夏の劇場でも見ましたが、やはりアツイです!!! フェアリーテイル最高です!!! リリカルテイルの創作意欲がかなり湧いてきました。
と言うワケで、今回はその勢いに任せて書きました。
感想お待ちしております。
しかし、そのレーサーの最後の悪あがき……爆弾
「リオン…」
「ギン姉…」
「そ…そんな……リオン様と…ギンガが…」
崖の上から2人が落ちていった森を呆然と見つめるグレイとスバルとシェリー。
「あいつが死ぬハズがねえっ!!! 探すぞ!!! 来い!!!!」
「お願いギン姉!!! 無事でいて!!!」
そう言ってグレイは氷の階段を造り、スバルはウィングロードを展開して崖の下へと降りていく。
しかし…シェリーは涙を流したまま、その場から動かなかった。
「(なぜ……リオン様とギンガが…なぜ……)」
誰のせい?
第六十二話
『光と闇』
その頃…樹海の中をただ1人歩いていたジュラは……
「そこにいるのはわかっている。出て来い!!」
ジュラが目の前の茂みに向かってそう言うと、突然足元の地面がぐにゃりと曲がる。
「さすが聖十の魔導士」
そしてそこには六魔の一人…ホットアイが立っていた。
「せい!!!」
ジュラは地面の土を棒状に伸ばしてホットアイを攻撃するが、それはホットアイに当たる前に液体のように崩れ落ちた。
「私は土を柔らかくする魔法。そしてアナタは土を硬くする魔法。さて? 強いのはどっちデスカ?」
「無論、魔法の優劣にあらず。強い理念を持つ者が勝つ」
「違いますネ。勝つのはいつの時代も、金持ちデスネ」
◆◇◆◇◆◇◆◇
一方…毒に苦しむエルザの看病をしているルーシィと、その傍でナツたちの帰りを待つヒビキとヴァイス。すると…
「着いたー!!!」
「ナツ!!! ティアナ!!!」
茂みの中からウェンディを抱えたナツと、ハッピーとシャルルを抱えたティアナが出てきた。
「どうなってんだ!? 急に頭の中にここまでの地図が……」
「ナツ!! 今はそれよりウェンディにエルザさんを」
「そうだ!! 起きろウェンディ!!! 頼む、エルザを助けてくれーーっ!!!」
「ちょ…ちょっとナツさん!!! 落ち着いてください!!!!」
「ウェンディちゃん乱暴しないでーー!!!」
「キュクー!!!」
ウェンディの肩を思いっ切り揺らして起こそうとしているナツを、少し遅れて戻ってきたエリオとキャロが必死で止める。
すると…ウェンディの目がゆっくりと開かれ……
「ひっ!」
ナツの姿を確認すると同時に、後ろに後ずさった。
「ごめんなさい…私……」
「ウェンディ、落ち着いて」
「ウェンディちゃん……」
頭を抱えて怯えるように謝罪するウェンディを、エリオとキャロが落ち着かせる。
「今はそんな事どうでもいいの!!! お願いウェンディ、エルザさんが毒蛇にやられて大変なの!!!」
「助けてくれ!!! 頼む!!!!」
そう言ってウェンディに深く頭を下げるナツとティアナ。
「毒?」
「お前さんとキャロが攫われてすぐ、エルザ姐さんが
「
「お願い…エルザを助けて!!!」
「も…もちろんです!!! はいっ!!! やります!!! がんばりマス!!!」
状況を理解したウェンディは、さっそくエルザの解毒に取り掛かる。
「よかったぁ~」
「いつまで伸びてんのよ、だらしない」
「あ、ハッピーとシャルルも目が覚めたんだね」
エリオはいつの間にか起きていたハッピーとシャルルに気がつく。
「(それにしても……まさかこんな所でジェラールさんに会うなんて……)」
「(あの優しいジェラールさんが……)」
「(エルザさんに酷い事したなんて……そんな事……)」
そして
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして、そのジェラールはと言うと……一人樹海の奥地へと歩いていき、その背後には物陰に隠れたコブラの姿があった。
「(それにしてもこいつ…心の声が聴こえねえ。心の声さえ聴こえれば、後をつける必要もねえのに)」
そんな事を思いながらジェラールの尾行を続けるコブラ。すると、ジェラールが立ち止まる。
「(止まった)」
そんなジェラールの視線の先には……いくつのも鎖に繋がれ、他よりもひと際大きい大木があった。
「(なんだここは…!!? 樹海にこんな場所が。まさかブレインの言った通り…ここにニルヴァーナが……)」
そしてジェラールが大木に手を翳すと、繋がれていた鎖が外れ、大木が爆発するようにハジケ飛ぶと……そこから一筋の光が溢れ出した。
「(おおっ!!! ついに見つけた!!! オレたちの未来……)」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「終わりました。エルザさんの体から毒は消えました」
「「「で!?」」」
「ん」
「おっしゃー!!!」
エルザの顔から苦しそうな表情は消えたのを見て、ナツたちは歓喜の声を上げる。
「ルーシィ、ティア、ハイタッチだーっ!!!」
「えぇ!!」
「よかった~~!」
パンッ! パンッ!
