ハルカ Side
~透がリストバンドを外す少し前~
ハルカ「んじゃぁ、そっちはよろしくねぇ…………私等も終わり次第急いでそっちに向かうから」
はやて『わかった、こっちは私等でなんとかするわ』
ハルカ「私等が教えた情報じゃないものが出たら、すぐに教えて………………もしかしたら言い忘れたのもあるかもしれないから」
はやて『ハイな』
私は輸送機の中ですずか作の特殊通信機を切った、アッチも透とガッチンしたようだし…本当に『マダラ』というか『トビ』のような感じだったわね。
ハルカ「ふぅ………………」
アッチもそれなりに備えてはいるものの、かなり苦戦するのは必至よね。
響子「ハルカさん?!何で今の通信私にもさせてくれなかったんですか?!私だって透さんとお話したかったのにぃ!」
私の隣に座ってた響子がいきなり顔をゼロ距離まで詰めて来た、さっきの通信を切った事に不満というか拗ねちゃってる感じだ。
ハルカ「ウッサイ!顔近っ?!アンタに渡したら延々透に話しかけまくるでしょうが……てか絶対するでしょ?それが面倒だからよ」
響子「Yes!!」ビッ!
あらいい笑顔………………。
ハルカ「親指を勢いよく立てながら英語で答えんな、まったく……………アンタ透の事になると一ミリもブレないわね」
響子「ブレる要素がありませんが?」
ハルカ「それをサラッと言えるアンタが時々羨ましいわ」
響子「いやぁ~」/////////////
ハルカ「(これを褒めていると錯覚するとこもね)」
私が響子に心の中でツッコミを入れると、通信が掛かった。
108部隊員『間もなく目的地が見えてきます』
通信をしてきたのは私と響子が乗ってる輸送機のパイロットをしてもらってるゲンヤさんの所の隊員だった、私達がある場所に行こうとした時に局員が少ない『機動六課』である私達に気を遣ってくれて輸送機とそのパイロットをよこしてくれた。
ちなみに操縦してくれてる局員は男の人で、結構年配の人だった。
ハルカ「了解、じゃぁそろそろ降ろしてくれます?」
108部隊員『は?えっと…………まだ到着していないのですが………………』
ハルカ「あぁ大丈夫です、これくらいの距離なら私達だけでも余裕で行けますし、もしこれで近くまで行ったら相手に気付かれてしまうかもしれませんし」
私は事前に貰っておいたこの管理外世界の地図を小型の3Dヴィジョンに出しながらパイロットに指示した。
ハルカ「でも万が一を考えて、この輸送機のエンジンは掛けたままにしてください、もしかしたら呼ぶかもしれませんので」
108部隊員『りょ、了解しました!』
何でさっきから私がパイロットに対して敬語を使ってるのかはまぁ分かるかもしれないけど、私的には階級云々よりもやっぱり年の甲的な感じで、年長者にはやっぱり敬語っていう……………まぁ軍人じゃなくて会社勤めとかやってる社会人的なものよね。
さてここからは何故私がなのは達とは別行動を取ったかを話そうかしら。
理由は……………まぁ何となくなんだけどね、でも前々から気にはなっていたのよ?この管理外世界は『唯一暁に襲撃をされていない』所だったのよ。
と言っても、この管理外世界の研究所はかなり昔に廃棄されていて誰も使ってはいない……と報告書にはあった……管理外世界のものなのに報告書があった事にちょっとビックリしたけど。
だけど画像に写っている研究所はずっと使われていないのにも関わらず、妙にしっかりした状態で残っていた、壁にはヒビが入り窓も割れて所々風化したところもあるけど……。
確かにコレじゃぁ研究もしないだろうし、研究できる材料もこの付近には何も無いらしい……………けど私は一つ気にはなっていた事がある。
それは研究所の屋上のヘリポートの部分、長いこと使っていない割には風化も進んでないし、何より『錆が1つもない』状態って言うのはおかしい……………これって今も誰かが使っているかもしれないってことじゃない?
