悪魔の占い師(更新凍結)   作:ベリアル

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コンビ

 

 

「ども」

 

オカルト研究部に決めた後日、木場と兵藤に連れられてオカルト研究部に直行した。シトリーはあっさりと引き下がり、眷属を連れて去っていった。特に深くは考えず、帰された。

 

「いらっしゃい、八幡」

 

出迎えの挨拶は部長のリアス・グレモリー。年上特有の母性的な笑みを向けられ、ふいっとあらぬ方向へ目を背ける。

 

(あっぶねー。うっかり惚れて振られちゃうとこだったよ)

 

「改めてよろしくね。私は3年のリアス・グレモリー」

 

「うす」

 

「1年、塔城小猫。比企谷先輩よろしくお願いします」

 

「ああ、よろしく」

「アーシア・アルジェントっていいます。この間はありがとうございました」

 

「いや……、礼は兵藤に言っとけ。俺は言われてきただけだ」

 

「?」

 

「次いくよ。同学年の木場祐斗。また手合わせ願いたいな」

 

「運がよかったらな」

 

「兵藤一誠だ。よろしくな、比企谷。この前の礼言いそびれちまったな。ありがとう」

 

「気にすんなって。あー、その、なんだ、シェルブリットって知ってるか?」

 

「シェル、ブリ……なんだそれ?」

 

「あいやなんでもないんだ。忘れてくれ」

 

どうでもいいことであるが、兵藤の神器を見た八幡はあるアニメを思い出し、興奮していた。

 

「では、私が最後になりますわね」

 

「いらないでしょ、姫島先輩は」

 

「そう言わずにやらせてくださいまし。ね?」

 

「………好きにしてください」

 

「3年の姫島朱乃。スリーサイズは「あ、もういです。よろしくお願いします」………………」

 

別段、頬を染めるわけでもなく、あしらうように頭を下げて部長に向き直る。その姿に不満を覚え、ドッキリを画策する。兵藤は姫島のスリーサイズが聞けると期待したので、肩を落としていた。

 

「自己紹介も終わったことだし、今日の本題に入ろうかしら。はぐれ悪魔の討伐。一誠のときは色々と説明したけど、八幡は理解してるわよね」

 

「そうですね。冥界で生活してた時期ありましたし」

 

「今回のはぐれ悪魔は徒党を組んでいるらしいの。決して油断しないで欲しい」

 

リアスの言葉に合わせるように姫島は建物の地図らしきものをテーブルに広げる。

 

「潜んでいる場所は5階建ての廃ビル。数は5体。八幡には悪いけど、いきなり戦ってもらうことになるわ。イッセーは油断しないで頂戴。アーシアは基本的に誰かの傍にいて、……イッセーがいいかもね」

 

入部して日の浅い3人に注意と指示を送るリアスの表情は真剣そのもの。

 

「状況に応じて単独行動していいんですか?」

 

集団行動が苦手な上にカードによっては周囲を巻き込む可能性がある彼にとって、誰かと共に戦うのは足の引っ張り合いになりかねない。

 

「駄目よ。あなたは監視される立場にある。その自覚を忘れないで。あなたは私か裕斗か小猫が付くわ」

 

ここで姫島の名が上がらなかったのは私情を挟ませないためである。それに対して不満を抱くことはない。学生の立場にある彼女等に任せられる程度の仕事。自分がなにかしなくとも監視にある者が動いてくれるだろうと、心底舐め腐った結論に行きつく。八幡にとって都合のいい展開になっていく。

 

「承知しました、部長」

 

「あとは時間まで好きにして。私はアーシアと八幡にオカルト研究部の説明しなきゃ」

 

「部長、話が終わったら彼を借りてもよろしいでしょうか?」

 

木場と塔城が並んで部長であるリアスに頼み事をする。2人揃ってのたのみごとはどうやら、珍しく二つ返事で了承する。しかし、八幡の許諾は得ていない。

 

説明は簡単にまとめられたもの。ある程度は冥界での知識で事足りうる。問題は依頼と監視。監視は現在進行形で行われているので今更気にするほどのことでもない。彼にとって重要なのは依頼。魔法陣を利用して依頼者の手助けをする。座右の銘は働いたら負け。元気は失くす一方で、グレモリーはため息を吐いていた。結果、しばらくは依頼でも監視が付く破目になる。

 

「いきなりでごめんね」

 

屋上に呼び出した木場と小猫。木場の手に2本の木刀。

 

「新人いびりか」

 

「そんな物騒なもんじゃないよ。手合わせ願いたいんだ。学園内だから神器使えないからこれでね」

 

「塔城もか………」

 

「はい」

 

「物騒じゃねえの」

 

