一部の内容は、堕天の狗神-SLASHDØG-の内容を使っております。
分からない方にも、分かるように頑張りますが、
その点はどうかご了承ください。
また、一部の表現はオリジナル、又は別の部分から引っ張って来たりしてますので多少の矛盾はあるかもしれません。
随時直して行きますのでご了承ください。
第18話
「……グレモリー先輩?」
「芽衣…話はあとよ。
それよりも先にする事があるから。」
突然現れたグレモリー先輩はそう言うと、兵藤君のすぐそばに立つ。
そして手をかざすと出てきたのはチェスの駒、【
まさか…
「兵藤君を眷属に…?」
「ええ、彼次第だけどね。
彼にもどうやら神器があるみたいだし。」
…………え?
兵藤君にも神器あったんですか!?
全く気が付かなかった………
そういえば、兵藤君の事をビジョンを使って見たことは無かったなぁ……
「ねえ、生きていたい?」
「………」
「ふふっ、いい子ね。
なら、私の眷属になりなさい。」
「我、リアス・グレモリーの名において命ず。
汝、兵藤一成よ。我が『兵士』として、新たな生に歓喜せよ!」
グレモリー先輩が紅い魔力を纏い、詠唱する。
そのまま兵藤君に兵士の駒を…………ん?
「…あ、あら?」
グレモリー先輩も戸惑っている。
なぜなら…
兵藤君に入っていくはずだった駒が、弾かれていたのだ。
私は悪魔が眷属を作る所を見たことがないのでどういう状態なのかは全く分からない。
「どうやら、一つじゃ足りないみたいね。」
そう言うと今度は二つで…………あ、また弾かれた。
「…次!三つ!」
弾かれる。
「…よ、四つ!」
弾かれる。
「………あぁぁ!?もう!
こうなったらやけよ!全部!」
流石のグレモリー先輩もしびれを切らして…もとい、イライラして駒を八個全部兵藤君に使った。
そしてようやく兵藤君の中に入っていき、傷口が塞がれていく。
私の目で見てもちゃんと、駒は兵藤君の体内で固定されている。
「……とんでもないわね、八個すべてを使ってやっと眷属に出来た。
つまり、この子はそれだけのポテンシャルを秘めているってことよ。」
グレモリー先輩はこちらを見ながらそう言った。
恐らくは私が駒の価値を知らないのを察して説明してくれたのだろう。
…でだ。
「…先輩、どうしてここに?」
「私はただ召喚されたからここにいるだけよ。
どうやら彼が召喚したみたいね。」
グレモリー先輩は兵藤君の上着のポケットからチラシの様なものを取り出すとこちらに見せてくる。
それはどうやら召喚陣の書かれたチラシの様で一部が彼の血で汚れている。
「それで。
今度は私から質問。
……芽衣、あなた何者?」
そう問いかけるグレモリー先輩の目は鋭く、嘘を言ったら比喩なしに殺されそうな雰囲気を醸し出している。
「……何者、ですか。
神器に目覚め、とある争いに巻き込まれたことのある少女。
としか言いようが無いですね。」
本当の事を混ぜつつ誤魔化す。
それが一番バレにくい嘘だ。
そう、前にアザゼルさんが言っていたのを思い出し、当初のカバーストーリーと混ぜつつ話す。
「……私は今まであなたが神器を持っていることにも気が付かなかった。
それについてはどう思う?」
「…その事ですが、明日話しませんか?
その時にすべて話しますから。」
「あら、何か今は喋れない事でも?」
「……いや、兵藤君どうするんですか」
「……………あ」
そう、あれから兵藤君はうつ伏せになったままだ。
それに、血塗れになった制服の事もある。
そのままにしておくわけにはいかないので、とりあえず担ごうとする。
「…まって、その子の事なら私がするわ。」
「え?
でも、先輩兵藤君と面識は……」
「そこは何とかするわよ。
それより、明日使いを出すからちゃんと放課後来るのよ。」
そう言うとグレモリー先輩は兵藤君を連れて召喚陣で何処かへ行ってしまった。
………ほんとに今日は色々と起きすぎた。
周りに誰もいないことを確認すると、その場に座り込む。
正直、兵藤君を助けられなかったのも、柏原優子を逃がしてしまったのも私のミスだ。
あの時、この身体の事がバレるのを恐れずにスラスターを起動していたら。
兵藤君を、連れて逃げていたら。
そんな
それほどまでに守れなかったことに後悔と罪悪感が積み重なっていく。
先程まではグレモリー先輩がいたので表には出さないようにしていたけども、今更になってそれが重く伸し掛かる。
私は……
「…高那岐さん。」
「……え」
突然、私を呼ぶ声に顔を上げるとすぐ目の前に木場君がいた。
「…何でいるんですか。」
「部長がね、
「芽衣の事を見ていて。
あの子は多分自分を責めてるから。」って。」
「……流石悪魔、人の心の機敏に気が付くとは。」
恐らく、戻ってからすぐに木場君をよこしたのだろう。
全く…私もまだまだって事か。
「…やっぱり僕が悪魔だって知ってたんだ。」
「ええ、あとは塔城さんと姫島先輩もですよね。」
「………僕の事、なんとも思わないの?」
「木場君、それを言ったら私もあなた達に隠し事をしてました。
それなら私の事を信用するのは……」
「…僕は高那岐さんの事を今更とやかく言わないよ?
