ハイスクールD×D 〜機械仕掛けの少女〜   作:礼楽

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とりあえず、きちんと三部構成で終わってほっとしています。w


それと、UA12000&お気に入り150越えありがとうございます!
これからも頑張ります!(卯月感)


それでは、どうぞ!


これが私のスクールデイズ、あるいは事件です。(後編)

第14話

 

 

時間はめぐりて夜、一般人は皆明日のために眠る頃。

しかし、夜は一般から外れた者共にとっては人目を気にせず活動する時間。

 

例えば悪魔。

人との契約を結ぶために夜な夜な密かに活動する者達。

 

例えば犯罪者。

人の目がない夜は彼らにとっては都合の良い時間帯。

法の目を逃れ、己が欲望のために暗躍する。

 

例えば…………

 

 

 

駒王学園。

夜も更けて、月が完全に雲に隠れて出てこない暗闇。

オカルト研究部ことリアス・グレモリー率いる悪魔達が、旧校舎で依頼をこなしている頃、

1人の男が校舎内を歩いていた。

黒のスーツ姿で、メガネを掛けた若い男性だ。

足取りは少々おぼつかず、まるで夢遊病の様に歩いていた。

しかし、進む方向に迷いは無く校舎を抜けてまっすぐと更衣室に向かっていた。

 

そこは件の盗撮騒動の現場の更衣室だ。

 

男は迷うことなく女子更衣室に向かう。

予め作っていたのであろう持ち手が歪んだ鍵を使い、扉をあける。

中に入るとコンクリートで出来た壁に近寄る。

懐から幅広のナイフを取り出すと壁に出来た一見、欠けた穴のような凹みに刃を突き立てる。

そのままナイフを手前に引くと壁の一部が四角く外れ、その中に出来た小さな空間とハンディタイプのビデオカメラが現れた。

 

男は歪んだ笑みを浮かべ、それを取ろうとして。

 

 

 

 

パシャ!

 

 

 

 

「…!?」

 

突然、闇の中に広がる光と音。

男が慌てて振り向くと。

 

「こんばんは、盗撮犯さん。」

 

多少顔は見えにくいがその声から女、しかもまだ若い少女の声だと推測出来る。

その手にはライトのようなものを持っている。

 

ちょうど雲の切れ間なのか月が顔を出し、徐々に窓や扉から月光が照らしていき、その正体を現していく。

 

黒いジーンズに藍色のワイシャツ、手には一般のそれとは大きさが違う妙にゴツいライトと、反対の手にはデジタルカメラ。

そのまま、光が顔まで照らしていき…

 

「いや、ここは()()と呼んだ方がいいですかね?」

「…」

 

縁日で売っているような狐の面を被り、少女高那岐芽衣は面の下で薄ら笑いを浮かべながら男を見つめていた。

 

 

 

〜芽衣side〜

 

さてと、先生も恐らく驚いているようですしここまで張り込んだ甲斐があったよ。

 

 

 

あの後。

と言っても生徒会室を出た後ですが、こっそり校舎に戻り誰が不審者の注意喚起をしていたのか、それと更衣室にカメラの有無を調べに行った先生は誰なのか、その二つを聞いてみたら、なんと両方とも目の前にいる先生でした。

私はあまり関わったことがないので名前は知らないですが確か三年生の物理科担当で日曜大工が趣味なのだとか。

(確か同級生の桐生さんがそう言っていた……と思う。)

 

で、私は木場君達と別れ()()()仕込みを終えた後、もう一度学校に戻り茂みの中で待機して様子を見ていたら先程の先生の一連の動きを見たのでこっそり回って背後からカメラで撮った。

 

というわけです。

 

ちなみにこの格好は、前にレイナーレや夏希達に買わされた大量の衣装群の中から適当に組み合わせた物だ。

 

「そもそもおかしいんですよ。

いくら教師とはいえ女子更衣室の近くに男性である先生が朝の忙しい時間帯にいるのですか?」

 

「なので私はこう思ったんです。

貴方は最初から近くにいて、騒ぎを聞きつけた振りをして堂々と中に入りカメラを隠したと。」

 

「だから改めて更衣室を調べてみたら、不自然な窪みとその奥の空洞を見つけちゃったわけで。」

 

木場君達と調べている時は瞳の色が変わってしまうので使えなかったが、私の目には様々なスコープがある。

それを木場君が部屋から出た時に使って見たら丸見えでした、という事だ。

……あの時木場君に呼ばれてついスコープを切る前に振り向いてしまったが何も言われなかったから恐らくセーフだろう。

 

「…で、そろそろいい加減だんまりは止めてくれませんか。

私、意外と無視されたりするの嫌いなんですよ。

まるで自分だけがその場所に居ないような気持ちになっちゃうんで。」

「………」

 

とは言ってみたものの相変わらず先生は下を向き黙ったまま動かない。

正直私もこの後は警察に引っ張るか、最悪の場合なのだがグレモリー先輩か支取先輩に突き出す、という選択肢がある。

まあ、後者の場合は上手く立ち回らないと私まで疑われてしまうが(不自然的な意味で)

 

「……す」

ヒュオン!

「おうわぁ!?

危なっ!いきなりですか!」

 

そう考えてて油断してしまったのがバレたのかは分からないが、先生は急に手に持ったナイフで切りかかってきた。

私は後ろに跳ぶようにして避ける。

 

「殺すぅ…」

「まさかの超短絡的思考!?

