やっと二巻というべきか、まだ二巻というべきか迷いますがww
二巻、戦闘校舎のフェニックス編始まります!
日常考察、あるいは賑やかな朝
第28話
高那岐家…もとい、グリゴリ駒王町支部の朝は早い。
午前6時、洗面所にて。
洗面台で顔を洗っていた少女がいる。
長い黒髪を後ろでひとまとめにして、現在は歯を磨く少女、レイナーレは眠そうな顔をしながらも手際よく身だしなみを整えていく。
ちょうど彼女が仕度を終わる頃に、また、1人の少女が扉を開けてふらふらと入ってくる。
深紅の髪があちこちに跳ね上がり、目の下に隈を付けた少女、書類上この家の主にして、支部長の高那岐芽衣だ。
レイナーレと変わるようにして洗面台の前に立つと、蛇口から勢いよく水を出し、その中に頭ごと突っ込む。
そして栓を締めて水を貯めるとその中にも顔を突っ込む。
数分後、水から顔を出し、レイナーレからタオルをなげてもらい、拭き終わると、気だるそうに開いていた目はぱっちりと開き、跳ねまくっていた髪もちゃんと整い、隈も幾分かは薄まったいつもの状態になる。
2人揃って台所まで行くと、味噌のいい香りが漂ってくる。
エプロンを付けてネギを切っているのはカラワーナ。
その隣で卵焼きを焼いているのはドーナシークだ。
やってきた2人は居間に皿を並べたり、お茶を入れるなどして配膳を手伝う。
そのうち、朝食の用意が出来るとレイナーレは庭へと向かう。
庭に着くと白髪の少年が剣を振るっていた。
レイナーレはその少年ーーフリードに声をかけるとタオルを渡し、二人並んで居間へと向かう。
レイナーレがフリードを呼びに行っている一方、芽衣はまだ起きていない堕天使、ミッテルトを起こしに行っていた。
部屋に入ると、ファンシーなぬいぐるみやクッションの間にミッテルトが埋まっているのを見つけて、ため息をつく。
そのまま近づくと脇に手を通し、まるで猫を抱えるように居間へと引っ張っていく。
その間、ミッテルトは幸せそうにヨダレを垂らしたまま寝ていた。
全員が揃い(ミッテルトも朝食の匂いにつられたのか目が覚めて)皆で朝食を食べる。
献立は
白米
メザシ
キュウリの浅漬け
納豆(芽衣を除く女性陣以外)
卵焼き
ソーセージ(カラワーナこだわりの自作)
味噌汁
となっている。
食事は主にカラワーナが作り、暇な時にドーナシークかレイナーレが手伝う事になっている。
というのも、このメンバーの中で一番料理が旨いのはカラワーナで彼女自身、料理に対しては趣味の範疇を超えたこだわりがある。
そのこだわりは今出ているソーセージも元々は市販の物では納得しなかった彼女が、わざわざ機械を買ってまで自作している。
そのため、実質食事情の全権はカラワーナが取り仕切っているのだ。
……だが、卵焼きだけはどうしてもドーナシークには勝てないらしい。
朝食を食べ終わると芽衣は、部屋へと戻り着替える。
薄い紺色のジャージを着ると、スポーツドリンクの入った水筒を持って外へ出る。
素振りを再開したフリードと、一緒になって木槍を振っているレイナーレに見送られて敷地の外に出ると、ランニングを始める。
途中すれ違う人に挨拶をして、進んでいくと先を走る知り合いが三人、見えてくる。
へろへろになりながらも走る兵藤一誠と、まだまだ余裕の表情で走るリアス・グレモリー、そしてもはや息絶え絶えの状態で走るアーシア・アルジェント。
3人の後ろにつくと、まずアーシアを脇に抱えるように持ち上げる。
そのまま走らせると、倒れる危険性があるためだ。
元々アーシアは運動が得意な人ではないが、一誠とリアスが朝にトレーニングをする事を知り、自分も参加したいと言ったのだ。
だが、流石に転生悪魔になったとはいえ元々の運動音痴がすぐに治るわけではない。
体力も二人に比べて少ないし、何よりも一誠用のスパルタメニューを受ける事でその体力もすぐになくなってしまう。
そこで、芽衣がアーシアをサポートする形でそのトレーニングに参加をした訳だ。
「おはよー、アーシア。」
「はぁ……はひ……おはよ…う………はぁ…ござい…ま……ひゅぅ…」
「あら、芽衣。おはよう。」
「……高那岐……ふぅ…おはよう…」
「おはようございます部長、イッセー。ほら、イッセー頑張る!」
三者三様の挨拶をし、そのまま最終目的地の公園へと向かう。
〜芽衣side〜
公園につくと早速部長がイッセーに筋トレをさせてる。
私はそれをアーシアと2人で眺める。
流石に部長もこのメニューをアーシアにさせるわけには行かないので、今は二人で見学という訳だ。
…しかしまぁ、人を乗せて腕立て伏せとか傍から見たら拷問以外のなにものでもないなこれ。
