LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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二人の希望

 

 

 

 

 

 

ヒビキの〝古文書(アーカイブ)〟の調べにより、ついに判明したニルヴァーナを止める方法。

 

それはニルヴァーナ本体の8本の足の付け根部分にある魔水晶(ラクリマ)を全て同時に壊すという方法なのだが……現在魔水晶(ラクリマ)を破壊できる者はエルザ、ジェラール、エリオ、一夜の4人しかいなかった。

 

ヒビキを含めた連合軍のほとんどの面々は魔力を使い果たし、ナツたちは六魔将軍(オラシオンスイス)のギルドマスター・ゼロの前に敗れてしまった。

 

万事休すかと思われたその時……

 

 

「聞こえてる」

 

 

「次のニルヴァーナ発射直前に……」

 

 

「8コの魔水晶(ラクリマ)を……同時に……壊…す…」

 

 

「運がいい奴はついでにゼロも殴れる……」

 

 

「だよね?」

 

 

「あと18分。急がなきゃ…シャルルとウェンディたちのギルドを守るんだ」

 

 

ヒビキの念話による仲間たちの呼び掛けにより……息を切らしながらも…キズだらけになりながらも…しっかりと起き上がったナツたち。

 

 

〈も…もうすぐ念話が…切れる……頭の中に僕が送った地図がある……各…魔水晶に番号を…つけた……全員がバラけるように…決めて……〉

 

 

「1だ!!!!」

 

 

ヒビキの説明を聞いて、ナツが間髪いれずに言い放つ。それを皮切りに、他のメンバーも自分が向かう魔水晶(ラクリマ)の番号を口にする。

 

 

「2」

 

 

「3に行く!! ゼロがいませんように」

 

 

「じゃあ私は4に!!」

 

 

「…………」

 

 

ナツは1番…グレイは2番…ルーシィは3番…スバルは4番の魔水晶(ラクリマ)へ行くと宣言するが、その中でティアナだけが、何も言わずにナツへと視線を向けていた。

 

 

〈私は5へ行こう!!! ここから一番近いと香り(パルファム)が教えている〉

 

 

〈教えているのは地図だ〉

 

 

〈そんなマジでつっこまなくても……〉

 

 

〈僕は6へ行きます!!〉

 

 

〈私は7に行く〉

 

 

「エルザ!!? 元気になったのか!?」

 

 

〈ああ…おかげ様でな〉

 

 

〈ではオレは…!?〉

 

 

〈お前は8だ〉

 

 

言いかけたジェラールの言葉を制し、代わりにエルザが言う。

 

 

「他の誰かいんのか?」

 

 

「今の誰だ!?」

 

 

ナツたちはジェラールが記憶喪失だという事を知らず、未だに彼を敵と認識している。故にエルザはジェラールに声を出させまいと気を回したのである。

 

 

「おいっ!!!」

 

 

ナツのその言葉を最後に、念話がプツリと途切れた。

 

 

「念話が切れたわね……」

 

 

「ヒビキさんも限界だったんだ…」

 

 

「とにかく、ちゃんと8人いるみたいだ。行こう!! ゼロに当たったら各自撃破!! みんな持ち場があるから加勢はできないよ!!」

 

 

ハッピーのその言葉を聞いたあと……ナツたちはそれぞれ破壊すべき魔水晶(ラクリマ)がある場所へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第六十九話

『二人の希望』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は…1番の魔水晶(ラクリマ)がある場所。

 

キズだらけの体に鞭打ち、フラフラとその場所へとやってきたナツだったが……

 

 

「フン、まだ生きてやがったのか」

 

 

そんなナツの目の前には、マスターゼロが魔水晶(ラクリマ)を守るように佇んでいた。

 

 

「何しに来た? クソガキ…いや、クソガキども」

 

 

「あら…やっぱり気づいてたのね」

 

 

ゼロの問い掛けと共に、ナツの後ろから同じくボロボロのティアナが姿を現した。

 

 

「!? ティア……なんで……」

 

 

「あんたの考えてる事なんて、お見通しなのよバカナツ」

 

 

「……へっ」

 

 

ナツの疑問に笑みを浮かべながら答えるティアナ。それに対しナツも笑みを浮かべた。

 

