LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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なんか書いてたらテンション上がっちゃって、もう1話完成したので投稿します。

そしてサブタイから想像できる通り、今回からついに奴等が参戦です!!!

感想お待ちしております!!!


NINE DRAGON

 

 

 

ついに開かれたエクリプスの扉。しかしそこから現れたのはドラゴンを一掃する兵器ではなく……400年前からやってきたドラゴンそのものであった。

 

 

「扉からドラゴンが溢れてくる!」

 

 

「早く止めなければ、次々とドラゴンが!!!」

 

 

「ルーシィ!!! 早く扉を閉めてー!!!」

 

 

「うぎぃぃぃいいいい!!!」

 

 

扉を閉める為に、星霊魔導士であるルーシィがその横にある台座のトリガーを力一杯引っ張るが、扉はピクリとも動かない。

 

 

「ダメ!! 扉が閉まらない!!!」

 

 

「ルーシィだけじゃ、星霊魔導士としての力が足りないんだ!!」

 

 

どうやらルーシィだけでは扉を閉めるのは不可能らしい。

 

 

「私がいます!!!!」

 

 

「ユキノ!!!」

 

 

「ミラさん!!!」

 

 

するとそこへ、もう1人の星霊魔導士であるユキノがミラジェーンと共に駆け付けた。

 

 

「ルーシィ様!! 黄道十二門の鍵を出してください!!! 私の鍵と合わせて、十二の鍵で扉を封じます!!」

 

 

「星霊で!?」

 

 

「ルーシィ様!!!」

 

 

「わかった!!」

 

 

ユキノの言葉に従い、ルーシィは十本の黄道十二門の鍵を…ユキノは二本の鍵を空中に放る。

 

 

すると十二の鍵が円の形になるように1つに集まり、金色の輝きを放つ。

 

 

「「黄道十二門の星霊たちよ、悪しきものを封じる力を貸して!!!」」

 

 

ルーシィとユキノはお互いに手を取り合い、祈るように詠唱の言葉を口にする。

 

 

「開け──十二門の扉!!」

 

 

そして……

 

 

 

「「ゾディアック!!!!」」

 

 

 

2人が魔力を解放した瞬間……黄道十二門の星霊が、2人の周りを囲むように現れた。

 

 

「すごい……!!」

 

 

「黄道十二門の星霊が…集まった!!!」

 

 

星霊魔法の鍵の中でもたった12本しか存在しない黄道十二門の鍵。その鍵から召喚される十二の星霊が一堂に会した光景に、ティアナとユーノは思わず感嘆の声を上げた。

 

 

「お願い」

 

 

そしてルーシィが星霊たちにそう呟いた瞬間、星霊たちはそれに応える様に一斉に扉へと向かって飛んで行き、それぞれ6体ずつ左右の扉に分かれて閉め始めた。

 

 

そのまま扉はゆっくりと閉まっていき……ガコォォォオンっという音と共に扉は閉じられたのであった。

 

 

「閉じた!!!」

 

 

「オオオーー!!!」

 

 

「やったぞーー!!!」

 

 

「喜ぶのはまだ早い!!! 何頭のドラゴンが出てきた!!?」

 

 

「9頭です!!!!」

 

 

扉が閉まった事に喜ぶ一同だが、すでに扉から9頭ものドラゴンが出てきてしまった事には変わりなかった。

 

 

「やってくれたなルーシィ、ユキノ」

 

 

「だが少し遅かったようだな」

 

 

「「!!」」

 

 

するとそこへ、未来ローグと仮面の男が現れた。

 

 

「ローグ……様?」

 

 

「アンタ……ナツはどうしたのよ!!?」

 

 

「ナツ・ドラグニルならオレが始末した。あんな男に構っていられるほどヒマではなかったのでな」

 

 

「何ですって……!!」

 

 

ナツを始末したと言い放った仮面の男を、ティアナはキッと鋭い目つきで仮面の男を睨んだ。

 

 

「アンタ…何者よ?」

 

 

「オレか? そうだな、お前たちから見れば……3人目の未来人と言ったところか」

 

 

「3人目!!?」

 

 

「ルーシィやローグの他にもう1人!!?」

 

