LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

90 / 240
夏休みもあとちょっとか……今年の夏は教習所ばっかりだったなぁ(泣)

あ、作者の大学の夏休みは8月の頭からだったので、9月の下旬まであります。

どうでもいいですね。


感想お待ちしております。


戦闘機人

 

 

 

 

 

 

「オラァァアアアア!!!!」

 

 

「オォォォオオオオ!!!!」

 

 

ナツの炎の拳と、ノーヴェのガンナックルを装着した拳が激突し、部屋全体に凄まじい衝撃が響き渡る。

 

 

「うぱーー!!!」

 

 

その衝撃で近くにいたハッピーが吹き飛ばされたが、当の2人はお互いの相手に集中しているので、それに気が付く事はなかった。

 

 

バチィイン!!!

 

 

「うおぉっ!!?」

 

 

「ぐっ!!!」

 

 

2人の拳はしばらく拮抗していたが、やがて弾かれるようにお互い後方に吹き飛ばされる。

 

 

「エアライナー!!!」

 

 

「!!」

 

 

すると、ノーヴェは空中でクルンっと宙返りで体制を整え、同時にスバルのウイングロードに似た黄色い魔力の道を空中に生成した。

 

そのままノーヴェはエアライナーに着地すると、その勢いのままローラーブーツのジェットエッジで滑り出す。

 

 

「くっ……!」

 

 

そしてナツがようやく地面に着地すると、すでにノーヴェは目の前まで迫ってきていた。

 

 

「リボルバー・スパイク!!!」

 

 

そしてノーヴェはそのままスピードを乗せた蹴りをナツの腹部目掛けて放つが……

 

 

「火竜の鉤爪!!!」

 

 

バチィイン!!!

 

 

「!!」

 

 

ナツは咄嗟に炎を纏った足を振り上げ、ノーヴェの攻撃を弾いた。それを見たノーヴェは少々驚いた表情を見せるが、ナツはすぐさま大きく息を吸い込んで頬を膨らます。

 

 

「火竜の咆哮!!!!」

 

 

そしてノーヴェに向かって灼熱のブレスを放った。

 

 

「チッ…エアライナー!!!」

 

 

ノーヴェは小さく舌打ちをした後、新たなエアライナーを生成し、それとジェットエッジの機動性を活かしてブレスを回避した。

 

そしてそのままナツと距離を取ったところで、地面に着地した。

 

 

「やっぱやるなぁオメー……燃えてきたぞ」

 

 

「……ウルセーよ」

 

 

笑みを浮かべながらそう言い放つナツに対して冷たく言い返すノーヴェ。

 

 

「(アタシと互角にやり合ってるだと……普通の人間が?)」

 

 

目の前でコキコキと手を鳴らしているナツを見据えながら、ノーヴェは内心でそう呟く。

 

 

「(いや…ありえない。普通の人間なんかが、アタシの攻撃について来られるハズが……)」

 

 

「なにボケっとしてやがんだ」

 

 

「!!」

 

 

そんな声が聞こえて考え込んでいたノーヴェがハッと気がつくと、いつの間にかナツが炎を纏った拳を構えて、眼前にまで迫ってきていた。

 

 

「オラァァアアア!!!!」

 

 

「くっ!!」

 

 

ドゴォ!!

 

 

「!?」

 

 

ノーヴェは咄嗟に腕をクロスさせて、ナツの攻撃を防御したが、その勢いに押されて多少だが後方へと飛ばされてしまった。

 

すると、攻撃を仕掛けた側であるナツが、何故か訝しげな表情を浮かべていた。

 

 

「ナツー、どうしたのー?」

 

 

そんなナツを見て、遠くから戦いを見ているハッピーが問い掛ける。

 

 

「いや……今なんかアイツを殴った時、変な感触がしたんだ」

 

 

「感触?」

 

 

「んー…なんつーかこう……いつもの感触と比べたらちょっと硬かったっつーか……」

 

 

ナツが首を捻りながらそう言うと、それを聞いていたノーヴェが小さく笑みを零した。その時の笑みには若干の自虐のような陰りがあったが、ナツはそれに気づかなかった。

 

 

「そりゃそうかもな。アタシは…いや、アタシたちナンバーズは普通の人間とは違うからな」

 

 

「あ?」

 

 

「え?」

 

 

ノーヴェの言葉に疑問符を浮かべるナツとハッピー。そんな2人を他所に、ノーヴェは静かに言い放った。

 

 

 

「アタシたちは〝戦闘機人〟……人体に機械を移植する事で生み出された改造人間だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第九十話

『戦闘機人』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻……別の塔でもナンバーズたちによる激戦が繰り広げられていた。

 

 

それはここ、シャッハが突入した塔でも同じであった。

 

 

ドガァァン!!! ドガァアアン!! ドガァァアアアン!!!

