LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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B・O・F編
収穫祭


 

 

 

 

 

 

 

 

第四十七話

『収穫祭』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナツたちがアカネビーチから帰って来て数日後……新設されたギルドの依頼板(リクエストボード)の前には、ルーシィが悩みながら仕事を選んでいた。

 

 

「う~ん…あたし一人で行けそーな仕事あるかな~」

 

 

ルーシィがそう呟くと、隣りで同じく仕事を選んでいたナブが声をかける。

 

 

「一人? ナツやグレイたちと一緒に行かねーのか?」

 

 

「それがね~」

 

 

ナブの問いにルーシィは溜め息混じりに答える。

 

ルーシィの話によると、グレイはなのはと共にしばらく新メンバーであるジュビアの面倒を見るように言われ、三人で仕事に。

 

エルザは新しく新調した鎧に不具合があったとかでハートクロイツ社へ抗議に。

 

スバルは最近調子が悪いリボルバーナックルのメンテナンスの為、しばらく仕事には行けない。

 

ユーノはルーシィたちが旅行から帰ってくる数日前から考古学仲間と共に古代遺跡の調査へ行っている。

 

 

「ナツとティアナがいるだろ?」

 

 

「はぁー…見てあれ」

 

 

そう言って溜め息をつきながらルーシィが指差す先には……

 

 

「ナツ!! いつまでボーっとしてんの!? シャキッとしなさい!!」

 

 

「ナツ!! ホラ…火だよ。食べて」

 

 

「食欲ねえ」

 

 

全体的に無気力になり、ティアナとハッピーに看病されているナツの姿があった。

 

 

「どーしちまったんだナツ!!?」

 

 

今まで見たことない程ボーっとしているナツを見て、驚愕するナブ。

 

 

「今頃になって、エーテリオンを食べちゃった副作用でも出てるのかしら?」

 

 

ルーシィがそう疑問に思っている間に、ナツはフラフラっと体を揺らしたあと、そのまま後ろへ倒れてしまった。

 

 

「ありゃあ当分仕事は無理そうだな」

 

 

「ティアナもナツの看病で忙しそうだし……でもねっ!!! 何か仕事行かないと今月の家賃払えないのよぉ~! ナブ手伝って!!」

 

 

「オレはやめとくよ。自分にしか出来ねえ仕事をずっと探してんだ」

 

 

「何それ…」

 

 

ナブの言葉に呆れながら、ルーシィは再び仕事を探し始める。

 

 

「『魔物退治』……なんかできる訳ないし…『深海の宝探し』……も、あたし一人じゃな~。ん?『子供向け魔法教室の先生募集』!? これなら!!」

 

 

ようやく自分でも出来そうな仕事が見つかり、その依頼書を取ろうとしたその時、ルーシィより先にガジルがその仕事を取ってしまった。

 

 

「ちょっと!! それあたしが見つけた…」

 

 

「早いモン勝ちだろ?」

 

 

「つーかアンタ、こんな仕事できんの!!?」

 

 

「どんな仕事をやろうがオレの勝手だろーが。それに、ガキの面倒なら昔っから見てんだよ」

 

 

そう言って視線を移動させるガジルを見て、ルーシィもそちらに視線を移す。そこにはガジルを待っているのであろうルーテシアとアギトの姿があった。

 

 

「そう言えばアンタっていつもあの二人と一緒にいるわよね?どうして?」

 

 

「テメェには関係ねえ。あんま詮索すると張り付けんぞバニーガールさんよぉ。いくぞルーテシア、アギト」

 

 

「……うん」

 

 

「おう」

 

 

そう言い残してルーテシアとアギトと共に仕事へと向かっていくガジル。

 

 

「キィーーー!!! くやし~~~!!!」

 

 

そんなガジルの態度に、ルーシィは叫びながら地団太を踏んだ。

 

 

「ねえねえナツってばぁ!!! あいつに何か言ってやって!!!」

 

 

そう言ってルーシィは未だにボーっとしているナツの肩を揺らす。

 

