LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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動き出した最強

 

 

 

 

 

シグナムが最後のエレメント4…アリアを倒した同時刻。

 

ファントムMk2が描いていた煉獄砕破(アビスブレイク)の魔法陣がとうとう完成し、今まさに発動しようとしていた。

 

 

「全員ふせろぉおっ!!!」

 

「ふせて何とかなる魔法じゃねえだろぉ!!!」

 

「ひいいいっ!!!」

 

 

それを見て慌てふためくギルドメンバー達。

 

 

「くっ……こうなったら…リィンフォース!!」

 

 

「はい!」

 

 

「アレをやるで!!」

 

 

はやての言葉にリィンフォースは目を見開く。

 

 

「し…しかし主! アレは……!!」

 

 

「そんなこと言うてる場合やあらへんやろ!!! ギルドだけじゃなく、マグノリアまで被害を及ぼしてええんかっ!!!?」

 

 

「っ……!!」

 

 

はやての叱咤の言葉にリィンフォースは言葉を詰まらせる。そして考えるようにしばらく目を伏せたあと、決心したような顔付きになり……

 

 

「わかりました」

 

 

と答えた。

 

 

「よっしゃ! なら行くで!!」

 

 

「はい!!!」

 

 

そう言って、はやてとリィンフォースはお互いの手を合わせる。

 

 

「「ユニゾン───」」

 

 

そして二人が魔法を発動させようとしたその時……

 

 

 

バガァ!!

 

 

 

「「!!!」」

 

 

突然ファントムMk2の腕が壊れ始めた。いや…腕だけではない。ファントムMk2の全体が崩壊を始め、大きな轟音と共に崩れ落ち、魔法陣は消え去った。

 

 

『おぉぉぉおおおお!!!』

 

 

それを見て歓喜の声を上げるギルドメンバー達。

 

 

「はやて!! 巨人が崩れたぞ!!」

 

 

「ナツ君たちがやってくれたんやな!!!」

 

 

「よかったぁ……」

 

 

「……ふぅ」

 

 

ファントムMk2が崩れたことでヴィータとはやては喜び、シャマルは安堵の息を吐き、リィンフォースは魔法を使用しなくてよかったと心底安心していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十五話

『動き出した最強』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方…崩れたファントムMk2の操縦室では……

 

 

「ありえんっ!!!エレメント4が妖精の尻尾(フェアリーテイル)のクズ共相手に全滅したというのかぁっ!!!?」

 

 

「ひっ…いや……これは何かのマチガイですよ…」

 

 

叫ぶジョゼを周りのメンバーがなだめようとするが、ジョゼの怒りは収まらない。

 

 

「ガジルとゼストはどこにいる?」

 

 

「そ…それが…どこに行ったのか……」

 

 

「オレ達ならここにいるよマスター」

 

 

「!」

 

 

背後から聞こえた声に振り返ると、そこにはガジルとゼストが立っていた。

 

 

「エレメント4が全滅だぁ? まあクズにやられたんなら、奴等も同じクズってことさ…ギヒヒ」

 

 

「いや…エレメント4が決して弱いわけではない。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の方が彼等より上手だった……それだけだ」

 

 

「ケッ! こんな事ならオレが早めに戦線に立てばよかったかねえ。マスター、おみやげだよ」

 

 

そう言ってガジルは小脇に抱えていた一人の傷だらけの少女……ルーシィをジョゼの前に放る。

 

 

「ルーシィだと!? どうやって」

 

 

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の鼻を甘くみねーでくださいや」

 

 

ナツと同じ滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)であるガジルの鼻は常人より発達しているのである。

 

 

「てか…ガジルさん……」

 

「い……生きてんでしょうね?」

 

「ルーシィが死んじまったら、金はもらえねーっスよ」

 

 

まったく動かないルーシィを見て、生死を心配するファントムのメンバー。

 

 

「ん~~~」

 

 

ガジルは考える素振りを見せたあと、ルーシィの腹部に向かって蹴りを叩き込もうとした。

 

 

ガッ!!