 

 

「くっ……!!!」

 

 

立て続けに地面から巻き起こる爆発を、シャッハは顔をしかめながら必死に回避している。

 

 

「ほらほら、まだまだ爆発は続くよ~」

 

 

そんなシャッハを眺めながら、まるで悪戯っ子のような笑みを浮かべるナンバーズの1人…セイン。

 

 

「このっ!!」

 

 

「おっと」

 

 

爆発を掻い潜り、セインに接近する事に成功したシャッハだが、彼女に向かってヴィンデルシャフトを振るうと同時にセインは地面の中へと潜ってしまい、シャッハの攻撃は空振りに終わった。

 

 

「また地面に……!!」

 

 

攻撃が空振りしたシャッハは悔しそうに唸る。すると、背後からセインの楽しげな声が聞こえた。

 

 

「ねえ、ずっとそんなところに突っ立ってていいの?」

 

 

「!? しまっ──」

 

 

「ボーン♪」

 

 

ボォォオオオオオン!!!

 

 

セインの言葉ですぐさま動こうとしたシャッハだが、その瞬間、彼女の足元が大爆発を起こした。

 

 

「ふっふ~ん♪ 見たか!! あたしのIS『ディープダイバー』と爆弾魔水晶(ラクリマ)で繰り出す強力な簡易型地雷!! その名も『ディープ・ステルス・ボム』!!!」

 

 

巻き起こる爆煙を見ながら、得意気且つ楽しげにそう言い放つセイン。

 

 

「なーんて、もう吹き飛んじゃった奴にそう言っても仕方ないか」

 

 

そう言いながら肩を竦めるセイン。すると……

 

 

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン……

 

 

「?」

 

 

煙の中から聞こえてくる空気を切り裂くような音。その音を耳にしたセインは首を傾げる。

 

 

そして次の瞬間……爆煙が霧散した。

 

 

「なっ!?」

 

 

霧散した爆煙の中から出て来たのは…多少の火傷は負っているが爆発による目立ったダメージは無く、ヴィンデルシャフトをまるで扇風機のように回しているシャッハであった。

 

 

「無傷……!? そうか…その武器で爆風を吹き飛ばしたんだ」

 

 

「えぇ…それでも多少の傷は負いましたが」

 

 

予想しなかった事態に驚愕するセインだが、シャッハが手にしているヴィンデルシャフトを見て、全てを察した。

 

シャッハはヴィンデルシャフトを扇風機のように振り回し、旋風を巻き起こす事で、爆発による爆炎や爆風を全て吹き飛ばしたのである。

 

 

「あの咄嗟の瞬間にそんな荒業をするなんてね。だけど…そんな荒業を使ってまで必死になる理由が、あたしにはわからないな」

 

 

「?」

 

 

セインの言葉に疑問符を浮かべるシャッハ。

 

 

「あんたさ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の人間でもなければ、正規ギルドの人間でもない…小さな街の自警団ってだけの一般人だ。それなのに何でこの戦いに参加してるのさ? あんた達の街を襲った悪霊の札(デーモンカード)への報復のつもり?」

 

 

本来なら、この戦いに無関係とまではいかないが、関係性が薄いシャッハが参加している事に疑問を覚えたセインは、そう言って彼女に問い掛ける。

 

 

「……私たち自警騎士団は、街の安全を至上目的とした団体。街を襲撃した闇ギルドに報復などという概念は元よりありません」

 

 

「じゃあ尚更わかんないよ。報復する気もないなら何でこんな戦いに参加してるのさ?」

 

 

まったく分からないと言いたげな表情をしながら、再びそう問い掛けるセイン。そしてシャッハは、その問いに答える為にゆっくりと口を開いた。

 

 

「恩返しの為です」

 

 

「恩返し?」

 