 

「くんくん……お前ワキの下くせぇぞ」

 

 

「サイテー!!!」

 

 

ナツの失礼な発言にルーシィは容赦なく殴る。

 

 

「やっぱ帰ろ……調子悪ぃ…」

 

 

「そうね、そうしなさい」

 

 

「あい」

 

 

「待ってー仕事行こーよ!!! 家賃払えないんだってばー!!!」

 

 

余りに調子が悪いので帰ろうとするナツを、ルーシィは彼のマフラーを引っ張って引き止めようとする。すると……

 

 

ずってぇん!

 

 

「きゃっ!」

 

 

「ぐもぉ!」

 

 

「……何やってんのよ?」

 

 

ナツのマフラーが外れてしまい、二人は床に倒れる。それをティアナは若干呆れた目で見ていた。

 

 

「んじゃなティア、ルーシィ……」

 

 

「今日はもう寝た方がいいよ」

 

 

「うん」

 

 

そしてナツは何事もなかったかのようにハッピーと共にフラフラと歩きながらギルドを出て行った。

 

 

「大丈夫かしら……」

 

 

「ねえティアナ~仕事~」

 

 

「あーもーうっとおしい!!」

 

 

今度は自分に泣きついてくるルーシィを振り解くティアナ。

 

 

「ん…あれ? あんたそれ……」

 

 

「え? あっ、ナツのマフラー!!」

 

 

ルーシィは先ほど倒れてしまった拍子に外れてしまったナツのマフラーを未だに持っていることに気がついた。

 

 

「ハァ…あのバカ、大切なマフラーが外れたことにも気付かないなんて……貸して、ナツに届けてくるわ」

 

 

「あ…うん」

 

 

ティアナにそう言われ、素直にマフラーを渡すルーシィ。

 

 

「それじゃあね」

 

 

「うん! またねー……ってそうじゃなくて!!! ティアナ!! 一緒に仕事ーーー!!!」

 

 

そんなルーシィの叫びは、ギルドの喧騒の中にに虚しく消えていった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃、仕事に向かったはずのガジルたちは、マグノリアの広場にやって来ていた。

 

 

「こんな所に呼び出して何のつもりよぉ。オレ達ぁこれから仕事なんだヨ」

 

 

ガジルは目の前にいる二人の男…ジェットとドロイに向かってそう言った。

 

彼等とレビィを含めた三人、チームシャドウ・ギアは以前、ガジルの強襲によって重症を負わされた三人なのである。

 

 

「仕事だぁ? ギルドを壊した張本人が何言ってんの?」

 

 

「仕事ならどのギルドでもいいだろーが! 空気読めねえのか?」

 

 

「器の小させえ奴等だねぇ。過去の事をネチネチ…ギヒヒ」

 

 

ジェットとドロイの言葉に、ガジルは挑発的に笑いながらそう返す。

 

 

「やめようよ……ジェット、ドロイ……私…あんなのもう全然、気にしてないよ」

 

 

「ガジルもあんま挑発すんじゃねえよ」

 

 

「オレたちのケジメだよ」

 

 

「やられたままじゃ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)名折れだ」

 

 

「フン」

 

 

物陰に隠れているレビィとガジルの後方に立つアギトが止めるが、それを聞く三人ではなかった。

 

 

「余裕かましてられんのも今のうちだぜ!!!」

 

 

そう言ってジェットは自身の魔法〝神足(ハイスピード)〟で素早く移動し、ガジルに殴りかかる。

 

 

「くっ」

 

 

ガジルはそれを何の抵抗もせずに受ける。

 

 

秘種(ひだね)!!!」

 

 

その間にドロイは自分の周囲に植物の種をまく。するとその種は、彼の魔法〝植物(プラント)〟によって急速に成長し始める。

 

 

「ナックルプラント!!!」

 

 

「うぐ」

 

 

「隼天翔!!!」

 

 

「ぎっ」

 

 