「アーシアどう?体力とか付いた?」
体力とか付いた?」
「えぇと、前に比べたら多少ついたような…」
そう言いながら持ってきたスポーツドリンクを、コップに入れてアーシアに渡す。
……しかし、神器は思いの力に答える、ねぇ…
部長とイッセーの会話を聞きながら思う。
だったら私の神器はなぜ答えてくれないのか。
幻想機神。
神様が名付けたこの神器は、どんなものかすら分からない言わば置物同然。
そもそも、なぜ神様はこの神器について教えてくれないのか。
色々聴いたりしてもはぐらかされるし、答えてくれない。
ホントにこの力が、役に立……
「…衣、芽衣!」
「…?あっ、はい。」
部長の声で我に返ると、どうやらトレーニングが終わっていたらしくイッセーが精根尽き果ててぶっ倒れていて、それをアーシアが介抱している。
…何させたらああなるんだろうか。
「芽衣、最後の仕上げにイッセーと組手をしてほしいの。」
「「え?」」
「軽くでいいわ、お願いできるかしら?」
「…私、前に争いごとは嫌いだって言いませんでしたっけ。」
「部長ぉ〜、俺結構限界なんですけど…」
「イッセー、芽衣に勝ったらすてきなご褒美あげるわよ?」
「よっしゃ、かかってこいやぁ!!」
「単純だなおい!?」
先程までグッタリとしていた人物とは思えないほど、やる気に満ち溢れてるよこの
部長に抗議の目線を向けるけども知らん顔してアーシアを連れて離れてしまった。
…おのれ部長、覚えとけよ。
「…イッセー、できるだけ怪我しないようにはするけども保証はしないよ?」
「おう!
バッチリ大丈夫だぜ!」
さあ来い!とイッセーが構えるけども、正直隙だらけだ。
「…とりあえずイッセーから来てもいいよ。最初は私は捌くだけにするから。」
「…いっくぜぇ!」
うぉぉぉぉ!と叫びながら右のストレートを放ってくる、が遅い上にいわゆるテレフォンパンチ(大振りかつ、1度手を後ろに引いて放つパンチ)のため、右足を後ろにずらすだけでよけれる。
…瞬間、イッセーが笑い、伸びきった右腕を横薙に払う。
だが、私は足をずらした時の流れに乗りそのまま仰け反る。
そのままイッセーの額にデコピンを打つと、バックステップで距離を開ける。
「…イッセー、その殴り方だけだと凄い避けやすいよ。
それに、伸びきった右腕で薙いでもそこまで威力は無いし、何よりも速さが足りないよ。
…あと、私が仰け反ったとき、胸見てたでしょ。」
「げっ!?なんでバレたんだ!?」
なんでバレたんだ!?」
「…女の子ってね、視線とかに敏感なんだよ。
それと鼻の下が伸びてた。」
ジト目でそう言うも、絶対この男は反省はする事が無いと思う。
「ほら、続き続き。」
「…高那岐ってさ、なんだかんだで手伝ったりしてくれるよな。」
「…1度引き受けちゃった事だしね。途中で投げるようなことはしないよ………多分。」
その後、イッセーが何度やっても一発も当たらず時間になってしまったのでぐぬぬって表情になってた。
こればかりはこのチート臭い私の反応速度と、目が相手だから仕方が無いんだけどなぁ…
「ただいまー。」
「あー、おかえりッス。」
「あれ、ミッテルトだけ?」
「えーと、レイナーレはフリードと稽古からのガチ仕合、カラワーナとドーナシークは本部へ行ったッスよ。」
「ガチ仕合って…。……また喧嘩?」
……また喧嘩?」
「……今回はプリンッスよ。」
「…どうりで、道場から光とか瞬いてるわけだ。」
あの2人はホントにくだらん事で突然喧嘩したりする…
でもほおっておくといつの間にか仲直りしてる。
ほんと付き合っちまえよ。
「…芽衣、何か怖いオーラが出てるッスよ。」
おっと、いけないいけない。
「そんじゃ、ウチがそろそろ止めて来ますよ。レイナーレもこの後予定があるっていってたし。」
そう言いながら、とてとて道場に向かうミッテルト。
…数分後、爆音ともに地鳴りが起き、目を回して伸びているレイナーレとフリードをミッテルトが引きずってきた。
「…何したの?」
「何時もの通りにやっただけッスよ。」
そう言って部屋の隅にボトッ、と二人を落とすのを眺めつつ、お茶をすする。
これが、この支部の日常だ。
「……あ、そーいえば。言うの忘れてましたけど、時間結構やばいッスよ?」
「な!?早く言ってよ!?」
………日常である。
ちなみに、地味にアーシアの強化をこれからもして行きます。
目指せ、不沈薬局系ヒロイン!(違う)
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