LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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お待たせいたしました。最新話更新です。

更新スピードは遅いですが、太陽の村編は思ったより早く終わりそうです。

感想お待ちしております。


悪魔回帰

 

 

 

 

 

ナツやグレイたちとはぐれ、3人で風精の迷宮(シルフラビリンス)のトレジャーハンターと戦う事になったルーシィ、スバル、ウェンディ。

 

 

だがそんな彼女たちの前に現れたのは……元大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の魔導士であるフレアと、〝黒騎士〟の異名を持つ少年……トーマ・アヴェニールであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第233話

『悪魔回帰』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だこいつら…」

 

 

「奴等の仲間か」

 

 

「…………」

 

 

「くくく」

 

 

毒づくヒロシとララに対して、無言で彼らを見据えるトーマと不気味に笑うフレア。

 

 

「あの……ありがとうございます」

 

 

「でも、何で2人が…?」

 

 

《私もいます!》

 

 

「「「!」」」

 

 

助けてくれた事にウェンディが礼を言い、スバルが何故ここにいるかと問い掛けた瞬間、トーマの体の中から少女らしき声が聞こえてきた。

 

 

「えっと確か…リリィさんでしたっけ?」

 

 

《はい! リリィ・シュトロゼックです!! 初めまして》

 

 

「は…初めまして」

 

 

その声の正体は、トーマの相棒である少女…リリィ・シュトロゼックであった。そしてリリィが軽い自己紹介をした後、今度はルーシィが彼らに尋ねる。

 

 

「何でアンタたちがこんなトコにいる訳!?」

 

 

「金髪をつけてきた」

 

 

「ええ!?」

 

 

「てゆーかいつもつけてる」

 

 

「えええええっ!!?」

 

 

フレアのまさかのストーカー発言にルーシィは絶叫する。

 

 

「ウソ」

 

 

「!?」

 

 

ウソであった。

 

 

「私…行くトコなくなった…だから帰ってきた」

 

 

「帰って……きた?」

 

 

「そう…私の故郷。この紋章は──太陽の村(このむら)の紋章」

 

 

右胸に新しく刻まれた紋章を見せながらそう言い放ったフレアの言葉に、ルーシィたちは驚愕する。

 

 

「フレアさんってこの村の人だったんですか!!?」

 

 

「ウソ!?」

 

 

「って事はフレアも巨人!!?」

 

 

「違う。私は小さい頃、巨人に育てられたの」

 

 

《因みに私とトーマはフレアに誘われて付き添いです。他に行くアテもなかったので》

 

 

「それで村に帰ってきたら村の人が……私の…家族が…許せない」

 

 

そう言って怒りを滲ませながら、目の前のトレジャーハンターを睨むフレア。

 

 

「氷漬けにしたのは超オレたちじゃねェよ!」

 

 

「オレたちは永遠の炎をドゥーンといただく為に」

 

 

「それでも……この村を荒らそうとしているのは一緒だろ」

 

 

「「!!」」

 

 

すると、今まで黙っていたトーマが静かに口を開いた。

 

 

「オレとリリィはこの村の事は何も知らないけど……故郷を失う悲しみは痛いほどよく知ってる」

 

 

《私とトーマの故郷も…誰かに荒らされて、壊滅させられたから……》

 

 

「「「!!?」」」

 

 

トーマとリリィが口にした彼らの境遇を聞き、驚愕で目を見開くルーシィたち3人。

 

 

 

「だからオレたちは……お前たちのように人の故郷を土足で踏み荒らし、汚そうとする奴は絶対に許さない。今すぐこの村から──消えろ」

 

 

 

そしてトーマはリボルバー拳銃に銃剣を装着したような形状の大剣……ディバイダーの切っ先をトレジャーハンターに向けながら静かに言い放ったのであった。

 

 

「ケッ、ガキが……トレジャーハンターが手ぶらで帰れるかよっ!!!」

 

 

そんなトーマに対してそう言い返しながらチェインブレイドを構え、彼に向かって駆け出すヒロシ。

 

 

「フレア、その人たちと一緒に下がってて」

 

 

