LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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完成しました。

感想お待ちしております。


エルザvsオルバ

 

 

 

 

 

「どうしました? これでも手加減はしてあるんですよ。まさかもう終わりとは言いませんよね……妖精女王(ティターニア)

 

 

そう言い放つのは悪霊の札(デーモンカード)の四天王最後の1人あるメガネをかけた青年…オルバ。そしてそんなオルバの視線の先には、鎧が粉々に砕かれ、キズだらけの姿で地に横たわるエルザの姿があった。

 

 

「くっ…!!!」

 

 

オルバの言葉を聞き、悔しそうに歯噛みしながら彼を鋭く睨みつけるエルザ。

 

 

「(何だ……? なぜ私は一瞬でキズだらけになった…? 一体私は何をされた!? こいつの魔法は……一体何なんだ!!?)」

 

 

そんなエルザの胸の奥では、オルバの魔法に対する疑念が渦巻いていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第八十八話

『エルザvsオルバ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…うぅ……!!!」

 

 

傷ついた体に鞭打ち、ゆっくりと起き上がるエルザ。

 

 

「ハァァアアアアア!!!!」

 

 

そしてすぐさま換装で〝黒羽の鎧〟をその身に纏うと、そのまま剣を構えてオルバへと向かって行く。

 

 

「それでこそ妖精女王(ティターニア)……しかし私には通用しません」

 

 

そう言うと、オルバは突然その姿を消した。

 

 

「!!?」

 

 

それを見たエルザは、ほぼ反射的に正面を向いたまま剣を自分の背後に対して構えた。

 

 

ガキィィィイン!!!

 

 

その瞬間、エルザの剣とオルバの逆手に構えたナイフが衝突し、激しい金属音を響かせた。

 

 

「ほう……さすが」

 

 

それを見たオルバは賞賛の言葉を口にすると、すぐにエルザから距離を取った。

 

 

「それが貴様の武器か」

 

 

「そうですよ。あまり重厚な武器は好みまない性質(たち)でしてね、私の魔法の相性的にもピッタリな武器です」

 

 

エルザの問い掛けに対してクルクルとナイフを弄びながらそう答えるオルバ。

 

 

「貴様の魔法……さっきの瞬間移動か」

 

 

「えぇ。人や物を一瞬で他の地点へと移動させる魔法……〝瞬間転移(ワープポイント)〟です」

 

 

「……………」

 

 

オルバの魔法を聞いたエルザは、すぐさま思案顔になる。

 

 

「(普通に考えれば、私の体に出来た傷は…奴の瞬間移動の魔法とナイフによって出来たモノと推測できる。しかし……)」

 

 

そこまで考えると、エルザはふと自身の体中に刻まれたキズへと視線を向ける。

 

 

「(私の体中に出来たキズの中には『切傷』と『刺傷』だけでなく、他にも『火傷』や『銃創』による傷もある。いくら奴が速かろうとも、一瞬でこれだけの傷を作り出す事は不可能に近い。という事は……奴にはまだ何か秘密がある!!!)」

 

 

考えたエルザは、構えていた剣を下ろし……

 

 

「換装!! 飛翔の鎧!!!」

 

 

黒羽の鎧からヒョウ柄の模様が入った鎧…〝飛翔の鎧〟へと換装し、剣も二振りの双剣へと変わった。

 

 

「飛翔の鎧……自身の速度を向上させる鎧ですね。ですが、それで私の瞬間転移(ワープポイント)を上回れますかね?」

 

 

「試してみるか?」

 

 

そう言うと、お互いの姿を見据えながら双剣とナイフを構える2人。

 

 

次の瞬間……両者の姿が消えた。

 

 

ガキィィィイイイン!!!!

 

 

その直後に鳴り響く激しい金属音。

 

両者の姿はそのスピード故に目視する事は難しいが、時折2人の武器が衝突する際に発せられる火花と金属音が、2人の存在を示していた。

 

そしてそのような攻防戦がしばらく続いたのだが……

 

 

「そこだっ!!!!」

 

 

「!!?」

 

 

エルザのその一言によって、終わりを告げた。

 

 

バキィイン!!

