ニルヴァーナ破壊の作戦決行まで残り5分。その頃…3番
「ルーシィ、大丈夫?」
ルーシィについて来たハッピーが彼女にそう問い掛けるが、ルーシィは何も答えず地面に座り込む。
「見栄とか張ってる場合じゃないのに……『できない』って言えなかった」
震える声でそう言いながら涙を流すルーシィ。
「もう…魔力がまったくないの…」
そう…エンジェルと戦った際に使ったウラノ・メトリアで全ての魔力を使い切ったルーシィの魔力はもう空であった。
「それでもウェンディたちのギルドを守りたい、うつむいていたくない。だからあたしは最後まで諦めない」
それでも尚、ルーシィは何とかしようと諦めることなく立ち上がる。すると……
「「時にはその想いが力になるんだよ」」
後ろから声が聞こえ、そちらへ視線を向けるルーシィ。そこには……
「「君の想いは僕たちを動かした」」
「ジェミニ!!?」
なんと…エンジェルが契約していた星霊の一体……ジェミニが立っていた。
「「ピーリッピーリッ」」
そしてジェミニは掛け声と共に、ポンッと音を立ててルーシィに変身した。
「僕たちが君の意志になる。5分後にこれを壊せばいいんだね?」
思わぬ助っ人の登場に……ルーシィは涙を流して喜んだのであった。
第七十話
『破邪顕生』
ドガッ!!!
「フン」
ドラゴンフォースを纏ったナツの体当たりを鼻で笑いながらガードするゼロ。
「ハァァアア!!!!」
次にスターレイヴァーを纏ったティアナがダガーモードとなったクロスミラージュでゼロに切りかかるが、その攻撃は全てかわされてしまう。
「ダークグラビティ!!!!」
「ぐあああああっ!!!」
「あああああっ!!!」
ゼロが両腕から放った重力の衝撃波によって、ニルヴァーナの最下層まで落とされてしまうナツとティアナ。
そしてそれを追って自身も最下層へと向かって行くゼロ。
「危ねっ」
「ギリギリね」
ナツとティアナが倒れている横には穴が開いており、その穴からはワース樹海が見えていた。もしもう少し強く落とされていたら真っ逆さまである。
「! 来たわよナツ!!!」
「くっ!」
上から魔法を放ってくるゼロを見て、忠告するティアナと唸るナツ。
そしてナツは足から噴出した炎の推進力を…ティアナはクロスミラージュから発射した魔法弾の勢いを推進力にしてその場から後ろへ大きく飛んで、ゼロの攻撃を回避する。
「ゼロ・スラッシュ!!! オラァ!!!!」
ゼロは着地すると同時にナツとティアナの方へと向かって行き、両手に
シュバァン!! シュバァン!!!
その攻撃を避けながら、ナツは頬を膨らまし…ティアナはクロスミラージュを構えて標準を定める。
そしてナツは灼熱のブレスを…ティアナは強力な砲撃魔法をゼロに向かって放つ。
ドゴォォォオ!!!!
二つの攻撃が炸裂し、大爆発を起こす。
しかし、ゼロはほぼ無傷の状態でブレスと砲撃の中を突っ切ってくる。
「てりゃああ!!!」
そしてゼロは2人を押しつぶすように、高密度の魔力を放つ。
「ぐっ!!!」
「この…!!!」
ナツとティアナは押し潰されまいと踏ん張り、何とかゼロの魔力から逃れる。
「ダーク・デリート!!!!」
しかしゼロの攻撃は終わらず、今度は複数の魔法弾を散弾のようにして放ってくる。
「クロスファイヤーシュート!!!!」
負けじとティアナも複数の魔法弾を放ち、ゼロの魔法弾と相殺させていく。
「今よナツ!!!」
ティアナの掛け声と共に、ナツがゼロの眼前へと迫り、炎の拳を振るう。対するゼロも、魔力を帯びた拳で迎え撃つ。
ズドォォォオ!!!!
