LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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大魔闘演武を優勝した次の話にコレを書くっていうのは結構辛い…(-_-;)


感想お待ちしております。


扉を閉める者

 

 

 

 

 

 

大魔闘演武最終日……1日を通して繰り広げられた数々の激戦がついにその幕を閉じた。

 

 

そしてその栄冠を手にしたのは、最終日の戦いを全員無敗で勝ち残った妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

 

見事再び最強ギルドの座に返り咲いた妖精の尻尾(フェアリーテイル)に、これまで戦ったギルドや観戦していた観客たちは惜しみない祝福と賞賛を送ったのであった。

 

 

しかしその頃……二正面作戦にてルーシィ救出の為に城に潜入したナツたちは……

 

 

「何…コレ!!」

 

 

「私の植物よ!! かわいいでしょ」

 

 

「ウェンディー!!!」

 

 

「人の心配をしている場合ではないですよ」

 

 

「くっ…この!!」

 

 

「パンパーン! ジュワー!」

 

 

「しまった!! 体が……」

 

 

「元に……!!」

 

 

「終わりだ」

 

 

「ホラ!! 処刑されちまいなっ!!」

 

 

「このままじゃ体力も魔力も持たないわよ!!」

 

 

「どうする!?」

 

 

「諦めろ罪人よ!!!」

 

 

「もー怒った!!! 処刑だ!!!! 全員まとめて処刑だぁーー!!!!」

 

 

数多くの王国の兵隊や餓狼騎士団と戦っていたが、さすがに多勢に無勢。彼らは劣勢に追いやられていた。

 

 

だがその時……

 

 

「タイターイ! タ……!」

 

 

「何だアレ?」

 

 

「影?」

 

 

突然、処刑人ウオスケの影が奇妙な動きをし始め、それを見たハッピーとシャルルが疑問符を浮かべる。

 

 

「うわー!!」

「ぎゃー!!」

 

 

「!」

 

 

すると今度は、王国兵の群生の後ろから悲鳴のようなものが聞こえてくる。

 

 

「うわぁ!!!」

「何だコレェ!!」

「ひいぃぃ!!」

「ぐあああ!!」

「何事!?」

「影が人を飲み込んで……」

 

 

見ると、地面に広がる巨大な黒い影が王国兵を次々と飲み込んでいく光景が広がっていた。

 

 

「何なのよコレ……!?」

「ちょ…やっ……!!」

「一体何が…!?」

「ぬおおおっ!!」

「ターイ!」

「パーン!」

 

 

さらに大きく広がったその影は餓狼騎士団をも飲み込んでいき、最終的にはナツたち以外の全ての人間を飲み込んでしまったのであった。

 

 

「何よ…コレ……」

 

 

「どうなってんだ!?」

 

 

「王国兵がみんな…」

 

 

「影の中に」

 

 

その余りにも言葉にしがたい光景に、ただただ愕然ナツたち。そして王国兵を飲み込んだ影が消えると、跡には黒いモヤのようなものが残る。

 

 

するとそのモヤの中から……1つの人影が見えた。

 

 

「誰かいるぞ!!」

 

 

「ルーシィたちは下がって!!」

 

 

「気をつけて!!」

 

 

警戒心を露にしながらモヤに映る人影を見据えるナツたち。

 

 

そしてモヤの中からは、1人の人物が口元に不気味な笑みを浮かべながら現れた。

 

 

その人物に対して、ナツが静かに問い掛ける。

 

 

「お前──誰だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第214話

『扉を閉める者』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……地下から地上へと移動されたエクリプスの扉。その扉の前には甲冑に着替えたヒスイと付き人のダートンを筆頭に、数多くの兵士が集まっていた。

 

 

「姫!!」

 

 

「アルカディオス様!」

 

 

「ぬ」

 

 

「ご無事でしたのね!」

 

 

そこへ、白き百合の鎧を身に纏ったアルカディオスが合流した。

 

 

「大佐…奈落宮の件は……その……私の一方的な偏見によるもので…」

 

 

「その話はもう忘れましょう。ここに集まっているのは、すでにエクリプス2の事を知っている者たちですか?」

 

 