 

仮面の男が3人目の未来人と聞いて、ティアナだけでなくルーシィたちも驚愕する。

 

 

「だが、オレの事など気にしている余裕はないのではないか?」

 

 

「その通りだ。少し予定とは違ったが、9頭もいれば十分。正直1万は制御しきれん」

 

 

「何の話?」

 

 

「あの方は……私に未来を告げた……」

 

 

「奴が姫を騙した未来人!!?」

 

 

「仮面をした奴は…どう見てもローグの仲間だよね」

 

 

「あんた……まさか最初からそれが目的で……」

 

 

ルーシィや他の面々がそう言うのに対し、未来ローグは不気味な笑みを浮かべる。

 

 

「よく聞け愚民ども」

 

 

そう言って未来ローグが両手を広げると、彼の頭上に9頭のドラゴンが終結する。

 

 

 

 

 

「今より人の時代は終わりを告げる──これより始まるのはドラゴンの時代」

 

 

 

 

 

そして未来ローグは9頭のドラゴンを従えて、高らかにそう宣言したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第216話

NINE(ナイン) DRAGON(ドラゴン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手始めにこの街にいる魔導士どもを、皆殺しにしてこい」

 

 

未来ローグがそう命令すると、ドラゴンたちはそれに従って街の方々へと散って行った。

 

 

「ドラゴンがアイツのいう事を聞いた!!?」

 

 

「さっき制御とか言ってたが……まさか」

 

 

(ドラゴン)を支配する秘術……操竜魔法」

 

 

(ドラゴン)を支配……」

 

 

「そんな魔法…聞いた事が……!!」

 

 

ドラゴンを支配して従わせる魔法……そんなとてつもない力を持った魔法の存在に、ユーノは目を見開く。

 

 

「あいつの目的は何なの!?」

 

 

「わ……わかりません」

 

 

「けど、とんでもない事を考えてるってのは何となくわかります」

 

 

「こんな事に何のメリットが……」

 

 

未来ローグの目的がわからず、困惑するティアナたち。そんな彼女たちを他所に、未来ローグは1頭のドラゴンの手に乗ると、もう1頭のドラゴンに命令を下す。

 

 

「ここはお前に任せるぞ──ジルコニス」

 

 

「ははは……美味そうな人間どもだ」

 

 

「あいつは……」

 

 

「ドラゴンの墓で会った」

 

 

「ジルコニス…」

 

 

「そんな……」

 

 

そのドラゴンとは、ティアナやウェンディたちが闘技場の地下のドラゴンの墓場で魂として出会ったドラゴン……翡翠竜ジルコニスであった。

 

 

「やれやれローグめ、しばらく好きに暴れるつもりか……む?」

 

 

ドラゴンの背に乗って飛んで行った未来ローグを見据えながら、そう言葉を漏らす仮面の男。すると彼に向かって、数発の魔法弾が飛来する。

 

 

「おっと」

 

 

仮面の男はその魔法弾を後ろに飛んで難なく回避する。

 

 

「お前か」

 

 

そして先ほどの魔法弾を放った張本人……ティアナに視線を向ける。そしてティアナはクロスミラージュの銃口を向けたまま、仮面の男に向かって問い掛ける。

 

 

「アンタは何者よ? 未来から来たって事は、私たちの知ってる人?」

 

 

「さぁな。自分の名前など、この時代に来る前に捨ててしまった」

 

 

ティアナのその問いに対し、仮面の男は肩をすくめながらそう答える。

 

 

「だが……そうだな。確かに名前がないといささか不便ではある。あえて名乗るとするならば……」

 

 

そう言うと仮面の男は右腕の袖の部分を顎へと持っきて「ふむ…」と考えるような仕草を見せる。そして……

 

 

 

「全てを捨て…全てを失った者──〝ロスト〟──というのはどうだ?」

 

 

 

仮面の男……ロストはそう名乗ったのであった。

 

 

「ふむ…即興にしてはいい名だ。そう思わないか?」

 

 

「名前なんてどうでもいいわ。どうしても答える気がないなら……そのふざけた仮面を叩き割って、自分で確かめてやる」

 

 