「うん」

 

 

対するトーマも、フレアに下がるように指示するのと同時にディバイダーを構えながら駆け出す。

 

 

「えっ!? ちょ…1人で戦う気!!?」

 

 

「いくらなんでも無茶ですよ!!」

 

 

「そうだよ!! みんなで一緒に戦った方が……!!」

 

 

「大丈夫」

 

 

単騎で向かって行ったトーマに驚愕するルーシィたち3人だが、そんな彼女たちにフレアが静かに告げる。

 

 

「今のトーマは…1人じゃない……それに……黒騎士になったトーマは本当に……強いから」

 

 

そして……ガキィィイン!! という甲高い金属音を響かせながらトーマとヒロシ、両者の武器が激突した。

 

 

「お前のその武器…超お宝の匂いがするな。あの女の鍵と合わせてついでに頂いてやるぜ」

 

 

「宝探しをせずに、他人のモノを奪うのか。トレジャーハンターというより盗賊だな」

 

 

「ほざけ!! トレジャーハンターの恐ろしさを超教えてやるよ!!!」

 

 

トーマの言葉に激昂したヒロシはチェインブレイドを振るって何度もトーマに斬撃を仕掛け、それに対してトーマはディバイダーで相手の一撃一撃を確実に防いでいる。そして両者の武器が一際強く衝突すると、お互いにギリギリと音を立てて鍔迫り合う。

 

 

「ドゥーーン!!!」

 

 

「!」

 

 

するとその時、横からララがトーマに向かって一直線にストロンガーを振り下ろし、それに気がついたトーマは後ろに飛んでその攻撃を回避する。

 

 

《トーマ!! しゃがんで!!》

 

 

「!?」

 

 

その瞬間、頭に直接響いたリリィの声に反応したトーマは即座にその場で屈んだ。それと同時に彼の頭上を1発の弾丸が通り過ぎ、地面に減り込んだ。

 

 

「オレを忘れてもらっちゃ困るねェ。次は外さねえョ」

 

 

そんなどこかに身を隠しながらナナヨンと呼ばれるライフルを構えているドレイクの声が響いてくる。

 

 

「お宝も女も、オレたちが超頂く!!! 魔導士ごときがオレらにケンカ売るなんて超10年早ェよ!!!!」

 

 

そう言って得意気な笑みを浮かべながらそう言い放つヒロシ。

 

 

「我が変形銃槍剣(チェインブレイド)の威力を超思い知れ!!!!」

 

 

そしてヒロシはチェインブレイドで再びトーマに斬りかかる。それに対してトーマはディバイダーでヒロシの斬撃をことごとくガードする。

 

 

「喰らえ!!!」

 

 

するとヒロシは斬撃の手を止めて、チェインブレイドに備え付けられたレバーをガコンっと引く。

 

 

「超突きィ!!!!」

 

 

その瞬間、刀身がまるで槍のように伸びそのままトーマに向かって鋭い突きを放つ。

 

 

「!!」

 

 

そしてその攻撃は……トーマの頭部を捉えると同時に、突きで起きた衝撃波で起きた爆音と共に、土煙を巻き起こしたのであった。

 

 

「へへっ」

 

 

仕留めた…と確信し、得意気な笑みを浮かべるヒロシ。そして土煙が晴れるとそこには……

 

 

「なっ!!?」

 

 

伸びたチェインブレイドの刃先を片手で鷲掴みにして受け止めているトーマの姿があった。

 

 

「ハァ!!」

 

 

「ぐはっ!?」

 

 

そしてトーマはそのままヒロシごとチェインブレイドを振り回し、ヒロシを木に叩き付ける。

 

 

「ヒロシー!!! こんの野郎ォ!!!」

 

 

「!!」

 

 

するとそれを見たララが、グーからパーの形に開いたストロンガーによって、そのまま握られるように捕えられ、ギリギリと締め上げられてしまう。

 

 

「この強化甲型槌(ストロンガー)は並の力じゃはずせねえぞドゥーン!! 今だドレイク!!!」

 

 

「OK。オレの七四式長距離砲(ナナヨン)で撃ち抜いてやる」

 