 

シャッハの返答に、セインは首を傾げる。

 

 

妖精の尻尾(かれら)は私たちの街を守る事に協力してくれました。たとえ仕事だったとしても、ボロボロになってまで私たちの街を必死で守ってくれました。その恩に報いる為、私は今ここにいるのです」

 

 

真っ直ぐと迷いのない瞳でそう言い放つシャッハ。

 

 

「(もっとも、これは理由の1つに過ぎませんが……)」

 

 

内心でもそう呟いたが、それを言葉にする事はしなかった。

 

 

「あっそ、けど残念だったね。その恩返しとやらのせいで、あんたはここで死ぬんだ」

 

 

そう言って爆弾魔水晶(ラクリマ)を構えるセイン。

 

 

「死にませんよ。それに、先ほども言ったでしょう? 先を急いでいるので、邪魔をするのなら容赦はしません…と」

 

 

対するシャッハもそう言い返すと、ヴィンデルシャフトを構える。そして……

 

 

「ですので……次の一撃で終わらさせて頂きます」

 

 

最後に……そう言い放った。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ズガガガガガガ!!!

 

 

一方…ティアナが突入した塔でも激戦が繰り広げられ、凄まじい轟音が響き渡っていた。

 

 

「オラオラオラ~っス!!!」

 

 

その原因は、ナンバーズの1人…ウェンディが抱える巨大な盾『ライディングボード』から連射されている魔法弾であった。

 

 

「くっ…!!」

 

 

対するティアナはそれを回避しながらクロスミラージュを構え、負けじとウェンディに向かって魔法弾を発射するが……

 

 

「無駄っスよ!!」

 

 

ウェンディはすぐさまライディングボードを持ち替え、それを盾にして魔法弾を防御した。

 

 

「お返しっス!!!」

 

 

「チッ…」

 

 

そしてすぐ反撃として魔法弾を放ってくるウェンディに対し、舌打ちをしながら横っ飛びでそれを回避するティアナ。しかし彼女が地面に着地した瞬間……

 

 

ズキッ!!

 

 

「つっ……!!!」

 

 

突然腹部に痛みが走り、僅かに動きを鈍らせる。

 

 

「隙あり!!!」

 

 

そのスキをウェンディは見逃さず、ティアナに向かって魔法弾を連射する。

 

 

「っ…クロスミラージュ!! ダガーモード!!!」

 

 

それを見たティアナはすぐさまクロスミラージュの銃身に魔力の刃を纏わせ……

 

 

「クロス・スライサー!!!」

 

 

自分に向かって来る全ての魔法弾を切り裂いた。

 

 

「ハァ…ハァ……痛っ」

 

 

再び腹部に走る痛みに、ティアナが顔を歪めながら腹部を押さえると、その部分からは真っ赤な血が滲んでいた。それを見たウェンディは、首を傾げながら問い掛ける。

 

 

「ありゃ? ケガでもしてるんスか?」

 

 

「……悪霊の札(デーモンカード)の変態幻影魔導士にちょっとね……」

 

 

そう…ティアナの腹部の傷は、以前ベルカの街でガワラに負わされた傷であった。同じギルドのウェンディとシャマルの治癒魔法による治療を受けたのだが、どうやら傷が開いてしまったようである。

 

 

「あ~あの変態っスか。あいつアタシらまでヤラシー目で見てきて気持ち悪いんスよねぇ」

 

 

この場にいないガワラに対してボロクソに言うウェンディ。その間に、ティアナは思考を巡らせる。

 

 

「(傷が開いちゃった今、長引かせると不利になる上にタイムロスにもなる。ここはダガーモードの接近戦で一気に仕留める!!!)」

 

 

そう決断したティアナは、クロスミラージュを構えてウェンディに向かって駆け出した。

 

 

「ハァァアアア!!!」

 

 

「狙撃手相手に突っ込んでくるなんて、いい的っスよ!!!」

 

 

「……それはどうかしら?」

 

 

そんなティアナに対してライディングボードを構えるウェンディ。しかし、ティアナは口元に小さく笑みを浮かべると……

 

 

幻影魔法(ミラージュマジック)……フェイク・シルエット!!!!」

 

 

「なっ!? 幻影!!?」

 

 

得意の幻影魔法で自身の分身を創り上げ、二手に分かれるように走り出す。

 