「エリオとキャロも!!」
「「はい!!」」
パンッ! パンッ!
「シャルル~!!」
「一回だけよ!」
パンッ!
エルザが無事である事を喜び、それぞれハイタッチを交わすナツたち。
「ウェンディ」
「!」
自分達に向かって差し出される手を見てウェンディは……
パンッ!
と…ナツとハイタッチを交わす。
「ありがとな」
「……しばらくは目を覚まさないかもですけど、もう大丈夫ですよ」
ナツに笑顔でお礼を言われ、恥ずかしそうにそう言うウェンディ。
「すごいね…本当に顔色がよくなってる。これが天空魔法」
「近ぇよ」
必要以上に顔を近づけてエルザの顔色を確認するヒビキを、呆れながら引き剥がすヴァイス。
「いいこと? これ以上天空魔法をウェンディに使わせないでちょうだい」
「まぁ確かに、ウェンディの天空魔法…特に治癒の魔法はかなりの魔力を消費しますので……」
「あまりウェンディちゃんに無理をさせない方が…」
「私の事はいいの。それより私……」
そう言ってどこか悔いるような表情をしているウェンディ。
「とにかく、これでエルザ姐さんの方も万全だ」
「後はエルザさんが目覚めたら、反撃の時だね」
「うん!!! 打倒
「おーーーっ!!! ニルヴァーナは渡さないぞぉ!!!!」
それぞれが打倒
突如として樹海が光に包まれる。
「何!?」
光がした方へと視線を向けて見ると、そこにはまるで天を支えているような、黒い光の柱が伸びていた。
「黒い光の柱……」
「まさか……」
「おいおい…マジかよ……」
「あれは…」
そう…その黒い光の柱こそが……
ニルヴァーナ!!!
ここに…最悪の魔法が目覚めてしまった。
「ニルヴァーナなのか……!?」
「まさか、
「……いや…
「あの光…ジェラールがいる!!!!」
「ジェラール!?」
ナツの口から出たジェラールの名に、ルーシィは驚愕する。
「ティア」
「えぇ」
そしてナツとティアナは頷き合うと、その光に向かって走り出した。
「ナツ!!! ティアナ!!! ジェラールってどういう事!!?」
「私の…私のせいだ……」
「ウェンディ」
「ウェンディちゃん」
「キュクル」
ジェラールを復活させた事に負い目を感じているウェンディに、エリオとキャロが寄り添う。
「ナツ……エルザさんが助かった今、もう我慢する必要はないわ」
「わかってる。会わせるわけにはいかねえんだ、エルザには!!!! あいつはオレたちが…潰す!!!!」
そう叫びながらナツとティアナは光の…いや……ジェラールのもとへと向かって行った。
その時エルザの目が……僅かに開いていた事も知らずに……
◆◇◆◇◆◇◆◇
「くそっ!! 何がどうなってんだ?」
「あの黒い光……何だろう?」
一方、リオンとギンガの捜索をしていたグレイとスバルは、先ほどの光と今見えている黒い光に戸惑いながらも、2人の捜索を続ける。
「リオーン!!! ギンガー!!! 返事しやがれー!!!」
「リオンさーん!!! ギン姉ー!!!」
大声を張り上げながら2人を探すグレイとスバルを……シェリーが虚ろな目で見つめていた。
「(リオン様とギンガは誰のせいで……こいつらか……)」
そして一つの光が……闇へと染まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「あれは一体……」
「ニルヴァーナ……デスネ」
ホットアイと交戦していたジュラは、現在見えている黒い光の柱がニルヴァーナだと聞いて驚愕する。
「安心してくださいネ、まだ本体は起動してない。あれは封印が解かれただけ。しかし……お金のニオイがプンプンするデスネ……んふふ」
ニルヴァーナの封印が解かれた事に、ホットアイは笑みを浮かべながら説明する。
「(こんな奴と戦っている場合ではないか……いや…しかし任務は
目の前の敵か…ニルヴァーナか……その2択にジュラは迷う。
「金…金……これで私たちは金持ちに……」
両手を広げて喜ぶホットアイ。すると……
