それではどうぞ!
それは始まりの日常
第16話
月日というものはすぐに流れていき、気がつけば春
それも新年度の4月です。
そしてこの町に来てはや一年が過ぎました。
休み終わりの9月には何故か日焼けしていた松田君と元浜君。
聞けば夏の間、海でナンパ三昧をしていたそうな。
まぁ、結果は聞かないでおきましょう。
どこか達観したような表情をしてますし、来年こそはと言っている時点で分かるようなものですが。
兵藤君は長崎まで家族と旅行に行っていて、お土産にオススメのチーズケーキを貰いました。
兵藤君、実は野生児っぽい見た目には似合わずチーズケーキが好物で長崎ではチーズケーキを食べ歩きしていたらしいです。
……それと、久しぶりに家族で旅行に行けて楽しかったって、とても幸せそうな表情で言っていたので仲のいい家族なんだろうなとちょっと羨ましかったです。
木場君については…また疲れた顔をしていたのであまり触れませんでしたが、【
恐らく、そういったパーティーやらどうせ特訓とかやらしていたのでしょうから。
また、どこかへ誘いましょうか。
前はクレープでしたし、あの時食べたラーメンが予想より美味しかったのでそこにしましょうか。
レイナーレに関しては、帰って来てお土産を渡すとそのまま体力トレーニングと称してどこかへ出掛けることが多くなりました。
……それと、体重計の前で唸ることも多くなりました。
私は何も知らない振りをしてご飯の当番の時に野菜中心のメニューをしばらくの間、出してあげました。
その後、体育祭や文化祭。
一部の人には地獄の期末テストなどなど、様々なイベントやハプニングなどが起こりましたがそれはおいおい語っていくとしましょう。
……それよりも目の前の問題を何とかしないと。
「…すいませんが今、なんて言ったかもう一回言ってくれませんか?」
「だから、お前の左腕を修理も兼ねてスペアを作るからこっちの義手と付け替えろって言ったんだよ。」
目の前にはアザゼルさん、その手には精巧に作られたであろう、一見すると何の変哲もない左腕。
神の子を見張る者本部の総督執務室、実態はアザゼルさんの物置状態となっている所で私は机を挟んでアザゼルさんと対面している。
先日、つい色々とやらかした挙句に左腕を多少損傷してしまい治してもらおうとここまで来たのだが、開口一番に腕を取れと言われ、現在に至るのだ。
別に左腕を付け替えるのはいい。
更にあのガトリングに手を加えるのもまだ許そう。
だけどそのスペアって………
「なんだよ、そんなにロケットパンチが嫌か?」
「ぶっちゃけると嫌ですね。」
ロケットパンチ機構が搭載されてたりするのだ。
「そもそも命中と同時に爆発し敵を粉砕するってどう考えてもこの腕、火薬が仕込んでありますよね!?」
「ばっか、お前火薬だけだと威力出ないだろが。
そこはちゃんとニトロとナパームをだな…」
「より凶悪なものまで積んでる!?
ともかく、そんな超危険物を腕にするとか有り得ませんよ!」
神の子を見張る者謹製の腕で根本から外れて、自動でロックオンしながら目標に到達。
その後敵を爆発により粉砕……手元に何故か置いてあった資料にはそう書いてあったが、考えたの誰だおい。
「まぁまぁ、落ち着けって。
それはいわゆるジョークってやつだからよ。」
「…の割には実物を作ってるあたり、反論が無かったらそのまま付ける気でしたね?」
「………」
おい、こっち向きなさい総督。
その後、新しく作ったという仮の腕を付ける。
これは、何も追加装備がない本当に普通の腕でもちろんロケットパンチ機構などはない。
ただ、表面の皮膚だけはどうしようも無かったので特殊な塗料によって肌色に着色した。
これを、二〜三ヶ月このままにしないといけないのでバレないようにしないと…
現在は学校の放課後。
今日も特にする事もなく、木場君も部活へ行ってしまったので後は帰るだけです。
…こういう時に、私も何かしなくちゃなぁとは思うのですが何も思いつかないのが現状。
部活も、体育系は私のこの身体のせいで何やってもチート級の結果になってしまうので。
この前なんて弓道部に体験に行った時、射撃用のレティクルがどうしても作動するので仕方なく撃ったらド真ん中三連というミラクルやっちゃって弓道部部長が泣き崩れるという所業をやってしまいました。
逆に文化系ですがデザインや文芸部は……その、奇人変人がいるというか。
少なくとも私は掛け算は好きではないので遠慮しました。
…と、あれに見えるは兵藤君?
ちょうどいいです。
何時も暇していそうなのでどっか遊びにでも……………ん?
「……神様神様。
私の見間違えでなければ兵藤君が女の子から話しかけられているように見えるのですが。」
《声に出して呼ぶと変人みたいに見られますよ…?
そして、ホントですねぇ。》
「……しかも、断続的に聞こえる会話から推測するにあれって告られてますよね。」
《……そうですね。》
「とりあえず、松田君と元浜君に写メしたいので行きますか。」
《え?ちょっ!?》
遠くから見ても分かるが兵藤君が女の子、多分同い年くらいの女の子に話しかけられている。
それも兵藤君が顔赤くしてニヤけてるのと、聞こえる会話から想像するに完全に告られてる。
とりあえず、あえて空気を読まずに近づいて冷やかし……もとい、祝福しないといけないですね。
………その後、あの2人にばらしますが。
「あれ兵藤君、こんな所で何をしてるんですかー?(棒)」
「…なんだよその無駄に棒読みな挨拶。
それよりも聞いてくれよ!とうとう俺にも春が来たんだよ!」
「ほう、それはおめでとうございます。
それでこの方ですか?」
「ああ!ええっと……」
「初めまして、柏原優子と言います。
貴女は…?」
「私は高那岐芽衣と申します。
兵藤君とは友人ですよ。」
近くに来て兵藤君を多少からかいつつも、女の子の方を見る。
珍しい銀髪の聡明そうな女の子だ。
「それで、兵藤君のどこか気に入ったのでしょうか?
ぶっちゃけ野生児っぽい見た目ですよ?」
「うっせ!見た目のことは言うな!」
「どこかって言われても……一目惚れとしか。」
「一目惚れねぇ…」
……なんだろうな、どうにも違和感がある。
一応、近くに来た時一瞬目を変えて見たけど悪魔や堕天使といった種族ではなく、普通の人間なのだが。
「ま、兵藤君?
とりあえず並んで並んで。」
「お、おう?
…ここでいいか?」
「はい、良いですよー。
それっ。」パシャ
とりあえず兵藤君を柏原さんと並べてから写メで撮る。
それをすかさず、松田君元浜君両名に送ったあと、兵藤君に見せる。
「お、ありがとう!
後で俺にも送ってくれよ。」
「良いですよ。柏原さんは兵藤君から貰って下さいね?」
「はい、ありがとうございます。」
この後、兵藤君達とは結局別れ、1人で家に帰った。
しかしまあ、兵藤君に彼女か。
正直、彼に出来るかどうか不安だったけど出来たのなら応援するのも友達としての役目だね。
だからこそ私は、いや私達は気が付かなかった。
もうとっくに歯車は周り出していた事に。
そしてその歯車は私という存在によって歪み、本来とは違う方向に動き出していたことを。
物語の幕は降りていた。
ここより始まるは長い長い道のり。
どうか、最後までご覧下さい。
ハイスクールDxD〜機械仕掛けの少女〜
原作開始。
戦い前の戦力ダウンは基本。
そしてイッセーに近づく女の子……
次回もよろしくお願いいたします!