 

 

「ナ…ナイフがっ!!?」

 

 

エルザの剣の一振りによって、折られるオルバのナイフの刀身。そして……

 

 

「飛翔・音速の爪(ソニッククロウ)!!!!」

 

 

「うわぁぁあああああ!!!!」

 

 

音速の状態から両手に握られた双剣を振るい、オルバの体を切り刻んだ。

 

 

ドガァァアン!!!

 

 

そしてエルザの攻撃を喰らったオルバは、そのまま壁に強く叩きつけられ、その拍子に土煙による煙幕が舞った。

 

 

「ハァ…ハァ…ハァ……」

 

 

息を荒げながら舞い上がる煙幕を見据えるエルザ。すると……

 

 

「やれやれ……油断しましたね」

 

 

「!!?」

 

 

煙幕から出てきたのは何と……まったくの無傷のオルバであった。

 

 

「(バカなっ!!! 無傷……だと!!?)」

 

 

その姿を見たエルザは目を見開いて驚愕する。

 

 

「(手応えはあった…斬った感触もあった……なのに……服にすら傷一つ付いていないだとっ!!!?)」

 

 

そう……オルバの体には先ほどのエルザの攻撃による傷はおろか、彼が着ているスーツにすら切傷一つ付いていなかった。

 

そしてエルザが驚愕している間に、オルバは冷静にメガネを直しながら口を開く。

 

 

「全身に傷を負わされたにも関わらず、それほどの動きができるとは……さすがは妖精女王(ティターニア)。先ほど『この程度』と言ったのは撤回しますよ。ですが……そろそろ本気で行かせてもらいましょう」

 

 

そう言うと同時に、再びオルバの姿が消える。

 

 

「!! そこかっ!!!」

 

 

すると、背後から気配を感じ取ったエルザはすぐさま振り向きながら剣を振るう。しかし……

 

 

ガキィイン!!!

 

 

「なにっ!?」

 

 

それは、オルバのナイフによって受け止められた。しかしエルザが驚いたのはそこではない。

 

 

「(あのナイフは……さっき刀身が折れたハズ……)」

 

 

そう……オルバが防御に使用したナイフは、先ほどエルザの剣の一閃によって、刀身がへし折られたハズのナイフであった。

 

 

「ボーっとしているヒマはありませんよ」

 

 

「!」

 

 

そう言うとオルバは、エルザの剣に自身のナイフをギャリギャリと滑らせながら彼女に接近する。

 

 

「先ほどのは2割……では次は5割でどうでしょう」

 

 

そして……オルバはそのまま接近したエルザの肩にポンっと手を置いた。すると次の瞬間……

 

 

 

ブシャアアアアッ!!!!

 

 

 

エルザの体中から……おびただしいほどの鮮血が舞った。

 

 

「かっ…あっ……!!?」

 

 

自身の身に起こった事が理解できず、傷だらけとなったエルザは膝を付き、そのまま地に伏せた。

 

 

「(まただ……また奴が私の体に触れた瞬間、体中に傷が……一体なにがどうなっている!!?)」

 

 

エルザはオルバの魔法に疑問を感じながらも、腕にグッと力を入れてゆっくりと体を起こす。

 

 

「ふむ…まだ起き上がりますか。意外とタフですねぇ、妖精女王(ティターニア)

 

 

「ぐっ……」

 

 

オルバの言葉に対して歯噛みしながらも腕に力を込めて起き上がろうとするエルザ。

 

 

「……ん?