 

 

だが、それは間一髪のところでゼストが阻止した。

 

 

「おいおい…邪魔すんなよゼスト」

 

 

「生死を確認するのに痛めつける必要はない。脈を量れば済むことだ」

 

 

「ケッ……相変わらず甘ちゃんだな。側にいたデカブツを始末しようとした時も邪魔しやがったしよぉ」

 

 

「オレは無駄な争いと無闇な死を好まんだけだ」

 

 

そう言って互いに睨み合うガジルとゼスト。二人のその圧倒的な気迫に、周りにいたメンバーは震え上がっている。

 

 

「まぁ…何はともあれ、ルーシィを手中に収めることが出来ました。さすが我がギルド最強の二人…ガジルさんとゼストさんですね」

 

 

その様子を、ジョゼは不気味な笑みを浮かべながらそう言ったのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ファントムMk2が崩れたことにより、今度こそシェイドを殲滅しようとするはやて達。すると、ファントムMk2からジョゼの声が響く。

 

 

『妖精の尻尾のみなさん、我々はルーシィを捕獲しました』

 

 

「なっ、何だって!!?」

 

 

「隠れ家がバレたんか!!?」

 

 

ジョゼの言葉に驚愕するユーノとはやて。

 

 

『ひとつ目の目的は達成されたのです』

 

 

ドゴッ!

 

 

『きゃああああ!!!』

 

 

鈍い音と共に響くルーシィの悲鳴。

 

 

「ルーシィって奴の声だ!!」

 

 

「ルーシィちゃんに何をしたの!!?」

 

 

その悲鳴を聞いたヴィータとシャマルは怒りの表情を浮かべる。

 

 

『聞こえたでしょ? 我々に残された目的はあと一つ』

 

 

その瞬間、シェイド達の様子が変わった。

 

 

「こ…コイツ等!!」

 

「急に戦闘能力が上がった!!」

 

「うあっ!!」

 

 

突然先ほどより強くなったシェイドに苦戦するギルドメンバー達。

 

 

『貴様等の皆殺しだ。クソガキども』

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

場所は戻ってファントムの操縦室。放送を終えたジョゼにゼストが口を開く。

 

 

「目的のルーシィは確保したのに、そこまでする必要があるのか?」

 

 

「私は何事も徹底的にやる主義なんですよ」

 

 

ジョゼの言葉を聞いたゼストは「ふぅ…」と溜め息をついたあと、操縦室を出て行こうとする。

 

 

「おや? どこへ行くのですか?」

 

 

「……オレはオレの好きにさせてもらう。もとより今回の作戦には乗り気ではないのでな」

 

 

「なぜですか?」

 

 

「言ったはずだ……オレは無駄な争いと無闇な死は好まんとな」

 

 

そう言い残して、ゼストは操縦室から出て行ってしまった。

 

 

「ふん……老兵が。ルーシィを見張っておけ」

 

 

「ん?」

 

 

「ギルドの中に何匹か虫がいる。もう奇跡は起こらねえと思い知らせてやる。このオレ自ら片付けてくれるわ」

 

 

ジョゼは怒りの表情を浮かべながらそう言って、操縦室を出て行ったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃、ナツ達は……

 

 

「くっ……」

 

 

「あいつら~」

 

 

「……………」

 

 

先ほどの放送を聞いて表情に怒りを表す三人。すると……

 

 

「ナツ……」

 

 

「「「!!?」」」

 

 

聞こえてきたか細い声にナツ達が視線を向ける。

 

 

「「エルザ!?」」

 

 

「エルザさん!!?」

 

 

「スカーレット!!?」

 

 

そこには、ボロボロの状態のエルザが立っていた。

 

 

「オイ! 動いて大丈夫なのかよ!?」

 

 

「そうですよ! あのジュピターをまともに喰らったのに!!」

 

 

エルザの容態を心配して、そう言うナツとティアナ。しかしエルザはそんな声を無視して、ナツの肩を掴んだ。

 