ティアナはそう言い放つと、ロストへと向けていたクロスミラージュの引き金を引いたのであった。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「来たーーー!!!」

 

 

「ドラゴンだーーーっ!!!」

 

 

「体が炎でできてる!!!」

 

 

その頃…中央広場を警護していた妖精の尻尾(フェアリーテイル)の前には、全身が燃え盛る炎で出来たドラゴンが降り立っていた。

 

 

「かかれーーーーっ!!!!」

 

 

マカロフの号令と共に攻撃を仕掛けようとする妖精の尻尾(フェアリーテイル)だが……

 

 

「我が名はアトラスフレイム──貴様等に地獄の炎を見せてやろう」

 

 

炎のドラゴン……アトラスフレイムはそう言い放つと同時に、口から噴き出した灼熱の業火のブレスで妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々を吹き飛ばしたのであった。

 

 

そしてドラゴンとの戦いが始まったのは妖精の尻尾(フェアリーテイル)だけではない。

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)総攻撃だーーー!!!!」

 

 

「「「オオオ!!!!」」」

 

 

額と顎に角を生やし、鋏のような形状をした頭部を持つドラゴンに立ち向かっていく剣咬の虎(セイバートゥース)

 

 

「本物のドラゴン!!!!」

 

 

「怯むな!! 今こそ青い天馬(ブルーペガサス)の力を見せる時!!」

 

 

「「「オオ!!!」」」

 

 

岩のような体を持ったドラゴンと相対する青い天馬(ブルーペガサス)

 

 

「手数で圧倒するんだ!!!!」

「ありったけの魔力をぶつけろ!!!!」

「押せーーー!!!!」

 

 

その他にも様々な魔導士ギルドがドラゴンとの戦闘を開始して、一斉に魔法による総攻撃を仕掛けていった。

 

 

しかし……

 

 

「どうなってるの!?」

 

 

「これだけの魔導士が一斉に攻撃してるのに…」

 

 

「攻撃がまったく効かない!!」

 

 

「こんなに鱗が硬いとは……!!!」

 

 

「人はドラゴンを倒せるものなのか……」

 

 

リオンやギンガ、カグラやアミタなどの腕利きの魔導士…さらには聖十の称号を持つジュラの攻撃でさえも、ドラゴンにキズ1つつける事ができなかった。

 

 

人間とドラゴンの戦いは……人間たちが圧倒的に不利であった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「いいぞ!!! その調子だ!!!! もっと暴れろ!!!! ドラゴンの怒りを見せてみよ!!!!」

 

 

その光景を、ドラゴンの背に乗った未来ローグが高らかにそう言いながら眺めていた。

 

 

「!」

 

 

するとそんな彼の目に、街の建物の上に立つ…1人の男を見つけた。その男とは……

 

 

「ナツ・ドラグニル」

 

 

ボロボロの傷だらけの姿になろうとも、闘志の篭った瞳で未来ローグを見据えているナツであった。

 

 

「死にぞこないが…やれ」

 

 

それを見た未来ローグは、ドラゴンに命令してナツを襲わせる。そしてそのドラゴンはナツが立っていた建物を粉々に噛み砕くが、ナツはそれをうまく回避してドラゴンの上に乗ると……そのまま炎を纏って未来ローグに殴り掛かる。

 

 

未来ローグは影となってそれを軽々と回避すると、そのままナツの後ろに回り込んで攻撃を加えようとする。

 

 

しかしそれを察知したナツは両足から炎を噴出し、その炎を背後にいた未来ローグに浴びせた。しかしその攻撃によって未来ローグへのダメージは無いに等しかった。

 

 

「うあっ!!」

 

 

すると、ドラゴンが背中にいるナツを振り下ろそうと、体を横にして飛行し始める。それによってナツは転げ落ちそうになるが、何とか鱗に掴まって落下を免れる。

 

 

「街を見ろ」

 

 

「!!」

 

 

足元の影を鱗に縫い付けて普通に立っている未来ローグがそう言うと、ナツは街の方へと視線を向ける。そこには、街がドラゴンの圧倒的な力によって破壊されている光景が広がっていた。

 

 

「もう何をしようが手遅れ。終わりだ」

 

 