ドロイは先ほど成長させた拳を模した植物でガジルを殴り飛ばし、それを畳み掛けるようにジェットが超速の飛び蹴りを喰らわした。

 

 

「ガジル……!」

 

 

「おい! 大丈夫か!!?」

 

 

それを見たルーテシアとアギトがガジルに駆け寄る。

 

 

「おいコラ…何のマネだ?」

 

 

「テメェの力はそんなモンじゃねえだろ」

 

 

そう言ってガジルを睨みつけるジェットとドロイ。すると……

 

 

 

「これは何のイジメだ? あ?」

 

 

 

「「!」」

 

 

突然後ろから聞こえてきた声に振り返ると、そこには……

 

 

「ラクサス!!?」

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の男候補の一人……ラクサスが立っていた。

 

 

「なるほど…こいつがオレのギルドに上等かましてくれたガキか。ジジィの奴……またやられねえ為に仲間にしやがったのか?」

 

 

そう言うと、ラクサスはガジルにゆっくりと歩み寄る。

 

 

「そんなんだからなめられんだよ!! クソが!!」

 

 

「っ!! 離れろ!!」

 

 

ラクサスからただならぬ殺気を感じたガジルは側にいたルーテシアとアギトを突き飛ばす。

 

 

「ぐああああっ!!!」

 

 

「「ガジル!!!」」

 

 

その瞬間、ガジルに激しい(いかずち)が落とされる。

 

 

「テメェのせいで…!!」

 

 

「ぐああああ!!!」

 

 

ラクサスはそんなガジルにもまったく容赦はせず、さらに強力な雷を浴びせる。

 

 

「ガジル……!!」

 

 

「テメェェェエ!!!」

 

 

そんなラクサスにルーテシアとアギトが怒り、ルーテシアは召喚魔法陣を展開させ、アギトは両手に炎を灯す。

 

 

「手ぇ出すんじゃねえ!!!!」

 

 

「「(ビクッ!!)」」

 

 

しかし、ガジルのそんな叫びに体を震わせ、魔力を霧散させた。

 

 

「ま…まさかガジルの奴…初めから……」

 

 

「私たちの仲間って認めて欲しいから、手を出さずに耐えようと……」

 

 

その様子を見たジェットとレビィはようやくガジルの意図に気がついた。

 

 

「う…うう……」

 

 

ラクサスの攻撃により地面に倒れ伏せるガジル。

 

 

「テメェのせいでオレたちはなめられてんだぁ!!! 死んでワビろや!! オオ!!? 妖精の尻尾(フェアリーテイル)に逆らう奴ぁ全員殺してやるぁぁ!!!」

 

 

しかしラクサスは攻撃の手を緩めず、雷を纏った足で何度も何度もガジルを踏みつける。

 

 

「やめろラクサス!!! もういい!!!」

 

 

それを見かねたジェットが止めようとするが……

 

 

「うるせえよ!!! ザコは黙ってろや!!!!」

 

 

それに逆上したラクサスは雷を放つ。しかしそれはジェットには向かず、何故かレビィの方へと向かって行った。

 

 

「「レビィ!!!」」

 

 

「ひっ」

 

 

それを見たレビィは身構える。だがその時……

 

 

「ぐぎっ!!」

 

 

何と、雷とレビィの間にガジルが割って入り、代わりに雷を受けた。

 

 

「ガジル…」

 

 

「レビィを守った…のか?」

 

 

「お前…」

 

 

その行動に驚愕するシャドウ・ギアの三人。そんな三人をよそに、ガジルはヨロヨロと歩き出す。

 

 

「もういいか? 仕事があるんだ」

 

 

「あ…あの……」

 

 

「放っておいてくれ。行くぞテメェら」

 

 

「お…おう! 行こうぜルールー」

 

 

「…………うん」

 

 

そう言って、ガジルたち三人はそのまま仕事へと向かって行った。

 

 

それを見送ったラクサスは興が冷めたのか、何も言わずにその場を後にした。

 

 

 

 

 