 

(こ…これはっ!!?)」

 

 

すると、エルザは自身の腕を見て、何かに気がついた。

 

 

「(まさかそんな事が……だが、そう考えれば全てに説明がつく。突然傷だらけになった私の体…手応えがあったにも関わらず傷一つない奴の服と体…いつの間にか元に戻っていたナイフ……)

 

……そう言う事か」

 

 

「?」

 

 

突然エルザが呟いた言葉に疑問符を浮かべるオルバ。

 

 

「わかったぞ……貴様の魔法の正体が」

 

 

「……ほう」

 

 

傷だらけの体に鞭打ち、飛翔の鎧から〝天輪の鎧〟へと換装し、ゆっくりと立ち上がりながらそう言い放つエルザに、小さく息を漏らすオルバ。

 

 

「貴様の魔法の正体は……コレだ」

 

 

「!!!」

 

 

エルザがそう言うと同時に、オルバの頭上に何本もの剣が出現し、彼に向かって降り注いだ。

 

 

「がっ…!!!」

 

 

あまりに突然の出来事で、オルバは瞬間転移(ワープポイント)を発動させるヒマがなくその攻撃を喰らってしまい、服や体に複数の切傷が刻まれる。しかし……

 

 

シュウゥウウ……

 

 

その直後……オルバの体と服の傷がみるみる消えて行き、最終的には跡形もなく治ってしまった。

 

 

「貴様の瞬間移動の魔法は確かに脅威だが……それ以上に恐るべきは、貴様のその治癒魔法──いや…〝再生魔法〟と言ったところか」

 

 

「……フフッ……正解ですよ。よく分かりましたね」

 

 

エルザの言葉に対し、オルバは笑みを浮かべながら肯定を意味する言葉を言った。

 

 

「どこで気がついたのですか?」

 

 

「最初に疑問に思ったのは、私の体中に刻まれた傷を見た時だ」

 

 

オルバの問い掛けに対して説明を始めるエルザ。

 

 

「最初こそ、傷の原因は貴様の瞬間移動の魔法とナイフで一瞬のうちに付けられたモノだと推測しが、体に刻まれた傷の中には『切傷』や『刺傷』だけでなく、ナイフでは付ける事のできない『火傷』や『銃創』の痕もあった。そして決定的となったのが……この傷だ」

 

 

そう言ってエルザが見せたのは、腕に残っている何かが噛み付いたかのような傷。

 

 

「これはかつて、六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラの毒蛇によって付けられた咬傷(こうしょう)だ」

 

 

そう…その傷は、連合軍の討伐作戦の時に毒蛇キュベリオスに噛まれた際に付けられた傷であった。

 

 

「これを見た時…私は体中についたこの傷は、これまで私が負った傷だと確信した。加えて私の攻撃を喰らって無傷だった貴様の体と服……刀身が折られても瞬時に修復されていたナイフ……これら全てを照らし合わせる事で、貴様の本当の魔法が〝再生〟を司る魔法だと確信したのだ」

 

 

「……お見事」

 

 

エルザの推理を聞き終えたオルバは、パチパチと手を叩き、彼女に賞賛の言葉と拍手を送った。

 

 

「貴女の推測通り、瞬間転移(ワープポイント)など、私にとっては奇襲や移動手段の1つでしかありません。私の本当の魔法は再生を操る失われた魔法(ロストマジック)……〝再生のアーク〟」

 

 

失われた魔法(ロストマジック)!?」

 

 

「再生のアークはあらゆるモノを再生する力……その対象に、人や物も関係ありません」

 

 

そう言いながらオルバは、先ほどエルザの攻撃を喰らって、衝突した際に崩れた壁に向かって手を翳す。すると、その壁の破片がまるでパズルのように組み合わさって直って行き、あっという間にその壁は修復された。

 

 

「そして人体の傷の再生はもちろん…完治した傷も再生させ、再び開かせる事も可能です。まぁ、さすがに死体相手には通じませんがね」

 

 

「……私の体の傷の原因もそれか」

 

 

「えぇ。と言っても、まだ5割ほどしか再生させていませんがね。そしてこの魔法がある限り、私の体がどれほど傷つこうがすぐに再生する事ができる。ベタな言い回しをすれば……不死身……と言ったところでしょうか」

 

 

そう言ってオルバはメガネを押し上げて直しながら、不適な笑みを浮かべる。

 

 

「いや…貴様は不死身などではない。貴様の魔法には、弱点がある」

 

 

「弱点?」

 

 