もしかしたら透達『暁』のアジトかもしれない……………………ってはやて達にコッソリ進言したら、普通にOKをくれた。
ま、『暁』のアジトじゃなくても何かしらの物は出て来ると踏んでの事、もしかしたら向こうさんもヒョッコリ出て来るかもしんないからね。
そうこうしてると輸送機は目的地よりかなり離れた位置で着陸し、私達はBJを纏って『瞬歩』を使って目的地に近付いた。
私もなのは達と同様『瞬歩』を会得している、遠征隊に入る時響子とフェイトに無理を言って教えてもらっていたからだ。
遠征隊はとにかく危険な所って聞いてたから『瞬歩』くらいは出来ておかないとって思ったから。
そしてある程度近付くと魔力操作をして限りなく0に近い感じで中に入って行った、すると中から複数の魔力を感知……………しかもどいつもかなりレベルの高い奴とエアリスから報告を受けた。
感知してもバラけていて、一つずつ潰そうにもすぐに応援が来てしまうから、コイツ等が1つに固まるのを待った。
その間に私達もこの研究所の中を粗方調べた、まぁ分かりきった事で中はだぁれも使ってはおらず埃やら砂やらで充満してた。
すると響子が感知した奴等が動き出し一つに固まったと報告してきたので、私達もそっちに向かうことにした。
感知した連中………………おそらく『暁』のメンバーでしょうね、そいつ等の後を追って行くと『実験棟』と書かれた施設に入った、そこは他と違って妙に綺麗で誰かが使っていた形跡があった。
辺りは端末やらが置かれていて資料も散らばっていた、おそらく先に侵入した奴等がやったんでしょうけどね。
響子「ハルカさん!」ヒソヒソ………
いきなり響子に呼ばれたと思ったら、しゃがんだ状態でしかも声を押さえて手招きして私を呼んだ、私も響子に倣って同じようにしゃがんで近くまで行った。
ハルカ「何よ…………ん、アレは…………」ヒソヒソ………
響子がしゃがんでいたのはガラス張りの近く、そこから実験が行われる部屋を見下ろせるように作られており、しかも丁度そこから4人の人物が確認出来た………………どいつもフードを被った連中だ。
まず間違いなく『暁』であることはわかった、だけど連中もここには何をしに?
響子「行きますか?」
ハルカ「当然」
私達は連中の後を追う為、急いで……………且つ慎重に降りて行った。
すると4人のうちの一人が奥に行き端末に手を掛けようとしたところで私は声を掛けた、ちなみに響子はデバイスを構えた状態で待機させた。
ハルカ「ハイハ~イ、ちょっとそこで止まって頂戴ねェ♪」
出来る限り舐められないように、しかも相手は映像にあったフェイト達を食い止めてた4人組だ……………余裕とか気を抜くわけじゃないけど、虚を突くならこんな感じにしないと。
???(ハリベル)「……………………誰だ貴様らは」
予想通り、こちらの素性を聞いてきたわね……………ま、大方予想は出来てるでしょうけど。
ハルカ「私達は管理局機動六課所属!『バーサーカー』分隊、私は隊長の中村 ハルカ少将!」
響子「同じく!副隊長の緋村 響子三等陸佐!」
???(ハリベル)「!?」
???(スンスン)「アラ、意外と早く気付かれましたね」
???(アパッチ)「アァン!?テメェ等、二人だけでアタシ等とやろうってんじゃねぇだろうなぁ?!」
???(ミラ・ローズ)「機動六課、確か前にも戦った事のある連中だったわね……………」
向こうは私達とやり合おうと思ってるらしく、すぐにデバイスを構えて来た。
ハルカ「待った待った!別に私達は戦いに来たんじゃなくて、話をしに……………」
???(ミラ・ローズ)「今更アンタ達と話し合う事なんて何もないね、アンタ達はここで「待て」って…………何故ですか?!」
4人のうち3人が私達に向かって攻撃しようとしたけど、リーダー格っぽい奴が部下を制止した。
ハルカ「(アイツがこいつ等のリーダーかしら?)」