 

「ナツ…力を…解放……しろ。お前には…まだ…眠っている…力が…ある……」

 

 

「!!」

 

 

「自分を信じ…貫き…呼び起こ…せ……今がその時だ。ルーシィを…ギルドを守るんだ……」

 

 

絶え絶えの声でそう言うエルザ。そして一呼吸置いて……

 

 

 

「行けぇっ!!! ナツ!!!! お前は私を超えていく男だっ!!!!」

 

 

 

エルザの必死の叫びを聞いたナツはエルザの思いをビリビリと肌で感じ取った。そしてナツはゆっくりと立ち上がり……

 

 

「うおおおおおおおっ!!!!!」

 

 

身体中に炎を纏いながら駆け出して行ったのであった。

 

 

「ナツ!!」

 

 

「ちょっと待ちなさいよナツ!!」

 

 

「ティアナ!!」

 

 

「っ!!」

 

 

ナツのあとを追いかけようとするハッピーとティアナ。すると、エルザがティアナを呼び止める。

 

 

「あいつを…ナツを支えてやれ……それが出来るのは…幼い頃からずっとナツの側にいた……お前だけだ……頼んだぞ」

 

 

「………はいっ!!!」

 

 

エルザの言葉に大きく返事を返し、ティアナはナツのあとを追って行った。

 

 

「……くっ」

 

 

それを見送ったエルザはダメージの影響でその場に崩れそうになるが…

 

 

ガシッ

 

 

「大丈夫か? スカーレット」

 

 

シグナムに支えられる。

 

 

「すまない…シグナム」

 

 

「気にするな」

 

 

そう言ってシグナムはゆっくりとエルザを降ろして瓦礫にもたれ掛からせる。

 

 

「……私は少しこの辺りを見てくる。お前はここでおとなしくしていろ」

 

 

「………………」

 

 

シグナムの言葉にエルザは黙って頷く。それを確認したシグナムは通路の先へと歩いて行った。すると……

 

 

「エルザーーー!!?」

 

 

シグナムと入れ替わるようにグレイ、エルフマン、スバル、ミラの四人が走ってきた。

 

 

「何でエルザさんがここに……!?」

 

 

スバルが疑問に思っていると、一同の目に倒れたアリアが映る。

 

 

「まさか…あなたがアリアを!!?」

 

 

「いや…そいつを倒したのはシグナムだ」

 

 

「シグナムも来てるのかよっ!!?」

 

 

エルザだけではなく、シグナムも乗り込んできていることに驚愕するエルフマン。

 

 

「お前たちにこんな情けない姿を見られるとはな……私もまだまだだな…」

 

 

そう言って微笑を浮かべるエルザ。

 

 

その時……

 

 

 

コツ…コツ…コツ…

 

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

突然通路の先から静かな足音が響いてくる。それを聞いたエルザ達はゾクリと身を凍らせた。

 

 

「な…何だこの感じは!!?」

 

 

「す…凄ぇ威圧感だ……!!」

 

 

「空気が…ピリピリする……」

 

 

「なに…コレ……」

 

 

上からグレイ、エルフマン、スバル、ミラの順で驚愕の言葉を口にする。そんな中ただ一人…エルザだけが足音が聞こえてくる方向を凝視していた。

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)……だな」

 

 

 

そしてエルザ達の前に現れたのは、一本の槍を持った男性…ゼストであった。

 

 

「貴様…ファントムの人間か?」

 

 

「……そうだ」

 

 

エルザの問いにゼストは短く答えると、ゆっくりとエルザ達を見回した。そして微笑を浮かべながらゆっくりと口を開く。

 

 

「……なるほど……全員いい眼をしている……エレメント4が全滅したのも頷ける」

 

 

「(コイツ……今までのファントムの奴等とは違う……)」

 

 

その言動に、エルザは今まで出会ったファントムの魔導士とゼストは違うことを悟った。

 

 

「テメェ…何モンだ……?」

 

 