 

「まだまだ」

 

 

それだけではなく、さらに2人から4人…4人から8人と分身を増やしていく。

 

 

「「「さあ、どれが本物か分かるかしら?」」」

 

 

「くぅ…!!」

 

 

そう問い掛けながら縦横無尽に駆け回るティアナ×8を、ウェンディはキョロキョロと首を振って右往左往とするしかなかった。

 

 

「喰らいなさい!!」

 

 

「!!」

 

 

そして、いつの間にかクロスミラージュを構えたティアナが眼前へと迫っていたのに対して、ウェンディは目を見開きながら反射的にライディングボードを盾にした。

 

 

しかし……ティアナが振るった魔力の刃は、ライディングボードと衝突することなくすり抜けた。

 

 

「幻影!!?」

 

 

「残念、そっちは囮よ」

 

 

幻影分身を囮にして、ウェンディの背後へと回っていた本物のティアナ。

 

 

「もらった!!!」

 

 

そしてそのまま背後から魔力刃を纏ったクロスミラージュを振るうティアナ。しかし……

 

 

「IS発動……『エリアルレイヴ』」

 

 

ウェンディがそう呟いた瞬間、彼女の姿が消え、ティアナの攻撃は空振りに終わった。

 

 

「なっ!? 消えた!!?」

 

 

突然目の前にいたウェンディが消えた事に動揺するティアナ。

 

 

「こっちっスよ、こっち」

 

 

「!?」

 

 

すると、頭上の方から声が聞こえ、ティアナは見上げるように声がした方へと視線を向ける。

 

 

そこには、ライディングボードに乗って飛行しているウェンディの姿があった。

 

 

「飛んでる!!?」

 

 

「残念だったっスねぇ。あたしのライディングボードにはこんな使い方もあるんスよ」

 

 

驚愕するティアナに対して得意気にそう言い放つウェンディ。そしてそのまま、ウェンディは空中でライディングボードを構えなおすと……

 

 

「ライディングショット!!!!」

 

 

ズガガガガガガガ!!!!

 

 

「きゃああああ!!!」

 

 

そのまま地上にいるティアナ×8に向かって無差別に魔法弾を連射し、その衝撃により幻影分身は全て消え去り、ティアナ本体も吹き飛ばされて地面を転がった。

 

 

「この……痛つっ」

 

 

歯噛みしながら起き上がろうとするティアナだが、腹部に走る痛みに顔を歪める。

 

 

「もう諦めたらどうっスか? お前じゃあたしのライディングボードとISの能力には勝てないっスよ」

 

 

「IS?」

 

 

地面に着地しながらウェンディが発した、どこか聞き覚えのある単語にティアナは眉を顰める。

 

 

「IS……インヒューレントスキルはあたしたちナンバーズのみ許された能力……簡単に言えば、魔力を使わない魔法っス」

 

 

「魔力を使わない魔法ですって……!? そんなの…ありえないわ!!」

 

 

魔力とは魔法を使う為に絶対に必要な原動力……それを使わない魔法という未知の魔法に、ティアナは否定の言葉を口にする。

 

 

「それが出来るんスよねぇ。あたしらのギルドマスターの天才的頭脳をもってすれば、魔力以外の力を原動力にする事くらい朝メシ前っス」

 

 

そう言って誇らしげに胸を張るウェンディ。

 

 

「と言っても、これはあたしたち〝戦闘機人〟にしか扱う事のできない能力っスけどね」

 

 

「戦闘機人?」

 

 

ウェンディの口から発せられたまた新たな単語に、ティアナは首を傾げたのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

ドガァァアアン!!!

 

 

「うわぁぁあああ!!!」

 

 

また一方、スバルが突入した塔でも……スバルは苦戦を強いられ、ボロボロになっていた。

 

 

「もう諦めろ。お前では私には勝てん」

 

 

ナイフ型の武器『スティンガー』を構えながらそう言い放つナンバーズの1人である小柄な少女…チンク。

 

 

「くぅ…ちっちゃいクセに強いなぁ」

 

 

「……背は関係ないだろう」

 

 

若干に気にしているのか、スバルの言葉に対してチンクはムスッとした表情で言い返す。

 

 

「それにそもそも……私と貴様では体の出来からして違うのだ」

 

