現在…
「ハァァァアア!!」
「ぶっ飛べぇぇぇええ!!」
シグナムが自身の剣…〝レヴァンティン〟でシェイドを切り捨て、ヴィータがハンマー…〝グラーフアイゼン〟でシェイドを吹き飛ばす。
「テオォォォオ!!」
「私だって!!」
ザフィーラは自身の肉体を駆使してシェイドを叩き潰し、シャマルはクラールヴィントを使った風魔法で吹き飛ばす。
その時…一体のシェイドがシャマルに襲い掛かる。
「っ!!?」
それに気付いたシャマルは防御しようとするが、間に合わない。
「ブラッディダガー!!」
その瞬間、リィンフォースが放った魔力で生成された…その名の通り赤い血のようなダガーがシェイドに突き刺さり、シャマルを守った。
「ありがとう、リィンフォース!」
「気を抜くな…シャマル」
お礼を言うシャマルと、そんなシャマルに静かに激を飛ばすリィンフォース。
「せや! ギルドは何としても守るんや!!!」
すると、その近くに居たはやてはそう叫びながら
「クラウ・ソラス!!!」
白い砲撃を放ち、シェイドの大群を吹き飛ばした。
「こいつらは仲間をやられる悲しみも、ギルドを壊される悔しさも知らん!!! そんな奴等に私らの
はやてがシュベルトクロイツを掲げながらそう鼓舞すると、ギルドメンバーたちは「オォォォォォオオオ!!!」と高らかに雄叫びを上げたのだった。
第二十三話
『激戦開幕』
戦いが始まって早くも10分以上経過し、ジュピター発射まで残り僅か2分となってしまった。
「何モタモタしてんだナツのヤローー!!!」
ヴィータはジュピターを止めに向かったナツに毒づきながらグラーフアイゼンを振るい、シェイドを殴り飛ばす。その間にも、ジュピターの砲身にエネルギーが溜まっていく。
発射まで残り1分13秒……
「エネルギーが溜まってきたな……」
「まだか! ドラグニル!!」
「もう時間がないわ!!」
リィンフォースとシグナムとシャマルもシェイドを薙ぎ倒しながらジュピター発射阻止を待ちわびている。
発射まで残り32秒……
「ナツ君!! 早よーーー!!」
「(……いざとなれば…我がみなの盾に……)」
はやてが焦ったように叫び、ザフィーラが人知れずそう決意する。
発射まで残り10秒……
万事休すかと思われたその時……
ズドドドドドォォォオン!!!!
突如、砲台が轟音と共に崩れ始めた。
「見ろ!!」
「おお!!」
「砲台が崩れてく!!」
「やったぞーーっ!!」
それを見て歓喜の声を上げるギルドメンバー。
「おっしゃあ!!」
「ジュピターの破壊に成功したのね!!」
「流石だな…ドラグニル」
ヴィータ、シャマル、シグナムも笑みを浮かべ、ナツに対して賞賛の言葉を口にする。
「これでもう恐いもんはない!!! 敵を殲滅するんやぁ!!」
はやての指示にメンバーは勢い付き、シェイドたちを次々と倒していく。
だがその時…突然ファントムのギルドがゆっくりと立ち上がった。
「な…なんだ!?」
「何をする気だ……?」
その光景にヴィータとシグナムが戸惑ったように声を上げる。
その間にファントムのギルドは足を切り離し、そのままゆっくりと変形していく。
そして超巨大な人型ロボット……『超魔導巨人ファントムMk2』へと姿を変えたのだった。
「「「「…………!!」」」」
「な…何やコレ……冗談やろ……?」
その余りにも信じられない事態に一同は絶句し、はやてすらも顔を青くしている。そしてファントムMk2はゆっくりと片足を上げ、そのままギルドに向かって歩き始めた。
「む…向かって来たぞ!!!」
「まさかコレでギルドを踏み潰すつもりか!!?」
「そんな……どうしたら……!?」
「……………!!」
「落ち着けお前たち!!」
うろたえるヴォルケンリッターのメンバーをリィンフォースが叱咤する。それに続くようにはやても声を張り上げる。
「せや!! 今は目の前に敵に集中するんや!! あの巨人はナツ君が何とかしてくれるはずや!!!」
「でもよ、はやて……ナツは確か乗り物が……」
「あ」
ヴィータの言葉にはやてはナツの最大の弱点を思い出したのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方…エレメント4の一人である『大火の
「お…おお…おぷ……」
乗り物酔いをしていた。
「ど…どうしたんだ?コイツ……」
突然フラフラになったナツを見て、戸惑いを見せる兎兎丸。