「オレの名はゼスト……ゼスト・グランガイツだ」

 

 

「っ!!?」

 

 

すると、ゼストの名前を聞いたミラが目を見開いた。

 

 

「ウソ……ゼストってまさか……」

 

 

「ミラさん、知ってるの?」

 

 

スバルの問い掛けに、ミラは唇を震えさせながらゆっくり話し始める。

 

 

「私もマスターに聞いた話なんだけど……20年前…大陸の北東地方を荒らしまわった闇ギルドをたった一人…たった一本の槍で壊滅させた男が居たの。それが…ゼスト」

 

 

「えぇっ!!?」

 

 

「一つのギルドを…たった一人で壊滅だと!!?」

 

 

その言葉にスバルとグレイは驚愕の声を上げる。

 

 

「まるで鬼のように敵を薙ぎ倒すその姿から、彼はこう呼ばれた……〝鬼神〟ゼスト」

 

 

「ふっ……そう呼ばれるのは久しぶりだな」

 

 

ミラが説明を終えると、ゼストは懐かしそうな表情をしながらそう言った。

 

 

「テメェが何だろうと、ファントムには変わりねーんだろ!!」

 

 

「漢として、敵を見逃すわけにはいかん!!」

 

 

「捕まってるルーシィの居場所…教えて貰うよ!!!」

 

 

そう言うと、グレイとエルフマンとスバルの三人は、それぞれの魔法を発動させながらゼストに向かって駆け出した。

 

 

「アイスメイク〝戦斧(バトルアックス)〟!!」

 

 

「ビーストアーム〝鉄牛〟!!」

 

 

「リボルバァァア……キャノン!!!」

 

 

グレイは氷の斧、エルフマンは鉄の腕、スバルは魔力を纏ったリボルバーナックルをゼストに向かって振るう。

 

 

「……………」

 

 

それを見たゼストはゆっくりと持っていた槍を構え……

 

 

 

鬼薪(きしん)

 

 

 

ドガガガガ!!!

 

 

「がはっ!」

 

 

「ぬぁあっ!」

 

 

「うあぁぁっ!」

 

 

目にも止まらぬ速さの連続突きを繰り出し、三人を一掃した。

 

 

「グレイ!! エルフマン!! スバル!!」

 

 

ミラは倒れた三人に声をかけるが、返事はない。どうやら三人とも気絶しているようだ。

 

 

「く……」

 

 

それを見たエルザは傷の痛みに耐えながらゆっくりと立ち上がり、黒羽の鎧を身に纏ってゼストに斬りかかった。

 

 

「む……」

 

 

それを紙一重でかわしたゼストはエルザの足を持ち……

 

 

「ぬぅん!」

 

 

そのまま壁が砕ける程の威力でエルザを叩き付けた。しかし、エルザは砕けた壁の破片を蹴り、ゼストの前に着地した。

 

 

「……ほう」

 

 

それを見たゼストは感心したような声を漏らす。

 

 

「お前はジュピターをまともに喰らったと聞いたが……よくその傷でそれほどの身のこなしが出来るものだ。普通なら…立っていることさえ辛いはずだ」

 

 

「仲間が私の心を強くする。愛する者たちの為なら、この体などいらぬわ」

 

 

「(……仲間とギルドへの愛……か。今のオレには無いモノだな……)」

 

 

エルザの言葉にゼストは目を伏せると、再び槍を構える。

 

 

「面白い……本来ならエレメント4を全滅させたお前達をひと目見ておくだけで、参戦つもりはなかったが…お前のその覚悟に敬意を表し、全力で相手をしよう」

 

 

エルザを見据えてゼストがそう言うと、エルザも剣を構える。

 

 

「行くぞ…鬼神・ゼスト」

 

 

「来い…妖精女王(ティターニア)

 

 

その言葉を合図に、二人の剣と槍が激突したのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方…エルザ達から離れた場所では、シグナムが一人佇んでいた。

 

 

「……出て来い。居るのはわかっている」

 

 