???(ハリベル)「(アイツ…………『ハルカ』と言ったな)……………オイ」
ハルカ「……………………何?」
???(ハリベル)「お前達は話をしに来たといったな、何の要件だ?」
???(スンスン)「……………よろしいので?」
???(ハリベル)「今までの奴等よりは話が通りそうだ、それに……………あの方が言ってた『ハルカ』に聞き覚えがあろう?」
???(アパッチ)「(……………誰だっけ?)」
ハルカ「私等の要件は…………まぁ大体予想できるでしょうけど、マダラ………………いえ……………井上 透のことについてよ」
ハリベル達「っ」
私の言葉に向こうは一瞬リアクションを取った、まさか『マダラ』と言ったあとに透の名前が出るとは思っても無かったんでしょうね。
???(ハリベル)「そうか……………………」
するとリーダー格っぽい奴が急に仮面とフードに手を掛けた、その行動に部下も驚いているようだった。
???(アパッチ)「ちょっ?!何してんすか?!」
???(ハリベル)「ここまでのようだ………………お前達も外せ、こちらもそれ相応の対応をしなければならん………………大丈夫だ、コイツ等になら頼めそうだ」
???(ミラ・ローズ)「……………分かりました」
部下達も納得したのか、リーダーに倣って自分達もフードとかを外し始めた。
そしてフードと仮面を外しその素顔が露わになったのを見て、私は物凄い驚いた。
ハルカ「ぅええ?!ちょ…………アンタ……………もしかして、『ティア・ハリベル』?!」
フードを外した彼女達は意外にもBLEACHの十刃のNo.3様じゃないのよぉ~……………それに他の3人もハリベルに従う奴等だし。
かなりテンパってた私にハリベルが口を開いた。
ハリベル「やはり私を見て『ティア・ハリベル』と気付いたか、その様子だとこいつ等の事も知っているんだろう?」
ハルカ「え……………えぇ」
ハリベル「あの方の言っていたことはやはり本当だったか……………………ならば、お前に頼みたい事がある」
ハルカ「………………何?」
ハリベル「あの方を……………透様を……………助けてやってくれ!」
いきなり私達に向かってハリベル達は頭を下げだした、リーダーであるハリベルならともかくアパッチとミラ・ローズ辺りは渋るかと思ったんだけど……………。
ハルカ「……………………」
ハリベル「……………………」
しばらく互いに沈黙しあった、そして私は思った事を口にした。
ハルカ「…………ハナっからそのつもりよ」
ハリベル「……………………」
そう…………私達は最初から透のことについて話をしにココに来たのよ。
ハリベル「……………………恩に着る」
ハリベルは私に向かって頭を下げお礼を言ってきた。
でも結構意外なのよね、ある程度の戦闘は覚悟してたんだけど……………思いの外向こうもヤバい状況なのかしら?
ハルカ「いいわよ別に………それより、聞きたいんだけど”ピピピッ!ピピピッ!”っと……………ちょっと待って」
いきなり持っていた通信機、すずかに造ってもらった特別製の通信機が音を鳴らして知らせて来た。
ハルカ「(はやてから……………一体どうしたのかしら?……………透を捕まえた?それとも…………)」
通信機を通話状態にすると予想外の答えが返ってきた。
ハルカ「何?どうしたのはやて」
はやて『ハルカちゃん!!まだ来ぇへんの?!早ぉ来てくれん!?今こっちメッチャヤバいねん!!』
Side Out
はやて Side
~ハルカがハリベル達と会う少し前~
一体いつの間に後ろを取ったんや?!今の透君は魔力と気を封じとるんやから『瞬歩』は使えへんはずやで?!
他の皆も私同様驚いて次の行動が出来んようやった、せやけど透君はそんな私等にお構いなしで、すずかちゃんの腕に手を伸ばした。
伸ばした先にあるのって……………!!アカン!?アレは透君の力を封じとるコアがあるほうやないか?!
