LYRICAL TAIL   作:ZEROⅡ

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予告通り早めに更新できました。


感想お待ちしております。


妖精参上!!!

 

 

 

 

 

「フォトンランサー・ジェノサイドシフト」

 

 

アルフが発動した50を越える魔力の球体から一斉に魔法弾を発射する魔法……フォトンランサー・ジェノサイドシフト。

 

一斉に放たれた無数の魔法弾は、リングバインドによって拘束されているフェイトへと迫る。

 

 

「ごめんなさい……」

 

 

迫り来る無数の魔法弾を前にして、ポツリと呟くフェイト。

 

 

「みんな……ごめんなさい」

 

 

魔水晶(ラクリマ)を壊せなかった事や、囚われた仲間を助け出す事が出来なかった事に対して、フェイトは謝罪の言葉を口にしながら……ゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

 

 

「何を謝る必要がある? お前のその優しさは、誇りこそすれ恥じる事など何一つない」

 

 

 

 

 

その時……フェイトの耳にとある人物の声が聞こえた。

 

 

「(この声は……!!?)」

 

 

その声を聞いたフェイトは閉じていた目を開き、その声の主を確認する為に顔を上げた。

 

 

 

ズドドドドドドドドドッ!!!!!

 

 

 

そしてその瞬間……フェイトに向かって放たれた無数の魔法弾が雨のように降り注いだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第九十四話

『妖精参上!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フゥ…フゥ…フゥ……!!」

 

 

何十発…何百発にも及ぶ魔法弾が発射され、それを確認したアルフは息を乱しながら攻撃の手を止める。そして未だに妖しく紫色に輝いているその目は、先ほどの攻撃によって舞い上がった爆煙に向けられていた。

 

 

「人形……殺した……」

 

 

そう言いながらアルフはニィッと口角を吊り上げ、歪んだ笑みを浮かべる。それからしばらくすると、立ち込めていた爆煙が晴れ始める。

 

 

「!!」

 

 

そしてその瞬間……アルフは異変に気がついた。

 

 

爆煙が晴れるとそこには……無数の文字によって形成された壁が立ち塞がっていた。

 

 

「これは……!!!」

 

 

その文字の壁の向こう側には、拘束魔法で縛られながらも壁に守られて無傷のフェイトの姿があった。

 

否……フェイトだけではない。

 

 

「術式……この術式の内部に居る者への魔法攻撃を無力化させる」

 

 

そんな声が聞こえると同時に、壁となっていた文字が崩れ、一ヶ所に集まり始める。

 

 

その集まった文字は、段々と人の形を形成していき、最終的には1人の人物が現れた。

 

 

「あ…あなたは──!!!」

 

 

その人物を知っているフェイトは、驚愕に目を見開きながら、その人物の名を叫んだ。

 

 

 

「──フリード!!!?」

 

 

 

その人物とは……妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士であり、雷神衆の1人……フリード・ジャスティーンであった。

 

 

「どうして…フリードがここに?」

 

 

「オレだけではないさ」

 

 

フェイトの問い掛けに対し、フリードは手にしているレイピアで彼女を縛っていたリングバインドを切り裂きながら答える。

 

 

「すでに塔の周辺には……オレたち妖精の尻尾(フェアリーテイル)が集結している」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

その頃…ヴィネアの塔の前で円陣を組み、迫り来るガジェットの大群を迎え撃っているザフィーラ、リインフォース、エルフマンの3人。そして彼らの後ろには、グレイの治療をしていたウェンディとシャマルの姿もあった。因みに治療の終わったグレイは気を失ったように眠っている。

 

 

「くそっ!! こいつらどんだけ湧いてきやがるんだ!! キリがねえ!!!」

 

 

「弱音を吐くなエルフマン!! いつもの漢はどうした!!?」

 

 

「塔へ向かった我が主やみんなが結界の魔水晶(ラクリマ)を破壊してくれるまで、何とか持ち堪えるんだ!!!」

 

 

破壊しても破壊しても次々と沸きあがって来るガジェットの大群に嫌気が差しながらも、9つの塔に突入したメンバーが魔水晶(ラクリマ)を破壊してくれる事を信じて戦い続ける3人。

 

 