ナツとゼロの拳がぶつかり合い、凄まじい衝撃が響き渡る。
「どうやらその力……まだ完全には引き出せてねえようだなァ!!!!」
「ぐはぁっ!!!」
しかし、ゼロは反対側の拳を使って、ナツを殴り飛ばす。
「ナツ!!!」
「ゼロ・スラッシュ!!!」
「しまっ……きゃあああっ!!!」
ナツに気を取られていたティアナのその隙を見逃さず、ゼロは魔力の鞭を振るって今度はティアナを吹き飛ばす。
「こんなモノか!!? ドラゴンと星の力は!!!? 太古の力を支配していたドラゴンの力は…世界を創り上げたと言われる星の力はこの程度かー!!!!」
そう言って倒れているナツとティアナの体を何度も踏みつけ、蹴り飛ばすゼロ。
「オレは
「うう…うぐ……」
「あ…ぐぅ……」
「テメェらごときゴミ二人が相手にできる訳ねーだろうが」
「ハァー…ハァー……」
「二人だけじゃ…ないわ……!」
「ん?」
ティアナの呟いた言葉に、笑みを浮かべながら耳を傾けるゼロ。
「そうだ…二人だけじゃねえ……伝わって来るんだ……」
「みんなの声が……みんなの気持ちが……」
「オレたちだけの力じゃねえ……」
「みんなの想いが……私たちを支えて…」
「オレを!!!」
「私を!!!!」
「「今ここに!!! 立たせている!!!!」」
そう叫びながら、ゆっくりと立ち上がるナツとティアナ。
「仲間の力が!!!!!」
「オレたちの体中を巡っているんだ!!!!!」
そして…ナツとティアナはそれぞれ金色の炎と星の輝きを身に纏いながら、力強く立ち上がる。
「粉々にするには惜しい者たちだが、もうよい、楽しかったよ。貴様等に最高の〝無〟をくれてやろう。我が最大魔法をな」
そう言って魔力を纏った両腕を、円を描くように回し始めるゼロ。
「滅竜奥義…」
「幻魔一閃…」
それに対し…ナツは両腕に金色の炎を纏い…ティアナは星の輝きをクロスミラージュの銃口へと集中させる。
そして……
「紅蓮爆炎刃!!!!!」
「ファントム・ブレイザー!!!!!」
「ジェネシス・ゼロ!!!!!」
3人の最大魔法が放たれた。
「「ああああああっ!!!!!」」
「消えよ〝無〟の彼方へ」
そして3つの魔法が……激突した。
◆◇◆◇◆◇◆◇
作戦決行まで残り1分。
2番
「時間だ!!! みんな頼むぜ!!!!」
3番
「開け!!! 金牛宮の扉……タウロス!!!!」
4番
「ナツとティアが頑張ってるんだ……私も頑張らないと!!!!」
5番
「ぬおおおおおおおっ! 力の
6番
「信じてます……ナツさん、ティアナさん」
7番
「ナツ、ティアナ」
8番
「天竜の咆哮…」
残り時間が僅かになったのを見計らい……各
◆◇◆◇◆◇◆◇
「うおおおおおっ!!!!」
「はぁぁあああっ!!!!」
「我が前にて歴史は終わり、無の創世記が幕を開ける。ジェネシス・ゼロ!!!!」
そう言って両手に纏った邪悪な魔力を解放するゼロ。
「開け、
すると、その解放した魔力の中から『無の旅人』と呼ばれる無数の怨霊の様なものが出現した。
「消えろ!!!! ゼロの名の下に!!!!」
そしてその無数の怨霊は……ナツとティアナに襲い掛かった。
「ぐあっ!」
「うぐっ!」
怨霊たちに飲み込まれ、さらには体中を噛み付かれ、苦痛の声を上げるナツとティアナ。
しかし……
ボゴォォォオ!!!
キィィィイイイン!!!!
「何!?」
ナツに纏わり憑いていた怨霊は金色の炎に包まれ…ティアナに纏わり憑いていた怨霊は…星の輝きに逆に飲み込まれて消滅していた。
「おおおおおお!!!」
「ああああああ!!!」
「金色の炎が…星の光が……オレの魔法を燃やし、消しているだと!!!?」
ゼロはありえないと言わんばかりに目を見開き、驚愕の言葉を口にする。
「らああああああ!!!!」
雄叫びを上げながら力強く一歩を踏み出すナツの姿は……ゼロの目にはドラゴンの姿が重なって見えた。
「(ドラゴンを倒す為に…ドラゴンと同じ力を身に着けた魔導士。これが…本物の、
自分の知っているコブラとは違う……本物の
「ティアァァア!!!」
「えぇ!!!」
ナツの呼び掛けに応え、ナツに向かって一気に駆け出すティアナ。
「「全魔力解放!!!!」」
するとナツは金色の炎を全身に纏い…ティアナは強大な星の輝きをクロスミラージュの二つの銃口へと集束させる。
「滅竜奥義〝不知火型〟!!!」
「全力全開!!!!」
そして……
「
「スターライトブレイカーー!!!!!」
ナツは全身に炎を纏った状態から飛び上がるように突進攻撃を…ティアナは集束した魔力を一気に解放し、特大の集束砲撃魔法を放った。
しかし……2人の本当の攻撃はこれではない。
「「おおおおおおおおおおおおっ!!!!!」」
ナツとティアナが雄叫びを上げると、ティアナの集束砲がナツの炎と混ざり合っていく。
「(こ…これは……まさか……!!!)」
それはナツとティアナ……2人の魔法の融合。
──
「「
竜と星……二つの魔力を帯びたナツの突進攻撃は、見事のゼロの腹部を捕らえた。
「ぐああああああ!!!!」
「ああああああああ!!!!」
当然ナツの攻撃の勢いは止まらず、ゼロを捕らえたままいくつもの天上を突き破りながら飛び上がって行く。
そしてそのまま最初に戦っていた
バキィ!!!!
そのまま
それと同時に、各部屋に設置されていた2~8番の
ドドドドドドドド!!!!!
ゼロが倒れたのと同時に……ニルヴァーナも崩壊していったのであった。
つづく