LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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間話
HOME


 

 

 

 

 

楽園の塔の一件が終わり、ようやくマグノリアの街に帰ってきたナツたち一行。

 

 

「こ……これは……!!」

 

 

「うわぁ!」

 

 

「おおっ!」

 

 

「へぇ…!!」

 

 

「驚いたな……」

 

 

「すげー!!!」

 

 

「完成したんだ!!」

 

 

そう言って感嘆の声を漏らすナツたち。そんな彼等の目の前には……

 

 

 

「新しい妖精の尻尾(フェアリーテイル)!!!!」

 

 

 

以前よりも豪華で大きくなったギルド……妖精の尻尾(フェアリーテイル)が建っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第四十五話

『HOME』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ! フェイトちゃん達や!!」

 

 

「おうオメェら! おかえり!!」

 

 

「久しぶりだな」

 

 

新しいギルドにナツたちが唖然としていると、入り口前に新しく出来たオープンカフェでお茶していた、はやて、ヴィータ、シグナムが声をかけた。

 

 

「はやて! あれ? 他の三人は?」

 

 

「家で留守番や♪」

 

 

「驚いたか? これがアタシたちの新しいギルドだぜ!!」

 

 

「(ポカーーーーン)」

 

 

「どうしたドラグニル? 言葉もないか?」

 

 

「だ…だってよう、前と全然違うじゃねーか」

 

 

「そらそうや、新しくしたんやし」

 

 

「オープンカフェに…グッズショップまで?」

 

 

オープンカフェだけでなく、グッズショップまで出来ていることに驚くティアナ。

 

 

「いらっしゃい!! つーかお前らか、おかえり~」

 

 

「マックスが売り子なんだ……」

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)特性Tシャツにリストバンド、マグカップにタオル、オリジナル魔水晶(ラクリマ)も扱ってるよ。中でも一番人気は、この魔導士フィギュア。一体3000J」

 

 

そう言ってマックスが取り出したのは、ナツやマカロフなどの姿を完全に再現したフィギュアだった。

 

 

「いつの間にこんな商売を……」

 

 

「見てー!! ルーシィのフィギュアがあるよー」

 

 

「えーーっ!!? 勝手にこーゆーの作らないでよぉ、恥ずかしい……」

 

 

「あははっ! ええやん、よお出来とるし…って、わぁ!!?」

 

 

そう言ってはやてがルーシィのフィギュアを手に取ると、突然そのフィギュアの衣服の部分が外れて下着姿となった。

 

 

「もちろんキャストオフ可能」

 

 

「イヤーーー!!!」

 

 

下着姿となった自分のフィギュアを見て、ルーシィは慌ててフィギュアに服を着せた。そんなルーシィを見たフェイトは、何やら不安そうな表情でマックスに歩み寄った。

 

 

「ね…ねぇマックス……私のフィギュアとかは…売ってないよね?」

 

 

恐る恐るといった感じでそう尋ねるフェイト。それに対しマックスは……

 

 

「大丈夫!! フェイトのフィギュアは中でも一番人気だから!!!」

 

 

と、サムズアップをしながら答えた。

 

 

「あ…うぅ~~~///」

 

 

それを聞いたフェイトは顔が真っ赤になり、その場で恥ずかしそうに蹲ってしまった。

 

 

「あー…この事実はフェイトには酷だったな」

 

 

「テスタロッサは人一倍の恥ずかしがり屋だからな」

 

 

そんなフェイトの様子を、ヴィータとシグナムは気の毒そうに苦笑いしながら見ていた。

 

 

「それよりみんな! 中も凄い事になっとるから、見てみぃや!!」

 

 

そう言ってはやてはナツたち(主にフェイト)を引っ張って、一同をギルドの中へと案内した。

 

 

「おおっ!!!」

 

 

「わぁーキレー!」

 

 

「前よりも広くなってる」

 

 

「うん……素晴らしいじゃないか」

 

 

以前より遥かに広くて綺麗になった酒場を見て感嘆の声を漏らす一同。しかしナツだけは何故か、ムスッとした表情をしていた。

 

 

「どうしたのよナツ?」

 

 

「前と違う」

 

 

「新しくしたんだから当たり前でしょ」

 

 

ナツの言葉に呆れながら答えるティアナ。

 

 

「これだけやないで…酒場の奥にはプール!!!地下には遊技場!!!そして一番が変わったんが……2階や!!!」

 