はやて「透君を止めぇ!!」
私の声で皆一瞬遅れてんけど、即透君の方に行こうとシグナム達接近戦組は『瞬歩』で移動した。
そんですぐにアルフとリインが透君のやろうとしたことを阻止しようとパンチやキックを入れたんやけど………………。
マダラ「『剃』」シュンッ!
二人の攻撃は空しくも空を切っただけやった……………今の透君は魔力を封じてる分こっちでは魔力感知が出来ん、そのかわり生体感知をしてるんやけど……………なかなか引っかからん。
と思ったら、スナイパーであるヴァイス君が指を刺して私等もその方向に顔を向けると、透君がリストバンドを落とした近くにまたおったのを確認した。
はやて「(絶対おかしいって……………明らかに『瞬歩』とは違うんやろうけど、似たような感じやけど…………魔力も無しにあんな高速移動……………やっぱさっきのリストバンドが影響しとるんやろうな)」
アルト ルキノ『『はやて部隊長!』』
はやて「ん……………何や?アルト、ルキノ」
いきなり私等にアルト達が通信をしてきた、結構血相変えたような顔してるんやけど……………。
アルト『先程の井上さんが落としたリストバンドなんですが、その効果と重量が解析できました』
はやて「そぉか、で……………どやった?」
アルト『それが…………リストバンド一つに付き……………』
何で考え込むんや?…………そないビックリ仰天するようなモンでも…………。
ルキノ『1tです……………………』
全員「………………………………………………………は?」
ルキノ『ですから……………片腕、もしくは片足で1t……………つまり4つで4tの重さでした……………』
全員「………………………………………………………………」
今アルト達の通信を受けた全員の顔が固まった……………………。
はやて「(ちょ………ちょぉ待ってぇや?!つまり……………何や?!透君は今まで4tの重りをぶら下げながら私等と戦ぉてたんか?!……………もしかして…………あん時も?)」
私は以前の透君との戦いとスバルたちが戦った日の事を思い出しとった、スバルたちも同じように考え顔を青くさせとった。
アルト『…………えっと、あとついでなんですが……………あのリストバンドには少量ですがリミッターの術式もあるんですが……………封じている現在では計測は出来ません』
はやて「……………………そぉか、わかった…………ありがとう」
ルキノ『あ……………いえ』
私はアルト達との通信を切った、正直驚きすぎてんねんけど……………透君のことやから変に納得してしまうんや。
透君を知っとる私等はすぐに臨戦態勢に入った、私もこれまでずっと攻撃はせんかった……まぁ理由は透君に一発重いのを入れようと思ぉて集中しとったんやけど……………いきなりのビックリやからなぁ。
未だ沈黙しとる皆に私は喝を入れた。
はやて「何をボォッとしてんねん!!彼を相手にした時からこうなる事は多少は覚悟した筈や?!彼が巨大生物に変身したわけやないんやし、こないな事でイチイチビビッとったらアカンやろ!?」
私の声にビックリしたんか、スバルたちやルーテシアちゃん達が肩をビクッとさせて私の方を向いた、と思ったらすぐに緊張しとった顔が落ち着きちょっと笑いながら透君の方を向いた。
ギンガ「……………そうでしたね、井上さんの映像を見た時から、あの人は規格外の人でしたね」
ティアナ「人かどうかも怪しいんですけど」
スバル「ティ、ティア?!」
エリオ「確かに……………今更ですね」
さっきまでビビッとった子らがええ顔つきになった、これならまだ戦える!
マダラ「……………………」ゴキゴキッ!