投げ渡された木刀をキャッチした瞬間、ゴングもなく木場に打ち込む。反射的に反応した木場は白い歯を見せて、鍔競り合いに持ち込む。力は互角なのだろう、微動だにしない2人は目を離す気配は見られない。その間、塔城は手を出すことなく見守っていた。

 

「なんだ、2対1じゃないのか」

 

「安心しなよ、不意を突くような真似はしないから、さッ!」

 

ここで体勢を崩しに掛かり、木刀を押すようにして上半身を前に倒す。左足を下げ、よろめく八幡に木刀を振り下ろす。が、培った剣術の勘のお陰なのか腰を引かせる。

 

腰があった軌道には木刀が通り過ぎていた。

 

「別にいいぞ、2人掛かりでもよ」

 

「安い挑発には乗らないよ」

 

「そりゃよかった。二人同時は辛いからな」

 

「よく言うよ。これでもショック受けてるんだけどな。剣を本職の僕と互角なんだから」

 

「そうかよっ」

 

脳天に振り下ろされた木刀の側面を弾き木刀を捨てる。左手で胸倉を掴んで、右手で木場の右手を握り締め背負い投げを決める。木場は背中をコンクリートに叩きつけられることなく足で着地してダメージを失くす。八幡の首には最後まで離さなかった木刀が突きつけられていた。

 

「お見事」

 

「神器なしでも動けるんだね。今晩が楽しみだ、君の戦いが見れるんだから」

 

「よせよ。争いは嫌いな平和主義者だ」

 

「戦わざるをえない状況にすればいい」

 

「爽やかな面して怖いこと言うな、悪魔かよ」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

どうやら彼にもユーモアがあるようで笑顔で立ち上がる。腰に手を当てて夕日に照らされる姿は様になっていた。

 

「次は私です」

 

「もう終わりにしない?今日討伐あっから、体力残しとかないと」

 

「もーまんたい」

 

小柄な体で跳躍。高さは八幡の身長を優に越え、風車を連想させる回転で踵落としを仕掛ける。少女の下着の色を判明したが、考える余裕はない。冷や汗を掻き、蹴りで流れた風圧がどれだけの威力を誇るか、経験で把握した。右半身を下げ、踵落としを躱す。焦っても動きに無駄はない。観戦に回る木場はじっくりと2人の戦いを楽しむことした。壁に寄りかかろうとすると、扉が開きリアス・グレモリーと残りの眷属が揃う。

 

「部長」

 

「祐斗、もしかして負けちゃった?」

 

「辛勝、といったところですかね」

 

「マジかよ!比企谷って強いんだな!あ、でも神器なしだからか」

 

「いいえ、神器なしでも祐斗と剣でやりあえる人間はそうはいないわ」

 

ギャラリーが増えたのは八幡も塔城は気付いているが、相手する余裕はなかった。八幡はとにかく攻撃を避けることに専念。実力は木場と同等なのだろうが、馬鹿力と人間の力で殴り合いっこは厳しい。焦りは消えていき、ただ冷静に反撃のチャンスを窺っていた。突き出された右からの足刀、足首を掴んで関節技を組む前に、掴まれたことを利用して左足からの蹴りが頬をかすめる。

 

「っぶね」

 

表情を顔に出さないだけ冷静かつ、判断力が素早い。そうして屋上の端に追い込まれ、淡々と拳を突き出す塔城。ふと視界が暗く、嗅ぎ馴れない匂いに包み込まれる。疑問が晴れる前に、後ろに下がって危機を回避。

 

視界を塞いだ正体は八幡の制服、右手には先程の投げ捨てた木刀。

 

「………くくく」

 

あくどい笑み。眉をひそめる塔城。彼の表情に悪魔より悪魔らしいと感想のギャラリー。それとは裏腹に両手を上げる。

 

「ギブアップ」

 

「………ふざけないでください」

 

「ふざけてねえよ。このままやりあっても俺に勝ち目はない。そんだけだ。それに、」

 

完全に戦う気のない八幡は塔城の横を通り過ぎて、木刀を木場に返した。

 

「帰って準備しなきゃいけないからな、色々と。部長、一旦帰ります。すぐ戻ってくるんで」

 

「準備って?」

 

「神器だけが能だと思ってません?」

 

弱点を放置するわけのない彼の武器はなにも”天命の札”だけではない。”隠者(ハーミット)”や”恋人(ラヴァーズ)”などといった戦闘では役に立たないカードの対策は立てられている。神器ほどではないにせよ、それなりに戦うことも可能で神器と組み合わせて戦うことも可能。今夜は戦う気はさらさらない。用意するのは形だけでもやる気を見せなければという判断からくるものだ。

 

一人、校内を歩き、シトリーと鉢合わせる。特別話すこともなく、横を通り過ぎる。

 

