LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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今回から間話です。まずは自分も気に入っているフロッシュの話。

あと今回のあとがきにて、アインハルトのキャラ設定を掲載してみました。そのうち全リリカルキャラの設定集を投稿しようと考えております。

感想お待ちしております。


間話
おかえりフロッシュ


 

 

 

大魔闘演武から数週間後……場所は魔導士ギルド〝剣咬の虎(セイバートゥース)〟が存在しているとある街。

 

 

「いやー大魔闘演武の興奮がまだ冷めないや」

「そういやあれ以来、剣咬の虎(セイバートゥース)も変わったんだよな~」

「そうそう。ジエンマが実力至上主義っつーか、恐怖で支配してるっつーか、みんないつもピリピリしてたけど……」

「今じゃみんな笑顔だよね」

「スティングがマスターになったからな」

「おかげで剣咬の虎(セイバートゥース)のあるこの街も、何か雰囲気よくなったね」

「言えてる言えてる」

 

 

大魔闘演武以来…スティングが新たなギルドマスターになると同時に、仲間を大切にするギルドへと生まれ変わった事は、街の人たちにもいい影響を与えているようである。

 

 

「でもよ、何か今日のスティングは様子が変だったぜ」

「変って?」

「まるでジエンマが乗り移ったみてーに、重苦しい顔でよぉ……」

 

 

そう言うと…そんな話をしていた街の人たちは、少々不安そうな顔で剣咬の虎(セイバートゥース)のギルドへと視線を向けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第225話

『おかえりフロッシュ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃……魔導士ギルド〝剣咬の虎(セイバートゥース)

 

 

集められたギルドメンバーの目の前には、新たなギルドマスターであるスティングが鎮座しており……街の人の言う通り、重苦しい顔つきでメンバーを見据えながら口を開いた。

 

 

「天を轟かせ、地を沸かし、海を黙らせる──それが剣咬の虎(セイバートゥース)だ」

 

 

かつてジエンマが言っていた事と同じ事を言いながら、メンバーたちの先頭に立っている、ギルドに復帰したばかりのユキノを見据える。

 

 

「服を──脱げ」

 

 

「……はい……仰せの通りに」

 

 

そう言うと、ユキノはスティングの命令通り来ていた衣服をその場で脱ぎ捨てる。

 

 

だがそれはユキノだけではなく、ローグも…アインハルトも…ルーファスも…オルガも…ゼストも…その場にいた全員が服を脱いだ。

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「オレたちのプールが完成したんだからなっ!!!!」

 

 

「「「オオーーーッ!!!!」」」

 

 

 

 

 

ギルドの中に新たに増設したプールで遊び始めたのであった。

 

 

「おめでとうございます!!」

 

 

「ハシャぎ過ぎだ、スティング」

 

 

「フフッ」

 

 

水着に着替えて嬉しそうに宣言したスティングを見て、同じく水着に着替えたローグとアインハルトとユキノも釣られて笑う。

 

 

「ヒャッホーーーッ!!!!」

 

 

「この気持ちよさ……記憶にないね」

 

 

「うはははははっ!!! ギルドの中にプールなんて誰も思いつかねーだろ!!!」

 

 

「ちょっとスティング様!!」

 

 

そう言ってユキノと水の掛け合いをして大ハシャぎのスティング。

 

 

「確かに、そんなギルドは記憶にないね」

 

 

「プールがあるギルドなんてウチだけだぜっ!!!」

 

 

「(……確か、アギトが妖精の尻尾(フェアリーテイル)にもプールがあると言っていたような気がするが……まぁ、今は黙っておくか)」

 

 

「ん? どうしたおやっさん?」

 

 

「いや、何でもない」

 

 

そう言ってゼストは妖精の尻尾(フェアリーテイル)にもプールがあるという事を、誰にも言わずにそっと胸の奥に仕舞い込んだ。

 

 

「ほれほれ!!」

 

 

「よせ、ガキかお前は」

 

 

「ですがローグさん、プールで泳ぐという事は体を鍛える事にも最適なんですよ」

 

 

「いや、こいつの場合はただ楽しんでいるだけだ」

 

 

水をかけてくるスティングと、どこかプールに対しての認識がズレているアインハルトにローグが呆れていると……

 

 

「スティングくーーーん!!!!」

 

 

「!」

 

 

そこへ街へ買い物に出ていたレクターが、何やら慌てた様子で帰って来た。

 

 

「スティング君!!! あ…いえ、マスター!!!」

 

 

「マスターはよせやレクター。どうした慌てて?」

 

 

「た…大変であります!!! 買い物の途中で──フロッシュが行方不明になっちゃいました!!!!」

 

 

「マジか!?」

 

 

「フロッシュさんが!!?」

 