 

そう言ってはやてはビシッと、二階を指差す。

 

 

「誰でも2階に上がってもええことになったんよ。もちろん、S級クエストに行くにはS級魔導士の同行が必要やけどな」

 

 

「2階に行ってもいいのーー!?」

 

 

誰でも2階に上がれるようになったことに喜ぶルーシィ。

 

 

「帰ってきたかバカタレども」

 

 

「みんな、おかえりなの!」

 

 

「マスター! なのは!!」

 

 

すると、そんなナツたちにマカロフとなのはが声をかける。そしてその二人の間には……

 

 

「新メンバーのジュビアじゃ。かーわええじゃろぉ」

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

服と髪型を新調したジュビアが立っていた。

 

 

「ははっ!! 本当に入っちまうとはな!!!」

 

 

「ジュビア……アカネでは世話になったな」

 

 

「およ? 知り合いか?」

 

 

「みなさんのおかげです!! ジュビアは頑張ります!!!」

 

 

「よろしくね!!」

 

 

「よろしく、ジュビア!!」

 

 

ルーシィとフェイトは新たな仲間…ジュビアを暖かく迎え入れる。

 

 

「ならば知っとると思うが、こやつは元々ファントムの…」

 

 

「ええ…心配には及びません。今は仲間です」

 

 

「ね? 言ったでしょマスター? エルザさんたちなら大丈夫だって」

 

 

「ほーかほーか。ま…仲良く頼むわい」

 

 

エルザとなのはの言葉に安心したマカロフはそう言って笑う。

 

 

「それならもう三人の新メンバーを紹介しとこうかの。ホレ!! あいさつせんか」

 

 

そう言ってマカロフは近くの席に座っていた三人のメンバーに声をかける。その三人とは……

 

 

「よっ!! 久しぶりだな!! エルザ・スカーレット!!」

 

 

「お前は……アギト!!?」

 

 

一人はファントム最強の魔導士・ゼストの相棒であった少女…アギト。

 

 

「……………久しぶり」

 

 

ファントム戦の最後の最後でナツたちを苦しめた少女…ルーテシア・アルピーノ。

 

 

そして……

 

 

「え!!?」

 

 

「オ…オイ、嘘だろ!!?」

 

 

「ア…アンタは……!!?」

 

 

その最後の一人を見て驚愕する一同。その人物とは……

 

 

 

「ガジル!!!?」

 

 

 

以前ギルドを半壊させた張本人…ガジル・レッドフォックスであった。

 

 

「マスター!!! こりゃあ一体どういう事だよ!!?」

 

 

「待って!! ジュビアが紹介したんです!!」

 

 

「ジュビアはともかく、コイツはギルドを破壊した張本人だ」

 

 

「フン」

 

 

自分に敵意を向けてくるメンバーたちに、気に入らなさそうに鼻を鳴らすガジル。

 

 

「まぁまぁ、あん時はこやつもジョゼの命令で仕方なくやったことじゃ」

 

 

「せやせや、昨日の敵は今日の友ってゆーやろ?」

 

 

そんなメンバーたちをマカロフとはやてがそう言ってたしなめる。

 

 

「はやてはコイツの事を許すのかよ!!?」

 

 

「許したわけやあらへんよ? どんな理由があっても、私らの家族を傷つけた罪は何よりも重いんやから」

 

 

「だったら!!」

 

 

「せやけど!!!」

 

 

はやてはナツの声を上回る大声でナツの言葉を遮り、話を続ける。

 

 

「ナツ君を含めた私らは、ガジル君の事は〝(ファントム)〟としてのガジル君しか知らへん。せやからこれからは〝仲間(フェアリーテイル)〟としてのガジル君を知っていくんや。許す許さへんの話は、それからでも遅くないやろ?」

 

 

「っ……!!」

 

 

はやての言葉に、ナツはグッと言葉を詰まらせる。そしてそのまま視線を、彼女の隣に立つシグナムとヴィータに移す。

 

その視線を受け取った二人は、笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

「主はやてのお考えがそうであるなら、私たちはそれに従うまで。それに私個人としては、奴のような強い魔導士の加入は大歓迎だ。ふふ…手合わせが楽しみだ」

 

 

「シグナムはそればっかだな。まぁでも、ガジルのヤローが変な行動を起こしたら、アタシがブッ飛ばしてやるから安心しろよ」

 