 

そしてそれを好機と見たドレイクがトーマの頭に狙いを定めて、ナナヨンのトリガーを引いた。

 

 

「一丁あがりってな」

 

 

その瞬間……放たれた弾丸がトーマの頭を直撃した──かのように見えた。

 

 

「なにっ!!?」

 

 

だがスコープを覗いたドレイクの目に映ったのは、トーマが所持している魔導書……銀十字の書のページの1枚が、トーマに向かって放たれた弾丸を防いでいる光景であった。

 

 

《弾丸の軌道から逆算して狙撃手の居場所を特定……見つけたよトーマ》

 

 

「ありがとうリリィ。行くぞ──銀十字」

 

 

【ハイパードライブ承認】

 

 

そして銀十字からそんな機械音声のような声が聞こえてきた瞬間、トーマの魔力が跳ね上がった。

 

 

「ハァァッ!!!」

 

 

「うへっ!!? オレの強化甲型槌(ストロンガー)が!!?」

 

 

するとトーマは自分の体を捉えていたストロンガーを粉々に粉砕して自力で脱出する。そしてララが驚愕している間にトーマはディバイダーを構え……

 

 

 

「ディバイドエッジ!!!!」

 

 

 

「ドゥーーーーン!!!」

 

 

そのまま鋭い斬撃でララを斬り裂き、彼の意識を奪ったのであった。

 

 

「1人目」

 

 

トーマはそう呟くと、今度は先ほどリリィに特定してもらった隠れているドレイクに向かってディバイダーの切っ先を構える。

 

 

「いっ!?」

 

 

それを見たドレイクはすぐさまその場を離れようとするが間に合わず……

 

 

 

「シルバーハンマー!!!!」

 

 

 

「ぎゃああああああっ!!!!」

 

 

ディバイダーの切っ先から放たれた白銀の魔力による砲撃によって吹き飛ばされ、そのままトーマの足元に落ちてきて気を失った。

 

 

「2人目」

 

 

あっという間にララとドレイクの2人を片付けたトーマは、残ったヒロシを睨む。

 

 

「おのれェ……魔導士ごときがァーーー!!!!」

 

 

自棄になったように叫びながらトーマに斬りかかるヒロシ。その攻撃を軽々と避けながら、トーマは静かに告げる。

 

 

「その程度で魔導士に勝とうなんて──100年早い」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「クリムゾンスラッシュ!!!!!」

 

 

 

 

 

トーマの赤い剣閃を描いた斬撃は……チェインブレイドごとヒロシを斬り裂き、それを喰らったヒロシは勢いよく吹き飛ばされ木に激突し、意識を失ったのであった。

 

 

それと同時にトーマの体が輝きだし、トーマとリリィが分断されて黒騎士から元に戻る。

 

 

「やったねトーマ!!」

 

 

「ああ」

 

 

そしてトーマはリリィの言葉に頷きながら、後ろでトーマの勝利に喜んでいるフレアやルーシィたちのもとへと戻って行ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「私…小さい頃、この村にいた…でも……私だけ……みんなと違うのがイヤで……村を出て行ったの」

 

 

その後……近くの岩場で腰を落ち着けたルーシィたちは、フレアの身の上話に耳を傾けていた。

 

 

「それまで自分と同じ大きさの人間見た事なかった。それが……逆に怖くなって、私……こんなんになっちゃって……」

 

 

「それでレイヴンに入ったの?」

 

 

「私……お金稼ぐ方法を知らなくて…何も知らずに大鴉の尻尾(レイヴンテイル)に入った。そのギルドは妖精の尻尾(フェアリーテイル)を嫌ってて……でも…それが当たり前だと思ってて……」

 

 

「まぁ、マスターがマスターだったからね…仕方ないと思うよ」

 

 

「もういいんです、仲直りしましょ」

 

 

「うん…ごめんなさい」

 

 

「ううん…全然気にしてないから」

 

 

そう言って謝罪するフレアを、ルーシィは笑顔で許した。

 

 

「フレアさんが久しぶりに故郷に帰ってきたら、村がこうなってたんですよね」

 