シグナムがそう言うと、彼女の周りに怨霊のような魔力が漂い始める。

 

 

「いやいやお見事……完全に気配を消したつもりだったんですがねぇ」

 

 

それと同時に現れたのは、不気味な笑みを浮かべた男性……マスター・ジョゼであった。

 

 

「確かに気配は完全に消えていた。だが、貴様のその邪悪な魔力だけは隠し切れなかったようだな」

 

 

レヴァンティンを抜き、切っ先をジョゼに向けながら語るシグナム。

 

 

「丁度いい……一度ギルドマスターレベルと戦いたいと思っていたところだ。相手をしてもらうぞ…マスター・ジョゼ」

 

 

「強くて気丈で美しい……なんて殺しがいのある娘でしょう……」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そしてもう一方……別の部屋では……

 

 

「んっ」

 

 

壁に貼り付けにされたルーシィが何とか手首の拘束を外そうとするが、ビクともしない。すると、そんなルーシィの顔の横に鉄の刃物が突き刺さる。

 

 

「あっぶねー。今のは当たっちまうかと思ったぜ。ギャハハハ」

 

 

刃物を投げた張本人…ガジルは楽しそうな笑みを浮かべる。

 

 

「ガジル……も…もうやめとけよ……本当に当たっちまうぞ」

 

 

「あ? だってヒマなんだモンよ。次はどの辺にしよっかな~」

 

 

「よ…よせって……えぽぉ!!!」

 

 

男はガジルを止めようとするが、ガジルの頭突きにより地面に沈んだ。

 

 

「うるせえよ。この女がどこのお嬢だろうが、オレにとっては尻尾(ケツ)のクズヤロウだ。死んじまってもどうって事ねえ」

 

 

「そ…そんな事になったら、マスターに怒られる……ま…ますよ!!!」

 

 

「いいよ……お前のせいにするから」

 

 

「そんな~~!」

 

 

「ったく、くだんねえな。この女が金持ちって知って尻尾(ケツ)の奴等も必死だぜぇ。ギャハハハハ!!」

 

 

「……クス」

 

 

高笑いするガジルを見て、ルーシィが小さく笑みをこぼした。

 

 

「んー? 何か言ったか? 女ぁ」

 

 

「アンタたちって本当にバカね。かわいそうで涙が出てくるって言ったのよ」

 

 

「へぇー……この状況で虚勢がはれるとはたいしたタマだ」

 

 

「アンタたちなんか少しも怖くないし……」

 

 

ルーシィがそう言った瞬間、再び顔の横に刃物が突き刺さる。

 

 

「何だって?」

 

 

「あたしが死んだら、困るのはアンタたちよ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)は決してアンタたちを許さない!!! そういうギルドだから、世界で一番恐ろしいギルドの影に毎日怯えることになるわ。一生ね」

 

 

足を震わせ、体を震わせながらもルーシィは笑みを浮かべながらそう言い切った。

 

 

「そいつは面白そうだな。ちと試してみるか? ギヒッ」

 

 

そう言ってガジルは再び刃物を投げた……ルーシィの顔を目掛けて。

 

 

「ガジル!! 何を!!!」

 

「当たるーーーっ!!!」

 

 

それを見て慌てふためくファントムたち。誰もが当たると思ったその時……

 

 

 

ドム!!! ガキィィン!!

 

 

 

突然床から何者かが突き破ってきて、ガジルが投げた刃物を口で受け止めた。

 

 

「があああああっ!!!」

 

 

「やはりな…匂いで気付いてたぜ」

 

 

雄叫びを上げながら着地した人物……ナツは怒りの表情を浮かべ、全身に強大な炎を纏っていた。それを見たルーシィは……

 

 

「|火竜《サラマンダー」」

 

 

と呟いた。

 

 

 

「だらぁあっ!!!!」

 

 

 

そしてそのままナツは怒りに身を任せ、ガジルを殴り飛ばしたのであった。

 

 

 

 

 

ついに…最終決戦が始まった。

 

 

 

 

 

つづく

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