…しまったなぁ、それは予想してないや。」

思わず素になっちゃうくらい驚いたけどまさか、

バレたか、よし殺す。

みたいな事になるとは思わなかったなぁ…

ましてや犯罪者とはいえ仮にも教師、道徳心とかどこいったおい。

 

「ころ、こここ殺すあぁ!」

「とにかくここじゃ狭いかぁ…!」

 

何だか先生が多少おかしな事にはなっているが、このままここで戦うと周りの物を壊しかねないし何よりも私が避け続ける事が出来ない。

そう考えて、更衣室の扉から一気に外に跳び出る。

 

先生も後を追うようにして走ってくるがやはりどこかぎこちない。

私は不審に思って目を切替えて見ると…

胸ポケットの中にとても禍々しい何かが入っているのが見えた。

 

「もしかしなくてもあれが原因かな?

としたら、あれさえ取り除けば!」

 

そうと決まったら、避けるのではなく攻める!

 

振り下ろされるナイフに向かって手をかざすようにして亜空間格納庫(ヘンシェル)(この前名付けた。)から仕込みその1を引っ張り出す!

 

ガヨン!

 

目の前を覆うようにして出てきたそれ、『ライオットシールド(魔改造済み)』によってナイフは簡単に弾かれる。

 

これはこの前アザゼルさんにお願いして正体を隠してる私用に作ってもらった物の一つで、中級堕天使レベルの攻撃なら傷一つ付くことがなく弾き返せる代物だ。

 

それを私とレイナーレが更に悪ノリして改造。

防御力向上に加え…

 

バリバリバリバリッ!!

 

「ぎゃあぁぁぁ!?」

「…スタンガンを内蔵してたりして。」

 

攻撃力もプラスされていたりもします。

ナイフを弾かれ大きく仰け反った身体にシールドを押し付けてスタンガンを起動。

死なないように痺れさせてからポケットの物を抜き取ろうとするが…

 

「ぐっぎぃぃぃぃ!」

「はあっ!?」

 

なんとスタンガンをものともしないかのようにまだナイフを振り下ろしてきた。

慌ててそれを防ぎ距離を取る。

 

先生は目を見開き、口元から泡を吹きながらもこちらを睨んでいる。

だが、今ので確信した。

やはり、あのポケットの物。

あれが先生をおかしくしているんだ。

そうと決まったら後はどうにかして動きを止めてその物を取るしかない。

 

…その手段は実はもうあったりする。

 

「レイナーレ!」

「了解っと!」

 

バサッ!

 

「!?」

「捕獲、」

「完了♪」

 

実は私だけでなくレイナーレも一緒に隠れていて隙を見計らって援護をしてくれるように頼んでおいたのだ。

レイナーレには予め用意しておいた『対アザゼルさん専用捕獲網』を渡していて良かったよ。

 

「さてと…………これか。」

「なによ、それ。

人型の……木?」

 

レイナーレが網の上から取り押さえてる間にポケットの中から問題の物を取り出す。

それは、小さな人の型に切り取った木片だった。

ただ、手に取ってみると凄まじい怨念というか、負の感情というかそのような物が伝わって来るのだ。

耐性がない一般人が触れると、簡単に飲み込まれてしまい犯罪意識を助長させてしまう、そういった類の呪いを受けているのだろう。

まあ、もっとも私には今大量のアンチマジックやら魔力を抑え誤魔化す道具やらでガチガチに固めている状態だ。

その中の一つに呪いの無効化とかも含まれているので呪いは効かないのだ。

 

「出処とかはまだ分からないけども…とりあえずこれは。」

 

バキンッ!

 

「…処分しないとね。」

手の中で握りつぶすと、禍々しい魔力は空中へと散るように溶けていき、それに連動するかのようにして先生は気絶した。

とりあえずはこれで一見落着と。

 

「芽衣、早く逃げないとグレモリーに気付かれるわよ」

「そ〜だね、じゃあ先生はこの前に縛って放置という事で。」

 

 

 

 

 

その後の話をしよう。

微量な魔力に気が付いたグレモリー眷属が現場に付いた時には縄で縛られた教師とその側にはナイフとカメラが置いてあった。

 

翌日、警察に突き出された教師は容疑を否定したが、自宅から盗撮した画像や動画が押収された。

それも少なくとも10年分はある事から常習犯として現在調べを受けているのだろう。

結局、あの呪いがあろうと無かろうとやっていた事に変わりは無かったのだ。

 

 

兵藤君、元浜君、松田君達3人は晴れて無罪となったが、今までの行いを悔いることなく、むしろ堂々とその…変態活動?を行うようになってきた。

そのうち彼らは悪い意味でこの学校で知らない人は居ない有名人になってしまうだろう。

 

 

支取先輩に聞いたのだがグレモリー先輩は今回の件で誰が先生を捕まえたのかが気になっているようで、あちらこちら調べているのだとか。

よほど自分たちの領地(学校)での出来事に気付かないばかりか、いつの間にか犯人を捕まえて後処理だけを押し付けられたのが気に食わないのだろう。

 

それで私はというと…

 

「…木場君、なんか最近疲れてない?」

「い、いや。

大丈夫だよ…」(どんより)

 

あの騒動から一週間。

グレモリー先輩はまだ諦めていないのか、街の中などを探させたりしている。

そうなると、疲労は溜まっていくわけで。

木場君は一見いつもと変わらないように見えるが、目の下に隈が出来ていたり。若干だけど体幹やらがズレていたりとかなり疲れている様子だ。

 

一昨日くらいにも塔城さんを見かけたけど彼女も疲れている様だった。

 

……よし。

「木場君、唐突だけどクレープ食べに行かない?

塔城さんも誘って。」ガシッ!

「こ、高那岐さん?

僕らには部活があってね?」

「あ、答えは聞いてないから。

さぁ、行こうか!」

「まっ、待って!

せめて走る速度を落としてぇ!?」

 

その夜、人探しをする彼らの前に狐面の少女が現れたかどうかは、また別のお話。




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