。

 

 

「けど……こんなんじゃレクターに会わせる顔がねえ」

 

 

そう言って暗い表情を浮かべるスティング。

 

 

「いや…どの道レクターには会えねえのかもしれねぇ……勝てば会えると思ってたのに……エリオと戦ってる途中で、何故か…会えない気がしてたんだ……自分でもわからない……エリオやお前たちが眩しすぎて……今のオレじゃ…会えない……って……」

 

 

「会えるよ」

 

 

震える声でそう語るスティングに対し、まっすぐとそう言い放つヴィヴィオ。すると……

 

 

「エルちゃーーん!」

 

 

「ミリアーナ」

 

 

ミネルバから受けたダメージから回復したミリアーナがその場にやって来た。

 

 

そんなミリアーナが腕に抱えていたのは……ミネルバによって別の空間へと閉じ込められていたハズのレクターであった。どうやらミリアーナが解放された際に一緒にくっついて来ていたらしい。

 

 

それを見たスティングは、大きく目を見開きながら体中に走る痛みなど無視して起き上り、おぼつかない足取りで一目散にレクターに向かって駆け出す。

 

 

そんなスティングの姿を確認したレクターも、ミリアーナの腕を飛び出して彼に向かって走り出す。

 

 

「レクター!!!!」

 

 

「スティング君!!! スティング君!!!!」

 

 

「レクター!!! ああっ!!!!」

 

 

そして……スティングとレクターはお互いに涙を流しながら強く抱きしめ合い、再会を果たしたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「FT!!!」「FT!!!」「FT!!!」

 

 

『この大歓声!!!! 最強ギルド妖精の尻尾(フェアリーテイル)完全復活ー!!!!』

 

 

『よかったねぇマー坊』

 

 

『最終日を無敗で乗り切るなんて』

 

 

一方で会場では、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の優勝を称える歓声が未だ鳴りやまないでいた。

 

 

「すごいわねぇ」

 

 

「ああ……敵わんな」

 

 

「はい、完敗です」

 

 

「やれやれ、見事にやられたよ」

 

 

「ごめんね、リオン君」

 

 

「あっぱれ」

 

 

「さすが…の一言だな」

 

 

「ま…天狼組の復帰祝いって事で」

 

 

「大きなプレゼントになったね」

 

 

「優勝おめでとう」

 

 

人魚の踵(マーメイドヒール)蛇姫の鱗(ラミアスケイル)青い天馬(ブルーペガサス)の面々も妖精の尻尾(フェアリーテイル)に賞賛の言葉を送ったのであった。

 

 

「フェアリーテイルすごい!!」

 

 

「ああ」

 

 

「そうですね」

 

 

彼らの優勝の様子を魔水晶映像(ラクリマヴィジョン)で見届け、フロッシュの言葉に同意して頷くローグとアインハルト。

 

 

「負けたのにこんなに気分が晴れたのは初めてだ」

 

 

「はい。死力を尽くして戦った後というのは、こんなにも晴々とするものなのですね」

 

 

そんなローグとアインハルトの表情は、まるで憑物が落ちたかのように清々しいものとなっていた。

 

 

「フロッシュ、アインハルト。オレは…仲間を大切にする男になりたい」

 

 

「素敵です。私も…もっと強くなります。今度は自分の為だけじゃなく……仲間の為に」

 

 

「フローもそーもう!」

 

 

ローグとアインハルトは新たなる目標を胸に秘め……フロッシュと共に3人で笑い合ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「終わったな」

 

 

「ひとまず大会はなぁ」

 

 

「信号弾を見た者は?」

 

 

「いや」

 

 

「見てねえな」

 

 

「僕もです」

 

 

ルーシィを救出したら上げる手筈になっているハズの信号弾がまだ上がっていない。もしや何かあったのかとエルザたちの胸に不安がよぎる。

 

 

「あの…さ」

 

 

「辛気臭ェ顔すんじゃねーよ」

 

 

「もー!! ガジルさん!!」

 

 

涙を拭いながら話しかけてきたスティングに何故かガジルが怒鳴り、そんなガジルにヴィヴィオが目くじらを立てる。

 

 

「いや…何でナツさん、出場してなかったの?」

 

 

「何かあったんですか? ナツさんに」

 

 

スティングとレクターのそんな問い掛けに、エルザたちは言い辛そうにして口を噤んだのであった。

 

 

「(無事なのか、ナツ…ティアナ…ルーシィ)」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃……大魔闘演武の結末を見届けたヒスイとダートンは、地下へと続く階段を降りている。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の全員無敗による優勝」

 

 

「誰も予想できなかった未来を言い当てた。やはりあの方は正しかった」

 

 

毎年最下位の弱小ギルドであった妖精の尻尾(フェアリーテイル)がまさかの全員無敗での優勝……それによりヒスイは、その未来を言い当てた未来人の言葉は全て真実だと判断した。

 

 

 

 

 

「これより人類の存亡をかけた戦いが始まります。エクリプス2改め、エクリプスキャノンを地上へ」

 

 

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)優勝の裏で……世界の未来をかけた作戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

つづく

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