「いつでも生徒会に来てもいいのよ」

 

一言余裕な様子で吐き出された言葉が嫌にのしかかる。

 

 

 

「アーシア、離れちゃ駄目よ」

 

「はい!」

 

廃れたビルに人の気配はない。空には三日月がグレモリー眷属を照らす。張り詰めた空気、八幡の腰には学園にいた時にはなかったものが取り付けられている、拳銃が納められているガンホルダー。無論、弾丸は鉛玉ではない。冥界で製造された特別性。危ないので安全装置はやったままである。

 

「それが君の武器だね。”魔剣創造(ソード・バース)”、持ち主の思い描いた魔剣を瞬時に産み出す。これが僕の神器さ」

 

(ええー、なにそれチートじゃないですか。限度はあるんでしょうけど、俺の神器より使い勝手良さそうだな)

 

過去に魔剣使いとやりあったことを思い出し、寒気がする。一同は廃ビルに入っていく。内側は外観通り、殺風景でなにもない。

 

「やべえな」

 

「え?」

 

八幡の呟きがアルジェントの耳に届いていた。同時に廃ビル全体に結界が張られ、入り口が塞がれる。戦闘慣れした4人は動じることなく、戦闘態勢に突入。兵藤も焦りながらも、左腕に神器を装着。

 

「部長!どうなってるんですかこれ!?」

 

「罠ね。私達は嵌められたのよ」

 

2階から50を超える集団がやってくる。

 

「グレモリーのご息女がこのようなところでなにをされてるのでしょうか?」

 

「お掃除。ここは汚れが酷いっていうからやってきたのよ」

 

オールバックの男が芝居がかった話し方で胸に手を当てる。挑発で返すリアス・グレモリー。

 

男は鼻で笑うと、人間ではありえない犬歯だらけの牙がアルジェントを震えあがらせた。

 

「ワーウルフ。ここにいる連中は」

 

集団は全身から体毛を生やし、骨格に変化を起こす。爪も伸び切り、耳に届く口からは涎が垂れている。ワーウルフの集団は焦げ茶の薄い体毛を全身に生やす。敵の頭領である男はポケットに手を突っ込み、煙草を吸っている。

 

「狼男。噛まれた人間は狼男の仲間入り。悪魔は大丈夫なんですか?」

 

「悪魔は大丈夫でしょうけど、八幡は人間でしょう。それに狙いは部長みたいですわね」

 

「リーダーの男は別格よ、強いわ」

 

「食らえ」

 

状況整理する余裕は与えられない。ワーウルフの群れは一斉に飛びかかる。50の獣の軍勢が押し寄せる。その身体能力は人間のそれを上回っている。

 

先制攻撃は意外にも八幡。ホルダーから拳銃を抜く。安全装置を外す。瞬時にこの動作を行い、10時から2時の方角から跳びかかるワーウルフ5体に1発ずつ撃ち込む。空中で撃たれた5体の傷は浅くワーウルフの生命力であれば、まだまだ動ける。

 

「ぅがぅぁあ!」

 

飛来する雷撃。落雷を思わす痺れは一瞬で死を誘う。他の4体にも同じ現象が起こり、煙を上げる黒こげの死体が五つ転がる。”呪いの占い師”と”雷の巫女”の昔から使う戦法。八幡が持つ弾丸は2種類。一つは単に威力が高いもの。もう一つは、避雷針の役割を果たす弾丸。

 

八幡とコンビを組み始めた時代、姫島の魔法は攻撃力も命中精度も未熟も未熟。考え抜いた打開策が特殊な材質を加工した弾丸である。的が多少ズレていても雷は弾丸を追い、材質の影響で威力の向上に成功した。作れるまで、時間と金を浪費した。これを作れるのは冥界でも二人だけだ。魔力の消費にもなるので、既に子供の域は超えていた。

 

あれから成長した姫島は威力を重視させて、雷を当ててみれば2人も予想以上の威力を発揮していた。

 

(全て胸の真ん中………)

 

気付いたのはリアス・グレモリーのみ。八幡が狙ったのは全員、胸の中央。正確無比の射撃は”雷の巫女”の実力を一層高める。打ち合わせなしでの連携には、眷属同士でもあまりない。

 

早くも仲間が5体も死んだことに動揺した集団は踏みとどまる。その隙を逃さない塔城は近くにいたワーウルフの顎を蹴り上げ、腹部に何発も拳を打ち込む。我に返った別のワーウルフは攻撃の隙を狙い襲い掛かる。それに気づかない彼女ではなく、噛みついてくる顎を掴んでコンクリートの地面に叩き付けられた。

 

「思ったより弱いな」

 