「お…おお…コレ…動いてねえ……か?」
「コイツ乗り物に弱いのかっ!!! しめた!! 逆転のチャンス!!!」
すると、それを好機とみた兎兎丸は両手を翳して七つの色をした炎を出す。
「いくら炎が効かんと言っても、その状態で喰らったらどうなるかな?我が最強魔法、
「おおお…」
「くらえ!!!」
そう言ってナツに向かって炎を放とうとしたその時……
ピキィ
「え?」
突然兎兎丸の腕が凍った。
「ええっ!? ちょっ…何よコレェ!!!」
その氷はドンドン侵食して行き、ついには兎兎丸の全体が氷付けになった。
「お?」
そして凍った兎兎丸はそのまま巨大な腕に捕まれ……
「あぁぁぁぁあああ!!!」
空の彼方まで投げ飛ばされていった。そしてナツの視線の先には……
「情けないわね…ナツ」
「まったくだぜ」
「ナツ! 大丈夫?」
「漢なら乗り物なんぞ逆に酔わせてやれぃ」
そこにはティアナ、グレイ、スバル、エルフマンの四人が立っていた。
「おおっ!! かっこよすぎだぜ!! お前等……うぷ」
「これはジュピターの残骸か? グッジョブじゃねーか」
「あい!」
「それにしても…何で急に傾いたり動き出したりしたんだろ?」
いきなりギルドが動き出したことに疑問を持つ一同。すると、突然動いていたギルドが止まる。
「止まったーーーっ!!!」
その瞬間元気になるナツ。
「動き出したり止まったり…一体どうなってるのよ?」
「オイラ、ちょっと外の様子見てくるー!!!」
ハッピーはそう言って外へと飛び出していった。
そして外では、歩みを止めたファントムMk2は腕を動かし、何か文字を描き始める。
「何や? 急に文字を書き始めたで?」
ファントムMk2が描く文字を見て、首を傾げながらそう言うはやて。するとリィンフォースが声を荒げて叫ぶ。
「主!! あれは魔法陣です!!」
「何やて!?」
「ってことは…あの建モン自体が魔導士だってのか!!?」
ファントムMk2が描いているのが魔法陣だと知り、驚愕するはやてとヴィータ。さらにその魔法陣を見たユーノが口を開く。
「あの魔法陣は……
「何だと!? だとしたら、このサイズはマズイぞ!!」
「ああ……カルディア大聖堂辺りまで闇の波動で消滅するな」
ユーノの言葉を聞いて、焦ったようなシグナムとザフィーラの声が響く。
そしてそれを見たハッピーは大急ぎでナツ達のもとへ向かった。
「大変だーー!! ギルドが巨人になって魔法を唱えてるんだ!!!」
「ウソつけ!!!」
「ウソなんかつくかーー!!!」
「ナツ黙って!! どういうこと? ハッピー」
ティアナはナツを黙らせたあと、ハッピーに詳しい話を聞く。そしてハッピーは外の状況は手短に話す。
「で、カルディア大聖堂まで消えちゃう魔法だって!!」
「街の半分じゃねえか!!!」
「そんな魔法ありえねーだろ!!」
ハッピーの説明を聞いた一同は顔を見合わせ……
「早く止めなきゃーー!!」
「手分けしてこの動くギルドの動力源を探すんだ!!!」
「次から次へととんでもねえ事してからにぃ!!!」
「行くぞティアナ!!!」
「わかってるわよ!!!」
ファントムMk2を止める為に手分けして動力源を探しに動き出したのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方…はやてとユーノはシェイドと戦いながら
「ユーノ君…あの魔法が発動するまでどのくらいや?」
「魔法陣を書く速度から見て……10分ってとこかな? アレの動力源をどうにかしないと……」
「たぶん中にいるみんなも同じ事考えとるやろうな」
「ってことは…今は中のみんなを信じるしかないってことだね」
「そういうことになるな。でもいざとなれば……私とリィンフォースで何とかするわ」
それを聞いたユーノは目を見開く。
「まさか…〝アレ〟を使う気!!? アレは君の体にかなりの負担が掛かるんだよ!!」
「わかっとる!! せやけどギルドを……やっと見つけた私らの居場所を……守る為やったら構わへん!!!」
「はやて……」
強い決意を瞳に宿しながらそう言うはやてを見て、ユーノは小さく溜め息をついた。
「ふぅ……まったく…どうしてウチのギルドはこんなに女の人が強いんだろうね?」
「何や知らんかったんかユーノ君? 女は強い生きモンなんやで♪」
そんな軽口を言い合いながらもしっかりとシェイドを殲滅するユーノとはやて。すると……
ガタッ!