 

「うん…」

 

 

ウェンディの言葉に頷きながら、目元に涙を滲ませるフレア。そんな彼女をルーシィが慰める。

 

 

「泣かないで!! みんなまだ生きてるんだから」

 

 

「うん。永遠の炎なら氷を溶かせるかもしれない。ついてきて!! 案内する!!」

 

 

そう言うとフレアは先導して永遠の炎のある場所へと走り出し、ルーシィたちもそれに続くように駆け出していったのであった。

 

 

「ねえねえトーマ」

 

 

「?……なに?」

 

 

するとその途中でスバルが走りながらトーマに声をかけ、トーマはそれに首を傾げながら応対する。

 

 

「私とトーマってさ……昔どこかで会った事ある?」

 

 

「!」

 

 

そしてスバルのそんな問い掛けに、トーマは僅かに目を見開く。

 

 

「何だかトーマとは初めて会ったような気がしなくて……トーマはどう?」

 

 

「………さぁね」

 

 

「そっか、やっぱり私の気のせいか!」

 

 

トーマの言葉を聞いて、あっさりと自分の勘違いだったと認めて笑うスバル。

 

 

そんなスバルの様子を……横を走るトーマがどこか呆れたような目で見ていたのを、スバル本人は知る由もなかった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「あの声…誰なんだ!? てか……この格好いつになったら戻るんだ!!?」

 

 

一方…うまくドリアーテから逃げられた子供姿のナツは、謎の声が聞こえた方角へと向かって走っている。

 

 

すると……

 

 

「ナツ!!!」

 

 

「!? ティア!!?」

 

 

ナツと同じ子供姿となったティアナがやって来て、ナツと合流した。

 

 

「その姿…お前もあのデカブツにやられたのか!!?」

 

 

「デカブツってのは知らないけど、アンタもそんな姿になっちゃったのね」

 

 

お互いの子供姿を見て驚愕するナツと、冷静に確認するティアナ。

 

 

「ところでナツ、他のみんなは──あーごめん、やっぱり言わなくていいわ。どーせまた1人で突っ走ってはぐれちゃったんでしょ」

 

 

「うぐっ…」

 

 

ティアナの指摘に図星なだけに何も言い返せないナツ。

 

 

「で? アンタはどこに向かってたのよ?」

 

 

「声が聞こえたんだ」

 

 

「声?」

 

 

「ああ。氷の下の地面から、誰かの呼んでるみてーな声がしたんだ」

 

 

「誰かって誰よ?」

 

 

「分からねえ……けどどこかで聞いた事のある声だったんだ」

 

 

「それでアンタはその声が聞こえる方に向かってた…と言う訳ね」

 

 

「ああ」

 

 

ナツからの話を聞いたティアナは、顎に手を当てて考え込むような素振りを見せる。

 

 

「……もしかしたらこの村を救う手がかりになるかもしれないわね。ナツ、その声はどこから聞こえたの?」

 

 

「あっちだ!!」

 

 

そう言ってナツが指差したのは、先ほどまでティアナがエルザと共にいた永遠の炎があると思われる巨大な山があるの方角であった。

 

 

「やっぱり間違いなさそうね……行くわよナツ!!!」

 

 

「おう!!!」

 

 

そう言うとナツとティアナは共に謎の声が聞こえる方向へと向かって走り出したのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃……ナツともルーシィたちともはぐれて、1人村へと戻って来ていたグレイ。

 

 

「まいったな…ナツは見つからねーし、ルーシィたちとははぐれちまうし………ん?」

 

 

するとそんなグレイの目に、誰かを探すように村を歩く巨体の男……ドリアーテの姿が目に入った。

 

 

「おいオマエ」

 

 

「!」

 

 

「盗人の仲間か?」

 

 

崖の下にいるドリアーテにそう問い掛けると、当然ドリアーテはグレイの方へと顔を向ける。するとそんなグレイの目に、ドリアーテの獣のような口が映る。

 

 

「うお!?」

 

 

「めんどくせぇなァ……小分けに現れやがって」

 

 

