LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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本日発売の劇場版DVD付きフェアリーテイルの36巻を購入しました。

夏の劇場でも見ましたが、やはりアツイです!!! フェアリーテイル最高です!!! リリカルテイルの創作意欲がかなり湧いてきました。

と言うワケで、今回はその勢いに任せて書きました。


感想お待ちしております。


光と闇

 

 

 

 

 

蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のリオンとギンガの2人と力を合わせて六魔の一人…レーサーを撃破する事に成功したグレイとスバル。

 

 

しかし、そのレーサーの最後の悪あがき……爆弾魔水晶(ラクリマ)による自爆に、リオンとギンガがグレイとスバルを庇って巻き込まれてしまった。

 

 

「リオン…」

 

 

「ギン姉…」

 

 

「そ…そんな……リオン様と…ギンガが…」

 

 

崖の上から2人が落ちていった森を呆然と見つめるグレイとスバルとシェリー。

 

 

「あいつが死ぬハズがねえっ!!! 探すぞ!!! 来い!!!!」

 

 

「お願いギン姉!!! 無事でいて!!!」

 

 

そう言ってグレイは氷の階段を造り、スバルはウィングロードを展開して崖の下へと降りていく。

 

しかし…シェリーは涙を流したまま、その場から動かなかった。

 

 

「(なぜ……リオン様とギンガが…なぜ……)」

 

 

 

 

 

誰のせい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第六十二話

『光と闇』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…樹海の中をただ1人歩いていたジュラは……

 

 

「そこにいるのはわかっている。出て来い!!」

 

 

ジュラが目の前の茂みに向かってそう言うと、突然足元の地面がぐにゃりと曲がる。

 

 

「さすが聖十の魔導士」

 

 

そしてそこには六魔の一人…ホットアイが立っていた。

 

 

「せい!!!」

 

 

ジュラは地面の土を棒状に伸ばしてホットアイを攻撃するが、それはホットアイに当たる前に液体のように崩れ落ちた。

 

 

「私は土を柔らかくする魔法。そしてアナタは土を硬くする魔法。さて? 強いのはどっちデスカ?」

 

 

「無論、魔法の優劣にあらず。強い理念を持つ者が勝つ」

 

 

「違いますネ。勝つのはいつの時代も、金持ちデスネ」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方…毒に苦しむエルザの看病をしているルーシィと、その傍でナツたちの帰りを待つヒビキとヴァイス。すると…

 

 

「着いたー!!!」

 

 

「ナツ!!! ティアナ!!!」

 

 

茂みの中からウェンディを抱えたナツと、ハッピーとシャルルを抱えたティアナが出てきた。

 

 

「どうなってんだ!? 急に頭の中にここまでの地図が……」

 

 

「ナツ!! 今はそれよりウェンディにエルザさんを」

 

 

「そうだ!! 起きろウェンディ!!! 頼む、エルザを助けてくれーーっ!!!」

 

 

「ちょ…ちょっとナツさん!!! 落ち着いてください!!!!」

 

 

「ウェンディちゃん乱暴しないでーー!!!」

 

 

「キュクー!!!」

 

 

ウェンディの肩を思いっ切り揺らして起こそうとしているナツを、少し遅れて戻ってきたエリオとキャロが必死で止める。

 

すると…ウェンディの目がゆっくりと開かれ……

 

 

「ひっ!」

 

 

ナツの姿を確認すると同時に、後ろに後ずさった。

 

 

「ごめんなさい…私……」

 

 

「ウェンディ、落ち着いて」

 

 

「ウェンディちゃん……」

 

 

頭を抱えて怯えるように謝罪するウェンディを、エリオとキャロが落ち着かせる。

 

 

「今はそんな事どうでもいいの!!! お願いウェンディ、エルザさんが毒蛇にやられて大変なの!!!」

 

 

「助けてくれ!!! 頼む!!!!」

 

 

そう言ってウェンディに深く頭を下げるナツとティアナ。

 

 

「毒?」

 

 

「お前さんとキャロが攫われてすぐ、エルザ姐さんが六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラの毒蛇にやられちまったんだ」

 

 

六魔将軍(オラシオンセイス)と戦うには、エルザさんの力が必要なんだ」

 

 