 

「? どういうこと?」

 

 

チンクの言葉に対して、首を傾げながら問い掛けるスバル。

 

 

「私たちナンバーズは、我がギルドマスター…ジェイル・スカリエッティによって造り出された〝戦闘機人〟……いわゆる改造人間だ」

 

 

「!!?」

 

 

改造人間と言う言葉に、スバルは大きく目を見開いた。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

そして偶然にも…その戦闘機人に関する話は、ナツ・ティアナ・スバルが突入したそれぞれの塔で、ほぼ同時に行なわれていた。

 

 

「改造人間だぁ?」

 

 

「そうだ。〝プロジェクトF〟……って魔法を聞いた事があるか?」

 

 

「?」

 

 

ノーヴェの問い掛けに首を傾げているナツの代わりに、ハッピーが答えた。

 

 

「確か、黒魔術を信仰する魔法教団によって生み出された〝人間を造る魔法〟だよ」

 

 

「お前らのギルドじゃあ、フェイト・テスタロッサって奴がそれに該当するな」

 

 

 

 

 

「そしてあたしたちナンバーズは全員、そのプロジェクトFによって生み出された人造人間なんスよ」

 

 

「……つまり無限の欲望(アンリミテッドデザイア)は、マスター以外はその人造人間で構成されたギルドなのね」

 

 

「その通りっス。けど、ただの人造人間じゃあないんスよね~」

 

 

 

 

 

「マスタースカリエッティは、私たちの身体能力を極限以上に高める為に、私たちの体に改造を施した。それが……人体と機械の融合だ」

 

 

「人体と機械の…融合?」

 

 

「そうだ。本来なら人体と機械は相容れない異質物同士……だがマスタースカリエッティの天才的な頭脳はそれを可能にした。その結果、私たちは常人を遥かに越える身体能力を手に入れた。つまり──」

 

 

 

 

 

「私たちナンバーズは……」

 

 

「人類を遥かに超越した……」

 

 

「バケモン集団なんだよっ!!!!」

 

 

なんの偶然か…上からチンク・ウェンディ・ノーヴェがそれぞれ目の前にいる相手に向かってそう言い放った。

 

 

「「「……………」」」

 

 

そしてこれもまた何の偶然か……別々の塔にいるハズのナツ・ティアナ・スバルの3人は、その言葉に対して、まったく同じ言葉を言い返した。

 

 

 

 

 

「「「…………で? それがどうした(のよ)?」」」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

予想外のナツの返答に、目を丸くするノーヴェ。

 

 

「いきなりなげー話聞かせやがって。要するにテメェは少し変わった人間って事だろ?」

 

 

「うんうん」

 

 

ナツの言葉に同意するようにハッピーも頷く。

 

 

「お前ら……今の話聞いてなかったのか!!? アタシは造られた人間の上に、体中に機械を埋め込まれたバケモンだ!! それのどこが少し変わった人間なんだよ!!?」

 

 

「ただ……それだけだろ?」

 

 

「な…に……?」

 

 

平然とそう言い返すナツの言葉に、ノーヴェは言葉を失い、呆然とする。

 

 

「それによぉ、バケモンなんざなぁ……」

 

 

「!!?」

 

 

そう言いながらナツは炎を纏った拳を構えながらノーヴェに向かって走り出す。それを見たノーヴェは呆然としていた状態から我に返り、防御体制を取ろうとするが一歩間に合わず……

 

 

 

「オレたちのギルドにも一杯いるんだよぉ!!!!」

 

 

 

そんな叫びと共に、ナツによって殴り飛ばされた。

 

 

「がっ…ああ……!!!」

 

 

そして殴り飛ばされたノーヴェは地面を転がったあと、うつ伏せに倒れながらナツを睨んだ。

 

 

「ヤロォ……!!!」

 

 

「仕切りなおしだ、かかってこいよ。戦闘機人だか何だか知らねーが、オレがテメェをぶっ倒す事に変わりねーんだからよぉ!!!」

 

 

そんなノーヴェに対して、ナツは凶悪とも邪悪とも取れる笑みを浮かべながら挑発の言葉を送ったのであった。

 

 

 

 

 

「今のナツの顔の方がよっぽどバケモンだよね」

 

 

そう呟いたハッピーは決して悪くない。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ハァァアアア!!!」