「ええ……今、全ての兵に情報共有させています。早く餓狼騎士団にも伝わるとよいのですが。あの未来から来た方の言葉は真実でした。これよりエクリプス計画は第2計画に移行します」

 

 

「ゼレフ卿を消滅させる為の第1計画は破棄なさるのですか」

 

 

「いいえ、今は目の前の脅威を取り除くのです」

 

 

ヒスイのその言葉を聞くと、アルカディオスは突然腰に差していた剣を抜き始めた。

 

 

「何を!!!」

 

 

「我が主君の言葉を疑うなど、騎士道にあってはならぬもの。あなたの言葉が正しい時、私はこの命を捨てましょう」

 

 

そう言うと、アルカディオスは抜いた剣をヒスイの手に握らせて、その切っ先を何と己の首元に当てた。

 

 

「一瞬でも我が主君を疑った不名誉と共に──私は死ぬ覚悟です」

 

 

そんな強い覚悟を孕んだ言葉でまっすぐとそう言い放ったアルカディオスに、ヒスイは言葉を失った。

 

 

「貴様…血迷ったのか!?」

 

 

「姫…真実を語ってください」

 

 

「アルカディオス様…これは一体……」

 

 

「私は姫の言う未来人に会いました。エクリプス2の事など知らなかった。これから起こる事は知っていたが、対処法が無いと涙を流した」

 

 

「いいえ…あの方はハッキリと対処法を私に示しました」

 

 

「ではその未来人がウソをついていると!? 私には彼女が仲間を騙して得する事が思い浮かばない!!」

 

 

「彼……女?」

 

 

「!!」

 

 

アルカディオスの言い放った言葉に違和感を感じたヒスイは、震える声で驚くべき真実を口にした。

 

 

 

 

 

「私に助言をした未来人は──男性の方でした」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「!!」

 

 

「ジェラール?」

 

 

「オレはこんな単純な事を見落として……」

 

 

「どうかしたの?」

 

 

クロッカスの街外れ……そこでドラゴンの大群への対処法を考えながら未来ルーシィたちを待っていた魔女の罪(クリムソルシエール)の3人。

 

 

すると突然何かに気がついたかのように顔を上げたジェラールに、ウルティアとメルディが問い掛けると、ジェラールは自身が気づいた不審な事を語り始めた。

 

 

「未来のルーシィは7月4日に来たと言った。しかし実際には3日の24時」

 

 

「毎年…謎の魔力を感知してるのに、やって来たのは最近?」

 

 

「いや…7年間我々が感知していた魔力の正体は〝エクリプス〟で間違いない。今年はそれが…〝人間〟だった。エクリプスというゼレフ書の魔法を使って未来からやって来た為、ゼレフに似た魔力が体に残留してしまったんだ。もし…未来から来たルーシィの話を全て信じるなら、ルーシィが来たのは3日の夜…ならば……7月3日の〝夕刻〟に見たルーシィは……」

 

 

ジェラールは1度、未来ルーシィに接触する前にゼレフに似た魔力を持つ人影を目撃している。だがその目撃した時間と、未来ルーシィがやって来た時間ではつじつまが合わない。

 

 

だとすると……考えられる事は1つ。

 

 

「オレが3日の夕刻に見た人影はルーシィではなかった!!! もう1人いたんだ!!! 未来から来た者が……!!!」

 

 

そう叫ぶと、ジェラールは急いでその場から駆け出して街へと向かう。それを追ってウルティアとメルディも走り出す。

 

 

「もう1人いた…って」

 

 

「どういう事!?」

 

 

「そいつもエクリプスを使ったせいでゼレフに似た魔力を帯びている未来人……ルーシィは未来を救う為に来た……もう1人は何の為に来た!!!?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

視点は戻り……ナツたちの前に現れた1人の人物。その人物はナツたちへと歩み寄りながら静かに口を開く。

 

 

「影が伸びる先は……過去か、未来か、人の心か……懐かしいな、ナツ・ドラグニル」

 

 

そしてそう言うとその人物は……静かに己の名を告げた。

 

 

 

 

 

「オレはここより先から来た──ローグだ」

 

 

 

 

 