 

「何だと!!?」

 

 

レクターと一緒に買い物をに行ったフロッシュが行方不明になったと聞いてスティングは驚き、ローグとアインハルトが凄まじい剣幕でレクターへと詰め寄る。

 

 

「レクター!!! お前がついていながら何でそうなる!!?」

 

 

「す…すいません!! ちょっと目を離したスキに……!!」

 

 

「あれほどフロッシュさんから目を離さないでくださいと言ったのに!!!」

 

 

「おいローグ!! レクターを責めるのは筋違いだろ!!!」

 

 

「アインハルト様も落ち着いてください!!!」

 

 

そんなローグをスティングが、アインハルトをユキノが抑えて宥める。アインハルトはそれで少し落ち着いたのだが、ローグは止まらない。

 

 

「フロッシュはな……道が覚えられないんだ!!!」

 

 

「それはレクターのせいじゃねーだろ!!!」

 

 

「なんだと!?」

 

 

「なんだよ!?」

 

 

そしてそのまま取っ組み合いのケンカを始めるスティングとローグ。だがそんな2人に対して、ユキノが強く言い放つ。

 

 

「2人共!! ケンカしてる場合ではありませんよ!! フロッシュ様を探さないと!!」

 

 

「そ…そうです!!! 急いでフロッシュさんを探しに行きましょう!!!」

 

 

ユキノの言葉に同意して、すぐさまフロッシュを探す為にプールから飛び出していった…………水着のままで。

 

 

「待てアインハルト!!!」

 

 

「水着のまま行く気か!!? せめて着替えてから行け!!!」

 

 

そんなひと悶着がありながらも……スティングとローグとレクター、そしてユキノとアインハルトの5人はフロッシュを探す為に街へと繰り出したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そしてやって来たのは、レクターが買い物にやって来ていた人の賑わう街の市場。

 

 

「フロッシュとはぐれたのはこの辺りか?」

 

 

「はい!! 人も多くて、一瞬で見失ってしまいました」

 

 

「フロッシューーー!!! フロッシューーー!!!」

 

 

「どこですかーー!!? フロッシュさーーん!!!」

 

 

ひとまずその場でフロッシュの名を呼んで探すローグとアインハルトだが、当然返事はなかった。

 

 

「先ほどもあちこちで訪ねてみたのですが、さすがにこの人込みでは目撃者を探す事すら難しく……」

 

 

「大丈夫だって。オレたちが必ず見つけるさ」

 

 

落ち込むレクターを励ますようにそう言うスティング。

 

 

「あれ? あそのにいるのって……」

 

 

すると、ユキノが市場の中でとある見知った人物たちを見つけた。

 

 

「ほーう、中々のモンじゃねーか」

 

 

「安い割によい品がそろっているな、亭主」

 

 

「…………」

 

 

「いやーそれ全部儀式用のお古でね。飾りから何から全部鉄製だから重くて実践には……」

 

 

「ガジガジガジガジ!!!」

 

 

「って食べるんかい!!!」

 

 

その人物たちとは武具屋の鉄製の武器を見て回っている(1人食い漁っている)、ガジルとリリーとルーテシアの3人であった。

 

 

「ガジルさーーん!!!」

 

 

「ん?」

 

 

するとそんな3人にスティングたちが駆け寄って声をかけるが……

 

 

「おい!!! この辺でフロッシュを見なかったか!!!?」

 

 

「何だいきなりテメェ!! ケンカ売ってんのか!!?」

 

 

「す…すみません!! 実は……」

 

 

「フロッシュが迷子になっちゃったんですよ!! はい」

 

 

「フロッシュ? あのカエルか」

 

 

「ネコだ!!」

 

 

「正確にはエクシードだがな」

 

 

ガジルに掴み掛りながらフロッシュの事を尋ねるローグをスティングが抑え、レクターが代わりに尋ねる。

 

 

「しかしそうか、あれは迷子だったのか」

 

 

「え?」

 

 

「……少し前に、向こうの角を曲がった先の公園で…見かけた」

 

 

「おおっ!!」

 

 

「恩に着ます!!!」

 

 

「急げ!!!」

 

 

「早くフロッシュさんを!!」

 

 

「あ…あの! ありがとうございます!!」

 

 

ルーテシアから目撃情報を聞いて、スティングたちは一目散に駆け出してその公園へと向かって行ったのであった。

 

 

「ったく、騒がしい連中だぜ」

 

 

「だな」

 

 

「うん」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「フロッシューーー!!!」

 

 

「フロッシュさーーん!!!」

 

 

「どこだーーー!!!」

 

 

公園へとやって来たスティングたちはすぐにフロッシュの姿を探すが、どこにも姿は見えなかった。それでも声を張り上げて探し続けていると……

 