「! お…おお……」
「!」
「おおおおおおお…」
「な…何だ今度は…!?」
突然両手で顔を覆って苦しみだしたホットアイに、ジュラは困惑するのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ナツ君とティアナちゃんを追うんだ」
「この状況で2人だけってのは、さすがにヤベェからな」
「ナツ……ジェラールとか言ってなかった?」
「説明は後!! それより今はナツとティアナを…」
「「あーーーーっ!!!!」」
ハッピーがそう言いかけたその時、エリオとシャルルの大声が響き渡る。
「た…大変です!!!!」
「エルザがいない!!!!」
そう…先ほどまで横たわって眠っていたハズのエルザが、いつの間にか消えていたのだ。
「なんなのよあの女!! ウェンディに一言の礼もなしに!!!」
「エルザ……もしかしてジェラールって名前を聞いて……」
その事に対し、シャルルは憤慨し、ハッピーはエルザが消えた理由を推測する。
「どうしよう…私のせいだ…」
「そんな…ウェンディちゃんのせいじゃ……」
「キュー!」
頭を抱えて自責の念に駆られるウェンディを慰めるキャロとフリードだが、ウェンディの自責は止まらない。
「私がジェラールを治したせいで……ニルヴァーナ見つかっちゃって、エルザさんや…ナツさんや…ティアナさんや…」
涙を浮かべて自責の言葉を口にするウェンディ。すると……
ドンッ!!!
突然ヒビキが魔法でウェンディを吹き飛ばしてしまった。
「ちょっ…」
「おいヒビキ!!?」
「ヒビキさん!!?」
「あんたいきなり何すんのよ!!!!」
「酷いです!!!」
「キュクー!!」
いきなりのヒビキの行動に、ルーシィとヴァイスとエリオは驚愕し…シャルルはキシャーっと睨みつけ、キャロとフリードはヒビキを責め立てたのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ジェラール……」
ジェラールの名を呟きながら樹海を走るナツと、彼の後ろを走るティアナ。
すると……
「いたぞ!!
「よくもレーサーさんを!!!」
そんな2人の前に、闇ギルドが立ち塞がった。
「レーサー直属ギルド、
「オオオ!!!」
「やっちまえーーっ!!!」
そう言ってナツとティアナに襲い掛かる
「アンタたちに構ってるヒマはないのよ」
「邪魔だ」
「「どけェ!!!!」」
ナツの炎とティアナの魔法弾が……一瞬で
「エルザさんにジェラールを近付かせない」
「近付かせねぇぞーーーー!!!!」
そう言いながら、ナツとティアナは樹海を駆け抜けて行ったのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「驚かしてごめんね、でも気絶させただけだから」
「どうして!?」
「ナツ君たちとエルザさんを追うんだよ。僕たちも光に向かおう」
あの後…ヒビキは気絶させたウェンディを背負って、ルーシィたちと共に光に向かって走っていた。
「納得できないわね。確かにウェンディはすぐぐずるけど、そんな荒っぽいやり方」
「そうだよ」
「キュク」
先ほどのヒビキの行動に異を唱えるシャルルとハッピーとフリード。
「仕方なかったんだよ。本当の事を言うと……僕はニルヴァーナという魔法を知っている」
「!!!」
「なにっ!?」
ニルヴァーナを知っているというヒビキの言葉に、ルーシィとヴァイスは驚愕する。
「ただ、その性質上誰にも言えなかった。この魔法は意識してしまうと危険だからなんだ。だから一夜さんもレンもイヴもヴァイスも知らない、僕だけがマスターから聞かされている」
「マスターがそこまで徹底して情報を隠すとしたら、そんだけヤベェ魔法って事か」
「うん、これはとても恐ろしい魔法なんだ」
ヴァイスの問いに頷きながらヒビキは答える。
「光と闇を入れ替える。それがニルヴァーナ」
「光と…」
「闇を…」
