ファントムのギルドから発せられた眩い輝き。その輝きで、
「うわっ!? 何だよこの光!!?」
「眩しいっ!!」
「ぬうっ!!」
ヴィータ、シャマル、ザフィーラを初めとしたメンバーが戸惑っていると……
ぶしゅっ
「え!?」
なんと、突然近くに居たシェイドが消滅した。
「
「
「次々消えていく!!!」
次々と消滅していくシェイドを見て驚愕するギルドメンバー。
「でも、アタシ達はなんともねーぞ?」
「これは…優しい光……?」
ヴィータとシャマルが戸惑っていると、ザフィーラが口を開いた。
「これはもしや……
「フェアリーロウ?」
「あぁ…以前、酒の席でマスターに聞いたことがある。聖なる光をもって闇を討つ。術者が敵と認識したものだけを討つ。伝説の一つに数えられる超魔法だ」
第三十一話
『終戦』
「二度と
そう言って固まっているジョゼに背を向けて歩き出すマカロフ。だがその時、彼の背後からスウゥゥっとアリアが姿を現した。
「(あの時と同じ!!! スキだらけ!!! もらった!!!)」
そしてそのままマカロフに不意打ちを仕掛けようとするが……
「あぐぁ!!!」
マカロフは後ろを向いたまま腕を振るい、アリアを殴り飛ばした。
「もう終わったんじゃ。ギルド同士のケジメはつけた。これ以上を望むなら、それは〝掃滅〟跡形もなく消すぞ」
その言葉と同時に、アリアは気絶した。
「ジョゼを連れて帰れ。今すぐに」
そう言い残して、マカロフはその場を後にしたのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「勝ったぁ!!! ファントムに勝ったぞぉぉお!!!!」
ファントムに勝利したと言う事実に湧き上がるギルドメンバー達。そこへ、なのはやエルザなどギルドへ突入したメンバー達。そしてルーシィが合流した。
「はやてーー!! アタシ達、ギルドを守りきったぜーー!!」
「うん! お疲れさんやヴィータ。シャマルとザフィーラもな」
「はい! はやてちゃんとリィンフォースもお疲れ様です!」
「ご無事で何より」
お互いの無事を喜び合うヴォルケンリッター。
「……ん?」
すると、シグナムはある事に気がついた。
「エルフマン! アギトとあの男はどうした?」
「あいつらならそこに……あれ? さっきまでそこに寝かしといたんだが……」
そう…いつの間にか、一緒に脱出したゼストとアギトの二人が居なくなっていたのだ。
「ん? ナツとティアナはどうした?」
ナツが居ないことに気付いたエルザがハッピーに尋ねる。
「あい。用事があるからって。ティアナはその付き添い」
「用事?」
「用事って何の?」
「たいした事じゃないのです」
◆◇◆◇◆◇◆◇
ファントムのギルドに残ったナツとティアナ。その二人の視線の先には、倒れているガジルと、それに寄り添っているルーテシアの姿があった。
「よお。聞こえるかガジル……」
「……………」
「ま…まあ…いいや……声出すのもしんどいから…手短に……聞くぞ……お前…滅竜魔法…どこで…覚えた…?」
「……………」
ナツはそう問い掛けるが、うつ伏せに倒れたままガジルは答えない。
「オイ!! 同じ魔法使える奴に初めて会ったんだ!! そんくれー教えてくれても…」
「うるせぇ…」
「ガジル!」
そう呟きながらゆっくりと起き上がるガジル。そしてそんなガジルをルーテシアが支える。
「メタリカーナ」
「!」
「鋼鉄のドラゴン…メタリカーナだ」
「やっぱりドラゴンに教えてもらったのか!?」
「お前もか」
「そいつ今どうしてる?」
「……さぁな」
「そ・い・つ・い・ま!!! ど・う・し・て・る!!!!」
「知らねえって言ってんだろーが!!! クズがっ!!!」
ゴッとお互いに頭をぶつけて怒鳴りあうナツとガジル。
「あたた…」
「いてぇ…」
「ハァ…二人揃ってバカね」
「ガジル……大丈夫?」
その様子を見て溜め息をつくティアナとガジルの心配をするルーテシア。
「テメェなんかと話してると脳みそが灰になっちまいそうだ」
「何だとぉ!!?」
ガジルの言葉に突っかかるナツ。すると、ガジルが先ほどの問いに答えた。
「消えたんだよ」
「!!?」
「メタリカーナはある日突然オレの前から消えた。何も言い残さず……な」
それを聞いて、ナツは目を見開く。
「まったく……勝手なヤローだぜ……」
「オ…オイ…それは7年前の7月7日じゃねーだろうな」
それを聞いて、今度はガジルが目を見開く。
「お前メタリカーナの居場所知ってんのか?」
「バカ言え!! オレが探してんのはイグニール!!! 炎のドラゴンだ」
すると、二人のやり取りを見ながら話を聞いていたティアナが口を開いた。
「と言う事は、7年前…777年の7月7日に二頭のドラゴンが消えたってことね」
「何で7ばっか並んでんだよ?」
「知らないわよ」
「ふん……まあオレにはどうでもいいことだ」
そう言ってガジルはルーテシアと共に立ち上がり、そのまま立ち止まる。
「行くなら早く行けよ」
「ここはオレたちのギルドだっ!!! テメェ等が出てけっ!!!」