「お願い…エルザを助けて!!!」

 

 

「も…もちろんです!!! はいっ!!! やります!!! がんばりマス!!!」

 

 

状況を理解したウェンディは、さっそくエルザの解毒に取り掛かる。

 

 

「よかったぁ~」

 

 

「いつまで伸びてんのよ、だらしない」

 

 

「あ、ハッピーとシャルルも目が覚めたんだね」

 

 

エリオはいつの間にか起きていたハッピーとシャルルに気がつく。

 

 

「(それにしても……まさかこんな所でジェラールさんに会うなんて……)」

 

 

「(あの優しいジェラールさんが……)」

 

 

「(エルザさんに酷い事したなんて……そんな事……)」

 

 

そして化猫の宿(ケット・シェルター)3人の脳裏には、思わぬ再会を果たしたジェラールの姿が浮かんでいたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そして、そのジェラールはと言うと……一人樹海の奥地へと歩いていき、その背後には物陰に隠れたコブラの姿があった。

 

 

「(それにしてもこいつ…心の声が聴こえねえ。心の声さえ聴こえれば、後をつける必要もねえのに)」

 

 

そんな事を思いながらジェラールの尾行を続けるコブラ。すると、ジェラールが立ち止まる。

 

 

「(止まった)」

 

 

そんなジェラールの視線の先には……いくつのも鎖に繋がれ、他よりもひと際大きい大木があった。

 

 

「(なんだここは…!!? 樹海にこんな場所が。まさかブレインの言った通り…ここにニルヴァーナが……)」

 

 

そしてジェラールが大木に手を翳すと、繋がれていた鎖が外れ、大木が爆発するようにハジケ飛ぶと……そこから一筋の光が溢れ出した。

 

 

「(おおっ!!! ついに見つけた!!! オレたちの未来……)」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「終わりました。エルザさんの体から毒は消えました」

 

 

「「「で!?」」」

 

 

「ん」

 

 

「おっしゃー!!!」

 

 

エルザの顔から苦しそうな表情は消えたのを見て、ナツたちは歓喜の声を上げる。

 

 

「ルーシィ、ティア、ハイタッチだーっ!!!」

 

 

「えぇ!!」

 

 

「よかった~~!」

 

 

パンッ! パンッ!

 

 

「エリオとキャロも!!」

 

 

「「はい!!」」

 

 

パンッ! パンッ!

 

 

「シャルル~!!」

 

 

「一回だけよ!」

 

 

パンッ!

 

 

エルザが無事である事を喜び、それぞれハイタッチを交わすナツたち。

 

 

「ウェンディ」

 

 

「!」

 

 

自分達に向かって差し出される手を見てウェンディは……

 

 

パンッ!

 

 

と…ナツとハイタッチを交わす。

 

 

「ありがとな」

 

 

「……しばらくは目を覚まさないかもですけど、もう大丈夫ですよ」

 

 

ナツに笑顔でお礼を言われ、恥ずかしそうにそう言うウェンディ。

 

 

「すごいね…本当に顔色がよくなってる。これが天空魔法」

 

 

「近ぇよ」

 

 

必要以上に顔を近づけてエルザの顔色を確認するヒビキを、呆れながら引き剥がすヴァイス。

 

 

「いいこと? これ以上天空魔法をウェンディに使わせないでちょうだい」

 

 

「まぁ確かに、ウェンディの天空魔法…特に治癒の魔法はかなりの魔力を消費しますので……」

 

 

「あまりウェンディちゃんに無理をさせない方が…」

 

 

「私の事はいいの。それより私……」

 

 

そう言ってどこか悔いるような表情をしているウェンディ。

 

 

「とにかく、これでエルザ姐さんの方も万全だ」

 

 

「後はエルザさんが目覚めたら、反撃の時だね」

 

 

「うん!!! 打倒六魔将軍(オラシオンセイス)!!!!」

 

 

「おーーーっ!!! ニルヴァーナは渡さないぞぉ!!!!」

 

 

それぞれが打倒六魔将軍(オラシオンセイス)を誓ったその時……

 

 

突如として樹海が光に包まれる。

 

 

「何!?」

 

 

光がした方へと視線を向けて見ると、そこにはまるで天を支えているような、黒い光の柱が伸びていた。

 

 

「黒い光の柱……」

 

 

「まさか……」

 

 

「おいおい…マジかよ……」

 

 

「あれは…」

 

 

そう…その黒い光の柱こそが……

 

 

 

ニルヴァーナ!!!