「「入れ替える!!?」」
ヒビキの言葉に、エリオとキャロ…ルーシィとヴァイスが驚愕する。
「しかしそれは最終段階。まず封印が解かれると黒い光が上がる、まさにあの光だ。黒い光は手始めに、光と闇の狭間にいる者を逆の属性にする。強烈な負の感情を持った光の者は、闇に落ちる」
「それじゃあ、ウェンディちゃんを気絶させたのは……」
「〝自責の念〟は負の感情だからね、あのままじゃウェンディちゃんは闇に落ちていたかもしれない」
キャロの問いに答え、何故ウェンディを気絶させたかを語るヒビキ。
「ちょっと待って!! それじゃ〝怒り〟は!?」
「ナツさんとティアナさんは相当怒っていました!! このままじゃ2人も闇に!!?」
「何とも言えない…その怒りが誰かの為なら、それは負の感情とも言い切れないし」
「どうしよう……意味がわからない」
「あんたバカでしょ」
「つまり、ニルヴァーナの封印が解かれたその瞬間から、光と闇…正義と悪とで心が動いてる奴の性格が変わるって事だろ?」
「それが僕がこの魔法の事を黙っていた理由。人間は物事の善悪を意識し始めると、思いもよらない負の感情を生む」
ヴァイスの言葉に頷きながら、説明を続けるヒビキ。
「あの人さえいなければ…つらい思いは誰のせい? 何で自分ばかり……それら全てが、ニルヴァーナによりジャッジされるんだ」
◆◇◆◇◆◇◆◇
「ぎぃ…なに…を……」
「がっ…シェ…リー……さん……」
シェリーが操る木の人形に首を絞められ、苦しげな声を上げるグレイとスバル。
「ぐああああ!!!」
「うああああ!!!」
そして大きな悲鳴と共に、2人はその場に倒れてしまった。
「仇は討ちましたリオン様…そしてギンガ……次は誰です? こいつらの仲間?
◆◇◆◇◆◇◆◇
「おおおおおっ!!! 金!!! 金…!!! 金…!!!」
「な…何だというのだ……」
突然苦しみだしたホットアイを見て戸惑うジュラ。
「金ェーーーーー!!!!」
そしてホットアイが一番の叫び声を上げた次の瞬間……
「……などいりませんデス♪」
彼の顔が……とてもニコやかなものとなっていた。
当然、ホットアイの豹変にジュラは呆然とする。
「私…生き別れた弟の為に必死デシタ……お金があれば見つけ出せると思ってましたデス。しかし…それはあやまちだと気がついてしまったデスネ」
「え…?」
「さあ…争う事はもうやめにするデスヨ。世の中は愛に満ちています!!! おお!! 愛!!! なんと甘美で慈悲に溢れる言葉でしょう!!! この世に愛がある限り、不可能はないのデス!!!」
困惑するジュラを他所に、一人そう叫んで号泣するホットアイ。
「さあ…共に私のかつての仲間の暴挙を止めましょう!!! 彼等に、愛の素晴らしさを教えるのデス!!!!」
「えー…と…」
ジュラを抱き締め、そう豪語するホットアイに……ジュラはやはり困惑するだけであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「そのニルヴァーナが完全に起動したら、あたしたちみんな悪人になっちゃうの?」
「想像するだけで恐ろしいな……闇に落ちた自分なんて考えたくもねえ」
悪人なった自分を想像して、ヴァイスは顔をしかめる。
「でも…それは逆に言えば、闇ギルドや他の悪人たちは善人になるって事じゃないですか?」
「そういう事も可能だと思う」
エリオの質問に頷きながら答えるヒビキ。
「ただ、ニルヴァーナの恐ろしさはそれを意図的にコントロールできる点なんだ」
「そんな!!!」
「善悪の入れ替えを意図的にコントロールって……そんな事したら!!!」
「あぁ…例えばギルドに対してニルヴァーナが使われた場合、仲間同士での躊躇なしの殺し合い……他ギルドとの理由なき戦争。そんな事が簡単に起こせる」
ヒビキのその言葉に、全員が驚愕し、顔を青ざめさせる。
「一刻も早く止めなければ、光のギルドは全滅するんだ」
つづく