エルザの言葉に、疑問符を浮かべるオルバ。

 

 

「貴様の魔法は傷の再生はできても、それによって発生したダメージ……つまり〝痛み〟までは再生させる事はできない」

 

 

「……………」

 

 

「ならば話は簡単だ。貴様が傷を再生させる前に、決着をつければいいだけの話だ」

 

 

エルザがそう言い放つと、オルバは「フゥ…」と息を吐く。

 

 

「つまり私の弱点は…一撃必殺の技…という事ですね。なるほど、着眼点は間違っていません。ですが……それは不可能です」

 

 

「なに?」

 

 

するとオルバは、先ほど降り注いできたエルザの数本の剣の内1本を手に取る。そして……

 

 

ドスッ!!!

 

 

それを自身の左胸……つまり心臓部分に突き立てた。

 

 

「なっ!!? 何をしている!!!?」

 

 

オルバの不可解な行動に目を見開き、驚愕したエルザはオルバへと駆け寄るが、既にその剣はオルバの心臓を貫いていた。

 

しかし……

 

 

「心配ご無用ですよ」

 

 

「!!?」

 

 

オルバは何事もなかったかのように口を開き、心臓に突き刺した剣を抜き取る。その瞬間、再生されるオルバの傷跡。

 

 

「………!!!」

 

 

あまりの出来事に言葉を失うエルザ。

 

 

「これで分かったでしょう? 私には一撃必殺も通用しません。心臓を貫かれても、1秒あれば再生する事ができます」

 

 

そう言って自身の血が付着している剣を投げ捨てるオルバ。

 

 

「それと──不用意に近づいてもよかったのですか?」

 

 

「!!? しまっ──」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、呆然としていたエルザは自分の失態に気がつき、すぐに距離を取ろうとするが……時既に遅く、オルバにガッと肩を掴まれてしまった。

 

 

「今度は8割……再生させてあげましょう」

 

 

そしてオルバは……魔法を発動させた。

 

 

痛みの再生(リバース・ペイン)

 

 

「ぐあぁぁぁああああああああっ!!!!!」

 

 

オルバの魔法によって過去の傷が再生され、エルザは再び体中から鮮血を散らせながら悲痛の叫びを上げ……ゆっくりと地面に仰向けに倒れた。

 

 

「終わりです、妖精女王(ティターニア)

 

 

「ぐっ……!!!」

 

 

倒れているエルザの顔を覗きこんでいるオルバに対し、エルザは握っていた1本の剣をオルバに向かって投げつける。

 

 

「おっと…残念でした」

 

 

しかしそれは軽々と避けられ、彼の頬に一筋の傷をつけるだけに終わってしまった。

 

 

「(私は……負けるのか……)」

 

 

そんな考えと共に、エルザはゆっくりと目を閉じて……その視界が暗闇に染まっていく。

 

 

 

「(───まだだッ!!!!)」

 

 

 

その直後…エルザの目はカッと開かれる。

 

 

「(私は負ける訳にはいかんっ!!! ギルドの為にも…仲間の為にもっ!!!!)」

 

 

そしてエルザはそのままギロリとオルバを睨みつける。

 

 

「……どうやらまだ、やる気のようですね」

 

 

「!!!」

 

 

すると、そんなオルバの顔を見たエルザは何かに気がついた。

 

 

「(そうか…そう言う事か……まだ勝機はある!! 私の推測が正しければ……)」

 

 

エルザは傷だらけの体を動かし、ゆっくりと立ち上がる。

 

 

 

「(もうすぐコイツは不死身ではなくなる!!!!)」

 

 

 

そして再び剣を構え、オルバと対峙した。

 

 

「……そのタフさには感心を通り越して呆れます。今楽にしてあげますよ」

 

 

そう言ってオルバもナイフを構える。

 

 

「ハァァァアアアアアア!!!!」

 

 

ガキィィイン!!!