透君は外したばかりやからまだ慣れてないんか、首やら手を曲げて骨をボキボキ鳴らしとった。
シグナム「リストバンド一つに付き1tか……………相変わらず私達を驚かせてくれるな、お前は」
はやて「せやけど、身体能力が少し向上しても……………私等は倒せんで」
マダラ「……………………おい」
はやて「?」
マダラ「お前達に一つ聞きたいんだが……………お前達は俺と同じ様に魔力を封じられたらどうするつもりだ?」
いきなり透君に質問を投げかけられた。
マダラ「すべての魔導師に通じる話だが、魔力を封じられれば魔導師はただの人に成り下がるからな」
シグナム「無論、己の体で戦うしかあるまい」
マダラ「そうだな、だがそれはお前のような剣等の腕覚えのあるような奴が言えることだ……………………遠距離系の奴等はどうかな?」
なのは「……………体術は出来る「そんなその場しのぎな蹴り技でか?」ぅ…………」
マダラ「確かにお前達レベルになると体術が出来なければ活躍など不可能、しかしその程度ではすぐにやられてしまうな……………………さっきまでの俺のように」
はやて「………………せやったら、何なん?」
マダラ「俺が出した答えは………『武術』だ」
すると透君は半身になって、膝を曲げ左脚を前に出し左手を開いて右手を腰の位置に持って握った形を取った構えをした。
マダラ「と言っても、俺がやっている『武術』は複数はあるがどれもかじる程度、どれも習ったわけではない………だがそれも応用したりしたらどうなる?」
まぁ……………確かに魔法が使えん魔導師って、ただの人ってのはわかるけど…………。
シグナム「だが、それでも私達が優位なのは変わらん!『月牙天衝』ォォ!!」
シグナムが話を切り上げいきなり『月牙天衝』を透君目掛けて放った、せやけど透君はまたさっきの高速移動でシグナムの『月牙天衝』を避けた。
シグナム「お前にはもう遠距離系の技は無い、バインドを掛ければ終わる…………さぁ、もう「それは早計だぞ?シグナム副隊長」……………何?」
マダラ「俺がいつ遠距離系の技を持っていないと言った?」
はやて「そうは言うけど透君、魔力も無しにそんな……………」
マダラ「何も魔力だけが力では無い、俺にはまだ力がある……………『純粋な力』が」
そう言うと透君は重心をやや後ろに置いて、体重を右脚に集中し始めた。
マダラ「これも……………遠距離系だ!!」
マダラ「『嵐脚』!!」ブンッ!
透君が近くに誰もおらんのに右脚を蹴り上げると、なんか真空波と言うより………鎌鼬のよう…………そうまるで……………『月牙天衝』のような。
はやて「っ!全員回避!!」
私はなのはちゃん達全員に回避命令を出した、規模的にはそないに大きゅうないねんけど、念の為の行動をとったんや。
透君が放った『月牙天衝』のような真空波は私等の後ろにあった木々を次々に『切り倒して』った。
ティーダ「ぅおっ!?」
ギンガ「何……アレ………」
クイント「まさか……………蹴りで斬撃を飛ばした?」
スバル「そんなこと出来るの?!」
なのは「ま…………まぁ」
フェイト「透……………だし」
はやて「それで納得してしまう私等もどうなんやろな?」
マダラ「気を抜いてもいいのか?」
驚いとる私等を他所に透君は構わずこちらに向かって走り出してきた、それもさっきとは比べものにならんスピードや。
皆も今の透君のスピードには対処出来ん、確かに『瞬歩』に比べると体感では若干遅いかもしれんけど、急に速ぉなったりして対応が追い付かん……………………野球で例えるならピッチャーのストレートと遅いカーブみたいなモンかいな。
マダラ「まずは一人、厄介な奴を沈めておくとしよう……………『裡門頂肘』!」
”バァァァンッ!”と大きな音が聴こえたと思ったら、透君の肘がザフィーラの胸と首の間に入っとった。
ザフィーラ「っ!!」
はやて「あらぁ………………中国拳法の、『八極拳』!?」
ザフィーラは突然の事に対応が出来ずモロに喰ろぉてしもて、思いっ切り後ろの方に吹き飛んだ……………ザフィーラは脳を揺らされたんか意識を失ぉてしもた。
ヴィータ「ザフィーラァァ!!」
マダラ「まずは、その硬い壁を破らねばならんのでな…………その為には『盾の守護獣』である奴を沈めねばな」
シグナム「チィッ!」
シグナムが透君に接近し剣の連撃を撃ちに行こうとした、更にゼスト隊長も同じように槍を連続突きを放った。
マダラ「……………『紙絵』」スゥッ
せやけど透君は二人の高速の連撃をまるでそよ風に舞う木の葉のようにユラユラァ~っと躱して行きおった。
ゼスト「何だと?!」
マダラ「『木の葉・剛力旋風』!」ブォンッ!