 

「あれ? セイバーのみなさん?」

 

 

「どうしたのよ? 大声出して」

 

 

「何かあったんですか?」

 

 

公園の市場へとやって来ていたウェンディ、キャロ、シャルルの3人と遭遇した。

 

 

「ウェンディ様、シャルル様、キャロ様」

 

 

「おお、いい所に!!」

 

 

「大魔闘演武では、お世話になりました」

 

 

「敵だったんでしょーが」

 

 

「昨日の敵は何とやらだよ、シャルルちゃん」

 

 

「あのー、ちょっと聞きたい事が」

 

 

そう言ってスティングがフロッシュの事について尋ねようとすると……

 

 

「おい!! この辺でフロッシュを見なかったか!!?」

 

 

「「ひぃぃっ!!!」」

 

 

恐ろしい表情でローグがウェンディとキャロに詰め寄り、あまりの剣幕で涙目で怯える2人。

 

 

「少しは落ち着け!! 少女相手に」

 

 

「す…すまない……」

 

 

そんなローグをスティングが力尽くで落ち着かせた。

 

 

「フロッシュ…ですか?」

 

 

「ええ。カエルの着ぐるみを着た、緑色の毛並みのネコなんですが……」

 

 

「それなら、その先でさっき見かけたわよ」

 

 

「ありがとう!! 行くぞローグ!!!」

 

 

「急ぎましょう!!!」

 

 

「ありがとうございます!! いやーシャルルさんって本当に美しいですねーはい」

 

 

そう言ってスティングたちは再び一目散にシャルルが指差した方向へと走って行ったのだった。

 

 

「なにあれ?」

 

 

「さあ…?」

 

 

「よくわからないけど……賑やかだったね」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「んー♪ どれもこれもキレイに咲いていて素敵。迷っちゃうな~」

 

 

そう言って市場にある花屋を1人で見回っているのは…人魚の踵(マーメイドヒール)のキリエ・フローリアン。

 

 

「フロッシューー!!!」

 

 

「返事しろーー!!!」

 

 

「あらん?」

 

 

するとそこへ、フロッシュを探しているスティングたちの姿が目に留まった。

 

 

「フロッシュ様ーー!!!」

 

 

「いねえみたいだな」

 

 

「もう別の場所へ行っちゃったんでしょうか」

 

 

「きっとフロッシュもオレたちを探してあちこち彷徨ってるんだ……」

 

 

「今頃フロッシュさんは、寂しくて泣いています……」

 

 

「しっかりしねえかローグ!!!」

 

 

「アインハルト様も、元気だしてください」

 

 

迷子のフロッシュを想って涙目になっているローグとアインハルト。そんなローグをスティングが叱咤し、アインハルトをユキノが慰めていると……

 

 

「はぁいセイバーのみんな♪ どうかしたの?」

 

 

「あ! 人魚の踵(マーメイドヒール)の……」

 

 

「キリエ様!!」

 

 

そこへキリエが彼らに声をかけた。すると例のごとく、必死の形相のローグがキリエに掴み掛る。

 

 

「おい!! この辺でフロッシュを見なかったか!!?」

 

 

「あん!! ちょっとローグ君…私、積極的なのは嫌いじゃないけど……乱暴なのはちょっとなぁ……」

 

 

そう言って肩を掴んできたローグに対して、妖艶な笑みを浮かべながらそう返すキリエ。だがローグはそんな事などお構いなしにさらにキリエに顔を近づける。

 

 

「訳の分からん事を言ってないで、さっさと答えゴハァッ!!!」

 

 

するとそんなローグを顔を、横から飛んできたアインハルトの拳が殴り飛ばし、彼を壁に叩き付けたのだった。

 

 

「ア…アインハルト……な…なにを……」

 

 

「いえ……少し不愉快でしたので」

 

 

アインハルトが無表情のまま頭に怒りマークを浮かべたままそう言うと、その間に今度はユキノがキリエにフロッシュについて尋ねる。

 

 

「すみません、この辺でフロッシュ様を見かけませんでしたか?」

 

 

「フロッシュ? あー…あのカエルの着ぐるみを着たネコちゃんね。それなら、さっきこの通りを抜けた所で見かけたわよ」

 

 

「ホントか!! よし行こうぜ!!」

 

 

「はい!! ほら行きますよローグさん!!!」

 

 

「お…おー……」

 

 

「ありがとうございましたキリエ様!! アミティエ様にもよろしくお伝えください!!!」

 

 

「うん。またね~♪」

 

 

キリエから目撃情報を聞き出したスティングたちは、急いでキリエが指差した通り道を駆けて行ったのであった。

 

 

「意外と面白いギルドになったわね、剣咬の虎(セイバートゥース)も」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「フロッシューーー!!! どこだーーーっ!!!」