 

 

その直後に金属音を立てながら衝突する、エルザの剣とオルバのナイフ。

 

 

「舞え!! 剣たちよ!!!」

 

 

そう言いながらオルバに向かって浮遊させた剣と、自身が握っている剣でオルバに斬りかかるエルザ。

 

最初こそオルバはその攻撃を捌いていたが、さすがにナイフ1本で数十本もの剣を防ぐには難があり、少しずつ彼の体に切傷が刻まれていった。しかし彼の魔法によって、その傷は即座に再生されていく。

 

 

「どれほど私の体を傷つけようと無駄です。再生のアークがある限り、私に負けはない」

 

 

「それはどうだろうな」

 

 

「……何が言いたいのですか?」

 

 

「言ったハズだ…貴様は不死身などではないとなっ!!」

 

 

ズバァァアン!!!

 

 

「があっ!!!」

 

 

エルザはそう言い放つと同時に、両手に持った双剣を振るい、オルバの体を×字に斬りつけた。

 

 

「ぐう……無駄だと言ったハズです!! どれほど傷つけようと私の体は再生され──!!!」

 

 

そこまで言いかけたオルバは、自身の体を見て、ある事に気がついた。

 

 

「こ…これは一体……!?」

 

 

「気がついたか」

 

 

「再生速度が……遅くなっている!!?」

 

 

そう…オルバが気がついた事とは、最初の方に比べて、明らかに再生するスピードが遅くなっている事であった。

 

 

「先ほど私が投げた剣で傷ついた貴様の頬……ほんの小さな傷にも関わらず、再生するのに数十秒も掛かっていたのを見て気がついた。

 

貴様の再生魔法が〝魔法〟である限り、その源となるモノは貴様自身の〝魔力〟だ。だが人間の持つ魔力は限られている……再生速度が遅くなったという事は、貴様の魔力が底を尽き始めていると言う事。ならば話は簡単だ」

 

 

そう語りながら、エルザは剣の切っ先をオルバに向け、鋭い眼光で彼を睨みつけながら……

 

 

 

「貴様の魔力が尽きるまで……その体に傷を刻み込んでやる」

 

 

 

と…言い放った。

 

 

「…………!!!」

 

 

その迫力と威圧感に、オルバは背筋をゾクリと凍らせる。

 

 

「ハァァアアアア!!!!」

 

 

そして再び雄叫びを上げながら、オルバへと斬りかかるエルザ。それをナイフで迎え撃つオルバだが、内心では焦りが生まれていた。

 

 

「(マズイ……妖精女王(ティターニア)の言う通り、私の魔力はもう底を尽き始めている。ならば、早急に決着をつけるのみ!!!)」

 

 

ガキィィン!!!

 

 

「!!?」

 

 

そんな考えに至ったオルバは、ナイフでエルザの剣を力強く弾くと、すぐさま彼女の頭をガッと鷲掴みにする。

 

 

「もう手加減はしません。貴女が生れ落ちた瞬間から負ってきた全ての傷を……再生させてあげましょう」

 

 

そう言うと同時に…オルバは魔法を発動させた。

 

 

究極の痛み(パーフェクト・ペイン)!!!!」

 

 

その瞬間……エルザの体中から言葉では表せない程の鮮血が舞った。

 

 

「────────ッ!!!!」

 

 

エルザはもはや、言葉にならないほどの叫びを上げ……ゆっくりと倒れた。

 

 

「ハァ…ハァ……さすがの妖精女王(ティターニア)も……ここまでですね」

 

 

そう言って息を荒げながらも、安堵に似た言葉を言い放つオルバ。

 

 

しかし……

 

 

「ハー…ハー…ハー…ハー……!!!!」

 

 

辛そうに息を乱しながらも…もはや見てるだけで痛々しい程の傷を負いながらも…エルザはしっかりと立ち上がった。

 

 

「…………ッ!!!」

 

 

それを見たオルバはありえないと言わんばかりに目を見開き、言葉を失った。

 

 

「た…立ち上がった……!? 今までに負った傷を全て再生させたんだぞっ!!! それこそ体中をすり潰されるような…気が遠くなるほどの激痛が襲っているハズだっ!!! なのに何故……!!?」

 

 