その人物とはもう1人の未来からやって来た男……未来のローグであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「未来人は2人いた……1人はルーシィ。仲間に未来の危険を伝える為にやって来た」

 

 

「もう1人は姫に危険を伝える為にやって来た」

 

 

「2人とも目的は同じ、この国を救う為に来たのです。仮に3人目4人目がいたとしても、私は驚きません」

 

 

「え?」

 

 

「あなたも騎士ならば剣は向けるべき処へ。私は扉を開きます」

 

 

そう言うと、ヒスイはアルカディオスへと剣を返し、続けざまに強く言い放つ。

 

 

 

「この国を救う為に──私は剣を抜くのです」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ローグ?」

 

 

「あの剣咬の虎(セイバートゥース)の?」

 

 

「未来から来たって言うの?」

 

 

「ルーシィ以外にも…」

 

 

「なんで……?」

 

 

「王国兵を一掃して、助けてくれたのかい?」

 

 

「っていうか、何か雰囲気変わったわね」

 

 

ティアナの言う通り、未来から来たというローグは現代の彼とは容姿が異なり……頭の左側が長い白髪になってそれをポニーテールで纏めており、右目から鼻までに大きな傷ができて隻眼になっていた。

 

 

「何しに来たの? 未来から」

 

 

「扉を開く為」

 

 

「エクリプスの事!?」

 

 

「エクリプスには2つの使い道がある。1つは時間移動。もう1つは攻撃用兵器、(エクリプス)・キャノン。1万のドラゴンを倒せる唯一の手段」

 

 

「(1万のドラゴンを倒せる!!?)」

 

 

未来ローグのその言葉を聞いて、未来ルーシィは大きく目を見開く。

 

 

「じゃあ話は早ェな、味方って事じゃねーか」

 

 

「やったー!! ドラゴンを倒せるんだね!!!」

 

 

「未来は救われるんですね!!!」

 

 

「いいや…話はそんなに単純ではない」

 

 

ドラゴンを倒せると聞いて、未来が救われると喜ぶナツたちだが、未来ローグは横に振りながら静かに口を開く。

 

 

「オレは今から7年後の未来から来た。7年後……世界はドラゴンによって支配されている。生き残っている人類は1割にも満たない。もちろんエクリプスも現在ほどの力を持っていない」

 

 

7年後のドラゴンが支配し、人類がほとんど死に絶えた時代……その話を聞いて、ナツたちは驚愕しながら息を呑む。

 

 

「今ここでドラゴンを止めなくば、この世界は終わる」

 

 

「だからエクリプスの扉を開いて、(エクリプス)・キャノンで1万のドラゴンを撃つんでしょ?」

 

 

「単純じゃねーか」

 

 

「しかし7年前……つまり〝現在〟扉を開くのを邪魔する者がいた。そいつのせいで扉は開かなかった。1万のドラゴンに向かい、(エクリプス)・キャノンを発射できなかった。世界を破滅へと導く者がいた。オレはそいつを抹殺する為に、ここにいる」

 

 

ティアナとナツの言葉に対してそう言い放つ未来ローグ。その言葉にシャルルとリニスが反論する。

 

 

「物騒ね、その人にも事情を話せば邪魔なんかしないんじゃないかしら」

 

 

「そうですよ、何も殺す必要はありません」

 

 

「大きな〝時〟の接合点では、言葉で行動を制御できない。たとえ今説得できたとしても…そいつは必ず扉を閉める。そう決まっているのだ」

 

 

「決まっている?」

 

 

「運命からは逃げられない。生きる者は生き、死ぬ者は死ぬ、扉を閉める者は閉めるのだ。たとえ何があっても、生きている限り」

 

 

そう語る未来ローグの言葉に彼以外の全員が顔をしかめる中、ユーノが1歩前に出て彼に問い掛ける。

 

 

「君の言う運命とかは置いといて、その肝心の扉を閉める者っていうのは一体誰なんだい?」

 

 

「お前だ──ルーシィ・ハートフィリア!!!!」

 

 

すると次の瞬間……突然未来ローグは剣を模った影を放ったのであった。

 

 

「え?」

 

 