「お前の目的は何なんだ」

 

 

ナツのその問い掛けに対し……未来ローグは不気味に笑いながら答えたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「体勢を立て直せ!!!!」

 

 

「みんな無事か!?」

 

 

「なんだよアレ!! アクノロギアと変わんねーほどギガ強えじゃねーか!!」

 

 

「アレよりはマシや」

 

 

アトラスフレイムの攻撃に何とか耐え切り、立ち上がる妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

 

「我が一撃をくらい生きている!? 魔導士か!?」

 

 

「ただの魔導士ではないぞ──家族の絆で結ばれた仲間たちじゃ!!!!」

 

 

すると、巨人(ジャイアント)によって巨大化したマカロフの拳がアトラスフレイムに叩き込まれた。しかし、燃え盛るアトラスフレイムの炎の体が、逆にマカロフの拳に火傷を負わせる。

 

 

「ぬぐ!!」

 

 

「マスターの巨人の一撃が…」

 

 

「効いていない!?」

 

 

「そんな……」

 

 

マカロフの攻撃にもビクともしない事に、シグナムとザフィーラとシャマルが目を見開く。

 

 

「いかなる力をもってしてもドラゴンには勝てん。人間である限り」

 

 

「ああ!!」

「うあぁ!!」

「がぁ!!」

「きゃあ!!」

 

 

そしてアトラスフレイムはその場で体を旋回させ、その際に生じた風圧で再び妖精の尻尾(フェアリーテイル)を吹き飛ばしたのであった。

 

 

さらに剣咬の虎(セイバートゥース)の方でも、ドラゴンを相手に苦戦を強いられていた。

 

 

「強ェ……」

 

 

「レクター、フロッシュ、下がってろ!」

 

 

「ハイ~」

 

 

「フローも」

 

 

スティングとローグはドラゴンの強さに毒づきながら、非戦闘員であるレクターとフロッシュを下がらせる。

 

 

「私の記憶ではスティングもローグも、幼い頃にドラゴンを殺した事があると言っていたよ」

 

 

「……半分正解だ」

 

 

過去に親であるドラゴンを殺したと言っていたスティング。だがその事実は、白竜(バイスロギア)本人から自分を殺すように言ってきたのだ。最初は拒否したスティングだが、滅竜魔法を習得した証を示す為だと言われ……泣く泣く白竜(バイスロギア)をその手にかけたのであった。

 

 

影竜(スキアドラム)は病に罹っていた。オレは……その……介錯をしたにすぎない」

 

 

「……そういう事だったのですね」

 

 

つまりはスティングもローグも、ドラゴンと戦って殺した訳ではないのであった。

 

 

「本気のドラゴンがこんなに強ェなんて」

 

 

「それでもオレは…仲間を守りたい!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「7年後……世界はドラゴンによって支配されていると言ったのを覚えているか? だがそれは(エクリプス)からやって来たのではない」

 

 

そう前置きをして……未来ローグはナツに対して驚くべき事を言い放った。

 

 

 

「支配者の名はアクノロギア──たった1頭のドラゴンによって世界は支配されている」

 

 

 

それを聞いた瞬間、ナツは大きく目を見開く。

 

 

「戦える魔導士もギルドも存在しない、恐怖に怯える日々。オレはドラゴンを操る秘術を編み出したが、アクノロギアには効かなかった。もはやアクノロギアを倒せるのはドラゴンだけだ」

 

 

「その為にドラゴンを呼んだのか!?」

 

 

「それだけではない。アクノロギアを倒せば──オレがドラゴンの王だ」

 

 

「お前!!」

 

 

「支配する側に回るんだ。ぞくぞくする」

 

 

そう言い放った未来ローグに対して拳を振るうナツだが、その攻撃は簡単に弾かれて、逆に後方へと飛ばされてしまう。

 

 

「じゃあアイツは……」

 

 

「アイツ? ああ、あの仮面の奴か。奴の目的は知らん。オレがこの時代に来た日に協力を申し出てきた奴だ。何を考えているのかわからん奴だが、ドラゴンをこの時代に呼び寄せた時点ですでに用済み……あとで消しておくさ」

 

 

「……そうかよ」

 

