LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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今回は少し早めに投稿できました。

そして今回から冥府の門編も序章から第一章に入ります。仕事でバタバタしている身ですが、誠心誠意執筆していきたいと思います。



本編に入る前に少しお知らせです。

前々から考えていたのですが、当小説におけるエリオの必殺技である滅竜奥義『飛電轟雷撃』の技名を改名しました。

『飛電轟雷撃』から『紫電轟雷撃』に変えました。イントネーション自体は変わっていませんが、個人的にこちらの方がしっくりくる気がしますので。

以上、正直どうでもいいお知らせでした。本編の方をどうぞお楽しみください。

感想お待ちしております!!


冥府の門編【第一章】
背徳と罪人


 

 

 

 

 

 

場所は魔導士ギルド〝妖精の尻尾(フェアリーテイル)

 

 

そこではマスターであるマカロフを含めたメンバーたちが、元評議員たちの護衛に向かったメンバーからの連絡を通信用魔水晶(ラクリマ)から受けていた。

 

 

しかしグレイ&ジュビアが担当のホッグ老師も、ガジル&シャドウ・ギアが担当のベルノ老師も、すでに敵の手にかかって息絶えてしまっていた。

 

 

そして現在……マカロフたちはゲンヤの護衛に向かったスバルやノーヴェたちからの報告を受けていた。

 

 

「なんと……ゲン坊まで……!!」

 

 

事のあらましを聞いたマカロフは、ショックを受けた様子でそう呟いた。マカロフとゲンヤはそれなりに親しい間柄であった。そんなゲンヤが敵の手にかかって命を落としたと聞いては、心中穏やかではいられないだろう。

 

 

『私たちは…ひぐ……お父さんを…守れなかっ…うぅ…!!!』

 

 

「スバル……父を失い、悲しむ気持ちはわかる。じゃが今のワシ等に立ち止まっている時間はない。とにかくお主たちは一度帰って来るのじゃ」

 

 

『わかってる。チンク姉たちを病院に送ったらすぐに帰る』

 

 

スバルを諭すようにそう言ったマカロフの言葉に、ノーヴェが魔水晶(ラクリマ)を覗き込みながらそう答える。

 

 

「ホッグ老師にベルノ老師…それにスバルたちのお父さんまで……後はミケロ老師の所に向かったナツたちと、ユーゴ老師の所へ向かったエルフマンたちね……」

 

 

その様子をマカロフの後ろから見ていたルーシィは、俯きながらそう呟いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第240話

『背徳と罪人』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よかった!! やっと繋がったわ!!!』

 

 

数分後…通信用魔水晶(ラクリマ)にようやくティアナたちからの連絡が入って来た。

 

 

「ティアナか!!? そっちの様子は!?」

 

 

『ミケロ老師は無事です。敵と応戦したナツは負傷してますけど』

 

 

『勝ちだ』

 

 

冥府の門(タルタロス)の1人を倒しました』

 

 

『勝ちだ』

 

 

『だそうです』

 

 

『街はひどい有り様ね』

 

 

『オイラの毛も』

 

 

ミケロを守り、敵の1人を撃破したという報告に、どこからともなくメンバーたちからの感嘆の声が上がる。

 

 

「ミケロからは何か情報を聞きだせたのか!?」

 

 

『それが……』

 

 

『白き遺産…フェイス……ワシは何も知らん……本当に何も知らん……』

 

 

魔水晶(ラクリマ)に映ったのはぐったりと壁に寄り掛かりながら座り込み、うわ言のようにそう呟くミケロの姿であった。

 

 

「フェイス?」

 

 

『フェイスは評議院が保有する兵器の1つ』

 

 

「「「!!」」」

 

 

兵器という言葉を聞いて、ナツやティアナたち、マカロフを初めとしたギルドメンバーたち、そして魔水晶(ラクリマ)越しに聞いていたグレイやガジルたちも息を呑む。

 

 

『兵器だぁ? 評議院が何でそんなモンを』

 

 

『魔法界の秩序を守る為でしょうね。私だって思う所はあるけど……今は話を進めましょ』

 

 