 

 

「フロッシュさん!! 返事をしてくださーい!!!」

 

 

「人が多すぎてニオイも辿れねえ」

 

 

通りを抜けた先でフロッシュを探すスティングたち。すると……

 

 

「あっ!! 見てください!! あそこ!!!」

 

 

そう言ってユキノが指差した先には……ずっと探していたフロッシュがいた。

 

 

「いたーっ!!!」

 

 

「フロッシュさん!!!」

 

 

「よかった~!!」

 

 

「おーーい!!!」

 

 

すぐに見つけたフロッシュに駆け寄ろうとするスティングとアインハルトとユキノ。

 

 

「ま…待て!!!」

 

 

だがそれを、何故かローグは腕を横に突き出して止めようとするが……

 

 

 

──モニュッ

 

 

 

「モニュ?」

 

 

突き出した手から感じ取った柔らかい感触に、ローグがそっと目を向けると……

 

 

「あっ……!!」

 

 

「…………!!!!」

 

 

ローグの手がユキノの胸を思いっきり鷲掴みにしていたのだった。

 

 

そしてその瞬間……そんなローグの腹にアインハルトの拳による鋭い一撃が突き刺さり、ローグは膝から崩れ落ちた。

 

 

「ローグさん……ユキノさんに何をしているんですか?」

 

 

「ち…違っ……すまんユキノ……」

 

 

「い…いえ……」

 

 

アインハルトの静かな怒気に当てられ、苦痛で震える声でユキノに謝罪しながら、ローグは言いかけた話を続ける。

 

 

「待ってくれ……あれをよく見ろ」

 

 

「「「?」」」

 

 

ローグがフロッシュを指差しながらそう言うと、フロッシュが地図が書かれた立札を見上げているのが分かった。

 

 

「地図を見てますね」

 

 

「そうだ。あいつは1人でギルドに帰ろうとしているんだ……自分の力でギルドに」

 

 

「!」

 

 

「ここは心を鬼にして見守ろうと思う……フロッシュの為にも」

 

 

今にも飛び出したい衝動をグッと堪えながらそう決断するローグ。そんなローグの姿に、ユキノは思わずクスリと笑みを浮かべる。

 

 

「フロッシュが1人でギルドに?」

 

 

「無理ですねーはい」

 

 

「絶対帰れる!!!」

 

 

「ですが、それは今でなくてはならないのですか?」

 

 

「なに?」

 

 

そんなローグの決断に、アインハルトが異を唱える。

 

 

「今フロッシュさんは迷子になっているんですよ。きっと心細いに決まってます。すぐに私たちが出て、安心させてあげなくては」

 

 

「ダメだ!! お前はフロッシュに1人で帰れるようになって欲しくはないのか!?」

 

 

「そうではありません。ですが1人で帰れる練習なら、また別の機会でもいいでしょう!!」

 

 

「それではフロッシュがいつまで経っても成長できなくなる!! 時には厳しくする事も大事なんだ!!!」

 

 

「まだ道を覚えられないフロッシュさんにそれは厳しすぎます!! まずはこの街の道をちゃんと覚えさせてからにするべきです!!」

 

 

そう言って激しい口論を繰り広げるローグとアインハルトの2人。

 

 

「子供の教育方針について話し合う夫婦か……」

 

 

「お2人の仲がよろしいのはいいのですが……」

 

 

「長くなりそうですねーはい」

 

 

何となく長くなりそうだったのでスティングたち3人が仲裁に入り、とりあえずフロッシュを見守ろうという話に落ち着いたのだった。

 

 

「とにかく、しばらく様子を見てみましょう」

 

 

それからしばらく物陰からフロッシュを見守るスティングたち。すると、地図を見終わったのかフロッシュがその場から歩き始める。

 

 

「歩き出しました!!」

 

 

「おおっ!」

 

 

「方角はあってますね」

 

 

「いいぞフロッシュ!!」

 

 

だがそれも束の間……フロッシュは道端にいたカエルに気を取られ、それを追いかけ始めてしまった。

 

 

「ああっ!! もう注意が別の所に!!」

 

 

「やはり、フロッシュさんにはまだ早いのでは……」

 

 

「がんばれ!! フロッシュ!!!」

 

 

不安になりながらも陰からフロッシュを見守るスティングたち。

 

 

だがその時……

 

 

「ヒヒーーーン!!!!」

 

 

「馬車の暴走だーーーっ!!!!」

 

 

近くで馬車の暴走が起こってしまい、しかもその暴走した馬車はあろう事か、カエルに気を取られているフロッシュへと向かってしまっている。

 

 

「「「何でーーーっ!!!?」」」

 

 