 

シグナムとヴィータはそう言うが、それでもナツはやはり納得できない。

 

 

「冗談じゃねえ!! こんな奴と仕事できるかぁ!!」

 

 

「安心しろ。馴れ合うつもりはねえ。オレは仕事が欲しいだけだ。別にどのギルドでもよかった。まさか一番ムカつくギルドで働く事になるとは、うんざりだぜ」

 

 

「んだとぉ!!?」

 

 

ガジルの言葉に憤慨し、突っかかるナツ。すると、そんなナツの前にルーテシアが立ち塞がる。

 

 

「……ガジルを傷つける人…許さない……」

 

 

「あぁ!? やんのかコラァ!!」

 

 

ルーテシアが殺気の篭った目でナツを睨みつけると、それを挑戦と受け取ったナツが怒鳴る。

 

 

「お…おいルールー!! やめろって!!」

 

 

「なに子供相手にムキになってんのよバカナツ!」

 

 

「うごっ」

 

 

そんな二人を、アギトは宥めるように…ティアナはナツの頭部に拳骨を落として止めた。

 

 

「道を間違えた若者を正しき道に導くのも、また老兵の役目。彼も根はいい奴なんじゃよ……と信じたい」

 

 

「それがマスターの判断なら従いますが、しばらくは奴を監視してた方がいいと思いますよ」

 

 

「はい」

 

 

エルザの言葉にそう返事をするマカロフ。すると、そんなエルザにアギトが歩み寄ってきた。

 

 

「まぁ、これから仲良くやろうぜ、エルザ」

 

 

「アギト……ふふっ、そうだな。お前なら大歓迎だ」

 

 

そう言ってお互いに握手を交わすエルザとアギト。

 

 

「ところでアギト、ゼスト殿とは一緒ではないのか?」

 

 

「あ…あー……旦那か」

 

 

エルザの問い掛けに、アギトはポリポリと後頭部を掻きながら答える。

 

 

「旦那はお前に負けてから、自分を鍛えなおす旅とか言って、どっか行っちまった。アタシも着いて行こうとしたんだけど、断られちまってさ」

 

 

「そうか……では私も、次に会う時までに強くなっておかなければな」

 

 

エルザはそう言って、楽しそうな笑みを浮かべる。。

 

 

「あー……それと…さ、ガジルの事…悪く思わないでやってくれよ……確かにアイツ、このギルドの連中には恨まれるようなことをしちまったけど、根はそんなに悪い奴じゃねえんだ。何だかんだ言って、アタシやルールーの面倒をよく見てくれたしさ……だから…その……えっと……」

 

 

言葉を探しながらしどろもどろに話すアギト。そんなアギトを見て、エルザはゆっくりと口を開く。

 

 

「お前の言いたい事はよくわかった。だが、奴のしでかした事はそう簡単に許される事ではない」

 

 

「うっ……」

 

 

エルザの言葉にアギトは小さく唸る。

 

 

「だが、はやての言う通り……私たちはガジルを敵としてしか見てこなかった。だからこれからは、奴を仲間として見て、それから判断させてもらうぞ」

 

 

「お…おう!よろしく頼むぜ!!」

 

 

エルザが笑みを浮かべながらそう言うと、アギトも嬉しそうに笑った。

 

 

「う″う″~~!!! なんか居心地悪ぃなぁ……新しいギルドは~」

 

 

「そー言わんと、ええから座りぃ。そろそろメインイベントが始まるで」

 

 

「?」

 

 

「メインイベント?」

 

 

はやては首を傾げるナツとティアナをほぼ無理矢理ガジルの隣りに座らせ、それを見た他のメンバーも同じテーブルの席につく。

 

その瞬間、ギルド全体の照明が落ちた。

 

 

「よぉ」

 

 

「やっほーティア!」

 

 

その近くの席には、エルフマンとスバルの姿もあった。

 

 

「何だ何だ?」

 

 

「あんな所にステージが」

 

 

そして全員の視線が、これもまた新しく出来たステージへと集中する。

 

 

そしてステージの垂れ幕が上がると、そこにはギターを持ったミラジェーンの姿があった。

 

 

「ミラさん!!?」

 

 

「待ってたぞーミラー!!」

 

 

「ミラちゃーん!!」

 

 

