もう一層の事、ルビ振るのやめようかな…
第32話
午後十時。
集合時間までまだ余裕がある中、最後の準備をしていた。
既に武器、重火器類は入れてあるので着替えるだけだ。
クローゼットを開けて制服に着替える。
そしてその上からミリタリーベストを羽織り、ホルスターや多目的ポーチ付きベルトを身につける。
部屋の中だというのにアーミーブーツを履き、手榴弾やハンドガン、ナイフといった武装を装備していく。
最後に足元に置いていたバッグ持ちとロケットランチャーを担ぐ。
デェェェェェェェェェェン!!!
「よし、完璧…「じゃないわよ!」ブッ!?…痛いんだけど」
「なんでコマ〇ドーごっこなんてしてんのよ!?
ほんっと緊張感欠けてるわね!」
「今に始まったことじゃないッスよそれ」
「…芽衣、その格好で歩くと通報されてしまうぞ」
「ドーナシークも言うところそこぉ!?」
うがー!と吠えるレイナーレを尻目に渋々ベストやホルスターを空間内に収めていく。
…まだ顔にペイントしてないだけましだと思ったけども。
「…それで?
修行のせいかとやらは出たのかしら?」
「うーん、みんなと言うよりイッセーは何かを掴めたみたいだね。
ほかのみんなも大体の連携とかは出来てたと思うよ」
「ふふっ、違うわよ」
カラワーナに言われてちゃんとしたみんなの評価をしようとしたら突然笑われてしまった。
「貴女のことよ芽衣。
貴女は何か変わったのかしら?」
「あぁ、そういう事?
いや…私はそもそも修行出来ない環境だったんだよ?」
主に魔力とか、強化とか、変形とか。
「…芽衣!
あれだけのものを用意したんだから絶対勝ちなさいよ!」
と、吠えていたレイナーレが復活してきた。
しかし絶対ときたか……
「全く…レイナーレ。
私を誰だと思ってるの?」
「アッパーテンション女」
「火力バカ」
「トリガーハッピー」
「加減知らずの殲滅機」
「歩く武器庫」
《パワーインフレ系女子》
「よっしゃお前ら全員表へ出ろや!」
上からレイナーレ、ミッテルト、ドーナシーク、カラワーナ、フリード、そんでもって神様の順。
揃いも揃ってコイツらぁ……!
「冗談よ。
グリゴリの双極の片割れですもんねー」
「うっ…。
その名前は恥ずかしい…」
ちなみにグリゴリの双極とは、アザゼルさんが考えたあだ名で私とヴァーリの事だ。
「…と・に・か・く!
私は勝って帰ってくるから!」
「おう、頑張って逝ってこい」
「ねぇ、フリード?
今、字が違わなかったかな?」
午後十時半。
オカルト研究部に着くと既に全員が揃っていた。
…てか
「やっぱりみんな制服なんだね。
…アーシアはシスター服か」
「まあね、やっぱりみんな学生だから」
木場君もやる気満々のようで。
あ、そうだ。
アーシアで思い出した。
「アーシア、これ使って」
「め、芽衣さん。
これは………」
「アーシアも、自分の身を守るものはいるかと思って持ってきたんだ」
そう言ってアーシアに渡したのは何時ぞやのライオットシールド魔改造版ver3だ。
具体的にどこが変わったのかと言うと…
「あのぉ…私の目が可笑しくなければ、これ変な突起物が付いてません?
あととてつもなく重いんですが…」
「お、よく分かったね。
それ持ち手にトリガーが付いててね、それを引くと内蔵されたバッテリーを爆発させて雷が撃てるようになったんだ」
「……電気の弾じゃなくて雷?」
「そ、まあ一発限りのビックリドッキリ機能なんだけどさ、威力は姫島先輩お墨付きだから安心してね♪」
「…一発だけとは言え、私の本気の一撃に迫る威力だったのは納得がいきませんが」
「あ、朱乃の本気に迫るって…」
「…まあ、それやったら盾自体が熱で溶けちゃうので元も子もないですが」
ほんと、なんでこんな機能つけたんだろうか│アザゼルさんは《・・・・・・・》。
「あとはハンドガンと…いや、ナイフや手榴弾……うーん、アーシア。
ライフル撃ったことある?」
「ラ、ライフル!?