そんな予想外な展開に、スティングたちは思わず絶叫する。

 

 

「無人の馬車が!!」

 

 

「早くフロッシュさんを助けなくては!!」

 

 

「とは言え、オレたちがフロッシュを助けてしまっては、フロッシュの努力が水の泡……ここは、フロッシュに気づかれないようオレが何とかする!!!」

 

 

そう言うとローグは自身の体を影へと変換して、そのスピードで素早く暴走馬車へと乗り込んで、馬の手綱を握った。

 

 

「ハァッ──おぐぅ……」

 

 

だがその瞬間、ローグの顔色が一気に悪くなってしまった。

 

 

「ああ…そう言えば……」

 

 

「ああ、この緊急事態においても、オレたちの乗り物酔いは治らない」

 

 

そう…ローグも他の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)たち同じく、極端に乗り物に弱いのである。

 

 

「こ…これしきの事……フロッシュだってがんばっているんだ……オレもがんばって……おぉぉ……」

 

 

何とか耐えようとしたローグだが、やはり耐え切れずに座席に倒れてしまった。しかしそれが功を奏したのか、馬車は横に逸れてフロッシュに当たる事無く、そのまま壁に激突して止まったのであった。

 

 

「ローグ!!!」

 

 

「ローグさん!!!」

 

 

「ローグ様!!!」

 

 

そしてすぐに倒れているローグへと駆け寄るスティングたち。

 

 

「うぅ…フロッシュは……?」

 

 

「無事だ」

 

 

「この騒動にも、まったく気づいていませんでした」

 

 

「よかった……」

 

 

とりあえずフロッシュが無事だった事に一安心しながら、ローグたちはフロッシュの追跡を再開したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「みゃー? あれ? ネコネコだと思ったらカエルだー」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

「この子は確か…剣咬の虎(セイバートゥース)のカエルさんではありませんか?」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

「いや、待て!! 何て魅力的なんだ……」

 

 

「カグラちゃん?」

「カグラさん?」

 

 

「フローもそーもう!」

 

 

それからしばらく追跡していると……フロッシュがカグラ、ミリアーナ、アミタの3人と遭遇する場面に出くわした。

 

 

「実はフロッシュは、小さい頃ずっと自分の事をカエルだと思っていたんです。でもそうじゃないってわかった時、3日も泣いてたそうです。はい」

 

 

「くうぅ……なんていじらしい奴なんだ」

 

 

「そ…そうか?」

 

 

「フロッシュさんに、そんな悲しい過去が……」

 

 

「フロッシュ様…かわいそう……」

 

 

レクターの話にローグとアインハルトが涙を見せ、ユキノも同情的な声を漏らしていた。

 

 

すると、カグラがフロッシュの体を持ち上げて衝撃的な一言を言い放った。

 

 

「お前、私のもとへ来るか?」

 

 

「え?」

 

 

「「何ィーーー!!!?」」

 

 

それを聞いた瞬間、ローグとアインハルトが陰で叫んだ。

 

 

「カグラちゃんて、もしかしてカエル好きなの?」

 

 

「いや…私は……妹が欲しいだけだ……」

 

 

「カグラちゃん!?」

 

 

「妹がかわいいというのには大いに賛同しますが……この子、メスなのでしょうか?」

 

 

カグラの意外な一面に驚くミリアーナと、フロッシュの性別に疑問を持つアミタ。

 

 

「もう我慢できん!!」

 

 

「ええ…フロッシュさんを取り返しましょう」

 

 

その様子を見ていたローグとアインハルトは、フロッシュを取り返そうと物陰から飛び出そうとするが……

 

 

「待ってください!! 様子が……」

 

 

寸前にユキノに止められ……見てみるとカグラとミリアーナの2人の間に、何やら不穏な空気が漂っていた。

 

 

「でもマズイんじゃない? その子は確か、剣咬の虎(セイバートゥース)のローグのパートナーだよ?」

 

 

「フッ…ミリアーナ、正直に言え。お前も欲しくなったのだな?」

 

 

「あ、バレた? よく見たらカエルの着ぐるみを着たネコネコなんだもん。私も欲しくなっちゃったぁ」

 

 

「渡す訳にはいかんな」

 

 

「カグラちゃん……マジ?」

 

 

「大マジだ」

 

 

「あ…あの…お2人共!! こんな所でケンカはやめた方が……」

 

 

そう言って不倶戴天を構えるカグラと身構えるミリアーナをアミタが宥めようとするが、2人は一切に耳を貸さなかった。

 

 

「いざとなったら、勝った方をぶちのめすしかねーな」

 

 

「という事は、カグラが相手か」

 

 

「しかしカグラさんは人魚の踵(マーメイドヒール)最強の魔導士……一筋縄ではいきませんよ」

 