「ミラジェーン!!」

 

 

周囲からの歓声を受けた後、ミラはギターを弾きながらゆっくりと歌い始める。

 

 

「~~♪~~~♪」

 

 

ミラの発する美声に、ほとんどのメンバーがうっとりと聴き入る。

 

 

「いい歌~」

 

 

「仕事に出る魔導士への歌なんだって」

 

 

「相変わらず上手ね、ミラさん」

 

 

ルーシィ、なのは、ティアナがそう感想を述べると同時に、ミラの歌が終了する。

 

 

「ミラちゃーん!!!」

 

「最高~~!!!」

 

「いいぞ~~!!!」

 

 

同時に湧き上がるメンバーからの大歓声。

 

 

「フン」

 

 

しかし、ガジルは面白く無さそうに鼻を鳴らすと……

 

 

ギュッ

 

 

「痛えーー!!!」

 

 

「ギヒ」

 

 

隣りに座るナツの足をわざと踏みつけた。

 

 

「何すんだテメェ!!! わざと足踏んだろぉ!!!」

 

 

「ア?」

 

 

当然ナツは憤慨し、大声でガジルを怒鳴りつける。

 

 

「うっせえ!!! ミラちゃんの歌の最中だろぉがよ!!!」

 

 

「うご」

 

 

「ギッ」

 

 

「いてっ!?」

 

 

ところが、その大声に反応した他のギルドメンバーがナツとガジルに向かってコップを投げつける。そしてその流れ弾が近くにいたヴィータにまで当たってしまった。

 

 

「物投げたの誰だコラァ!!!!」

 

 

「アタシは関係ねえだろーがぁ!!!」

 

 

それに更に憤慨したナツはテーブルを引っくり返し、ヴィータはイスの上に乗り出し、物が飛んで来た方向に向かって怒鳴った。

 

 

「ナツ!! テメェ暴れんじゃねえ!!!」

 

 

そんなナツに向かってグレイが怒鳴りながら立ち上がる。その拍子に、隣に座っていたエルザのいちごケーキが床に落ちてしまう。

 

 

「私の…いちごケーキ……」

 

 

自分の好物であるケーキを台無しにされ、怒り震えるエルザ。

 

 

「テメェら!!! 漢なら姉ちゃんの歌聴きやがれっ!!!」

 

 

「やかましいっ!!!!」

 

 

そしてその怒りは、近くで暴れていたエルフマンに向けられ、そのままエルフマンを思いっきり蹴り飛ばした。

 

 

「まったくあいつ等は……」

 

 

「あはは!やっぱりナツたちが帰ってくると一層騒がしくなるね!!」

 

 

その騒動を見て、呆れるティアナと楽しそうに笑うスバル。

 

 

「にゃはは…でもこれ以上騒がしくなるといけないから、そろそろ止めに──」

 

 

ベチャッ!!

 

 

なのはが言いかけたその時…なのはの顔にコントなどでよく見るクリームパイが直撃した。

 

 

「「な…なのはさん!!?」」

 

 

それを見たティアナとスバルが驚愕している間に、なのはの顔からパイがボトリッと床に落ちる。そして、なのはは顔についたクリームをゆっくりと拭き取ると……

 

 

 

「みんなちょっと…頭冷やそうか?」

 

 

 

魔王と化していました。

 

 

「「ひいぃい!!!」」

 

 

そんななのはを見たティアナとスバルはお互いを抱き合って小さな悲鳴を上げる。そしてなのははレイジングハートを構えると……

 

 

「ディバィィイン……バスターーー!!!!」

 

 

『ぎゃあああああ!!!』

 

 

無差別にディバインバスター(威力弱め)を放ち、メンバーを吹き飛ばした。

 

 

「わわっ……なのはまで…ど…どうしよう……!!?」

 

 

なのはまで騒動に参加し始めたのを見て、オロオロと戸惑い始めるフェイト。すると……

 

 

「まぁまぁ、えーやないかフェイトちゃ~ん!!」

 

 

「そーそー! 細かいこときにしな~い!!」

 

 

「ひゃっ!? は、はやて!? カナ!? うっ、お酒くさっ……」

 

 

突然背後からベロベロに酔っ払ったはやてとカナに抱きつかれてフェイトは驚き、その酒臭さに顔をしかめる。

 

 

「フェイトちゃんも~」

 

 