ひと通り避けた透君は軽くジャンプしながら右の回し蹴りを放ちシグナム達を吹き飛ばした、せやけどそれだけで十分な時間稼ぎが出来た!
シグナム「ぐっ…………主!」
はやて「(分かっとる!)仄白き雪の王、銀の翼以て、眼下の大地を白銀に染めよ………来よ!『氷結の息吹』」
私はこの為に最初は攻撃に参加せず魔力を練って打つタイミングを窺っとった広域魔法、『氷結の息吹』を透君の周辺目掛けて撃ち込んだ。
透君にバインドを仕掛けるのに失敗したもしもの時の為に私のこの魔法で捕まえるって作戦やってんねんけど……………まさか、透君がこないフィーバーしよるとは思えんかったんやもん……………しゃーないやんかなぁ?
マダラ「足止め?………………いや、これで動きを封じる気か…………しかし、『月歩』……………………『空中歩行』!!」トンットンッ!
マダラ以外「ハァァァァァ???!!!」
不覚にも私等はアホな声を上げてしもぉた……………せやけどしゃーないやろ?!いきなり透君が当たってもおかしない私の魔法を回避するために『空中を飛んだ』んやから……いや……『走ってる』て言うてもおかしないか?
とにかく!透君が空中に逃げた所為で私の魔法は無惨にもスカッてしもぉたんやぁ~……………………。
はやて「あんなん有りぃ?!」
マダラ「残念だが有りだ、『5連嵐脚』!!」
今度は空中からさっきの蹴りの斬撃を放ってきた、魔力が無かったからと言ってもスピードがあってんから、避けるしか対応できん。
マダラ「『剃刀』!!」
そして透君はそんな私等に畳み掛けようとまた突っ込んで来ようとしてきた。
エリオ「空をジグザグに移動してきた!?」
ザフィーラ「っっっっ!……………ズァァァアア!!!」ブンッ!
でもさっきまで意識失ってたザフィーラが早くも復活して、いきなり透君がさっきまで乗っとった岩…………リストバンド落とした拍子に崩れたんやけど、その大岩を透君と私等の間に向けて投げ飛ばした・・・・大した力持ちやん。
”ドォォォォォォンッ!!”
マダラ「!?『月歩』!」トンットンッ
ヴァイス「ザフィーラの旦那、大丈夫なんスか?!」
ザフィーラ「シャマルに回復してもらった、心配ない……………と言いたい所だが、本当に気を付けろ…………透の攻撃は受けたら本当に一撃で沈む…………我もまだ回復しきっておらず、膝が笑いっ放しだ」ガクガクッ
フェイト「……………………」
あの頑丈なザフィーラが一撃喰らっただけで、もうグロッキーなん?!どういう攻撃してんねん?!
ヴィータ「……………でも、この大岩で透のペースも少しは崩れる「どうかな?」?!!」
岩の向こう側から透君の声が聴こえてきた。
マダラ「流石は『盾の守護獣』ザフィーラ、その名は伊達では無かったか………………タフだな………しかし、残念な事にこの大岩程度では……………足止めも……………ペース崩しにもならん!」
マダラ「『二重の極み』!!」ドドォォォンッ!!
透君の声が聴こえ終わると同時に目の前にあった大岩が、信じられんことに”サァ~”っと灰になって消えてしもぉた。
なのは「……………………」
エリオ「……………………」
ロッテ「……………………オイオイ」
アリア「冗談じゃ無い……………」
クロノ「透に……………死角は存在するのか?」
ユーノ「いくらなんでも……………想定外すぎるよ」
シグナム「っ!」
フェイト「ハァァァっ!」
アリシア「うりゃぁぁぁぁ!」
皆呆けとる間にシグナムとアリシアちゃん、それにフェイトちゃんが透君に向かって行った……………この子らはまだまだ諦めてへん!