 

「もう一度聞こう。何しに来た? クソガキども」

 

 

そう言って再びナツとティアナに問い掛けるゼロ。その問いに対してナツとティアナはニッと口角を吊り上げ、代表してナツが口を開いた。

 

 

 

 

 

「壊れんのはオレたちかお前か、どっちだろうな」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「おそらくゼロは〝1〟にいる」

 

 

「!!?」

 

 

「ナツさんのトコだ!!!」

 

 

「あいつは鼻がいい。わかってて〝1〟を選んだハズだ」

 

 

「でしたら皆さんで加勢に行きましょう!!! みんなで戦えばゼロだって……」

 

 

「その心配はいらない。ナツへの加勢ならば、おそらくティアナの奴が向かっている」

 

 

エリオの言葉に、笑みを浮かべてそう言うエルザ。

 

 

「そう言えば、ティアナさんだけ魔水晶(ラクリマ)の番号を言いませんでしたよね?」

 

 

「あぁ…ティアナは私たちの中で誰よりもナツの事を理解している。ナツが〝1〟に行くと言ったその瞬間から、そこにはゼロがいると踏んだのだろう」

 

 

キャロの疑問に、エルザは頷きながら答える。

 

 

「でも、たった二人だけじゃ……」

 

 

「ナツとティアナを甘く見るな。あいつらになら、全てを任せて大丈夫だ」

 

 

エルザが心から2人を信頼していると分かる言葉に、ウェンディとエリオとキャロは、少々唖然とした表情でエルザを見上げていた。

 

 

「ナ…ツ……ティア…ナ……」

 

 

すると、2人の名を小さくす呟きだすジェラール。

 

 

「私たちも持ち場へ行くぞ!! 私は〝7〟エリオは〝6〟ジェラールは〝8〟だ」

 

 

「はい!! 行って来ます!!!」

 

 

エルザの指示を聞いて、エリオは意気揚々と自分の持ち場へと向かって行く。

 

 

「エリオ君!!」

 

 

「無茶はしないでね!!!」

 

 

「大丈夫!!! 化猫の宿(ケット・シェルター)は……僕たちの家は……絶対に壊させはしないから!!!!」

 

 

ウェンディとキャロにそう言い残し、エリオは今度こそ自分の持ち場へと走って行った。

 

 

しかし一方、ジェラールの方は自分の持ち場へは行かず、何やら自身の頭を押さえていた。

 

 

「ジェラール?」

 

 

「いや…何でも…ない……」

 

 

エルザにそう言って、自分の持ち場へと歩いて行くジェラール。しかし、その表情はとても険しかった。

 

 

 

「ナツ…ドラグニル……ティアナ…ランスター……」

 

 

 

ズキズキと痛む自分の頭を押さえながら、ジェラールはナツとティアナの名を呟いたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「だぁらぁあぁあぁっ!!!!」

 

 

「はぁぁぁああっ!!!!」

 

 

雄叫びを上げながら炎を纏った拳と魔力の刃を纏ったクロスミラージュをゼロに向かって振るうナツとティアナだが、ゼロはそれを少しだけ後ろに下がって回避する。

 

それを見たナツは軸足で軽くジャンプし、その振り切った拳の勢いを利用してギュルルっと勢いよく体を捻り、その勢いのまま今度はゼロの頭部を狙って炎を纏った回し蹴りを放ち……ティアナは同じく振り切った勢いで軸足で回りながら体制を低く構え、そのままゼロの腹部に向かってクロスミラージュで切り込む。

 

だがゼロは、ナツの攻撃はしゃがんで回避し、ティアナの攻撃はまたもや後ろに下がって回避した。

 

 

しかし2人はそれを想定していたのか、ナツは大きく息を吸い込んでブレスを……ティアナは二丁のクロスミラージュを構えて砲撃をゼロに向かって放った。

 

 

ドゴォォォオン!!!

