魔法少女リリカルなのは ダメ人間の覚悟   作:make_51

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第35話 眼と宣言

 

ティアナ Side

 

 

私は今信じられない光景を目にしてる。

 

カラミティの攻撃………アハトの剣がスバルの顔を真っ二つにするように振り抜かれたと誰もが思ったに違いない、きっとスバル自身も死んだと思ったはず。

 

だが、結果は違った……………スバルは無事、だけどカラミティの攻撃は確実にスバルを斬っていた、剣の軌道上から見てもそれは誰が見ても明らかだった。

 

でもスバルは生きてる、何処も怪我をしていない…………………ただあるのは沈黙とスバルの生存だけ。

 

戦闘中ではあるけど私達も、そしてカラミティも何が起こったのか頭が追い付いていない。

 

私の見間違いでなければ、スバルはアハトの剣を『すり抜けた』んだと思う。

 

いや……………あぁーでも………………………あ゙あ゙ぁ゙ーもう!頭がパニクって全然わかんない!!

 

スバル自身も呆けていて、自分が生きているという自覚が持てていないように見えた、敵方のカラミティも困惑しているようだし。

 

だけどカラミティは再度スバルに攻撃を放とうとアハトの槍の部分でスバルを刺そうとした、だけどスバルも動きだし相打ち覚悟でカラミティに突っ込んで行った。

 

両者の攻撃はほぼ同時………のように見えたけど、スバルの方が若干出だしが遅くなってしまいカラミティの方が一瞬速く攻撃がスバルに届いてしまうように見えた。

 

そしてアハトの槍がスバルの…………目の部分かしら?当たりそうになった、私ですらこの時点でスバルの右目が失ったって思ってしまったくらいだ。

 

だけどまたまた結果は違っていた…………………けど、今度は確証もって言えるわ。

 

スバルはまたも無事、何処も怪我をしていない…………………そりゃそうだ……………なんて言ったって……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スバルの目も身体も………………カラミティはスバルを『すり抜けて』しまったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この事には、本当にさっきと同じように皆驚いていた、開いた口がふさがらなかった人は私含めても数人いた。

 

あ、でもハルカさんとかアインス二等陸尉とかが意外にもジッとスバルの事を見ていたことは覚えている。

 

カラミティを『すり抜けた』本人であるスバルも含め、沈黙が続いている中でハルカさんが口を開いた。

 

ハルカ「スバル!カラミティから離れて、一旦こっちに来なさい!」

 

中村少将はスバルの事を大声で呼ぶと、それまで時間が止まっていたかのようにジッとしていた皆がハルカさんの言葉で動きだした。

 

そしてスバルは「は、はひっ!?」って言いながら急いでハルカさんの下まで走っていった、その間カラミティはスバルの事を警戒してかこちらの動きを観察するかのようにジッとこちらを見て動かないでいた。

 

私もハルカさんの下まで行った、スバルの事が気になったから…………。

 

スバルはハルカさんの近くまで行くと直立不動になっていた、ハルカさんも若干引いてたけどスバルの右目を見るようにして顔をスバルに近付けてた。

 

ハルカさんの近くにはアインス二等陸尉とすずかさんが駆けつけ、ハルカさんと同じ様にしてスバルの右目を見ていた。

 

ハルカ「………………やっぱり…………」

 

アインス「言ってた通り………………」

 

すずか「本当なんだ……………」

 

三人はそれぞれボソボソと呟いていて、私も気になってスバルの右目を見た。

 

ちゃんと両目はある、あるにはあるんだけど………………………左目はいつも通りの色、ただ違っていたのが右目だった。

 

右目の……………なんて言うか……………………形?色?どれも違っていて、とにかくスバルの目に見た事も無い『マーク』みたいなものが浮かび上がっていた、これがあの『すり抜けた』ことに何か関係があるのかしら?