剣を生成した木場は急所を躊躇なく狙う。獣の体毛は硬いと聞くが、木場はなんてことないように己の剣で切り割く。腕を切り落とし、そのまま首を跳ねる。

 

兵藤はなんとか神器を利用して奮闘しているが、戦闘経験も浅いので1人も倒せないのが現状。それをフォローしているのが、姫島と八幡。リアスは手を出さず、ただ2人の動きを観察していた。こんなに数がいると聞いてなかった八幡は渋々戦う。姫島は正反対で、楽しそうに雷撃を振り散らす。その姿に引いてるのは八幡だけでなく、親友のリアスも一歩引いていた。

 

「やるじゃないですか。グレモリーの皆さまよぉ」

 

全て屍と化した頃、頭領の男は階段の踊り場で拍手を送る。焦るどころか、こうなることを予想していたかのようだ。

 

「降参するなら今のうちよ」

 

「三下片付けただけで調子乗んなよ」

 

男は上半身の服を脱ぎ捨てる。脱ぎ捨てられた服は踊り場から一階の床に落下。だが、そんなものに気にする余裕はない。彼から目を離すこと許されない。

 

人間の形をしていた男が奇妙な姿へと変貌していく。鍛えられた筋肉質の上半身は、先程まで相手していたワーウルフの体毛とは異なり、茶色ではなく艶のある黒。腕、首、足、顔にまで体毛で覆われていく。口からはみ出す白い牙列。瞳は金へと変色。その瞳は肉食獣そのもの。

 

「フハハハハハハハハ!」

 

真の狼男は笑い声を上げる。

 

「ギリアムってんだ、よろしく!」

 

「しない」

 

即座に動き出す塔城。腹部に肘鉄を打ち込む、更に蹴り、グローブをした拳を一発一発全力で叩き込む。

 

「うっ!?」

 

「効くねぇ」

 

言葉とは裏腹に舌舐め擦りして塔城を見下ろす。攻撃したはずの彼女の方が痛みの声を漏らす。小柄に見合わぬ怪力はギリアムと名乗った男の頑丈さに敗れ、攻撃した手足を逆に痛める。顔をしかめ、味方の元へ下がっていく。

 

「かなり硬いです………」

 

「みたいね。何者かしら?」

 

(ワーウルフでギリアムっていったら、前科50越えの犯罪者か)

 

数年前の記憶を掘り起こし、額の高い男をようやく思い出す。目はつけていたが、結局叶わなくなってしまった。

 

「私と朱乃と八幡は後方支援。イッセーと裕斗と小猫は接近戦を。アーシアは私達の後ろに」

 

3人は各々の武器でギリアムへ近付いていく。ギリアムは口角を上げ、一階の天井に跳躍。そこから更に壁へ跳躍。壁から壁へ、そうかと視認すれば、床に、天井に凄まじい速度で移動していく。

 

「接近?やれるもんならやってみな。後方?当てられるもんなら当ててみな」

 

「速え!木場、どうにかなんないのか!」

 

「流石にこの速さは厳しいかな」

 

苦笑いで返す木場は剣を構えることしか出来ない。その瞬間、塔城の傍にギリアムは着地。反応したが、4本の切り傷を肩に残して、リアスへと距離を詰める。

 

銃声が響く。眉間に弾丸が撃ち込まれても速度を緩めないリアスにギリアムを鋭い爪で切りかかる。リアスの襟首を引っ張り、入れ替わるように八幡の背中に幾つもの×印が刻まれる。

 

「八幡!」

 

「いてぇ……」

 

膝をついた八幡はあちらこちらに発砲。ギリアムに当たる気配はない。

 

「ハハハ!トチ狂ったか!」

 

迫っていた木場から繰り出された刺突。剣の腹を自慢の牙で挟み込んで、噛み砕く。木場に攻撃をしようと殺意を向けると、赤黒い魔力の塊を受けずに回避。遠距離からのリアスの魔法であった。これは魔法は有効だと証明しているようなものだ。

 

「当たるわけねえだろ、トロくせえ!」

 

「そうでしょうか?」

 

室内の半分を埋め尽くすほどの電撃が流れ、空中を移動していたギリアムは、地面に落下。

 

「彼がただ乱射していただけだと本当にお思いで?」

 

言われたギリアムはアルジェントの治療を受けている八幡を見やる。

 

当てるだけが能ではない。避雷針の役割を果たす弾丸を壁や天井に打ち込んで、姫島が電撃を上手く放てば攻撃範囲が広がる。八幡は動きの速いギリアムを追い詰めていたのだ。

 

姫島は倒れ伏したギリアムに歩み寄る。

 

「あなたみたいなタイプは初めてではないの」

 

「クソがッ!」

 

「淑女に向かってそれはないんじゃないかしら。さようなら、狼男さん」

 

 







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