 

 

 

ここに…最悪の魔法が目覚めてしまった。

 

 

「ニルヴァーナなのか……!?」

 

 

「まさか、六魔将軍(オラシオンセイス)に先を越された!?」

 

 

「……いや…六魔将軍(オラシオンセイス)じゃないわ」

 

 

「あの光…ジェラールがいる!!!!」

 

 

「ジェラール!?」

 

 

ナツの口から出たジェラールの名に、ルーシィは驚愕する。

 

 

「ティア」

 

 

「えぇ」

 

 

そしてナツとティアナは頷き合うと、その光に向かって走り出した。

 

 

「ナツ!!! ティアナ!!! ジェラールってどういう事!!?」

 

 

「私の…私のせいだ……」

 

 

「ウェンディ」

 

 

「ウェンディちゃん」

 

 

「キュクル」

 

 

ジェラールを復活させた事に負い目を感じているウェンディに、エリオとキャロが寄り添う。

 

 

「ナツ……エルザさんが助かった今、もう我慢する必要はないわ」

 

 

「わかってる。会わせるわけにはいかねえんだ、エルザには!!!! あいつはオレたちが…潰す!!!!」

 

 

そう叫びながらナツとティアナは光の…いや……ジェラールのもとへと向かって行った。

 

 

その時エルザの目が……僅かに開いていた事も知らずに……

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「くそっ!! 何がどうなってんだ?」

 

 

「あの黒い光……何だろう?」

 

 

一方、リオンとギンガの捜索をしていたグレイとスバルは、先ほどの光と今見えている黒い光に戸惑いながらも、2人の捜索を続ける。

 

 

「リオーン!!! ギンガー!!! 返事しやがれー!!!」

 

 

「リオンさーん!!! ギン姉ー!!!」

 

 

大声を張り上げながら2人を探すグレイとスバルを……シェリーが虚ろな目で見つめていた。

 

 

 

「(リオン様とギンガは誰のせいで……こいつらか……)」

 

 

 

そして一つの光が……闇へと染まった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「あれは一体……」

 

 

「ニルヴァーナ……デスネ」

 

 

ホットアイと交戦していたジュラは、現在見えている黒い光の柱がニルヴァーナだと聞いて驚愕する。

 

 

「安心してくださいネ、まだ本体は起動してない。あれは封印が解かれただけ。しかし……お金のニオイがプンプンするデスネ……んふふ」

 

 

ニルヴァーナの封印が解かれた事に、ホットアイは笑みを浮かべながら説明する。

 

 

「(こんな奴と戦っている場合ではないか……いや…しかし任務は六魔将軍(オラシオンセイス)の討伐!! 戦うか…ニルヴァーナを止めるか……)」

 

 

目の前の敵か…ニルヴァーナか……その2択にジュラは迷う。

 

 

「金…金……これで私たちは金持ちに……」

 

 

両手を広げて喜ぶホットアイ。すると……

 

 

「! お…おお……」

 

 

「!」

 

 

「おおおおおおお…」

 

 

「な…何だ今度は…!?」

 

 

突然両手で顔を覆って苦しみだしたホットアイに、ジュラは困惑するのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ナツ君とティアナちゃんを追うんだ」

 

 

「この状況で2人だけってのは、さすがにヤベェからな」

 

 

「ナツ……ジェラールとか言ってなかった?」

 

 

「説明は後!! それより今はナツとティアナを…」

 

 

「「あーーーーっ!!!!」」

 

 

ハッピーがそう言いかけたその時、エリオとシャルルの大声が響き渡る。

 

 

「た…大変です!!!!」

 

 

「エルザがいない!!!!」

 

 

そう…先ほどまで横たわって眠っていたハズのエルザが、いつの間にか消えていたのだ。

 

 

「なんなのよあの女!! ウェンディに一言の礼もなしに!!!」

 

 

「エルザ……もしかしてジェラールって名前を聞いて……」

 

 

その事に対し、シャルルは憤慨し、ハッピーはエルザが消えた理由を推測する。

 

 

「どうしよう…私のせいだ…」

 

 

「そんな…ウェンディちゃんのせいじゃ……」

 

 

「キュー!」

 

 

頭を抱えて自責の念に駆られるウェンディを慰めるキャロとフリードだが、ウェンディの自責は止まらない。

 

 

「私がジェラールを治したせいで……ニルヴァーナ見つかっちゃって、エルザさんや…ナツさんや…ティアナさんや…」

 

 

涙を浮かべて自責の言葉を口にするウェンディ。すると……

 

 

 

ドンッ!!!