 

そう覚悟を決めながら成り行きを見守るスティングたち。

 

 

「待って」

 

 

「怖気づいたか?」

 

 

「戦って決めるより本人に聞いてみようよ」

 

 

「ふむ、悪くない選択だ」

 

 

すると、ミリアーナの提案によりカグラも剣を収め、2人はフロッシュ本人にゆだねる事にしたのだった。しかし……

 

 

「あの~それがですね……」

 

 

「「?」」

 

 

「実は、ちょっと目を離したスキに……」

 

 

「あ」

 

 

「いないしっ!!!」

 

 

すでに当のフロッシュはどこかへと行ってしまっていた。

 

 

「おいおい!! オレたちもフロッシュを見失ったぞ!!!」

 

 

「ですがまだ遠くには行ってないハズです!!!」

 

 

「急いで探すんだ!!!」

 

 

「「はい!!!」」

 

 

そしてローグたちも、見失ったフロッシュを大急ぎで探しに行ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

それからしばらくして、何とか見失ったフロッシュを発見したローグたちだが……

 

 

「おい見ろよコイツ!!」

「カエルだ!! 珍しいカエルがいるぜ!!」

「ずいぶん変わったカエルだな」

「いや、ネコじゃねーか?」

「いいじゃん、かわいけりゃ」

「レアモノですぞこれは!」

 

 

「だれ?」

 

 

何やらガラの悪い集団に囲まれていた。

 

 

「おい、見るからに怪しいのに絡まれてんぞ」

 

 

「トラブル発生です」

 

 

その様子を物陰から見守るローグたち。

 

 

「取っ捕まえようぜ!!」

「高く売れるかもな」

「さあさあ、このカゴに入りな」

 

 

そう言ってフロッシュを捕まえようとする集団。

 

 

「おのれェ……!!」

 

 

「助けねーのか?」

 

 

「いえ、あれを見てください」

 

 

アインハルトにそう言われて、少し成り行きを見守っていると……

 

 

「オラ!」

「この!」

「逃げんなっ!」

 

 

捕まえようとする集団を、フロッシュはちょこまかと動き回りながら躱していた。

 

 

「早い!」

 

 

「いい動きです」

 

 

「さすがだ、フロッシュ!!」

 

 

「ただの偶然じゃね?」

 

 

「ですよね」

 

 

そんなフロッシュにローグとアインハルトとユキノは感嘆の声を上げ、スティングとレクターは他の3人に軽く呆れていた。

 

 

「この…すばしっこい奴め……」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

フロッシュのすばしっこさに負けた集団が地面に倒れ込んで根を上げる。しかし……

 

 

「なんだなんだ?」

「だらしねーなぁオイ」

「何を手こずってやがる」

「カエル1匹捕えらんねーのかよ」

 

 

そこへまた新たにガラの悪い集団が現れた。

 

 

「だれ?」

 

 

「ボス!! お疲れッス!!」

 

 

「ったく新人共め。オレたちカエル専門トレーダーの名が汚れちまうだろ」

 

 

どうやらこの男はこの集団…カエル専門トレーダーズのリーダー格であるらしい。

 

 

「くっ…新手か!」

 

 

「の…ようですね」

 

 

「何か変なのが出てきましたね」

 

 

「何だよ、カエル専門トレーダーって」

 

 

その様子を見守っていたローグたちも新手の出現に顔をしかめる。

 

 

「へへへっ、覚悟しな。今捕まえてやっからよォ」

 

 

「うぅ~……」

 

 

そしてリーダー格の男がアミを構えてフロッシュへと迫る。

 

 

「さすがにヤバそうですね」

 

 

「仕方ありませんね」

 

 

「ああ…そろそろオレたちが……」

 

 

見かねたローグとアインハルトがフロッシュを助ける為に飛び出そうとしたその時……

 

 

「こんな小さな子を相手に何やってんのよ?」

 

 

「「「!!?」」」

 

 

その男の後ろからアミを掴んで止めた1人の少女……ティアナの登場に男だけでなくローグたちも動きを止めた。

 

 

「よお、フロッシュじゃねーか」

 

 

「わーい!」

 

 

「こんな所で何してるの?」

 

 

その傍らでは、ナツとハッピーがフロッシュに話しかけていた。

 

 

「邪魔すんじゃねーーっ!!!」

 

 

すると1人の男がそう叫びながら捕獲用のカゴを振り下ろす………ナツの頭に。

 

 

「あれ?」

 

 

「何しやがる!!!!」

 

 

「ごはァ!!!」

 

 

当然怒ったナツはその男を殴って地面に叩きつける。

 

 

「ど…どうする?」

 

 

「ナツさんの登場は、いわば不可抗力……」

 

 