 

 

「くぅっ!!!」

 

 

一方スバルの方も、ナツと同じく反撃を開始していた。

 

スバルのパンチやキックなどの猛攻に、表情を歪めながらも防御や回避などで対処するチンク。

 

 

「この……!! スティンガー!!!」

 

 

するとチンクは、後ろに大きく飛んでスバルから距離を取ると、すぐさまスバルに向かって数本のスティンガーを投擲する。

 

 

「IS発動!! ランブルデトネ──」

 

 

そして自身の能力によって、投擲したスティンガーを爆発させようとしたその瞬間──

 

 

「うぅぅぅううりゃああああああ!!!!」

 

 

ガキンッ!! ガキンッ!! ガキンッ!!

 

 

「なに!!?」

 

 

何と…スバルは右手に装着したリボルバーナックルと両足に装着したマッハキャリバーを使った、ストレートと回し蹴りで……チンクが投擲した数本のスティンガーの内3本を、チンクに向かって弾き返したのである。

 

 

「くっ!!」

 

 

当然、今爆発させてしまってはその被害は自分にも掛かってしまうので、チンクとしては跳ね返ってきたスティンガーを回避するしかなかった。

 

だがそれが、一瞬の隙を生んでしまった。

 

 

「ここ…だぁぁあああ!!!!」

 

 

「し、しまっ──がはぁっ!!!!」

 

 

その一瞬の隙をスバルは見逃さず、マッハキャリバーの機動力を活かしてすぐさまチンクの眼前へと迫り、彼女の頬を殴り飛ばし、壁へと叩きつけた。

 

 

「ハァ…ハァ……」

 

 

「ぐっ…おのれ……!!!」

 

 

肩で呼吸をするスバルと、口元から僅かに流れた血を手で拭いながら立ち上がるチンク。

 

すると、乱れた呼吸を整えたスバルがゆっくりと口を開く。

 

 

「戦闘機人だとか…改造人間だとか……たとえキミが何者で、どんな人間だろうと、私たちのやる事は変わらない」

 

 

そしてスバルは…強い決意の籠った眼で、チンクを見据えながら言い放つ。

 

 

 

「奪われた仲間を!! 家族を!! 絶対に取り返すんだっ!!!!」

 

 

 

「!!!」

 

 

そんなスバルの気迫に、チンクは僅かに気圧される。

 

 

「そしてコレは……仲間を守る為に会得した、私の新しい魔法……」

 

 

そう言いながら、集中するようにゆっくりと両目を閉じるスバル。そして……

 

 

ドンッ!!!!

 

 

「なっ!!?」

 

 

次の瞬間、スバルの体から凄まじい密度の魔力が噴出され、それを見たチンクは驚愕に顔を染める。

 

 

そしてスバルは、閉じていた両目を再びゆっくりと開き……

 

 

 

 

 

「〝振動破砕〟」

 

 

 

 

 

緑色から金色に変わった瞳で、チンクを見据えたのであった。

 

 

 

 

 

つづく




特別依頼!!
『LYRICAL TAILの謎を解明せよ!!』


ティアナ
「フェアリーテイルの原作見てて思ったんだけど……」

ルーシィ
「え? なに? 急になんの話?」

ティアナ
「原作での主要キャラの、ナツとアンタとグレイさんとエルザさんの4人って、何気に四季配置なのよね。ナツは言わずもがな。ルーシィは何か雰囲気が『春』って感じで、アニメでも手の甲のギルドマークは桜色だったし」

ルーシィ
「ティアナ!? ねえどうしたの急に!!? そんな虚ろな目でなに言ってるの!!?」

ティアナ
「エルザさんも紅葉みたいな髪で『秋』を連想させるし、グレイさんも丸っきり『冬』を体現してるわよねー」

ルーシィ
「どうしよう!! ティアナが壊れた!!? 一体何が原因で……」

ティアナ
「以上。作者が最近原作を読み返してふと思った事の代弁でしたー」

ルーシィ
「作者ーーーー!!!!」

ティアナ
「さ、質問行くわよ」

ルーシィ
「ねえもう何なの!!? あたしにひとツッコミさせないと始まらない形式なのコレ!!?」

ティアナ
「何を今更。最初の質問はこれよ」


カサブタ様からの質問

・作者のZEROさん直接なんですが、ティアナがジェラール戦とゼロ戦で見せた星の創造主(スタークリエイター)とスターレイヴァーと言う魔法は何ですか?