そもそも…僕達、友達じゃないか。」
そう言って手を差し出してくる。
……なるほど、木場君はそうやって天然で女子を落とすのか。
どうやら、こんな事を考えられるくらいには気を持ち直したらしい。
グレモリー先輩には感謝を一応しとこう。
私は木場君の手を取り立ち上がる。
「…木場君、今まで騙していましたが私も神器使いなんです。」
「…うん。」
「詳しい事は明日、ちゃんと話します。
ですので、明日まで待ってもらってもいいですか?」
「…分かった。」
木場君は私が神器使いだという事を教えると驚きはしたものの、明日話すという事は納得してくれたようだ。
……こんなふうに信じてくれる人を私はまた騙すのか。
「とりあえず、今日は家まで送っていくよ。」
「…でも、いいんですか?」
「それが友達としての使命、でしょ?」
そう言って笑う木場君。
……なるほど、前の仕返しという訳ですか。
どうせなので歩きながら、木場君の悪魔家業について聞いてみた。
最近は、仕事で疲れたOLに召喚されて夜食を作ったり、ご婦人のチェスの相手になったり、果てには女子中学生の家庭教師をしているらしい。
……何故女性の依頼ばかりなのかはあえて聞かなかった。
その代わりジト目で見たら、笑いながら冷や汗を流していたが。
そしていつの間にか家の前まで着いていた。
「…木場君、ありがとう。
ここまで送ってくれて。」
「…うん、どういたしまして。」
「じゃあ、また明日学校で。」
「また明日。」
木場君はそう言って、召喚陣を展開して。
ブブー!
「「え?」」
何故かブザー音と共に、召喚陣が消えてしまった。
「ち、ちょっと待って。」
木場君は慌てて携帯を取り出して電話をかける。
相手は多分グレモリー先輩なのだろう。
「…もしもし、部長。
はい、僕です。
魔法陣が何故か使えないんですが…………えっ!?
ち、ちょっと待って下さい!
それはそれで問題が!ってちょ!?」
どうやら話が終わったみたいだけど木場君の顔が盛大に引きつっている。
どうかしたのだろうか?
「…木場君?」
「……部長がね、今晩は高那岐さんの近くにいろって。
それも、泊まりがけで。」
「…………………はぁ!?」
え、ちょと待て泊まりがけでってことは何、木場君がうちに泊まるの!?
今日は、レイナーレもみんなもいないからバレないし都合がいいけどって何言ってんだ私!?
…ん?
じゃあ木場君と2人きり!?
それはそれで大問題だよ!
私も慌てて携帯を出してグレモリー先輩に電話する。
「はい、グレモ…」
「何考えてんですか貴方は!?」
「あら、その声は芽衣ね?」
「ええそうですよってか、木場君泊めろってどういう事ですか!?」
「あら、これは半分はあなたのためでもあるのよ?」
は?
半分私のためってどういう事だ?
「……説明を要求します。」
「そうね、一つ目は貴女の監視。
今まで正体を隠していたのだからこれくらいはしないとね、あと逃走防止。
」
それは理解は出来る。
自分の眷属と仲が良かったただの一般人だと思ってた人は、実は神器使いで、それも自分達の探査には引っかからず今の今まで分からなかったのだ。
無論、警戒はする。
「二つ目に貴女のケア。」
「…私の?」
「そう。
あの時、芽衣は気づいてなかったけど貴女の顔はとても自分を責めてますって顔してたわよ。
それこそ、放って置いたら自責の念で潰れてしまいそうなくらい。」
…やっぱり顔に出てたか。
こればかりは直さないとなぁ…
「そして、最後に貴女の護衛よ。」
「…え?」
これは予想外だった。
でもなんで私に護衛…?
「分からないって声の感じね。
簡単よ。
友達を大事にしてるのは知ってるから、貴女が兵藤君を殺そうとするはずがない。
となると、別の誰かがやった。
ならそれから大事な後輩を護ろうとするのは先輩としての努めよ。」
どう?っと、自信たっぷりに言っているが私は正直呆れそうになってた。
どう考えても、怪しい私のために大事な眷属に護衛させるとか。
はっきり言って人が良すぎる。
悪魔だけど。
「さて、いいかしら?
そろそろ寝るから。」
「あ、はい。
あと、兵藤君はどうなりましたか?」
「ああ、彼なら大丈夫よ。
今もこうして
「なるほど…………………ん?」
まて、グレモリー先輩は今なんて言った?
隣だって?
「…先輩、どこにいるんですか?」
「どこって、
「なんで兵藤君の家にいるんですか!?
ってか、寝るってことは泊まる気ですか!?」
「貴女と同じ理由よ?
それと、ちゃんと駒が定着してるかどうか本人が起きないと分からないしね?」
「だ、だ、だからって!?」
「それじゃあねー。」
ブツっ
それだけ言い残すとグレモリー先輩は電話を切ってしまった。
そして問題は解決して無くて……
「……とりあえず、上がって。」
「…えっと、お世話になります?」
結局、一つ屋根の下、木場君と2人きりで一夜を過ごすはめになった。
…明日覚えてろ、グレモリー先輩。
そんでもって強く生きろ兵藤君。
目が覚めたら恐らく隣に二大お姉様のひとり、グレモリー先輩が寝ているのを見てどうなるか。
そう思い、無事を祈るのであった。
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