「ルーシィ!!!」

 

 

「危ないっ!!!」

 

 

あまりにもいきなりの事でルーシィは動けず、ナツやティアナたちも反応が遅れて対処が間に合わなかった。

 

 

そしてルーシィに影の剣が当たるかと思われたその時……ルーシィと剣の間に未来ルーシィが飛び出し、彼女を庇ったのだった。

 

 

「がはっ!!」

 

 

そのまま影の剣は未来ルーシィの胸に深く突き立てられ、未来ルーシィは血反吐を吐いてその場に倒れる。

 

 

「ちょ…ちょっとアンタ…!!!」

 

 

「「ルーシィーーー!!!!」」

 

 

「ルーシィが2人だと!?」

 

 

倒れた未来ルーシィにユーノとハッピーが駆け寄り、ルーシィが2人いた事に驚愕する未来ローグ。

 

 

「しっかりして!!」

 

 

「ルーシィ!!!」

 

 

「あたし……扉…なん…て……閉めて……ない…い」

 

 

「わかってる!!! あたしはそんな事絶対にしない!!! 何で自分を庇ったの!?」

 

 

「あんたの方が……過去の……あたし……だ…から……あんたが死んじゃう……と…どうせ…あたしも消えちゃうの……自分に……看…取られて…死ぬの…て……変な…感じ……」

 

 

「あたしだって変な感じだよ!!! 死なないで!!!」

 

 

「もう…いいの……二度と会えないと思ってた…みん…なに…もう1度会え…た…あた…しは…それだけで…幸せ……」

 

 

胸や口から血を流しながらそう言い放つルーシィの目には涙が溢れていたが、その顔には満足そうな笑顔が浮かんでいた。

 

 

「ルーシィ…やだよォ……死なないでよ……」

 

 

「あたし…は…この時代…ううん……この世界の人間じゃ…ない。この世界のあたしは……仲間と一緒に…生きていく……悲しまないで……」

 

 

「悲しいよっ!!! どこの世界から来ようと……誰が何と言おうとルーシィはルーシィだよ!! 仲間なんだよぉっ!!!! 悲しいに決まってるじゃないか!!!!」

 

 

そう言って泣き叫びながら未来ルーシィにすがり付くハッピーの頭を、未来ルーシィは優しく撫でる。

 

 

「ルーシィ……」

 

 

「ユー…ノ……」

 

 

すると、ユーノへと視線を向けた未来ルーシィは、ゆっくりと彼に向かって口を開く。

 

 

「あな…たが……あたしの話を…信じて…くれた時……本当に…嬉しか…た……やっぱ…り……どこの世界…でも……ユーノはユーノ……あたしの……大…好き……だった…人……」

 

 

「っ…ルーシィ……!! 僕は…君を守れなかった……!!」

 

 

「いいの……気に…しないで……未来のあたし…より……現代(いま)のあたしを……守ってあげて……」

 

 

地面に膝をついて目から大粒の涙を流しながら懺悔するようにそう口にするユーノに対して、未来ルーシィは精一杯の笑顔を浮かべてそう言った。

 

 

「ねえ……ギルドマーク見せて」

 

 

「え?」

 

 

未来ルーシィの頼みにルーシィは疑問符を浮かべながらもギルドマークが刻まれた自身の右手を彼女に差し出すと、未来ルーシィはその手の紋章を愛おしそうに撫でる。その時、ルーシィはある事に気付いた。

 

 

「あんた……右手……」

 

 

本来彼女にもあるハズの紋章を刻んだ右手が……なかった。ギルドの仲間の印であるマークが、右手ごと無くなっていたのだ。

 

 

「もっと……冒険したかった…な」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「未来を……守って……」

 

 

 

 

 

その言葉を最後に……未来ルーシィは静かに息を引き取ったのであった。

 

 

ルーシィが死んだ──未来から来た人物であろうと、目の前で仲間を失ったという事実に……ティアナも、ハッピーも、ユーノも、ウェンディも、ロキも、全員が悲しみ……涙を流したのであった。

 

 

「扉を閉めた自覚が無かった…」

 

 

「何が扉よ!!!! あたしはそんな事絶対しない!!!! なのに……!!」

 