 

 

 

突然ヒビキが魔法でウェンディを吹き飛ばしてしまった。

 

 

「ちょっ…」

 

 

「おいヒビキ!!?」

 

 

「ヒビキさん!!?」

 

 

「あんたいきなり何すんのよ!!!!」

 

 

「酷いです!!!」

 

 

「キュクー!!」

 

 

いきなりのヒビキの行動に、ルーシィとヴァイスとエリオは驚愕し…シャルルはキシャーっと睨みつけ、キャロとフリードはヒビキを責め立てたのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ジェラール……」

 

 

ジェラールの名を呟きながら樹海を走るナツと、彼の後ろを走るティアナ。

 

すると……

 

 

「いたぞ!! 妖精の尻尾(フェアリーテイル)だーっ!!!」

 

 

「よくもレーサーさんを!!!」

 

 

そんな2人の前に、闇ギルドが立ち塞がった。

 

 

「レーサー直属ギルド、尾白鷲(ハルピュイア)の力見せてやる!!!」

 

 

「オオオ!!!」

 

 

「やっちまえーーっ!!!」

 

 

そう言ってナツとティアナに襲い掛かる尾白鷲(ハルピュイア)。しかし……

 

 

「アンタたちに構ってるヒマはないのよ」

 

 

「邪魔だ」

 

 

「「どけェ!!!!」」

 

 

ナツの炎とティアナの魔法弾が……一瞬で尾白鷲(ハルピュイア)を全滅させた。

 

 

「エルザさんにジェラールを近付かせない」

 

 

「近付かせねぇぞーーーー!!!!」

 

 

そう言いながら、ナツとティアナは樹海を駆け抜けて行ったのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「驚かしてごめんね、でも気絶させただけだから」

 

 

「どうして!?」

 

 

「ナツ君たちとエルザさんを追うんだよ。僕たちも光に向かおう」

 

 

あの後…ヒビキは気絶させたウェンディを背負って、ルーシィたちと共に光に向かって走っていた。

 

 

「納得できないわね。確かにウェンディはすぐぐずるけど、そんな荒っぽいやり方」

 

 

「そうだよ」

 

 

「キュク」

 

 

先ほどのヒビキの行動に異を唱えるシャルルとハッピーとフリード。

 

 

「仕方なかったんだよ。本当の事を言うと……僕はニルヴァーナという魔法を知っている」

 

 

「!!!」

 

 

「なにっ!?」

 

 

ニルヴァーナを知っているというヒビキの言葉に、ルーシィとヴァイスは驚愕する。

 

 

「ただ、その性質上誰にも言えなかった。この魔法は意識してしまうと危険だからなんだ。だから一夜さんもレンもイヴもヴァイスも知らない、僕だけがマスターから聞かされている」

 

 

「マスターがそこまで徹底して情報を隠すとしたら、そんだけヤベェ魔法って事か」

 

 

「うん、これはとても恐ろしい魔法なんだ」

 

 

ヴァイスの問いに頷きながらヒビキは答える。

 

 

「光と闇を入れ替える。それがニルヴァーナ」

 

 

「光と…」

 

 

「闇を…」

 

 

「「入れ替える!!?」」

 

 

ヒビキの言葉に、エリオとキャロ…ルーシィとヴァイスが驚愕する。

 

 

「しかしそれは最終段階。まず封印が解かれると黒い光が上がる、まさにあの光だ。黒い光は手始めに、光と闇の狭間にいる者を逆の属性にする。強烈な負の感情を持った光の者は、闇に落ちる」

 

 

「それじゃあ、ウェンディちゃんを気絶させたのは……」

 