3人は『瞬歩』を使ぉて攪乱しつつ、透君との距離を詰めていって一斉に攻撃を仕掛けるつもりやった。
マダラ「……………ライラからヤクモにシフト」
透君もライラからヤクモに変えて、刀で応戦するつもりやった。
普通やったら刀一本で受けたり弾いたりすると思たんやけど、私の予想を透君は大きく上回る動きを見せた。
シグナムの攻撃を刀で受けた…………ここまでは普通に予想は出来るんやけど、問題はその後の二人の攻撃の事や………フェイトちゃんの二本同時の攻撃を左手の指と指の間で挟む感じで受け、そのまま指で挟んだフェイトちゃんのブレードを力任せにアリシアちゃんの二本の鎌を防ぐのに使ぉた。
シグナム「くっ……………………なんて力だ!」
フェイト「ビクともしない……………!」
アリシア「てゆーか、剣を2本片手の指に挟んで人一人持ち上げて私の攻撃を受け止めるとか……………どうなってんの?!」
シグナム「だが…………ヴィータァァァ!!」
ヴィータ「っっっしゃぁぁぁ!!!」
シグナムの後ろからヴィータがロケット噴射したグラーフをシグナムのレヴァンティンに峰にぶつけた、ロケットの力で無理矢理押し込むっちゅーつもりらしいけど…………。
ヴィータ「でぇぇぇぇぃ!…………って!ぜんっぜん動かねェ?!」
マダラ「……………………………」
4人の攻撃を止めた状態で止まっとった透君に動きがあった、持ってた刀を思いっきり下から上へ切り上げ更にアリシアちゃん達も同様にデバイスを上に弾いた……………………と思ったら次の瞬間、4人が同時に私等の方に飛んで来おった。
シグナム「がぁっ!?」
ヴィータ「あぐっっ!」
アリシア「あぁぁっ!?」
フェイト「あぅっ!?」
はやて「だ、大丈夫なん?皆!?」
私は4人に近付いて安否を聞いた。
フェイト「……………い、今………何したの?」
はやて「ハァ?…………何言うてん、喰ろぉた4人は見えたんとちゃうん?」
ヴィータ「……………見えなかった…………」
ギンガ「え?」
アリシア「透に凄い力で腕を上にズラされたと思ったら、いきなり肩に衝撃が来て……………」
フェイト「かと思ったら…………後ろに飛ばされて………それで肩に痛みが来て………………」
シグナム「申し訳ありません、透の攻撃が早過ぎて………何をされたのかまったく……………………」
メガーヌ「……………………」
ティーダ「……………………マジか…………」
この4人の格闘スキル、近距離系の攻撃スキルは機動六課…………いや、管理局内でもトップクラスに入る実力を持ってんねんで!?その4人がさっきの透君の攻撃が見えへんかったって……………。
私は急いでハルカちゃんに連絡を取ろうと通信機を使ぉた、しばらく”ピピピッ!”て呼び出し音が耳に響いてたんやけど、すぐに音が止んだ。
ハルカ『何?どうしたのはやて』
はやて「ハルカちゃん!!まだ来ぇへんの?!早ぉ来てくれん!?今こっちメッチャヤバいねん!!」
ハルカ『ちょ…………落ち着きなさいよ、順を追って説明しなさいよ』
はやて「あ…………ごめんな、実は……………………」
私は透君を追い詰めた事、リストバンド外したらいきなり強ぉなった事、そんで見た事も無い技や灰になった技の事を話した。
ハルカ『(身体能力だけでの高速移動?それって明らかに『剃』じゃない!?その証拠に空を跳躍したのっだって『月歩』、蹴りの斬撃の『嵐脚』とか言ってたらしいし……………間違いない透は『六式』を体得してる…………それに灰にする技って私の記憶じゃ『るろうに剣心』の『左之助』が使ってた『二重の極み』じゃない…………またエゲつないものを…………)』
急にハルカちゃんが黙り込んだもんやから、私は心配になって声を掛けてみた。
はやて「ハルカちゃん、どしたん?大丈夫なん?」