 

 

ナツのブレスとティアナの砲撃が当たり、爆発を起こす。しかし……

 

 

「ほう、さっきよりは動きがいい」

 

 

「「!!」」

 

 

対するゼロには…キズ一つ付いていなかった。

 

 

常闇奇想曲(ダークカプリチオ)!!!!」

 

 

するとゼロはお返しと言わんばかりに、ブレインと同じ回転するレーザーの様な黒い魔法を放った

 

 

「!」

 

 

「くっ!」

 

 

ナツとティアナその攻撃を体を逸らして避け、その魔法は2人の背後の壁に当たった。

 

 

「ブレインの魔法と一緒にするなよ」

 

 

「「!!」」

 

 

ゴゴゴゴゴゴ……ズドッ!!!

 

 

「ぐあっ!」

 

 

「ナツ!!!」

 

 

なんと…先ほど壁に直撃したハズの魔法は、その貫通性をもって壁の中を掘り進み…ナツの足元から姿を現してナツを襲った。

 

 

「ははっ」

 

 

「きゃあ!!!」

 

 

しかもその魔法は消えることなく、ゼロの操作によって今度はティアナを襲う。

 

 

「がはっ!」

 

 

「うぐっ!」

 

 

「うあっ!」

 

 

「あぐっ!」

 

 

そしてその魔法はゼロの操作によって何度何度もナツとティアナを攻撃し続ける。

 

 

「クハハハハハッ!!!! 壊れんのはどっちかって!!? テメェらに決まってんだろうがーーーーーーっ!!!!!」

 

 

邪悪な笑みを浮かべながら常闇奇想曲(ダークカプリチオ)を操作してナツとティアナに更なる追撃を加えていくゼロ。すると……

 

 

「火竜の…鉄拳!!!!」

 

 

ナツは向かってきた常闇奇想曲(ダークカプリチオ)に対し、渾身の力で炎の拳を叩き込む。

 

 

「ナツ!!!!」

 

 

しかし、常闇奇想曲(ダークカプリチオ)の勢いは止まらず、ナツはすごい勢いで後ろへと押されていく。

 

 

「ぎいい…おおおおおおあああああっ!!!!」

 

 

それでもナツは負けじと拳に力を込め、吹き飛ばされまいと足腰にも力を入れる。

 

そしてやがて……常闇奇想曲(ダークカプリチオ)は消滅した。

 

 

「貫通性の魔法を止めるとは、面白い…」

 

 

そんなナツに対し、賞賛の言葉を送るゼロ。

 

 

「!!」

 

 

「「!!!」」

 

 

その時、ゼロを含めた3人が何かを感じ取る。

 

 

「ぐあっ!」

 

 

「ナツ!!?」

 

 

そして次の瞬間…ナツがゼロではない別の誰かの魔法によって吹き飛ばされる。

 

 

「誰だ!?」

 

 

そう言って魔法が飛んできた方向へと視線を向けるゼロ。そこにいたのは……

 

 

「あ…アンタは……!」

 

 

「ジェラー……ル……」

 

 

なんと…8番の魔水晶(ラクリマ)へ向かったハズのジェラールが、不気味な笑みを浮かべながら立っていた。

 

 

「貴様…記憶が戻ったのか」

 

 

「ああ」

 

 

ゼロの問い掛けに対し、短く答えるジェラール。

 

 

「くう~…ジェラァァァァァアアル!!!!」

 

 

そんなジェラールに、ナツは怒りの表情を浮かべて殴り掛かって行く。

 

 

ボゴォ!

 

 

「くっ!」

 

 

するとジェラールは、ナツに向かって手を翳し、ナツに向かって炎の魔法をぶつけた。

 

 

「動かないで」

 

 

「!」

 

 

彼が魔法を放った際にできた一瞬の隙をついて、ティアナはジェラールのこめかみにクロスミラージュを突きつける。

 

 

「アンタにして魔法の選択を誤ったわね。ナツに炎の魔法は通用しないわ」

 

 

「知ってるさ」

 

 

「?」

 

 

その言葉にティアナは眉をひそめるが、ジェラールは構わず言葉を続ける。

 

 

「思い出したんだ。『ナツ』と『ティアナ』という希望をな」

 

 

「何!?」

 

 

「ア?」

 

 

「私とナツが……希望?」

 

 

ジェラールのその言葉を聞いてゼロは驚愕し、ナツは彼を睨み、ティアナは疑問符を浮かべる。

 

 

「炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)、その魔力は炎の力で増幅する」

 