「「きゃあっ!!!」」

 

 

「っ…しまった!!」

 

 

すると、突然聞こえてきた悲鳴にすぐさまそちらへと視線を移すと、いつの間にか回り込んできていた十数体のガジェットにウェンディとシャマルが襲われていた。

 

2人は不意打ちに加え、グレイの治療で魔力を大幅に消費しているせいで、ガジェットの大群にも成す術がなかった。

 

 

「ウェンディ!! シャマル!!!」

 

 

「おのれっ!!!」

 

 

それを見たエルフマンとザフィーラは、すぐに2人をフォローする為に走り出す。

 

だがその時……

 

 

「オラァ!! 鉄竜剣!!!!」

 

 

水流斬波(ウォータースライサー)!!!!」

 

 

「フレネンスヒューガ!!!!」

 

 

ドガガガガガガガガッ!!!!

 

 

「「「!!?」」」

 

 

エルフマン達にとっては聞き慣れた声が響くと同時に、鋼鉄の剣と水流の刃がガジェットを斬り裂き、赤く燃えるの火炎弾がガジェットを爆散させた。

 

そしてそれを見たエルフマンとウェンディは、驚いた表情で彼らの名前を叫んだ。

 

 

「ガジル!! ジュビア!!」

 

 

「アギトちゃんにルールーちゃん!!?」

 

 

それはガジルとジュビア、そしてルーテシアとアギト…元ファントム組の4人であった。

 

 

「お前たち……どうしてここに?」

 

 

「ギヒッ」

 

 

「ジュビアたちだけではありません」

 

 

「あっちを見てみろよ」

 

 

「「「?」」」

 

 

リインフォースの問い掛けに対して答えながら、何かを指差すアギト。そして一同がその指差す方角へと視線を向けると、そこには……

 

 

『ガジェットをぶっ潰せーー!!!』

 

 

『ヴィヴィオやミラちゃんを助けるんだ!!!』

 

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)の力を見せてやれーー!!!』

 

 

『『『ウオオオオオオオ!!!!』』』

 

 

マカオやワカバ…アルザックにビスカ…そしてチームシャドウ・ギアといった妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々が、ガジェットを次々と殲滅している光景があった。

 

 

「ウェンディちゃーん!!!」

 

 

「キャロちゃん!!!」

 

 

その光景に呆然としていると、ウェンディのもとにキャロが駆けつける。

 

 

「そっか、キャロちゃんがギルドのみんなを呼んできてくれたんだね!!」

 

 

「うん!! エルザさんに言われた通り、ギルドに帰って説明したら、みんな来てくれたの!」

 

 

ウェンディとキャロがお互いの両手を握りながらそんな会話をしていると……

 

 

「エルフマン、ザフィーラ、リインフォース、ウェンディ、シャマル……よく頑張った」

 

 

「「「マスター!!?」」」

 

 

そこに現れたのは、聖十の紋章が刻まれた衣服を身に纏った妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドマスター……マカロフであった。

 

 

「状況は大体、ミストガンから聞いておる」

 

 

「ミストガンから?」

 

 

「どうやらお主たちの前では、マルスと名乗って変装しておったようじゃがのう」

 

 

敵の拠点の情報を与えてくれた旅の魔導士マルスの正体がミストガンだったと聞いて、エルフマンたちは驚愕する。

 

 

「しかし、ずいぶんと早い到着ですね? マグノリアからここまでは、かなりの距離があるのに……」

 

 

「それはキャロとルーテシアのおかげじゃ」

 

 

リインフォースの問いに答えながら、キャロとルーテシアへと視線を移すマカロフ。

 

 

「召喚魔法を扱う者は、同時に転送魔法の技術にも長けておる。2人の転送魔法のおかげで、近くまで転移する事が出来たのじゃ」

 

 

「キャロちゃんとルールーちゃん、スゴイ!!!」

 

 

「えへへ……」

 

 

「…………」

 

 

ウェンディの賞賛の言葉に、嬉しそうに笑うキャロと、相変わらず無表情のルーテシア。

 

 

魔水晶(ラクリマ)の塔に入った者たちへの連絡は、すでにウォーレンの念話(テレパシー)で取っておる」

 

 