ハルカ『んっ、ゴメン大丈夫よ……………』
マダラ「早過ぎたか?別段特別な事は何もしていない……………ただ『早く殴った』だけだ」
透君は私が通信しとるのが見えへんのか分からへんけど、さっきのシグナム達をぶっ飛ばしたことについて話しとった。
アルフ「殴った?」
マダラ「そうだ……………さてと、こうなってしまっては手加減は難しい……………極力殺さない程度にはするが、気を付けろよ?」チャキッ
はやて「(??アレって……………構え…………なんか?………なんてーか……………ビリヤードみたいな…………)」
ハルカ『それではやて、今透はまた何かした?例えば変な構えとか…………』
はやて「えぁ?ん~~せやなぁ、なんか右手で持って刀を横に構えて、そんで左手は刀の先っちょら辺に添えるような形を取っとるね…………たぶん突撃系の攻撃やから、防御魔法でなんとか」
通信機の向こうでハルカちゃんが息を呑むような音が聴こえた。
ハルカ『ダメよはやて!!』
はやて「はぃ?」
いきなりハルカちゃんが声を荒げて制止してきた、かなり焦っとるように聞こえんねんけど……………………。
ハルカ『それを受けたら絶対にダメ!!避けなさい!!それは……………防御不能だから!!』
はやて「っ!全員!!防御せず回避ぃぃぃ!!」
マダラ「『牙突』!!」ドォォォン!!
Side out
ハルカ Side
突然通信機の向こう側から激しい音が鳴り響いた、私は心配になって必死にはやてに呼びかけた。
ハルカ「はやて?はやて!?大丈夫?!」
はやて『………………だ、大丈夫やでぇ~』
ハルカ「はやて!どうなったの?!」
はやて「あ、あぁ……………ハルカちゃんの忠告が間に合ぉてなんとかギリギリで回避は出来たんやけど……………なんちゅー威力なん?!近くにあった大木が吹き飛んだで?!』
まぁ……………あの『斎藤 一』の大技なんだから当たり前だけど、本当に習得してたなんてね……………。
ハリベル「……………オイ、何が起きた?」
ハルカ「え、あぁ……………透がリストバンド外したのよ、お陰で私達の仲間が苦戦しちゃってんのよ」
アパッチ「んなっ!?」
ミラ・ローズ「外しちまったのかぃ………」
スンスン「命知らずな方達だことで」
ハルカ「ちょっと待っててはやて……………アンタ達も、一緒に来てもらうわよ」
ハリベル「無論そのつもりだ、元々私達もあの方の下に行かねばならなかったんだからな」
ハルカ「…………それは後で聞くとして、いいわこっちよ…………はやて!今から私達も急いでそっちに向かうから、なんとか持たせて!」
はやて『はぁ?!こ、こっちに来るて………それに持たせ言うてもなぁ……………………分かった、なんとか持たせるけど…………そう長い時間は』
ハルカ「分かってる、こっちも即行でそっちに行くって……………………じゃっ!」
私は通信を切ると響子とハリベル達を連れて研究所から出た、出る途中で輸送機に回収してもらうようにしていた為待つ必要は無く、出ると同時に輸送機に入りはやて達のいる世界に向かった。
私はその間にも透が使ってる剣術・体術について知っている事と、習得してるであろう技もはやてに話した。
Side out
オマケ
ハルカ「ていうか響子、アンタにしてはやけに大人しいわね?透のことになるとバグるし」
響子「バグってないですよ、失礼ですね……………確かに透さんに対して慣れ慣れしいですけど、助けを求める……………………それも透さんのことに関してなら、怒る事じゃないですよ……………………同じ好きな人なんですし」
ハルカ「……………やだ何この子、いつの間にこんな出来た女子になったの?」
響子「ハルカさん…………今までずっと思ってたんですけど……………私のこと一体どういう風に思ってるんですか?一度本気で話し合いましょ?」