「「っ!!?」」
突然物音が聞こえ見てみると、なんとルーシィに変身したミラがギルドから飛び出してきていた。
「ミラジェーン!! 何をしている!!?」
「バカ!! ここは危ねえって!!!」
「早く中に戻って!!」
変身魔法を敵に悟られないように小声でミラに戻るように促すシグナムとヴィータとシャマル。そんな三人の制止を無視してミラは両手を広げて叫ぶ。
「あなたたちの狙いは私でしょ!!! 今すぐギルドへの攻撃をやめて!!!」
ファントムが狙っているのはあくまでルーシィ。そのルーシィが居るとなれば攻撃を躊躇…上手くいけば中止してくれるかもしれないと言うのがミラの考えである。しかし……
『消えろ。ニセモノめ』
ファントムから返って来た答えはミラが予想もしなかった答えだった。
『初めからわかっていたんですよ、そこにルーシィが居ない事は。狙われてると知っている人間を前線に置いておく訳がない……とね』
全てを見透かしていたジョゼの言葉に、ミラは変身を解いて自身の無力に涙を流した。
「そろそろ逃げた方がいいんじゃ…」
「あの魔法陣……完成しそうだぞ」
すると、ギルドメンバーの誰かがそんなことを言った。
「ギルドを置いて逃げるんか?」
「あ……いや…」
「アレを止める為に中で戦ってる人が居るんや…信じるんや」
弱音を吐いた人に向かってそう言うはやて。すると……
「きゃあっ!!!」
「ミラ!!」
「ミラちゃん!!」
突如ファントムMk2の腕が伸びてきて、ミラが捕まってしまった。
『我々を欺こうとは気に入らん小娘だ。潰してしまえ』
ジョゼがそう言うと、ミラを捕まえている手が段々とミラを締め付ける。
「ミラちゃん!! 今助けに……!!?」
ミラを助けに行こうとしたはやての前にシェイドの大群が行く手を阻む。
「っ……邪魔やぁあ!!!」
はやてはシュベルトクロイツを振るい、そこから放たれる魔法でシェイドを吹き飛ばす。しかし、さらに多くのシェイドがはやての前に立ちふさがる。
「くっ……」
それを見たはやては毒づきながら辺りを見回す。しかし、リィンフォース達も同様にシェイドの妨害を受けていた。
「この……!!」
再びシュベルトクロイツを振るってシェイドを吹き飛ばそうとしたその時……
ゴバッ!!
「っ!!?」
突然ファントムMk2の壁が崩壊した。そこに居たのは……
「エルフマン!!?」
エレメント4の一人…『大地のソル』に追い詰められ、ボロボロになったエルフマンの姿があった。
「ああもう!! 次から次へと!!」
休み無しに起こる事態にはやては軽く自棄になりながらシェイドを倒していく。そんな彼女を落ち着かせる為にユーノが口を開く。
「はやて落ち着いて!! まだエルフマンが負けたって決まったわけじゃない!!」
「せやけど!!」
「まだエルフマンにはアレがある! 使えるかどうかは本人次第だけど……」
「……全身
そう……昔エルフマンはその全身接収に失敗し暴走…そしてそれを止めたのが彼とミラの妹であるリサーナである。しかしその代償にリサーナは命を落としてしまった。
それ以来エルフマンは全身接収を使うことが出来なくなってしまったのである。
「……信じよう、エルフマンを……」
ユーノがそう言うと、はやては心配そうな顔付きでエルフマンが居る方角を見た。すると、ファントムMk2からエルフマンの声が響いてきた。
「オレは姉ちゃんを守れる強い漢になりたいんだっ!!! 姉ちゃんを放せぇぇええっ!!!!」
エルフマンはそう雄叫びを上げると、獣のような姿に姿を変えた。それを遠目から見ていたユーノとはやては驚愕の声を上げる。
「あれは!全身接収……
「エルフマン……トラウマを克服できたんやね!!」
その後、獣王の姿となったエルフマンはソルを瞬殺し、捕まっていたミラを助け出した。
「これでひとまずミラちゃんは安心やね」
「うん……あれ?」
するとユーノが何かに気がついた。
「どないしたん?」
「見て。魔法陣を書く速度が……遅くなっている」