「はやてちゃんや、シグナムとヴィータちゃんは無事なんですか!?」

 

 

「エリオ君とシャルルも!!?」

 

 

「他の連中もだ!!!」

 

 

「安心せい、はやてもシグナムたちも無事じゃ。エリオとスバルは深手を負ったようじゃが、心配はない。すでにカナとマックスが救援に向かっておる」

 

 

マカロフのその言葉に、シャマルとウェンディを初めとした面々がホッと胸を撫で下ろす。

 

 

「じゃが…何故かエルザのフェイトの2人とは連絡が取れんのじゃ。意識がないのか、未だ強敵と戦っておるのかは定かではないが一応、雷神衆を向かわせた」

 

 

そこまで言うとマカロフは、目の前にそびえ立つヴィネアの塔をゆっくりと見上げる。

 

 

「ワシらの家族を賞品扱いにしてゲームとは……スカリエッティめ、やってくれるわい」

 

 

溜息混じりにそう言って目を伏せると……次の瞬間、マカロフは憤怒の表情を浮かべて、今度はギロリと塔を睨みつける。

 

 

 

 

 

「相応の覚悟は出来てんだろうな……小僧……!!!」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ギルドのみんなが……?」

 

 

「あぁ、外にいるガジェットの殲滅や、他の塔に向かった奴等のフォローに当たっている。報告によると、残る魔水晶(ラクリマ)の塔はここだけだそうだ」

 

 

「っ……そう…なんだ」

 

 

フリードの言葉を聞いたフェイトは、罪悪感を露にした表情で俯く。それを見たフリードは、ゆっくりと口を開く。

 

 

「お前が今何を考えているのは大体わかるが、気に病む必要はない」

 

 

「でも……私がアルフを攻撃できてたら……私が甘いせいでみんなに迷惑を…!!」

 

 

「フェイト……お前は優しい、ギルドの誰よりもな。今回はたまたまその優しさが裏目に出ただけだ。誰も迷惑だなんて思っていない」

 

 

「で…でも……」

 

 

「それにだ」

 

 

フリードはそれでも何か言おうとするフェイトを遮り、言葉を続けた。

 

 

「さっきも言ったが、その優しさはお前の魅力だ。誇りこそすれ恥じる事などない」

 

 

「…………」

 

 

それでも尚暗い表情を浮かべるフェイトに、フリードは「それに…」と言って言葉を続ける。

 

 

 

「少なくとも……オレはお前のその優しさに救われた」

 

 

 

「!!?」

 

 

フリードのその言葉に、フェイトはバッと顔を上げて彼の顔を見る。

 

 

「お前の優しさのお陰で、オレは道を踏み外さずに済んだ。お前の優しさは、人の支えになる事ができるんだ」

 

 

「……フリード……!!」

 

 

「無理に変わる必要はない。互いを補い合ってこその仲間だ……」

 

 

そう言ってフェイトを守るように彼女の前に出るフリード。

 

 

「お前に出来ない事は、オレが代わってやる」

 

 

そして目の前にアルフに対して、自身の武器であるレイピアを構えた。

 

その姿を見たフェイトは、両目に涙を溜めて、震える声で彼に言い放った。

 

 

「お願いフリード……私の代わりにアルフを…私の親友を──助けてっ!!!」

 

 

「任せろ」

 

 

それを聞いたフリードは、勢いをつけてアルフに向かって駆け出す。

 

 

それに対してアルフは、向かって来るフリードをギロリと睨むと……

 

 

「邪魔をするなァァア!!! フォトンランサー!!!!」

 

 

先程よりは少ないが、それでも十数個の魔力の球体を自身の周囲に作り出し、その球体から一斉に槍のような魔法弾をフリード目掛けて発射した。

 

 

「ハァァア!!!」

 

 

しかしフリードは走るスピードを緩めず、手にしたレイピアで向かって来る魔法弾を斬り裂きながら前へと進む。

 

そしてそのままアルフの目の前までやって来ると、レイピアをまるで居合いのように構えたまま立ち止まる。同時にフリードの片目が暗黒に染まる。

 

 

「闇の文字(エクリテュール)……」

 

 

そして次の瞬間には……

 

 

 

 

 

「〝斬〟!!!!」

 