…い、いえ!元は神に使える者でしたのでそのような物には触れたことすら…」
「あれ?そうなの?
…昔パリで会ったシスターさんはサブマシンガンを撃ってたけどなぁ…」
「いや、アーシアがそんなもの使ってたら逆に驚きだよ!?
それにいざとなったら俺が絶対守ってみせるから!」
「イッセーさん……」
「…木場君ー。
ぶん殴れるような壁あるかなー?」
「落ち着くんだ高那岐さん。
目が濁っている上に腕が震えているよ」
「…何でしょうか、私も無性にイッセー先輩を殴りたくなってきました」
「あなた達…そういうのは試合が終わってからにしなさい」
「…リアス、突っ込むのが面倒だからってそれはどうなのかと思うけれど」
その後部長が建てた作戦の説明を受けたり、部長の兄が現魔王であることをイッセーが知ったり、急に部長…リアス先輩と姫島先輩…朱乃さんが名前で呼べだの言ったりと色々とゴタゴタがあったりしたが………
試合開始十分前
今回のレーディングゲームはこの学校と全く同じ造りをした空間内で行われるそうで、既に私達はそこへ転移している。
さて…家でもやったコマ〇ドー装備は特に反対されなかったのでそのまま着ているし、例の武装│群《・》も軒並み準備万端。
それぞれ思い思いに最終確認をしながら時間を待っている。
そして………
『それでは試合を開始してください』
戦いの火蓋は切って落とされた。
「まずはライザーの【兵士】を撃破する事を優先するわ。
万が一プロモーションされた場合、私達に勝ち目がないわ。
とりあえずはトラップを各地に設置するわよ…………
芽衣?ナニシテルノ?」
「何って、先制攻撃を仕掛けようかと」
「わかった、聞き方が悪かったわ。
それはナニ?」
「何って、バリスタですが?
それも着弾すると中から聖水が巻き散らされるという対悪魔用の…」
「そんな凶悪なものを出さないでよ!?
暴発したらどうするのよ!
仕舞いなさい!」
「…はーい」
「よし、これで大丈夫だね。
高那岐さんの方は……」
「…クレイモアは予備含めて50個、感知爆弾付きのトラバサミも20個設置済み。
あとはそのへんの天井からちぎった聖書のページをばらまく罠でも作れば…ん?木場君?
なんで手を引っ張るの?
まだまだ設置するものは、いっぱいあってね…え?
これ以上はやりすぎ?
いやいや、悪魔相手にこれくらいはイタタタタタッ!?
ちょっと!痛いんだけど!?」
「…てなわけで、何故かこっち側に回されたんだけど。
理由がイッセーや小猫ちゃんに監視させるって酷くない?」
「「それは部長が正しい」」
「解せぬ」
うーん、ただ持てる全力(一部を除く)で勝利を掴み取るための作戦なんだけどなぁ……
「大体、仕掛けた本人が場所を覚えてないってのが一番ヤバイだろが!」
「だから、忘れたんじゃなくて解除が出来ないように複雑にしたら自分でも外せなくなっただけなんだって!
それもどこから来るのかわからないビックリドッキリ仕様」
「…本末転倒ですねそれ」
「だーもう!
とにかく高那岐は危ないから、俺らから離れるなよな!」
「えー……」
現在私は何故かリアス先輩から説教され、イッセーと小猫ちゃんと同じ班にされた。
一方、木場君や朱乃さんは単独行動の真っ最中で既に焼…ライザー陣営の兵士を1人撃破している。
リアス先輩とアーシアは本陣であるオカルト研究部の部室で待機している。
作戦としては極めて簡単で私達三人を主力かつ囮とし、側面や背後を木場君と朱乃さんで急襲、各個撃破といった作戦だ。
それでもって今私達は重要な拠点として認識された体育館へと移動している。
確かチャイナが戦車で他が兵士だっけ?