「ここはあの方たちに任せましょう」

 

 

「「ですよね」」

 

 

その様子を物陰から見ていたローグたちも、その場はナツたちに任せる事にした。

 

 

「うおーし!! 何だか知らねーが燃えてきたァ!!! ぶん殴る!!! オラァ!!!」

 

 

「「「ぎゃあああああっ!!!!」」」

 

 

そのまま暴れ出したナツはトレーダー集団を炎の拳で殴り飛ばす。

 

 

「ハァ…仕方ないわね。クロスファイアーシュート!!!!」

 

 

「「「うわぁぁぁぁあ!!!」」」

 

 

ティアナも無数の魔力弾を放ち、1人1人撃ち抜いていく。

 

 

「火竜の煌炎!!!!!」

 

 

「ちょっ…ちょっと待っ──」

 

 

「「「うぎゃああああああっ!!!!」」」

 

 

そしてナツがトドメと言わんばかりに放った火球がトレーダー集団を飲み込み、凄まじい大爆発を起こしたのであった。

 

 

「ヒ…ヒデェ……」

 

 

「あーもーまたこんなに壊して……少しは後先考えなさいよ」

 

 

「なーに、これから行く仕事の報酬で直しゃいいだろ」

 

 

「加減を覚えろって言ってんのよバカナツ!!」

 

 

それから後に残ったのは……黒コゲになった集団と、今の爆発で崩壊した多くの建物であった。

 

 

「こ…ここまでやるか」

 

 

「メチャクチャ過ぎです」

 

 

「さすがナツさん!! いつでも全力でカッコイイ!!!」

 

 

その光景に絶句するローグとアインハルトの隣で、スティングだけが感激していた。

 

 

「いやはや、フロッシュも危機一髪という所でしたねー……ですが」

 

 

そう言ってレクターがチラリとナツたちの方へと視線を向けると……

 

 

「あれ? フロッシュは?」

 

 

「いなくなったわね」

 

 

「どこ行ったんだ?」

 

 

またもやいつの間にか、フロッシュがナツたちの前から姿を消していた。

 

 

「何ーー!!?」

 

 

「フロッシューー!!!」

 

 

そして再び、大急ぎでフロッシュを探すローグたちであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ん? あれはセイバーんトコの……」

 

 

「フロッシュです」

 

 

ローグたちがフロッシュを見つけると、今度はグレイとジュビアに遭遇している所に出くわした。

 

 

「こんにちは」

 

 

「こんにちはー」

 

 

「こんなトコで何やってんだ?」

 

 

「かいものー!」

 

 

「1人で偉いですねー」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

そう言ってグレイとジュビアと会話をしながら2人の顔をジッと見つめるフロッシュだが………突然ポロポロと涙を流して泣き始めてしまった。

 

 

「な…なんだ突然?」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「ほんとは迷子……」

 

 

どうやら先ほどはフロッシュなりに見栄を張っていたようだが、すぐに限界がきて泣き出してしまったらしい。

 

 

「フロッシュゥ~~~!!!」

 

 

因みにその近くの物陰でローグも号泣しており、その様子を見たユキノに少し引かれていた。

 

 

「そろそろ助けてやるか」

 

 

「そうですね」

 

 

「ダメだ!!」

 

 

「「え?」」

 

 

そう言ってフロッシュを助けようとしたスティングとレクターを、ローグが止めた。

 

 

「オレは…オレはフロッシュを信じる。絶対に1人でギルドに帰れるんだ!!」

 

 

「ローグさん……そうですね。妖精の尻尾(フェアリーテイル)から学んだ仲間を信じる心……私もフロッシュさんを信じます」

 

 

ローグのその言葉に、本来反対派であったアインハルトも頷いた。

 

 

「……ふう~」

 

 

「やれやれ」

 

 

そんな2人の言葉に軽くため息をつきながらも、スティングとレクターも付き合う事にしたのであった。

 

 

「ギルドの場所どこだよ? 送ってってやる」

 

 

「グレイ様やさしい♡」

 

 

グレイのその申し出に一瞬表情を明るくするフロッシュだが、すぐに思い直したように顔を俯かせた。

 

 

「フロー…1人で帰る」

 

 

フロッシュが言ったその言葉に、物陰のローグたちも騒然とする。

 

 

「フローはいつも迷子になっちゃうけど、1人で帰れるようになりたい。フローも剣咬の虎(セイバートゥース)だから……ホラ」

 

 

そう言って着ぐるみのジッパーを下ろして、その背中に刻まれた剣咬の虎(セイバートゥース)のギルドマークを見せるフロッシュ。

 

 

「それに、ローグとアインが応援してくれてる気がするの」

 

 

「……そっか、がんばれよ!」

 

 

「フローもそーもう!」

 