 

 

 

 

レイピアを振り切った状態で、アルフの背後に静止していた。

 

 

「か…あっ……?」

 

 

斬られた……アルフはそう感じていた。しかし、いつまで経っても痛みが来ない事に疑問符を浮かべる。

 

 

「安心しろ、お前の体を斬ってはいない。オレが斬ったのは……」

 

 

フリードがそう言うと同時に、アルフが身に着けていたチョーカーに小さな切れ目が入る。そして……

 

 

「お前を縛っていたその首輪だ」

 

 

ビリィッと音を立てて、チョーカーがアルフの首から外れた。

 

 

「あ…あぁ……!!」

 

 

その瞬間、アルフの全身を支配していた紫色の魔力が、まるで憑き物が落ちるように離れていく。そして魔力が完全に離れた瞬間、アルフはドサリと地面に倒れた。

 

 

「アルフ!!!」

 

 

そんなアルフに急いでフェイトが駆け寄る。

 

 

「アルフ!!! アルフ!!!」

 

 

彼女の体を揺すりながら必死に呼びかけるフェイト。すると……

 

 

「うっ…んん……」

 

 

身をよじりながら、アルフはゆっくりと目を覚ました。

 

 

「アルフ!!! 私がわかる!!?」

 

 

「……あっ……フェイ…ト……?」

 

 

「うん!! そうだよ、アルフ!!!」

 

 

「フェイト……フェイト……!!」

 

 

フェイトの名を呼ぶ度に意識がハッキリとしてきたアルフ。

 

 

「っ……フェイトォ!!!!」

 

 

そして完全に意識が覚醒すると同時に、フェイトを力一杯抱き締めた。

 

 

「ゴメンよフェイト……アタシ、フェイトにたくさん酷い事言って……こんなに傷つけて……!!!」

 

 

「ううん、いいんだよ。優しいアルフが戻ってきてくれただけで、私は満足だよ」

 

 

そう言ってフェイトも優しくアルフを抱き締め返すと……

 

 

「う…うわぁぁぁあああん!!!! フェイドォォオオ!!!!」

 

 

アルフはまるでダムが決壊したかのように号泣し、また力一杯フェイトを抱き締めた。そしてフェイトもまた、そんな彼女の背中をポンポンと叩くと、そのまま視線をフリードへと移す。

 

 

「ありがとうフリード……アルフを助けてくれて」

 

 

「オレはただ……彼女を縛っていた首輪を外しただけだ」

 

 

そう言うとフリードは、地面に落ちている破れたチョーカーを拾い上げる。

 

 

「このチョーカーには、強力な洗脳の術式が施されていた。それも、術式使いであるオレですら書き換えるのが困難なほど難解な術式をな。これを施した人物は、よほど腕の立つ魔導士なのだろうな」

 

 

「……それってやっぱり……」

 

 

「プレシアだよ」

 

 

フリードの言葉を聞いて、フェイトが心当たりがある人物の名を口にしようとした瞬間、代わりに泣き止んだアルフがその人物の名を口にした。

 

 

「プレシア・テスタロッサ……そいつがアタシに首輪をつけた奴の名さ」

 

 

「……テスタロッサ……と言う事は……」

 

 

「うん……私の…母さんだよ」

 

 

呟くようにそう言うフェイトの表情は、とても悲しげであった。

 

 

「アンタがアタシの洗脳を解いてくれたんだね。礼を言うよ」

 

 

「気にするな」

 

 

アルフの感謝の言葉に対して短くそう答えると、フリードは2人に背を向けて歩き出した。

 

 

「積もる話もあるだろう、魔水晶(ラクリマ)の破壊はオレに任せておけ。お前は傷の療養も兼ねて、ここで休んでいろ」

 

 

「うん……何から何までありがとう、フリード」

 

 

フェイトのその言葉にフリードは背を向けたまま片手をスッと上げて答えると、魔水晶(ラクリマ)のある部屋へと向かって行った。

 

そしてそんなフリードの背中を見送ると、アルフがニヤニヤと笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

「いい男だねぇ……フェイトの彼氏かい?」

 

 

「えっ!!? ち…ちちち違うよ!!! 私とフリードはそんな関係じゃ……!!!」

 