「何だ……オマエ…その口……」

 

 

ドリアーテの異形な口に動揺するグレイ。するとドリアーテはそんなグレイを見てニヤリと笑い……

 

 

「テメェを食う為の口だァ!!!!!」

 

 

「!!?」

 

 

そう叫んだ瞬間、退化ノ法によってグレイの体が一瞬で子供化してしまった。

 

 

「え? なんだコレ……」

 

 

「かあああああ!!!」

 

 

突然子供の姿にされて愕然とするグレイ。そしてそんなグレイに勢いよく崖をよじ登って向かって行くドリアーテ。

 

 

「コレ…ガキ……」

 

 

するとその時……子供となった自身の姿を見たグレイの心臓が大きく跳ね上がり、顔色は恐怖のモノへと変わっていく。

 

 

そんなグレイの脳裏に浮かび上がるのは……幼い頃に経験したデリオラによって全てを奪われた恐怖の記憶。

 

 

そして……

 

 

 

「ああああああああああああああああっ!!!!!」

 

 

 

「!!」

 

 

突然その場に響き渡るような絶叫を上げたグレイに、攻撃を仕掛けようとしたドリアーテの動きがピタリろ止まる。

 

 

「ああああああ!!!!」

 

 

「……………」

 

 

目の前に立つドリアーテに目もくれず、恐怖で叫び続けるグレイ。

 

 

「たまにいるんだわ、体をガキにすると…その頃の体験を思い出しちまう奴。かわいそうにねぇ──だが知ったこっちゃねぇんだわ!!!!」

 

 

「あ……悪魔…!!!! デリオラ!!!! た…助け……」

 

 

「もう逃がさねえ」

 

 

恐怖で怯えるグレイの顔を容赦なく鷲掴みにし、持ち上げるドリアーテ。

 

 

「殺す前に1つだけ教えといてやろう。この世には決して踏み込んじゃいけねえ世界がある。冥府の門の向こう側だ。テメェらは今、その入り口に立ってんだわ」

 

 

「うぐぅ…ぐうう…」

 

 

「くはははっ!!! ガキ相手に何言ってんだか」

 

 

「んんんんん!!!!」

 

 

ドリアーテの意味深な言葉も耳には入らず、ただただ恐怖で怯えるグレイ。

 

 

すると……

 

 

 

《グレイ……》

 

 

 

「!」

 

 

グレイの頭の中に、聞き覚えのある女性の声が聞こえてきた。

 

 

《デリオラはもういない……》

 

 

「(わかってる!! わかってるけど…あいつはオレの父ちゃんと母ちゃんを……)」

 

 

《もういないわ……勇気を出して……あなたが目の前の敵を倒さないと…仲間が危ないわ》

 

 

「仲間…目の前の敵……」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、段々とグレイの目から恐怖の色が消えていく。

 

 

《そう……私が見守ってるから……》

 

 

その言葉を最後に途切れる女性の声。

 

 

 

 

 

「ウル………ティア」

 

 

 

 

 

その瞬間、グレイの氷がドリアーテの腕に一部を凍らせた。

 

 

「ぬおっ!? 冷てっ!!」

 

 

いきなりの反撃に思わずグレイを掴んでいた手を放してしまったドリアーテ。

 

 

「氷…悪魔…ガキ…月の雫(ムーンドリップ)。懐かしいモンがそろいすぎてる。情けねえ……こんな事で我を忘れるたァ。もう大丈夫だ」

 

 

正気に戻ったグレイは目元の涙を拭いながらそう呟く。

 

 

「この村、お前がやったのか」

 

 

「あ? そうだ…と言ったら?」

 

 

グレイの問い掛けに対してそう答えるドリアーテ。するとグレイはそんなドリアーテに対して、力強く言い放ったのであった。

 

 

 

 

 

「こんな気持ちの悪ィ氷の魔法を使いやがって──本物の氷の魔法を見せてやる」

 

 

 

 

 

つづく




ここまで盛り上げておいてなんですけど、グレイvsドリアーテ戦はリリカルキャラが絡まないのでカットいたします。どうかご容赦ください。
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