ナツの疑問に対してシャルルがそう言い放ち、話を進めた。

 

 

『いくつもある兵器はその危険度、重要度によって管理方法が違ってくる。例えば〝エーテリオン〟この大陸中全てを狙える超魔導砲。その威力は一国をも一瞬で消滅させる力。これの発射には現評議員9名の承認と上級職員10名の解除コードが必要となる』

 

 

「つまり、リンディさん以外の現評議員が殺されてしまった今……」

 

 

「そのエーテリオンは使えない…という事ですね」

 

 

「おそらくそれも、奴等の狙いの1つだったのでしょう」

 

 

エーテリオンの話を聞いて、ユーノ、エリオ、リニスがそれぞれそう言って口を開く。

 

 

「フェイスとは一体どんな兵器なんじゃ!!!」

 

 

『……………』

 

 

「秘匿義務があるのはわかる!!! しかし今はそれどころではないんじゃぞ!!!」

 

 

マカロフの問いに対して硬く口を閉ざしていたミケロだが、やがてゆっくりと口を開いてその問いに答えた。

 

 

 

『魔導パルス爆弾──大陸中全ての魔力を消滅させる兵器』

 

 

 

『な……!!?』

 

 

『大陸中の魔力を……!!』

 

 

『消滅だと!!?』

 

 

「全魔導士が魔力欠乏症になる!!」

 

 

『それだけじゃないわ!! 冥府の門(タルタロス)が使う力は〝呪法〟!! 魔法とは異なる力よ!!』

 

 

「私ら魔導士が魔力を失って苦しむ中、冥府の門(タルタロス)だけが力を使える世界っちゅう訳やな」

 

 

「なんというとんでもない兵器を……」

 

 

フェイスの兵器としての恐ろしい力…そしてそれは冥府の門(タルタロス)にとってはかなり有利な世界を作り出す。その話を聞いていた全員が驚愕の声をもらした。そしてナツがミケロの胸倉を掴み、そのフェイスの在処を聞き出そうとする。

 

 

『それはどこにあるんだ!!!! 奴等より先にオレたちがぶっ壊してやる!!!!』

 

 

『し…知らんのじゃ…本当に……封印方法は3人の元評議員の生体リンク魔法だと聞いた事はあるが、その3人が誰なのかは〝元議長〟しか知らない情報じゃ』

 

 

『生体リンク魔法……』

 

 

『3人の元議員の命が、封印を解く鍵って事ね』

 

 

『だから奴等は情報を聞き出そうともせずに、評議員を殺しているのか』

 

 

『でも……それって逆に言えば情報は得る必要はないという事……冥府の門(タルタロス)はフェイスの隠し場所まではつかんでいるという事でしょうか』

 

 

『封印してる3人の元議員が殺されちまったら、フェイスが冥府の門(タルタロス)に渡っちまうぜ!!』

 

 

封印を解く鍵は3人の元議員の命……それを聞いてハッピー、ティアナ、グレイ、ジュビア、ノーヴェの順でそれぞれ口を開く。

 

 

「急いでその3人を見つけ出し守らねば!!!! その3人の事は元議長が知ってるんだな!!!」

 

 

『お…おそらく』

 

 

それを聞いたマカロフはさっそく元議員の住所の捜索を行っているメンバーたち向けて強く言い放つ。

 

 

「元議長の住所の割り出しはまだか!!? 元議長も敵に狙われているハズじゃ!!!! 急げ!!!!」

 

 

「大丈夫ですよ、マスター」

 

 

そんなマカロフの言葉に、住所捜索をしているメンバーの中でリーダーであるユーノがそう答える。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)独自の情報網を使って、追加で16人の元評議員の住所の割り出しに成功しました。そっちはウォーレンが他のギルドに頼んで護衛にまわってもらっている。そしてその中に、元議長の住所もありました」

 

 

「急いで誰かを向かわせろ!!!!」

 

 

「安心してください、すでに向かってくれています」

 

 

そう言ってユーノは得意気に笑いながら、元議長の住所に向かってメンバーの名前を告げる。

 

 

 

 

 