「(くだらねえ……妖精の尻尾(フェアリーテイル)……オレが目指すギルドはこんなんじゃねえ!!! ガマンの限界だ!!! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)はオレが頂く!!!!)」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そしてその夜。

 

 

「あーあ、いい仕事見つからなかったなー」

 

 

「プーン」

 

 

「今月の家賃どうしよぉ……」

 

 

結局仕事が見つからず、ルーシィは肩を落としながら帰路を歩いていた。

 

 

「そーいえば、最近ユーノさんに会ってないな~…なのはさんの話じゃ古代遺跡調査に行っちゃったらしいけど……会いたいなぁ……」

 

 

そう呟いて脳裏にユーノを思い浮かべるルーシィ。

 

 

「ププン!」

 

 

そんなルーシィをプルーは初々しいものを見る目で見ていた。

 

 

「ち…違うわよ!!! 別にそーいう意味で会いたいとか言ったんじゃなくて!!! そう!小説!!! もうすぐ小説が完成しそうだからユーノさんに読んで貰おうと思ってただけなのよ!!! って…何あたし星霊に対して必死で言い訳してんのかしら……」

 

 

そんなやり取りをしている間に、家へと到着したルーシィ。

 

 

家に着いたルーシィはまず、ドアを開けて中に入り、そっとリビングを覗き込んで誰もいないことを確認する。

 

 

「誰もいない…か。何で自分ん家に帰るのにこんなドキドキするのかしら?」

 

 

それは度重なるナツたちの不法侵入のせいである。

 

 

とにかく誰もいない事に一安心したルーシィはそのままお風呂に入ったり、小説を書いたり、歯を磨いたりした後、寝るためにベッドへと向かった。

 

 

「ふあー…おやすみなさーい」

 

 

そう言ってベッドの中に入り、瞼を閉じるルーシィ。

 

 

「ん?」

 

 

すると、ルーシィは何か違和感を感じてすぐに目を開ける。そしてそーっと自分の隣りに視線を移動させると……

 

 

「ぎゃあーーーーっ!!!!」

 

 

ナツとハッピーが眠っていました。

 

 

「ん…おはよルーシィ」

 

 

「ここあたしん家ーーー!!! てか、あたしのベッド!!!」

 

 

「あい」

 

 

「帰れー!!!」

 

 

二人に向かってそう言い放つルーシィ。

 

 

「あ…やっぱダメだ」

 

 

しかしナツは再び眠ってしまった。代わりにハッピーがルーシィに用件を伝えた。

 

 

「ナツのマフラー返してもらおうと思って……」

 

 

「ないわよっ!!! あれはティアナに渡しておいたの!!! わかったら出て行って!!!」

 

 

そう言ってルーシィは二人に出て行くように言う。すると……

 

 

「あー…やっぱりここにいたのね」

 

 

そんな聞きなれた声に二人が振り向くと、そこにはティアナが立っていた。

 

 

「ティアナ!! ってか、また勝手に……」

 

 

またもや勝手に家に上がりこまれ、怒りを通り越して呆れるルーシィ。

 

 

「家に行ってもいないし、待ってても帰って来ないから、もしやと思って来てみれば案の定ね。ほらナツ、帰るわよ」

 

 

そう言ってナツの体を揺するティアナだが、ナツは「うーん…」と苦しそうな呻き声を上げるだけで、起きる気配はない。

 

 

「ねえ……大丈夫なの?ナツ」

 

 

それを見たルーシィが心配そうにナツの顔を覗き込む。

 

 

「あい。前にもあったんだー。その時はラクサスの雷を食べたら、こーなっちゃったよ」

 

 

「火以外の魔法を食べちゃダメなのね。元々魔法は食べ物じゃないけど。てか、何でラクサスの雷を?」

 

 

「去年くらいだったかしら? ナツがラクサスに勝負を挑んで、瞬殺されたのよ」

 

 

「そ…そんなに強いの? ラクサスって……」

 

 