 

フロッシュの言葉に納得したグレイは、フロッシュの頭を撫でて応援の言葉を送った。

 

 

そしてグレイとジュビアの2人と分かれたフロッシュは、自分の力でギルドに帰る為に歩き出したのだった。

 

 

「フロッシュさんは……私たちが知らないうちに、成長していたんですね」

 

 

「感動的です」

 

 

「フフン」

 

 

「ドヤ顔すんなテメェ!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

それから……蝶を追いかけたりと色々な誘惑に目を引かれながらも、ギルドに帰ろうとするフロッシュを物陰から気長に見守り続けるローグたち。

 

 

するとフロッシュは、今度はエルザと遭遇した。

 

 

「今度はエルザさんに会ったぞ」

 

 

「道を聞いているのでしょうか?」

 

 

「どうやらそのようですね」

 

 

「いいぞフロッシュ! ちゃんと聞くんだぞ!」

 

 

「あ、何か理解したっぽいですよ」

 

 

エルザが道を指差しながら説明し、それを聞いたフロッシュが頷いている所を見ると、どうやら無事に帰り路を聞けたようである。

 

 

「ところで、何を買ったんだ?」

 

 

「お揃いなの。着てみる?」

 

 

そう言って自分が買い物で買ったモノを取り出してエルザに渡すフロッシュ。

 

 

「お揃い?」

 

 

「アレを探してあちこち行ってたのでしょうか」

 

 

お揃いと聞いてスティングたちが疑問符を浮かべていると、フロッシュが渡したソレに着替え終わったエルザが感嘆の声を上げた。

 

 

「おおっコレは……色といい、可愛らしさといい……素晴らしいな!!」

 

 

何とそれは……フロッシュが着ているものと同じピンクのカエルの着ぐるみの、人間サイズのものであった。

 

 

「きっとローグとアインハルトも喜ぶぞ」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

どうやらそれを2着購入し、ローグとアインハルトへのプレゼントにするようだった。

 

 

「フロッシュさん……私とローグさんの為に……!!」

 

 

「フロッシュゥ~~~!!!」

 

 

「アインハルトはともかく……ローグお前、アレ着んのか…?」

 

 

号泣している2人との隣で、その着ぐるみを着たローグの姿を想像したスティングは軽く引いていた。

 

 

因みに後日……その着ぐるみがアインハルトの寝間着になったのは余談である。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

それからエルザに聞いた道を頼りに歩き続けるフロッシュ。そしてそれを陰から見守り続けるローグたち。

 

 

街を飛び出し……広大な丘を歩き……そしてギルドのある街へと入って行った。

 

 

すでに空は茜色に染まり夕方となっているが、それでもフロッシュは根も上げずに歩き続ける。

 

 

そして日が完全に沈んですっかり夜になる頃には、何と眠りながら歩くという神業を繰り出していた。

 

 

「おおーマジか!? 歩きながら寝てるぞ」

 

 

「フロッシュがんばって!」

 

 

「フロッシュ様!」

 

 

「フロッシュさん……よくこんな遠い所までたった1人で……!!」

 

 

その様子を物陰から見守りながら声援を送るスティングたち。そんな中で、ローグは思う。

 

 

「(今すぐ飛び出していってやりたい……)」

 

 

それからついに……

 

 

「着いたーーー!!!!」

 

 

ようやくフロッシュは……ギルドへとたどり着いたのだった。

 

 

「(そして……こう言うんだ──)」

 

 

そう──

 

 

 

 

 

 

──妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドへと!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「ここじゃねえっ!!!!」

 

 

「フローもそーもう」

 

 

 

 

 

つづく




【名前】
アインハルト・ストラトス


【年齢】
18歳


【魔法】
覇王流(カイザーアーツ)


【好きなもの】
鍛錬
フロッシュ


【嫌いなもの】
怠惰


剣咬の虎(セイバートゥース)随一の格闘型魔導士。400年前に存在していた覇王イングヴァルトの直系の子孫であり、たゆまぬ努力と苛烈な鍛錬で覇王流(カイザーアーツ)をものにした。彼女自身も〝覇王〟の二つ名で呼ばれるほど有名人である。
祖先であるイングヴァルトの悲願を叶えるという目的の為だけに剣咬の虎(セイバートゥース)に所属していたが、妖精の尻尾(フェアリーテイル)のヴィヴィオに負けてから自分を見つめ直し、悲願を叶える前に、今度は仲間と共に剣咬の虎(セイバートゥース)を再び最強ギルドにする事を決意する。
何故かフロッシュに「アイン」と呼ばれるほど懐かれており、アインハルト自身もフロッシュを自分の相棒にしたいとローグに直談判しに行くほど溺愛している。もちろん断られた。
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