「エルザ…なのは…ミラ──最も頼れる3人が」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は変わって、とある山の中に立つ一軒家……その家にはエルザとなのは、そしてミラジェーンの3人が訪れていた。

 

 

「引退後はハーブの栽培を始めてねぇ、うちで育てたカモミールじゃ」

 

 

「いただきます」

 

 

「いいパルファ……香りですね」

 

 

「うん、大地のリンゴの名前に相応しいね」

 

 

「それで? せっかくの客人にこんな質問も無粋なのじゃが、どうやってうちの住所を?」

 

 

3人に紅茶を振る舞いながらそう問い掛けるの老人。彼はこの家の家主であり、元魔法評議院議長のクロフォード・シームである。

 

 

「大変失礼かとは思ったのですが緊急時ゆえ、ギルド独自の情報網を使わせていただきました」

 

 

「それで秘匿情報のハズのワシの住所までたどり着くとは…おそれいったよ」

 

 

「申し訳ありません」

 

 

「いやなに……ワシはもう引退した身、咎めはせんよ。はっはっはっは! 君の事は覚えておるぞ」

 

 

そう言って愉快そうに笑いながらエルザを指差すクロフォード。以前、鉄の森(アイゼンヴァルト)の一件でエルザの形式だけの裁判が開かれた。だがそこにナツが現れて大暴れしたのを、判決を下した張本人であるクロフォードはよく覚えていた。

 

 

「お恥ずかしいかぎりです」

 

 

「懐かしいなぁ……あれから7年、君たちは凍結封印されてたんだってねぇ」

 

 

当時の事を思い出して赤面するエルザと、懐かしむクロフォード。するとそこへ、なのはが口を挟む。

 

 

「すみませんクロフォードさん、そろそろ本題の方に……」

 

 

「ああ……そうだったね、フェイスの件だったね。ワシもかつての同僚たちの悲報に胸が痛むよ。評議院が機能していない今、君たちのような正義感の強いギルドが立ち上がる事を大変嬉しく思う」

 

 

「私たちは冥府の門(タルタロス)を止める為、まずはフェイスを破壊しようと思います」

 

 

「その保管場所を教えていただけないでしょうか」

 

 

「残念だが、それはワシにもわからん」

 

 

「え?」

 

 

「そんな…」

 

 

「議長……!」

 

 

クロフォードが言い放った言葉に、目を丸くするエルザたち。

 

 

「これは秘匿情報ゆえ隠してる訳ではないんだ。元議長といえど、そこまで知る権限はなかったのだよ」

 

 

「元議長でも知らない情報を、奴等はどうやって手に入れたのでしょう?」

 

 

「確かに……謎じゃな」

 

 

「それじゃあ、せめて生体リンクでフェイスを守ってる3人の元議員さんを教えてくれませんか? その人たちを冥府の門(タルタロス)から守れば……」

 

 

「それもワシには知る権限がない」

 

 

「そんな……」

 

 

鍵となる元議員たちすらも知らないというクロフォードに、3人は絶句してしまう。

 

 

「フェイスはね…破棄された兵器なんだよ。存在すら(おおやけ)にできない禁断の兵器。ゆえに封印の鍵となる評議院も、自分が鍵である事を知らない。究極の隠匿方法によって守られている」

 

 

「本人も知らない…?」

 

 

「では……冥府の門(タルタロス)は本当に元評議院を皆殺しに……」

 

 

「「「!」」」

 

 

「な……何じゃ!!?」

 

 

そこまで話が進むと、突然3人は何かに気づいたように勢いよくテーブルから立ち上がる。

 

 

「どうやらお出ましみたいね」

 

 

「家を包囲されてる。足音……20人はいる」

 

 

「議長さんは奥の部屋に隠れててください」

 

 

「タ……冥府の門(タルタロス)か!!?」

 

 

「来るぞ2人とも!!!」

 

 

エルザがそう言った瞬間……冥府の門(タルタロス)と思われる兵隊たちが、家の壁を破壊しながら一斉になだれ込んで来た。

 

 

だがその時……換装で黒羽の鎧を身に纏ったエルザの剣が…サタンソウルで魔人の姿となったミラジェーンの拳が…構えたレイジングハートから放たれた砲撃が、凄まじい轟音を響かせながら兵隊たちを薙ぎ払ったのであった。