「来たわね、やはりライザー様のおっしゃる通りだったわ」
「あ、何時ぞやの」
「ミラよ。
あの時の屈辱を晴らさせてもらうわよ、怪力女」
「よし、表へ出ろ」
「…私はあの【戦車】を相手にします。
お2人は【兵士】をお願いします」「オーケー任せて、あの子にちょっと現実を教えてくる」
「となると俺はあの子達か…よぉし!」
「せぇい!」
「なんの」
「それ!」
「おっと」
「なんで当たらないのよ!?」
「なんでって言われても……実力差?」
「ッ!?…こんのおぉぉぉぉ!!」
おとと。
先程から避けに徹して様子を見てるけども、これがなかなか当たらない。
まあ突きは少し身体を捻れば避けれるし、振り回す時のうごきをよく見れば!
パシッ!
「な!?」
「同じ技というのは面白味に欠けますが…そぉれっと!!」
「きゃああ!?」
こうして掴んで投げる(本人ごと)のも造作のないことで。
「…な!?
ミラなんでこっちに!?」
「雪蘭!?
…しまった!」
狙い通り、小猫ちゃんの相手をしていたライザーの戦車にぶつかったところで私はあるものを取り出す。
「Hasta la vista baby!」
ドダダダダダダダダダダッ!!
世に名高いアメリカンギャング御用達のサブマシンガン、通称トミーガン。
それを二つ抱えて撃ちまくる。
え?小猫ちゃん?
彼女なら、ちょっと離れた所で待機しているよ?
「くっ!せええい!」
しかし流石はレーディングゲームを何度も戦い抜いてきた事だけはあるのかある程度の弾を棍と炎で迎撃される。
てか、弾丸を棍で弾くとは凄いな。
やっぱり悪魔にはそれくらいのことは簡単なのだろうか。
と、余計な事を考えながら撃っていたせいか。
カチンカチン
「あ、マズっ」
「今だ!」
残弾管理を怠り、両方とも弾切れを起こしてしまった。
すかさず、棍の子(名前は知らぬ)がこちらへ突撃してくる。
私は即座にトミーガンを彼女の進行方向へ投げ、別の武器を取り出す。
突き出される棍を弾く姿勢で取り出したのはただの鉄製のシールドだ。
それを左腕で保持し、攻撃を受け止める。
「…貴女、一体どれだけの武器を持っているのよ」
「知りたいかね?
昨日までの時点で約50種類200品目だよ」
嘘、実際はもっとあったりする。
…と、
「キャアアアアア!!」
「はーーはっはっは!
見たかこれが俺の新技、│洋服崩壊《ドレスブレイク》だ!」
…なんかやたらとデカイ声で高笑いするイッセーの声が聞こえたのでものすごく嫌々ながらそちらを見ると、下着姿で蹲る幼女二人と鼻の下を伸ばしながら高笑いするイッセーがいた。
…うん。
「有罪《ギルティ》」ダァン!
「うおわっ!?
おい!こっちに撃ってくるな!?」
まぁ、ぎゃあぎゃあ騒ぐ変態は置いといて。…そろそろかな?
「…と、よし!
高那岐!小猫ちゃん!」
「……わかりました、イッセー変態」「今変態って言ったよね!?」
合図も出たことですし、あらかじめベストにぶら下げていたグレネードをそこら中に投げまくる。
「くっ、爆弾!?」
慌てて投げたそれらから離れる彼女達だが…
よく見ればわかるんだけどなぁ…
ブシューーー!
「「「「煙幕!?」」」」
グレネードはグレネードでも、スモークグレネードだったりする訳でして。
「さあ、撤退撤退!!
逃げるよ二人共!」
「くっ、待て!」
即座に二人と合流して、体育館の外へと出る。
充分距離を取ったら、ポケットから二つのボタンがついたスイッチを取り出し片方を押す。
バスン!
瞬間、私達の横を何かが高速で通り体育館の中へ着弾。
それの着弾と同時にもう一つのボタンを押すと………
体育館が内外から爆発した。