オルバは驚愕のあまり、先ほどまでの丁寧語ではなく、砕けた口調でそう言い放つ。

 

 

「ハー…ハー…ハー……!!!」

 

 

対するエルザは、辛そうに息を荒げながらも、ゆっくりと口を開く。

 

 

「この程度の傷では……私は倒れん……!!!」

 

 

「!!」

 

 

「例え…過去の傷が全て再生されようと……気の遠くなるほどの激痛が襲おうとも……」

 

 

そしてエルザは力強く1歩を踏み出し…力強い言葉で言い放った。

 

 

 

「仲間を奪われる心の痛みに比べれば……遥かにマシだっ!!!!」

 

 

 

そう言い放つと、エルザはオルバに向かって駆け出す。

 

 

「(マズイ…!! もう再生する魔力も…瞬間転移(ワープポイント)を使う魔力も……残っていないっ!!)」

 

 

そして……

 

 

 

 

 

天輪・繚乱の剣(てんりん・ブルーメンブラット)!!!!!」

 

 

 

 

 

「ぐあぁぁあああああああああああ!!!!」

 

 

すれ違い様に、無数の剣でオルバを斬りつけた。

 

 

そしてそのまま……オルバの傷は再生することなく、意識を手放したのであった。

 

 

 

 

 

つづく




特別依頼!!
『LYRICAL TAILの謎を解明せよ!!』



はやて
「や~ま~ね~こ~ポーン!!」

ルーシィ
「まさかの本家のネタを持ってきた!!?」

はやて
「1回やってみたかったんや♪ 前回から引き続き登場はやてちゃんやで~♪」

ルーシィ
「何でまた今回もはやてが? ってかティアナは?」

はやて
「ティアナは何やメンドクサ──ゲフンゲフン──大事な仕事があるから言うて私に頼んできたんや」

ルーシィ
「今明らかにメンドクサイって言おうとしたわよね!!? ティアナが来ない理由ってメンドクサイってだけよね!!?」

はやて
「まぁまぁ、次回からはちゃんと来るって…………たぶん」

ルーシィ
「せめてそこはウソでも自信持って言ってよ!!!」

はやて
「さ、そろそろ質問読んでいこか」

ルーシィ
「また変な流れで……」



カサブタ様からの質問

・エリオはナツに憧れていると言ってましたが、どこに憧れたんですか?

・エルザがクエストでギルドにいない時は、誰がナツとグレイの喧嘩を止めていたんですか?

・なのはとフェイトとはやては、フェアリーテイル仲良し三人組と言われてますが、お互い最初の印象は何だったんですか?



ルーシィ
「そう言えばエリオってナツにかなり憧れてたのよね……どこに憧れる要素があるのか全っ然わかんないけど」

はやて
「そう言う事は本人に聞いてみよか。エリオー」

エリオ
「はーい!」

ルーシィ
「都合よく現れた!!?」

はやて
「いきなりで悪いんやけど、この質問に答えてくれるか?」

エリオ
「えっと…僕がナツさんのどこに憧れてるか…ですか? 一言で言えば全部です! 喧嘩っ早いけど、まっすぐとした性格とか…戦いにおいての頭の回転の速さとか…何よりメチャクチャだけど強いところが、同じ男として…同じ滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)として憧れます!!!!」