 

「(炎の…力で……)」

 

 

ナツは自分の体で燃え盛っている、ジェラールの炎を見る。

 

 

「そして星の創造主(スタークリエイター)、その魔力の源はこの星と共にある」

 

 

「(また……一体なんなの? 星の創造主(スタークリエイター)って……)」

 

 

ティアナは楽園の塔でもジェラールが言っていた〝星の創造主(スタークリエイター)〟の意味が分からず、さらに疑問符を浮かべる。

 

 

「貴様……完全に記憶が戻ってないな」

 

 

「言った通り『ナツ』と『ティアナ』を思い出しただけだ。ニルヴァーナは止める! 立ち位置は変わらんぞ、ゼロ」

 

 

「アンタが……ニルヴァーナを止める!?」

 

 

「何だよ…記憶って…」

 

 

「オレにはこの地で目覚める以前の記憶がない」

 

 

ジェラールが記憶喪失だという事を聞いて、目を見開くナツとティアナ。

 

 

「最低のクズだった事はわかったが、自覚がないんだ。どうやら君たちやエルザを酷くキズつけたらしい……だが今は、ウェンディたちのギルドを守りたい、ニルヴァーナを止めたい。君たちの力になりたいんだ」

 

 

自分の今の状態とやるべき事をそう説明するジェラール。しかし……

 

 

 

「ふざけんなァッ!!!!」

 

 

 

そんなジェラールを、ナツは思いっきり殴りつける。そしてすぐさま、ティアナがジェラールの胸倉を掴み上げる。

 

 

「あの事を忘れたって言うの!!!? アンタがエルザさんにしたあの仕打ちを全部!!!!」

 

 

「頼む……ナツ…ティアナ……今は炎と力を受け取ってくれ」

 

 

「オレは忘れねえ!!!! エルザの涙を!!!!」

 

 

「全部忘れた何て理由で、納得できる訳ないでしょっ!!!!」

 

 

「お前が泣かしたんだ!!!!」

 

 

そう叫びながらジェラールを責め立てるナツとティアナ。すると、今まで黙っていたゼロが呆れたように口を開く。

 

 

「やれやれ、内輪もめなら別の所でやってくれねーかな。うっとうしいんだよ!!!」

 

 

そう言ってナツたちに向かって再び常闇奇想曲(ダークカプリチオ)を放つゼロ。

 

 

「!!」

 

 

すると、ジェラールはナツとティアナを押し退け……

 

 

ドゴォォン!!!

 

 

両手を広げ、体で魔法を受け止めて2人を守った。

 

 

そしてジェラールのその姿を見たナツとティアナの目には…以前、楽園の塔で自分たちを庇って亡くなった……シモンの姿が重なって映った。

 

 

「お前!!!」

 

 

「オレをやるのはいつでもできる。もう……こんなにボロボロなんだ」

 

 

地面に座り込みながら弱々しくそう言い放つジェラール。

 

 

「今は……奴を倒す力を……」

 

 

そう言ってジェラールは両手を掲げると……右手からは炎…左手からは黒い魔力の球体が出現した。

 

 

「金色の……炎……」

 

 

「星色の……魔力……」

 

 

その炎を綺麗な金色に輝いており、球体はまるで星空のように煌いていたのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃……本来ジェラールが向かうハズだった8番の魔水晶(ラクリマ)の前には、ウェンディとシャルルがやって来ていた。

 

 

「本当にできるの? ウェンディ」

 

 

「これは私がやらなきゃいけない事なんだ」

 

 

そう言うとウェンディは、ここへ来る前に交わしたジェラールとの会話を思い出す。

 

 

 

『ジェラール。具合悪いの?』

 

 

『いや……君は確か、治癒の魔法が使えたな? ゼロと戦う事になるナツとティアナの魔力を回復できるか?』

 

 

『それが……』

 

 

『何バカな事言ってんの!!! 今日だけで何回治癒魔法を使ったと思ってるのよ!!! これ以上は無理!! もともとこの子は…』

 

 

『そうか。ならば2人の回復はオレがやろう』

 

 

『え?』

 

 

『思い出したんだ、ナツとティアナという2人の底知れぬ力、希望の力を。君はオレの代わりに8番魔水晶(ラクリマ)を破壊してくれ』

 