・スバルは悪魔の島の戦い以外で、「これは、きつかったな~」っと思ったクエストは何ですか?

・フェアリーヒルズで、ティアナとルーシィは依頼を果たしましたが果たす前ヒルズに住んでいる人たちの残りの部屋の感想と、果たした後大変だった事は何ですか?


ティアナ
「最初の質問に関しては、作者からノーコメントという回答を預かっているわ」

ルーシィ
「まぁ本編でも結構重要そうな感じだから、ここでサラッと暴露するわけにはいかないわよね」

ティアナ
「そう言う事。で、次の質問は……これは本人に聞いたほうが良さそうね。スバルー」

スバル
「はーい!!」

ルーシィ
「……もう誰が急に現れても驚かないわよ」

ティアナ
「この質問に答えなさい」

スバル
「何々? 悪魔の島以外でキツかったと思う仕事? うーん……色々あるよ。私はギルドに入って5年目だから、その5年の間に色んな仕事をこなしたからね!」

ティアナ
「つまり要訳すると…………あまり覚えてないのね」

スバル
「うん」

ルーシィ
「身も蓋もなっ!!!」

ティアナ
「以上よ。スバル、もう帰っていいわよ」

スバル
「わかった♪ じゃあ頑張ってねティア、ルーシィ~」


スバル退場


ティアナ
「次の質問は……本編で描写された人以外のフェアリーヒルズ組の部屋の感想ね。と言っても、カットされたのはジュビアとビスカとエバーグリーンとラキの4人の部屋だけだけど」

ルーシィ
「ジュビアは意外と普通だったわよね。他2人の部屋は強烈だったけど……」

ティアナ
「あの『手作りグレイ様人形』には軽く引いたけどね。ビスカの部屋は動物部屋…エバーグリーンの部屋は石像部屋…ラキの部屋は拷問部屋と化していたわね」

ルーシィ
「リアクションはほぼ原作と同じだったわね。だからこそカットされたんだけど……」

ティアナ
「あとは依頼達成後に大変だった事……これ分かってて聞いてるんじゃないかしら?」

ルーシィ
「あはは……まぁ簡単に言うと、ネコ服が消えるという原作でのオチと同じ事が起こったのよね」

ティアナ
「あとはあの依頼以降、ヒルダさん(幽霊)が依頼板(リクエストボード)に勝手に依頼を張るようになったのよね。作者はキレイに纏めたかったからって理由でカットしたけど」

ルーシィ
「じゃあ、次の人の質問ね」


ヤマタノオロチ様からの質問

・剣術においてエルザとシグナム、どちらの方が強さが上ですか?


ティアナ
「これは難しい質問ね。魔法ありの勝負ならエルザさんに軍配が上がるけど……剣術のみの勝負となったらどうなるか分からないわ。剣術なら達人の域にまで達しているシグナムさんに対して…剣の腕こそ劣るけど、天才的な戦闘センスを持っているエルザさん。実際に2人が戦ったら甲乙つけ難いわね」

ルーシィ
「そ、そうなんだ……じゃあこの質問の答えは保留って事で、次の人の質問にいこっか」


紅鮭様からの質問

・ナンバーズの使う「IS」は普通の魔法とは違うのですか?

・ナンバーズはスカリエッティを「マスター」や「ドクター」と読んでますが、一貫してないんですか?

・本文でナンバーズの自己紹介の時、「No.」だったり「NO,」だったり、書き方がバラバラですが、誤字でしょうか?


ティアナ
「一番最初の質問に関しては今回の話で公表されたから省くわね。で、2つ目と3つ目の質問に関しては作者から回答を預かってきたわ」

ルーシィ
「えーっと……『身内ギルド同士で呼ぶときはドクター…それ以外や畏まる時はマスターと呼ぶ』ですって。そして3つ目の回答が『誤字です』だって」

ティアナ
「変換ミスとも言うわね。これで今回の質問は終わりね。お疲れさま~」

ルーシィ
「あれ!? もう帰っちゃうの!!? いつもの最後のオチは!!?」

ティアナ
「任せるわ」

ルーシィ
「無理よっ!!!!」



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