「たまには飲みなさいよ~!」

 

 

「えっ!? ちょっ!! カナ───ムグッ……ゴクン」

 

 

そのままフェイトは、はやてに無理矢理グラスに入った酒を呑まされた。

 

 

「……………」

 

 

酒を呑んでしまったフェイトはしばらくポーッとしていたが、やがて頬が朱に染まり、目がトロンっとしたものに変わる。そして……

 

 

「……ふにゃ?」

 

 

いつものキリッとした表情のフェイトからは想像もつかないほど、だらけ切った表情となった。

 

 

「むぅ~~?」

 

 

そしてフェイトはその表情のまま、大騒ぎしているギルド全体を見回すと……

 

 

「みんなズルイ!! 私も騒ぐ~~!!!」

 

 

そう叫びながらバルディッシュを掲げ、なんと無差別に雷魔法を放ち始めた。

 

 

「むっ!!?」

 

 

その魔法の直線状にいたシグナムは、驚きながらもレヴァンティンで魔法を防いだ。

 

 

「ほう……テスタロッサ、それは私に対する挑戦状とみてよいのだな?」

 

 

そう言ってシグナムはレヴァンティンをフェイトに向ける。それを見たフェイトは「うぅ~?」と、首を傾げながら考え込む素振りをした。

 

 

「うん、いいよ~! 勝負だシグナム~!!」

 

 

「いいだろう!! 手加減はせんぞっ!!!」

 

 

そしてバルディッシュとレヴァンティンが激突し、二人はそのまま戦いを始めてしまった。

 

 

『うわぁぁぁあああ!!!』

 

 

当然周りへの配慮なし。

 

 

「どりゃあ!!!」

 

 

「ぶっ飛べコラァァア!!!」

 

 

「誰かナツとヴィータを押さえろぉ!!!」

 

 

「いやその前に魔王だ!! 魔王を何とかしろぉ!!!」

 

 

「魔王ってゆーなぁぁあ!!!」

 

 

「おい誰か!! フェイトとシグナムを止めてくれ!!!」

 

 

「無理無理!! 確実に死人が出る!!!」

 

 

ナツが引き起こした騒動はやがて、ギルド全体を巻き込んだ大騒動となった。

 

 

「バラードなんか歌ってる場合じゃないわね。ロックで行くわよぉ!!!」

 

 

それを見たミラも、先ほどのゆったりとした演奏とは打って変わって、エレキギターで激しい演奏を始めた。

 

 

「これじゃ前と全然変わらないじゃない……」

 

 

「本当に……騒がしいギルドよね」

 

 

「でもさ……やっぱりこーゆー方が妖精の尻尾(フェアリーテイル)って感じがするよね!!!」

 

 

スバルがそう言うと、彼女の言いたい事がわかったルーシィとティアナは同意するように、満面の笑顔を浮かべ、再び騒動の方に視線を移した。

 

 

彼女たちの視線の先には……ナツも、ヴィータも、はやても、グレイも、エルザも、なのはも、フェイトも、シグナムも……メンバー全員が笑顔で大騒ぎしている光景があった。

 

 

しかし、メンバーのほとんどが笑顔でいる中、唯一人……マカロフだけが肩を震わせていた。

 

 

「な…なぜあと一日ガマンできんのじゃ…クソガキども……明日は取材で記者が来る日なのにぃーー!!!」

 

 

「取材!?」

 

 

「ああ…それでショップとかステージを作ったのね」

 

 

そう言ってマカロフは泣き出し、ルーシィは取材と言う言葉に反応し、何故ショップ等が作られたのか納得するティアナであった。

 

 

「やめんかバカタレども!!! 片付けーい!!!!」

 

 

「うわっ!! じ…じいちゃん!!! 巨大化すんなよ!!!」

 

 

「なのは!!! そろそろ落ち着け!!!」

 

 

「止めないでグレイ!!! 私は魔王じゃないのーー!!!」

 

 

「スピー…」

 

 

「おいテスタロッサ!! まだ勝負は着いていないぞ!! 何故急に眠る!!?」

 

 

 

 

 

たとえ大騒ぎをしたり、喧嘩をしていても、そこにあるのはメンバーたちの溢れんばかりの楽しそうな笑顔。

 

 

 

これこそが…本当の妖精の尻尾(フェアリーテイル)である。

 

 

 

 

 

 

つづく

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