ユーノがファントムMk2を指差しながらそう言うと、はやてもそちらに視線を向ける。そこにはユーノ言う通り、先ほどより魔法陣を書く速さが落ちているファントムMk2の姿があった。
「ホンマや……でも何で急に……?」
「それは恐らく、エレメント4の一人が倒れたからでしょう」
「主はやて! ご無事で!?」
「リィンフォース! シグナム!!」
そこへ行く手を妨害していたシェイドを蹴散らしたリィンフォースとシグナムが駆け寄ってきた。
「
「そうか!! と言う事は、あの巨人の原動力はファントムのエレメント4!! そいつらを全員倒せば、この魔法を阻止できるんやな!!」
「うん…魔法陣が完成する前に…ナツ達が残りのエレメント4を倒せばね」
「まぁ…結局は中のみんなを信じるしかないっちゅうことやな」
三人がそんな会話をしていると、今まで黙っていたシグナムが険しい表情で口を開いた。
「主はやて……一つ頼みがあります」
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方その頃…ナツ、ティアナ、ハッピーの三人がファントムMk2を止める為にギルド内を走り回っていた。すると、ナツが口を開く。
「いい事思いついたぞハッピー! ティアナ!!」
「なぁに!?」
「ジョゼをやっつけちまえばこの戦いは終わるんじゃねーのか?」
「何バカなこと言ってんのよバカナツ!! 出来るわけないでしょう!!!」
ナツの提案をティアナは即座に却下する。
「ジョゼはウチのマスターと互角の魔力を持ってるんだよ! ナツとティアナの二人がかりでも勝てるわけないよ!!」
「でもじっちゃんはいねーんだ。だったら誰がジョゼを倒すんだよっ」
「うっ……」
「(ガーン!!)」
ナツの核心をつく言葉にティアナとハッピーは苦虫を噛み潰したような表情をする。
「ナツのバカーー!! 考えないようにしてた事思い出しちゃったじゃないかー!!!」
「そうね……マスターもエルザさんも…なのはさんもいない…この戦争…どうやっても最後にはジョゼが……」
そう言って表情を暗くするティアナ。そんなティアナの頭にナツがポンッと手を置き……
「オレがいるだろーが!!!」
と、笑みを浮かべながら力強くそう言った。
「ナツ……」
その笑みを見たティアナは心のどこかから確かな安心感を感じていた。
その時……
「悲しい…」
「ぬおっ!!?」
「っ!!?」
通路先の大広間に出た瞬間、突然風が吹き、巨漢の男が現れる。
「炎の翼は朽ちて堕ちてゆく…嗚呼……そこに残るのは竜の屍……」
「あ?」
「こいつ……エレメント4!!」
現れた男を敵だと判断したティアナは即座にクロスミラージュを構える。
「我が名はアリア……エレメント4の頂点なり。
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方…ナツ達とは別ルートで動力源を探していたグレイは屋外へと出てきていた。
「ん? 雨……何か降ってたか?」
グレイが外に出ると、何故かそこだけ雨が降り注いでいた。
「しんしんと…」
「!!」
すると…グレイの前に傘を差した一人の女性が現れる。
「そう……ジュビアはエレメント4の一人にして雨女。しんしんと…」
「エレメント4…(つーかコイツ…ティアナと声が似てんな)」
エレメント4の一人…『大海のジュビア』の声を聞いて、グレイは内心そう思っていた。
「まさか二つのエレメントが倒されるとは思わなかったわ。しかしジュビアとアリアは甘くみない事ね」
ジュビアはグレイに向かってそう忠告する。
「悪ぃけど、女だろうが子供だろうが仲間をキズつける奴ぁ容赦しねえつもりだからよぉ」
しかし、対するグレイはジュビアにそう言い返した。するとその言葉を聞いたジュビアは何故かポッと頬を赤くして……
「そ…そう……私の負けだわ…ごきげんよう」
そのままグレイに背を向けて立ち去ろうとした。
「オイオイオイッ!!何じゃそりゃ!!!」
当然驚くグレイ。
「(はぁ……ジュビア……どうしちゃったのかしら……この胸のドキドキは…)」