 

アルフの言葉に対して、フェイトは顔を真っ赤にしながらブンブンと首を横に激しく振りながら否定する。そんなフェイトの態度を見たアルフは、さらに意地の悪い笑みを浮かべる。

 

 

「ふ~ん、なるほど。彼氏じゃないけど気にはなってるんだ。乙女だねぇ、フェイト♪」

 

 

「もう!! アルフ!!!」

 

 

「あはははははっ!!!」

 

 

フェイトを軽くからかった後、心底楽しそうに笑うアルフ。そんなアルフに釣られる様に、フェイトも声を上げて笑った。

 

そしてひとしきり笑った後、2人はお互いの姿を確認するように見つめ合う。

 

 

「……こうやって笑い合うのも、何年ぶりかねぇ?」

 

 

「最後に会ったのは、私が母さんに捨てられる前だから……8年ぶりだね」

 

 

「8年か…長いねぇ。その8年の間に、フェイトは大きくなったじゃないか」

 

 

「アルフだって、8年前は仔犬みたいだったのに、今じゃすごく大人っぽくなったじゃない」

 

 

「よしてくれよ、アタシはまだ17だよ」

 

 

2人が懐かしむようにそんな会話をしていると、ふとフェイトは真剣な表情になってアルフに問い掛ける。

 

 

「ねえアルフ……貴女を操っていたのって……母さんなんだよね?」

 

 

「……そうさ」

 

 

そんなフェイトの問い掛けに対して、アルフは頷きながら答える。

 

 

「フェイトが捨てられたって聞いて、アタシは黙ってられなくてさ。怒りに任せてプレシアの所に殴りこんだんだ。どうしてもあの鬼ババの顔を一発殴ってやりたくてね……でも結果は見ての通りさ。呆気なく捕まったアタシは、あの首輪を付けられて鬼ババの言いなりになった。それからは無限の欲望(アンリミテッドデザイア)の〝番犬〟として動いていたって訳さ……我ながら情けないよ」

 

 

自身の腕に刻まれた無限の欲望(アンリミテッドデザイア)のギルドマークを見つめながら、自己嫌悪するように話すアルフ。

 

 

「フェイトは……いいギルドに出会えたみたいだね。妖精の尻尾(フェアリーテイル)…だっけ?」

 

 

「うん……母さんに捨てられて放浪していた私を、今のマスターが拾ってくれたんだ。ギルドのみんなも、私がプロジェクトFで造られた人間だって知っても、私を1人の人間……フェイト・テスタロッサとして受け入れてくれた」

 

 

「そうかい……暖かくて、優しいギルドなんだねぇ」

 

 

「……うん♪」

 

 

そんな会話をしながら、フェイトとアルフは再び笑い合う。すると……

 

 

──ガシャァァアアン!!!

 

 

「「!!!」」

 

 

通路の向こうから、何かが割れる音が響いてきた。

 

 

「どうやら、さっきの男が魔水晶(ラクリマ)を破壊したみたいだね」

 

 

「うん、フリードはこの塔の魔水晶(ラクリマ)が最後だって言ってた。と言う事は……」

 

 

「ヴィネアの塔の結界が……解除される」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

最後の魔水晶(ラクリマ)が破壊され、ヴィネアの塔の結界が解除された時と同時刻……

 

 

「へへっ……やっとあそこに突入できるな。行くぞハッピー!!!」

 

 

「あいさー!!!」

 

 

 

 

 

「……よしっ、傷の応急手当もしたし、急いで塔に向かわないと。まだこの戦いは終わってないんだから」

 

 

 

 

 

「どうやら結界は解除されたようだな。ヴィータ、私たちは敵の本陣に乗り込むぞ」

 

 

「おうよっ!! さっきはミストガンにおいしいトコを取られたからな、名誉挽回だぜ!!!」

 

 

 

 

 

「ギヒッ……ひと暴れできそうだな」

 

 

 

 

 

「さあ……戦争じゃ」

 

 

 

 

 

それぞれの決意と想いを胸に……解放されたヴィネアの塔にて、戦いはさらに激化の一途を辿る事となる。

 

 

 

 

 

制限時間まで残り……30分。

 

 

 

 

 

つづく

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