 

『でも…私…』

 

 

『君にならできる。滅竜魔法は本来ドラゴンと戦う為の魔法、圧倒的な攻撃魔法なんだ。空気…いや…空……〝天〟を喰え。君にもドラゴンの力が眠っている』

 

 

 

そのような会話があり、ウェンディは現在ここにいるのである。

 

 

「ドラゴンの力、私の中の…自分のギルドを守る為なんだ!!! お願い!!! グランディーネ!!!! 力を貸して!!!!」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「これは〝咎の炎〟と〝星の罪〟」

 

 

両手に〝咎の炎〟と〝星の罪〟の乗せながら、ジェラールは口を開く。

 

 

「許しなんていらない。今は君たちに力を与えたい。オレは君たちを信じる、エルザが信じる2人を……オレは信じる」

 

 

一点の曇りもない瞳でそう言い放つジェラールを見て、ナツとティアナの表情から疑惑の色が消える。

 

そしてナツは咎の炎…ティアナは星の罪を…ジェラールとの握手を通して受け取った。

 

 

その瞬間、ナツの体は金色の炎に包まれ……ティアナの体には星空のような色をした魔力が流れ込んでいく。

 

 

「がぶがぶがぶ…」

 

 

「……………」

 

 

ナツは自らの体を包む咎の炎を喰らい…ティアナは星色の魔力を受け入れるかのように、両目を閉じながら佇む。

 

 

「頼んだ……ぞ」

 

 

その言葉を最後に、ジェラールは意識を手放した。

 

 

「ごちそー様」

 

 

「確かに受け取ったわよ、ジェラール」

 

 

炎を喰い終わったナツと、魔力を吸収し終えたティアナはゼロを睨みつける。

 

 

「咎の炎と星の罪か。それ喰っちまったら貴様等も同罪か」

 

 

「罪にはなれてるのよ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士は」

 

 

「本当の罪は……眼をそらす事」

 

 

そう言ってナツは、前かがみになって構える。

 

 

 

「「誰も信じられなくなる事だァ!!!!」」

 

 

 

次の瞬間……体中に炎を纏ったナツは、ゼロに向かって体当たりを命中させた。

 

そのままゼロの服を掴み、思いっきりティアナに向かってゼロの体を投げる。

 

そしてティアナは自分に向かって飛んできたゼロに対し、魔力の刃を纏ったクロスミラージュで切り伏せる。

 

 

「ちっ!」

 

 

すぐに体制を立て直したゼロは、そんな二人に向かって常闇の奇想曲(ダークカプリチオ)を放つが……

 

 

バチィ!

 

 

スガァン!

 

 

ナツはそれを片手で弾き飛ばし、ティアナはクロスミラージュから発射された魔法弾で相殺させた。

 

 

すると……ナツとティアナの体が淡い光に包まれ始める。

 

 

「こ…この光……ドラゴンフォースとスターレイヴァー!!?」

 

 

そんな2人を見て、驚愕するゼロ。

 

 

「この力…エーテリオンを喰った時と似てる……」

 

 

「私の力も……楽園の塔で感じた力と一緒……」

 

 

「スゲェ…自分の力が2倍にも3倍にもなったみてえだ」

 

 

「あの時私の中に流れ込んできた恐怖と安心感のある魔力……この魔力は一体……いえ、今はどうでもいいわ」

 

 

ドラゴンフォースを身に纏ったナツと、スターレイヴァーを纏ったティアナは、自分の今の状態を確認する。

 

 

「(滅竜魔法の最終形態と古の星の力!!! その魔力はドラゴンにも等しいと言われる全てを破壊する力と、その輝きをもって魔を滅すると言われる光の力。破壊…光……)」

 

 

すると、ゼロはニタァっと口元に邪悪な笑みを浮かべる。

 

 

「面白い」

 

 

「これなら勝てる!!!」

 

 

「やるわよナツ!!!」

 

 

「来い、ドラゴンと星の力よ」

 

 

「「行くぞォ!!!!」」

 

 

こうして、新たな力を得たナツとティアナ……そしてゼロの最後の戦いが始まったのであった。

 

 

 

 

 

つづく

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