ルーシィ
「……エリオの瞳がこれでもかと言うほど輝いてるわね」

はやて
「私等にはわからん男の世界って奴やね……答えてくれてありがとうなぁエリオ」

エリオ
「いえいえ、必要でしたらまた呼んで下さい。それでは」

エリオ退場

ルーシィ
「えっと次は……エルザがいない時は誰がナツとグレイのケンカを止めてたか? ですって」

はやて
「せやね、基本的には放置やな」

ルーシィ
「どーせいつもの事だしね」

はやて
「まぁ放っとくとシグナムやヴィータまで参加する事もあるけどな。もっと言うたらギルド全体を巻き込んだ大喧嘩にもなる時もあるし」

ルーシィ
「と言っても、その時は最終的にマスターが止めるんだけどね。本編の2話の時みたいに」

はやて
「あーせやね、それで言うたら質問の答えはマスターでいいかもしれへんな。それでも基本的にはやっぱり放置やけど」

ルーシィ
「それで次の質問なんだけど、なのはとフェイトとはやてのお互いの最初の印象ですって」

はやて
「私等の最初の印象? せやなー他の2人はわからへんけど、私の印象は『同年代の女の子や!!』って感じやったかな。私、ギルドに入る前は色々な事情があってそういうのとは縁がなかったし。んで、自然と一緒に居る事や仕事に行く事が多くなって、いつの間にか仲良し3人組って呼ばれるようになったんや」

ルーシィ
「へぇー! そう言えば、ギルドであたしと同い年の女の子と言えば……」

はやて
「ヴィータやね」

ルーシィ
「うぅ…ヴィータって何故かいつもあたしを目の敵にするのよね」

はやて
「そらぁルーシィちゃんがそないな立派なモノを2つも胸にぶら下げとるからに決まってるやん」

ルーシィ
「好きでこうなった訳じゃないから!!!」

はやて
「でも誇らしいと言えば誇らしいやろ?」

ルーシィ
「………うん」

はやて
「それにしてもルーシィちゃんのってホンマに大きいよなぁ……………ジュルリ」

ルーシィ
「は…はやて……?」

はやて
「ルーシィちゃん…ちょっとだけや…ちょっとだけでいいから触らしてくれへんかな。変な事はせーへんから」(ワキワキ)

ルーシィ
「その割には手の動きが卑猥なんですケド!!?」

はやて
「大丈夫や、怖い事あらへん。むしろ気持ちええからな……ぐへへへ」

ルーシィ
「ひぃっ!!? はやてが危ない顔つきで危ない笑い方をしてるー!!!」

はやて
「往生せいやーーーー!!!!」

ルーシィ
「きゃああああああ!!!!」





―しばらくお待ちください―





はやて
「さーて、次の質問にいこかー♪」(ツヤツヤ)

ルーシィ
「うぅ……もうお嫁にいけない」(ドンヨリ)

はやて
「えーっと次の質問は……私に関する事やね」


紅鮭様からの質問

「夜天の書」は、他人の魔法を自分の魔法として使う為には、"蒐集する"必要があると言ってましたが、"蒐集"とは一体どんな事をするのですか?儀式か何かですか?


はやて
「あーこれは簡単や。相手の魔法を蒐集すればええんよ」

ルーシィ
「えっと…と言うと?」

はやて
「例えば、なのはちゃんが私に向かって〝ディバインバスター〟を撃ってきたとする。その時に夜天の書の空きページを開いた状態でその魔法を受け止めると、本が自動的に蒐集・解析をやってくれるんや。んで、解析が終わると、そのページにその魔法が記録されるんや。因みに全部で666ページまで蒐集可能や」

ルーシィ
「うわーほとんどチートじゃない…」

はやて
「まぁ確かに対魔導士…特に能力(アビリティ)系の魔導士相手にはかなり有利やけど、逆に所持(ホルダー)系魔導士や失われた魔法(ロストマジック)は蒐集できひんけどな」

ルーシィ
「それでも十分強力じゃない……さすがギルド最強の女候補」

はやて
「あはははっ♪ さて、これで質問は終わりやね」

ルーシィ
「そうね。途中でちょっとしたトラブルがあったけど……」

はやて
「細かい事気にしたらアカンよ~」

ルーシィ
「あんたは気にしなさいよっ!!!」

はやて
「さて最後は、あの言葉でお別れや!」

ルーシィ
「えー…あたしも言うの~?」

はやて
「そらそうや。ほんなら行くで? せーの──」

ルーシィ
「や~ま~ね~こ~」


はやて
「た~ぬ~き~ち~ポーン!!!」


ルーシィ
「何それぇ!!? パクリ!!? 本家でのミラさんのパクリ!!?」

はやて
「また次回~♪」

ルーシィ
「ちょっ!! また変な形で終わったーーー!!!!」

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