 

 

「議長に手出しはさせんぞ」

 

 

そう言ってエルザ、ミラジェーン、なのはの3人が兵隊たちの前に並び立つ。

 

 

「お前たちと組んで戦うのは初めてか」

 

 

「にゃはは…この3人なら負ける気がしないね」

 

 

「見せてあげましょ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の力を」

 

 

そして3人は、議長の家を取り囲む兵の軍勢との戦闘を始めたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃……壊滅した評議院ERAの跡地にある、地下の独房。

 

 

そこにあるのはコブラが収容されていた独房。だがそこにコブラの姿はなく、代わりにドランバルトがもぬけの殻となった独房に1人佇んでいた。

 

 

冥府の門(タルタロス)はフェイスという兵器を狙っている。それは魔導パルス爆弾。この大陸全ての魔導士の魔法を使えなくする兵器』

 

 

ドランバルトの脳裏に浮かんでいるのは、コブラから聞き出した冥府の門(タルタロス)に関する情報。その情報の代償として、ドランバルトはコブラを独房から解放したのである。

 

 

「(もう後には引けない……冥府の門(タルタロス)はオレが潰す。だから──)」

 

 

そしてそんな決意と共に、ドランバルトは静かに独房を後にしたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は移り……人気のない岩場の渓谷。そこに彼らはいた。

 

 

「ふうー、シャバの空気はうめぇぜ。な?」

 

 

「それ……ベタすぎるゾ」

 

 

「自由ってのはいい事だ」

 

 

「ああ……!! 私たちの愛が届いたのデスネ、何かに」

 

 

コブラ、エンジェル、レーサー、ホットアイ、ミッドナイト、そしてブレイン。評議院の牢獄から解放された六魔将軍(オラシオンセイス)の姿があった。

 

 

「でかしたぞコブラ。まさかお前にこれほどの交渉術があったとはな……」

 

 

「へへ」

 

 

「ここに六魔将軍(オラシオンセイス)……復…か……!!!」

 

 

そしてブレインが六魔の復活を宣言しようとしたその瞬間……コブラの毒を纏った一撃がブレインを襲ったのであった。

 

 

「ミッドナイト、文句はねえよな。コイツぁオレたちの親じゃねえ。オレたちを駒としか思ってねえ。オレには聴こえるんだ」

 

 

「ああ……君が聴いたのなら、本当の事だろう」

 

 

父親のように慕っていたブレインが殺された事に取り乱す事無く、ミッドナイトは冷静にそう答えた。

 

 

「(父さん……あなたはもう眠れ…僕たちは進む……)」

 

 

息絶えて地面に倒れるブレインを見下ろしながら心の中で呟いたその言葉は、ミッドナイトの決別の意志でもあった。

 

 

「さて……と、まずは何をしようかな」

 

 

「シャワーを浴びたいゾ」

 

 

「私は弟を探しに」

 

 

「待ちな。最初の仕事だ」

 

 

そう言ってコブラが睨む先には……彼らの前に立ちはだかる4人の姿があった。

 

 

その4人とはジェラールとメルディ……そして以前に太陽の村でナツたちと別れたトーマとリリィ……新たなメンバーを加えた魔女の罪(クリムソルシエール)であった。

 

 

──六魔(そっち)は任せたぞ、ジェラール。

 

 

「借りは返すさ。任せておけ」

 

 

そんなドランバルトとの約束の為、ジェラールたちは六魔将軍(オラシオンセイス)の前に立ち塞がるのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「!!!」

 

 

一方その頃……ギルドとの通信を終えて一時的な休息を取っているナツたち一行。すると突然、ナツががばっと勢いよく体を起こした。

 

 

「何よナツ? 急にどうしたの?」

 

 

「まだ寝てなきゃダメです」

 

 

ティアナとウェンディのそんな声も無視して、ナツは鬼気迫るような表情でミケロに詰め寄って彼の胸倉を掴みあげる。

 

 

「元ギチョーの家ってどこだ!!?」

 

 

「え……あ……」

 