「はいはい…言われなくても出て行くわよ」
「イグニールの事、なんかわかったら教えてくれよ」
「何でオレがっ!!! テメェなめてんのか!!!」
「同じ
「次に会ったらぶっ殺ス!! 絶対にな!!! 首洗って待ってな!!!」
「ぶっそうな奴だなぁ。これでおあいこだから仲直りしてやろーと思ったのに」
「物騒はどっちだテメェ!!! ギルドをこんなにしやがって!!!」
「お前らだってオレ達のギルドめちゃめちゃにしたじゃねーか!!!」
「お前らのギルドは良くて半壊だろ!!! こっちは全壊してんだぞコラァ!!!」
そんな二人の言い争いを、ティアナは呆れ顔、ルーテシアは無表情で眺めていたのであった。
◇◆◇◆◇◆◇
「ったくあのヤロー…なめやがって……」
「………………」
ナツとティアナが去った後、ガジルとルーテシアの二人はその場に残っていた。
「さーて…これからどうすっかなぁ。こんだけハデにやりゃあ、ファントムもオシマイだしな」
そう言って床にゴロンと寝転がるガジル。すると……
「ここに居たのか、二人とも」
「んあ? 何だテメェ等か」
声を掛けられたので見てみると、そこにはゼストとアギトが立っていた。
「アギト……」
「よおルールー! 無事だったみてーだな!!」
そう言って軽いハイタッチを交わすアギトとルーテシア。
「ガジル……お前はこれからどうする?」
「さぁな……テキトーなギルドにでも入って仕事でもするさ。そう言うテメェはどうすんだよ、ゼスト?」
「………オレは…しばらく旅をしようかと思う」
「旅だぁ?」
ゼストの言った言葉に反応し、身体を起こすガジル。
「あぁ…今日、
「ケッ…ご苦労なこって」
「そこで、一つ頼みがあるんだが……」
「頼み?」
「アギトとルーテシアのこと……しばらくお前に頼んでもいいか?」
それを聞いたガジルはゼストに突っかかる。
「あぁ!? ふざけんな!! オレにガキのお守りをしろってのか!!?」
「お前はいつもルーテシアと一緒にいるだろ?」
「あいつは特に騒ぎもしねーし、居ても問題ねーから置いてるだけだ!! アギトは喧しいことこの上ねえだろうが!!!」
「それでもだ。頼んだぞ、ガジル」
そう言ってポンッとガジルの肩に手を置くゼスト。
「ふ…ふざけんなぁぁぁぁあああ!!!!」
そんなガジルの絶叫に似た声が……全壊したファントムのギルド全体に響き渡ったのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
その後、ギルドメンバーと合流したナツとティアナ……そしてマカロフは半壊したギルドの前に立っていた。
「こりゃあまた……ハデにやられたのう……」
「あ…あの……マスター……」
「んー? お前もずいぶん大変な目にあったのう」
申し訳無さそうにするルーシィにそう言うマカロフ。それでもルーシィは罪悪感を感じている。
「そーんな顔しないのルーちゃん」
すると、そんなルーシィに声をかける人物が居た。
「みんなが力を合わせた大勝利なんだよ」
「ギルドは半分壊れちまったけどな」
「そんなのまた直せばいいんだよ」
「ウイ」
それはケガをしたシャドウ・ギアの三人とリーダスだった。
「レビィちゃん…リーダス…ジェット…ドロイ……」
「心配かけてゴメンね、ルーちゃん」
「違…う…それは…あたしの……」
「話は聞いたけど、誰もルーちゃんのせいだなんて思ってないんだよ」
「オレ……役に立たなくて…あの…あの……ゴメン……」
涙を流すルーシィにリーダスはそう謝罪すると、ルーシィは黙って首を横に振る。すると、マカロフが口を開く。
「ルーシィ。楽しいことも、悲しいことも、全てとまではいかないが、ある程度は共有できる。それがギルドじゃ」
マカロフの言葉をルーシィだけではなく、ナツやティアナ…なのはやグレイ達も黙って聞いている。
「一人の幸せはみんなの幸せ。一人の怒りはみんなの怒り。そして一人の涙はみんなの涙。自責の念にかられる必要はない。君にはみんなの心が届いているハズじゃ。顔を上げなさい」
そう言って、マカロフはルーシィに微笑みかけ……
「君は
と言った。それを聞いたルーシィは目から大量の涙を流し、大声を上げて泣いたのだった。
「なははははっ!! これで一件落着だな!!!」
「あい!」
そう言ってナツはボロボロに半壊したギルドに歩み寄る。
「さっさとギルド直して、仕事再開させよーぜ!!!」
ギルドの壁をポンッと叩きながらそういうナツ。すると……
ガラガラガッシャァァァァアアン!!!!!
一瞬にしてギルドが瓦礫の山へと変わってしまった。
『……………………』
(゜□゜)(゜□゜)(゜□゜)
先ほどまで泣いていたルーシィを含めて、全員がこんな顔をして呆然と瓦礫の山となったギルドを眺める。
そしてすぐに…全員の怒号が響き渡る。
『ナァァァァツゥゥゥゥウウウ!!!!!』
「ごめんなさぁぁぁぁあああい!!!!!」
こうして、長かったファントムとの戦いの幕が閉じたのであった。
つづく