今まで何度もナツの強さを目の当たりにしてきたルーシィにとって、ナツが瞬殺された話は衝撃的だったらしい。

 

 

「オイラが思うに、ギルダーツ抜かしたらラクサスが一番強いんじゃないかな。あ…ギルダーツってみんなが〝オヤジ〟って言ってる人ね。あ…でもエルザとなのはがいるしなー、フェイトやはやてもかなり強いし…ミストガンも強いって噂だし、クロノもああ見えて相当強いよ。ミラも昔はヤバかったんだよ、魔人って呼ばれててね」

 

 

「ま…魔人!!? あのミラさんが!!?」

 

 

「……確かに今のミラさんからじゃあ、想像できないわよね」

 

 

ティアナは脳裏で今と昔のミラを比較して、その変わりように苦笑いを浮かべた。

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強決定戦やったら誰が優勝するんだろ!? わくわくするね」

 

 

「あたしは身内同士で優劣つけるなんてやだなー。みんな〝強い〟でいいじゃない」

 

 

「グレイやエルフマン、それにスバルやヴォルケンリッターのみんなだって十分強いし……ガジルとジュビアは間違いなく強いよ」

 

 

「あらすごいわね~じゃあまた明日~♪」

 

 

熱弁するハッピーをルーシィは〝早く帰れ〟の意味を込めて、ハッピーを窓際に置いた。

 

 

「あ!! これ渡そうと思ってたんだ。ルーシィお金ないって言ってたでしょ?」

 

 

すると、ハッピーは思い出したようにバックの中から一枚の紙を取り出してルーシィに渡した。

 

 

「仕事?」

 

 

「……じゃないんだけど。来週この街の収穫祭だからね。妖精の尻尾(フェアリーテイル)もお祭りに参加するんだよ。右下の方を見て」

 

 

そう言われて、ルーシィは視線をチラシの右下へ移動させる。

 

 

「ミス・フェアリーテイル!!?」

 

 

「あい。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の女の子たちの美人コンテストだよ。優勝したら50万Jもらえるんだ」

 

 

「50万J!!? 家賃7ヶ月分!!! そして何てあたし向き!!!」

 

 

「自分で言う?」

 

 

「ミラやカナも出るけど、ルーシィだって負けてないよ」

 

 

「えーーーっ!!? ミラさんも!!? だって週ソラのグラビアやってる人よ!! で…でもあたしの方が若いし!!! フレッシュな魅力って事で……いける!! いけるわ!!! 50万J!!! ミス・フェアリーテイル、絶対優勝してやるんだから!!!」

 

 

「アンタ…さっき身内同士の優劣がどうとか言ってなかったっけ?」

 

 

やる気満々のルーシィの耳に、ティアナのそんな呟きは聞こえなかった。

 

 

「あと一応言っとくけど、私もこれに出るわよ?」

 

 

「ティアナも!!?」

 

 

「本当は出場する気なかったんだけど、スバルのバカが勝手にエントリーさせちゃったのよ。自分は出ないクセに……!!!」

 

 

そう言ってティアナは言葉に僅かな怒りを滲ませる。

 

 

「ティアナも出るのかぁ……でも…胸の差であたしの勝ちよね、うん」

 

 

「聞こえてるわよ」

 

 

ルーシィの呟きはティアナの耳にバッチリ入っていた。因みに彼女の額には赤い十字路が浮かんでいた。

 

 

「……まぁいいわ。それじゃあ私たちは帰るわね。行くわよハッピー」

 

 

「あい」

 

 

「ハッピ~ン♪お魚食べてく?」

 

 

「ワイロは受け取らないよ」

 

 

そう言ってティアナは未だに眠っているナツを背負って、ハッピーと共にルーシィの家を後にしたのであった。

 

 

 

 

 

この時…誰も予測しなかったであろう……

 

 

ナツも…ティアナも…ルーシィも……あのマカロフでさえ……

 

 

まさか……その収穫祭であのような大事件が起きるとは……

 

 

 

 

 

つづく

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