 

そしてミケロから元議長であるクロフォードの家の場所を聞き出すと、ナツはすぐさまハッピーと共に空へと翔け出す。

 

 

「急げハッピー!!!!」

 

 

「あ…あい!!!」

 

 

「ちょっとナツ!!! 待ちなさい!!!」

 

 

制止するティアナの声も振り切って、ナツとハッピーは元議長の家を目指して飛んでいく。

 

 

「どうしたのナツ!!!」

 

 

「くそ!!! 何で気がつかなかったんだ!!! 誰も……現評議員でさえ知らないハズの元評議員の住所、それにフェイスの事も──冥府の門(タルタロス)は何で知ってんだ!!?」

 

 

ナツが叫んだその言葉にハッピーはハッとする。確かに評議員でも知り得ない情報の多くを冥府の門(タルタロス)はあまりにも知り過ぎている。その事にナツは気づいたナツの脳裏には、最悪の展開が思い浮かんでいた。

 

 

「誰かが評議員の情報を冥府の門(タルタロス)に流してんだ!!!」

 

 

「誰かって?」

 

 

「わからねえけど……評議員の情報を持ってるエライ奴……まさかとは思うけど……急げ!!! エルザたちが危ねえ!!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は戻ってクロフォードの家では、エルザとミラジェーンとなのはの3人が、冥府の門(タルタロス)の兵たちを相手に奮闘していた。エルザの剣が…ミラジェーンの拳が…なのはの砲撃が、それぞれ兵の大群を薙ぎ倒し、あっという間に敵を全滅させたのだった。

 

 

「片付いたか」

 

 

「さすがエルザとなのはね」

 

 

「ミラちゃんもすごかったよ~」

 

 

難なく敵の撃退に成功して一息つくエルザたちだが、同時に妙な違和感も抱いていた。

 

 

「それにしても妙だ」

 

 

「うん、やっぱりおかしいよね」

 

 

「2人もそう思った?」

 

 

「元議長という最重要人物を狙ってきたにしては歯応えがなさすぎる。どう見てもただの兵隊だ」

 

 

そう…元評議院を狙う冥府の門(タルタロス)にとって元議長であるクロフォードは絶好のエモノ。にも関わらず、襲撃に駆り出されているのは雑兵だけであった。その事に対してエルザたちが疑問符を浮かべていると……

 

 

「エルザ…なのは……」

 

 

「どうしたミラ」

 

 

「私……」

 

 

突然ミラジェーンが不自然に体を揺らすと、そのままその場で倒れてしまった。

 

 

「ミラちゃん!!! うっ……」

 

 

そんなミラジェーンに駆け寄ろうとしたなのはも、糸が切れたように地面に倒れ込んでしまう。

 

 

「ミラ!!! なのは!!! あ……」

 

 

そして最後にエルザも、意識を失って倒れてしまったのであった。

 

 

そしてそんな彼女たちに歩み寄る……1人の人物。その人物は倒れているエルザたちの体を拾うと、通信用魔水晶(ラクリマ)で回線を繋いだ。

 

 

 

「こちらクロフォード──素体を3体手に入れた。予定変更だ」

 

 

 

《さすがです元議長。一度冥府の門(ギルド)にご帰還ください》

 

 

まさかの人物……クロフォードの裏切りによって、エルザとなのは、そしてミラジェーンの3人は敵の手に落ちてしまったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

フェイスの存在…六魔の解放…そしてクロフォードの裏切り…様々な思惑が交差する中、戦いはさらに激しさを増していく。しかしこれまでの戦いは未だ序章(はじまり)に過ぎない。妖精と冥府の戦いは新たなステージへと移ろうとしていた。

 

 

そして……この男もまた、戦いの渦の中に一石を投じようとしていた。

 

 

 

「ククク……妖精と冥府の宴……ずいぶんと楽しそうじゃないか。我々もぜひとも混ぜてもらいたいね」

 

 

 

大いなる欲望が……動き出す。

 

 

 

 

 

つづく




トーマ&リリィが魔女の罪にシレっと入っていましたが、そこら辺の話もちゃんと書きますので、ご安心ください。
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