 

「今は……な。だが……数時間後にはお前は扉を閉める」

 

 

「あたしは扉なんか閉めない!!!! めちゃくちゃな事言ってアンタ……何が目的なの!!?」

 

 

「扉は閉まる、そう決まっている。お前が生きている限り」

 

 

「未来のあたしが閉めないって言ったんだ!!!! あたしは自分を信じる!!!!」

 

 

「お前の言葉に真実など無い!!!! 全ては運命によって決まっている事だ!!!!」

 

 

強くそう言い放ちながら未来ローグは再びルーシィへと攻撃を放とうとする。

 

 

だがその時……

 

 

 

「運命なんか焼き消してやる!!!! ルーシィの未来は誰にも奪わせねえぞォ!!!!!」

 

 

 

ナツの怒りの一撃が未来ローグを殴り飛ばしたのであった。

 

 

―未来を守って―

 

 

そして静かに涙を流すナツの脳裏に反響するのは、未来ルーシィが最後に残したその言葉。

 

 

 

 

 

「約束する」

 

 

 

 

 

未来の仲間との約束を守る為……ナツは戦うのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「っ……待てっ!!!」

 

 

「!?」

 

 

「どうしたの!? ジェラール」

 

 

一方その頃…未来から来た者がもう1人いる事に気がついた魔女の罪(クリムソルシエール)の3人はクロッカスの街へと向かっていた。

 

 

だがその途中で、突然ジェラールが足を止めたのだった。

 

 

「オレは……大切な事を忘れていた……!!!」

 

 

「大切な事?」

 

 

「未来のルーシィが来たのは3日の夜……もう1人の未来の人物が来たのは3日の夕刻」

 

 

「それがどうかしたの?」

 

 

ジェラールの言葉に疑問符を浮かべるウルティアとメルディ。そんな2人にジェラールは、忘れていた重要な事を言い放った。

 

 

 

「オレはそれ以前──7月1日の夕刻にもゼレフに似た魔力を感じていたんだ!!!!」

 

 

 

「「!!?」」

 

 

そう……ジェラールは7月1日──正確には大魔闘演武3日目のタッグバトルの際に、ゼレフに似た魔力を感じ取っていたのだ。

 

 

「それって……」

 

 

「まさか……!!」

 

 

「ああ……オレの推測が正しければいるハズだ──3人目の未来から来た者が!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は移り……クロッカスにある街全体を見渡せる高台。

 

 

「大魔闘演武優勝は妖精の尻尾(フェアリーテイル)……ここまではオレの知る未来通りだ」

 

 

そこには高台の上に立って街を見下ろしている1人の人物がいた。

 

 

「どうやらローグも動き出したようだな。とすると…数時間後にはエクリプス2計画が始まる」

 

 

その人物は真っ黒なローブとフードで頭の上から足の爪先まで全身をすっぽりと覆い隠し、唯一露出している顔の部分にも仮面をつけていた。口調からしておそらく男であろう。

 

 

「扉が開かれた時より、未来は大きく分岐する。だが…どう転ぼうがこの世界の未来の行く末は決まっている」

 

 

仮面の男は静かにそう呟くと、視線を華灯宮メルクリアスへと向ける。

 

 

 

「そろそろ始めよう──新たな未来を造り出す為に」

 

 

 

そう言うと、仮面の男はその場から文字通り姿を消し……誰もいなくなったその場所を、夜空に浮かぶ赤い月が照らしていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1万のドラゴンから未来を守る為に扉を開こうとするヒスイの決意。

 

 

扉を閉める者としてルーシィの命を狙う未来から来たローグの真意。

 

 

未来ローグに殺された未来ルーシィとの約束の為に戦うナツの意志。

 

 

そしてルーシィとローグに続く3人目の未来から来た謎の仮面の男。

 

 

 

 

 

様々な願いと思惑が交差し……今ここに未来を賭けた壮絶な戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

つづく




最後に登場した謎の人物がしている仮面は、原作リリなのA'sのリーゼ姉妹が変装時に身に着けていたモノと同じです。


あとこれだけは言っておきます。決してオリキャラではありません。
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