「待てコラ!! この巨人を止めやがれっ!!!」
「(私のものにしたい……!!! ジュビア…もう止まらない!!!)」
そう心の中で叫んだジュビアは向かってくるグレイの方に振り返り……
「
「ごぽっ」
グレイを大きな水の塊の中に閉じ込めてしまった。
「うぎっ」
しかしその瞬間、以前リオンに刺された腹のキズが開いてしまった。それを見たジュビアは慌てる。
「まあっ!!! ケガをしていらしたなんてっ!!! ど…どうしましょっ!!! 早く解かなきゃっ!!!」
急いで魔法を解除しようとするジュビア。
「ぬうぅぅ……あああっ!!!」
その時、グレイは拘束していた水を凍らして砕き、自力で脱出した。
「やってくれたなぁコノヤロゥ……痛て……」
ジュビアを睨み、腹のキズを押さえながら上半身の服を脱ぎ捨てるグレイ。それを見たジュビアはさらに頬を赤くする。
「アイスメイク〝
そしてジュビアに向かって数本の氷の槍を放つグレイ。しかしジュビアに当たる事は当たったが、その時にジュビアの体が液状化した。
「ジュビアの体は水でできているの。しんしんと…」
「水だぁ!!?」
ジュビアの異常な体に驚愕するグレイ。対するジュビアは何故か悲しい顔をしている。
「さよなら小さな恋の花!!!
「何言ってんだコイツ!!! ぐぉわっ!!」
ジュビアの放った水の斬撃を何とか避けて直撃を免れたグレイ。そのまま次の攻撃体勢に入る。
「アイスメイク…〝
造り出した氷の斧を横一閃に振ってジュビアを切りつけるグレイ。しかしまたもジュビアの体が液状化し、不発に終わった。
「チッ」
「あなたはジュビアには勝てない。今ならまだ助けてあげられる。ルーシィを連れてきて頂戴。そうしたら私がマスターに話して退いてもらうわ」
グレイにそう交渉を持ちかけるジュビア。しかしグレイはほぼ即答で口を開く。
「オイ……ふざけた事言ってんじゃねえぞ。もうお互いに退けなねぇトコまできてんだろうが。ルーシィは仲間だ。命に代えても渡さねえぞ」
そのままグレイは「それに……」と言葉を付け足して話を続ける。
「オレの昔っからの同期……なのはまでキズつけられてんだ。このまま引き下がる訳には行かねえんだよ……!!!」
グレイのその言葉を聞いた瞬間…ジュビアは持っていた傘を落とし、何故か目に涙を浮かべる。
「!」
それを見て驚愕するグレイ。そして……
「キイィィィィイイ!!!」
被っていた帽子を脱ぎ捨て、突然体から湯気を噴出するジュビア。
「ジュビアは許さない!!! なのはを決して許さない!!!」
「あちっ!! 熱湯!!? つーか何でなのはにキレてんだよ」
知らないうちに何か地雷を踏んでしまったグレイであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして再び場所は移り、動力源を探している最後の一人であるスバルは……
「うわーん!! ここどこーー!!?」
盛大に道に迷っていた。
「うぅ…ティアと一緒に行けばよかった……でもティアとナツの邪魔はしたくないしなぁ……動力源も見つかんないし…」
そう呟きながら動力源を探して通路をマッハキャリバーで走り回るスバル。その時……
「っ!!」
直感で何かを感じ取ったスバルはマッハキャリバーを止めてすぐに後ろに飛んだ。その瞬間、先ほどまでスバルが居た場所に魔力で生成された紫色のダガーが突き刺さる。
「誰!!?」
すぐさまダガーが飛んできた方向に目を向けるスバル。そこには……
「…………………」
「君は…あの時の……」
今朝ファントムに乗り込んだ際にスバルと相対した少女…ルーテシアと彼女が召喚した人型の蟲…ガリューが立っていた。
「敵は…倒す……」
「2対1か……いいよ…相手になってやる!!!」
ルーテシアは静かに呟き、スバルはリボルバーナックルを構えて戦闘態勢に入った。
ナツ&ティアナVS大空のアリア
グレイVS大海のジュビア
スバルVSルーテシア&ガリュー
今ここに…三つの戦いが始まったのであった。
つづく