 

未来ローグの言葉にどこか納得のいっていない表情を浮かべるナツだが、今はその事は頭の隅に追いやって思考を切り替える。

 

 

「ドラゴンの匂いは……9人か!」

 

 

「9頭もいれば十分……世界を我が物にできる」

 

 

「お前は本当に運が悪い」

 

 

そう言うと……何とナツは炎を纏った拳を、足元のドラゴンの背中に思いっきり叩き付ける。

 

 

「アァァァアアア!!!」

 

 

「何を!!?」

 

 

ナツのその行動に目を見開く未来ローグ。するとナツの炎による爆炎とドラゴンの悲鳴で、街で戦っている魔導士たちがナツたちの乗るドラゴンに気がついた。

 

 

 

「聞こえるかァ!!!!!」

 

 

 

そしてナツは、街全体に響き渡るような大声を張り上げる。

 

 

「滅竜魔法ならドラゴンを倒せる!!!!! 滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は9人いる!!!!! ドラゴンも9人いる!!!!!」

 

 

大気をビリビリと震わせるような大声で、魔導士全員にそう呼びかける。

 

 

「今日…この日の為にオレたちの魔法があるんだ!!!! 今…戦う為に滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がいるんだ!!!!!」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「行くぞォ!!!! ドラゴン狩りだっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

ナツのその声は他の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるガジル、エリオ、ラクサス、ウェンディ、スティング、ローグの耳にもしっかりと届いていた。

 

 

「9人? 人数を間違えてないか?」

 

 

「オレには聞こえるんだ」

 

 

未来ローグのその言葉に対し、ナツは自身に満ち溢れた笑みでそう言い放ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「長距離すまなかった」

 

 

「大丈夫かい? ドランバルト」

 

 

「ああ……連れてきた」

 

 

クロッカスの街の外れ……そこではラハールとアルフと、ぜぇぜぇと息を切らしているドランバルト。そしてそのドランバルトが連れてきたある男がいた。

 

 

「ドラゴンが街を襲ってる」

 

 

「ああ……聞こえてる」

 

 

「今はアンタの魔法が必要なんだ」

 

 

「不本意だが、力を借りたい」

 

 

その男に対してそう頼み込むラハール、ドランバルト、アルフの3人。

 

 

 

 

 

「全部聞こえてるぜ──ナツ」

 

 

 

 

 

その男の名はコブラ。かつてナツたちと戦った闇ギルド……〝六魔将軍(オラシオンセイス)〟の1人であり──毒の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)である。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そしてさらに別の街外れでは……ある4人の集団の影があった。

 

 

「あーあ、またこの街に来る事になるなんて思わなかったわ」

 

 

1人は桜色のセミロングの髪を一つ結いにして右肩からたらしている少女。

 

 

「つーか何ださっきのデッケェ声はよォ。うるさくて眠れやしねえ」

 

 

2人目は小さな2本の角付きのフードを被った茶髪の少年。

 

 

「テメェはいつでもグースカ寝てんだろうがよ。つーかスゲェな、マジでドラゴンがいるぜ」

 

 

3人目は灼熱の炎を連想させる赤い髪とたれ目が特徴の少年。

 

 

「お前ら、今は私語を慎め。これはオレたちのマスターより与えられた特務なんだからな」

 

 

そして4人目が透き通った氷を連想させる水色の髪と全てを凍て付かせるような冷め切った瞳が特徴の少年であった。

 

 

「にしてもあのドラゴンに乗ってる人、君の事に気づいてたの? まだ君とは面識はないハズでしょ?」

 

 

「……あの男は本能の塊のような奴だ。面識はなくともオレの存在を本能で察知したんだろう……まったく」

 

 

少女の問い掛けに対して水色の少年は嘆息混じりにそう答えると、街の上空を飛んでいるドラゴンへと視線を向ける。

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「そんな大声を出さなくても聞こえてるよ──兄さん」

 

 

 

 

 

少年の名はインヴェルノ。闇ギルド……〝無限の欲望(アンリミテッドデザイア)〟に所属するナツの遺伝子を基に生み出された戦闘機人の1人であり──氷の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であった。

 

 

 

 

 

つづく

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