 

「〝自責の念〟は負の感情だからね、あのままじゃウェンディちゃんは闇に落ちていたかもしれない」

 

 

キャロの問いに答え、何故ウェンディを気絶させたかを語るヒビキ。

 

 

「ちょっと待って!! それじゃ〝怒り〟は!?」

 

 

「ナツさんとティアナさんは相当怒っていました!! このままじゃ2人も闇に!!?」

 

 

「何とも言えない…その怒りが誰かの為なら、それは負の感情とも言い切れないし」

 

 

「どうしよう……意味がわからない」

 

 

「あんたバカでしょ」

 

 

「つまり、ニルヴァーナの封印が解かれたその瞬間から、光と闇…正義と悪とで心が動いてる奴の性格が変わるって事だろ?」

 

 

「それが僕がこの魔法の事を黙っていた理由。人間は物事の善悪を意識し始めると、思いもよらない負の感情を生む」

 

 

ヴァイスの言葉に頷きながら、説明を続けるヒビキ。

 

 

 

「あの人さえいなければ…つらい思いは誰のせい? 何で自分ばかり……それら全てが、ニルヴァーナによりジャッジされるんだ」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ぎぃ…なに…を……」

 

 

「がっ…シェ…リー……さん……」

 

 

シェリーが操る木の人形に首を絞められ、苦しげな声を上げるグレイとスバル。

 

 

「ぐああああ!!!」

 

 

「うああああ!!!」

 

 

そして大きな悲鳴と共に、2人はその場に倒れてしまった。

 

 

 

「仇は討ちましたリオン様…そしてギンガ……次は誰です? こいつらの仲間? 妖精の尻尾(フェアリーテイル)ですか?」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「おおおおおっ!!! 金!!! 金…!!! 金…!!!」

 

 

「な…何だというのだ……」

 

 

突然苦しみだしたホットアイを見て戸惑うジュラ。

 

 

「金ェーーーーー!!!!」

 

 

そしてホットアイが一番の叫び声を上げた次の瞬間……

 

 

 

「……などいりませんデス♪」

 

 

 

彼の顔が……とてもニコやかなものとなっていた。

 

当然、ホットアイの豹変にジュラは呆然とする。

 

 

「私…生き別れた弟の為に必死デシタ……お金があれば見つけ出せると思ってましたデス。しかし…それはあやまちだと気がついてしまったデスネ」

 

 

「え…?」

 

 

「さあ…争う事はもうやめにするデスヨ。世の中は愛に満ちています!!! おお!! 愛!!! なんと甘美で慈悲に溢れる言葉でしょう!!! この世に愛がある限り、不可能はないのデス!!!」

 

 

困惑するジュラを他所に、一人そう叫んで号泣するホットアイ。

 

 

「さあ…共に私のかつての仲間の暴挙を止めましょう!!! 彼等に、愛の素晴らしさを教えるのデス!!!!」

 

 

「えー…と…」

 

 

ジュラを抱き締め、そう豪語するホットアイに……ジュラはやはり困惑するだけであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「そのニルヴァーナが完全に起動したら、あたしたちみんな悪人になっちゃうの?」

 

 

「想像するだけで恐ろしいな……闇に落ちた自分なんて考えたくもねえ」

 

 

悪人なった自分を想像して、ヴァイスは顔をしかめる。

 

 

「でも…それは逆に言えば、闇ギルドや他の悪人たちは善人になるって事じゃないですか?」

 

 

「そういう事も可能だと思う」

 

 

エリオの質問に頷きながら答えるヒビキ。

 

 

「ただ、ニルヴァーナの恐ろしさはそれを意図的にコントロールできる点なんだ」

 

 

「そんな!!!」

 

 

「善悪の入れ替えを意図的にコントロールって……そんな事したら!!!」

 

 

「あぁ…例えばギルドに対してニルヴァーナが使われた場合、仲間同士での躊躇なしの殺し合い……他ギルドとの理由なき戦争。そんな事が簡単に起こせる」

 

 

ヒビキのその言葉に、全員が驚愕し、顔を青ざめさせる。

 

 

 

 

 

「一刻も早く止めなければ、光のギルドは全滅するんだ」

 

 

 

 

 

つづく

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