 

私は何か知っていると思われる三人、特にハルカさんにこの事を聞いてみようと思った。

 

ティアナ「中村少将!スバルのこの右目のマークみたいなモノは一体………………」

 

ハルカさんは何かを考えているように手を口に持っていって黙っていた、だけどそれも短い時間で終わりハルカさんは口を開いた。

 

ハルカ「………………スバルに”ドォォォォン!”!?チッ!」

 

口を開いてくれたと思ったら、いきなりの爆発音で遮られてしまった。

 

さっきの爆発音はカラミティがさっきの魔力の斬撃をまた飛ばしてきて、それをザフィーラさんが止めたことによって起こった事だった。

 

ハルカ「ティアナ!スバル!今はとにかくヤツを倒すことを考えなさい!説明は後でするから!」

 

ティアナ「あ、ハイッ!」

 

スバル「わ、分かりました!」

 

カラミティが攻撃してきた所為で話の途中で切り上げる羽目になってしまった、ハルカさんは何かを知ってるって感じの顔をしてたけど。

 

私はスバルと一緒に皆の所に戻る最中、スバルにさっきの事を聞いた。

 

ティアナ「スバル、アンタさっきどうやってアイツの攻撃をすり抜けたの?それって井上…………………さんがやってたやつでしょ?」

 

スバル「だと思うんだけど、分かんない……………アイツの攻撃が当たりそうになったと思ったらいつの間にかすり抜けてたんだもん」

 

ティアナ「いつの間にかって………………アンタ、自分の意志ですり抜けたんじゃないの?」

 

スバル「ううん、なんかいきなり右目が熱くなったと思ったら勝手にすり抜けちゃった」

 

意志に関係無く?勝手に発動したって事?でも……………それならどうしてスバルに?それに……………どうやってあんなものを………。

 

私はあれやこれやと考えながらもカラミティとの戦闘に集中することにした。

 

カラミティ「!……………ソチラノ局員ノ御嬢サン、先程ノ不可解ナ現象ガ気ニナリマスネ………」

 

カラミティはスバルの接近に気付いたのか、標的を渡しとスバルに絞り込んだ。

 

スバル「くっ!」

 

私とスバルはデバイスを構え、カラミティの攻撃に対処しようとした。

 

カラミティはまた複数の武器に分裂させたアハトの槍と鞭で私達を攻撃してきた、私達は障壁では無く左右に避けカラミティにスバルは近付き私は距離を取りつつ背後に回り込んだ、近くには兄もいた。

 

ティアナ「『クロスファイアシュート』!」

 

私は『クロスファイアシュート』でスバルを援護しようとしたけど、アハトが新たに増やした盾によって阻まれた、だけど少しでも注意をこちらに反らすことが出来た。

 

その間にスバルがカラミティに向かって右ストレートを放った。

 

カラミティ「ヌッ!?」バッ

 

カラミティも当たると思いガードを上げようとしたけど遅い、さっきと逆でスバルの攻撃の方が速くガードは間に合わない、これは確実に当たる!………………と思ったら。

 

”スゥ………………………”

 

スバル「はれ?!」

 

カラミティ「?」

 

またも………………そして何故かスバルは攻撃を決められる絶好のチャンスにさっきの『すり抜け』を発動して、ワザワザ空振りに終わってしまった。

 

ティアナ「ちょっとスバル!?アンタ遊んでんじゃないわよこんな時に!!」

 

スバル「い、いや違うって!別に遊んでたんじゃ………………」

 

ティアナ「じゃぁ何で勝手にすり抜けたのよ!どう考えてもワザワザすり抜けるような場面じゃないでしょあそこは!?」

 

スバル「私だって分かってるよ!でも……………勝手に作動しちゃって……………」

 

勝手に作動って…………じゃぁさっきと同じってこと?…………それって……………。

 

 

 

 

ティアナ スバル「「意味無いじゃん!!!!!」」

 

 

 

 

戦闘中にもかかわらず私と、何故かすり抜けた当人であるスバルまでもツッコミを入れてしまっていた。

 

カラミティ「……………ハ……………ハハハハ、驚キマシタネ………マサカ…………攻撃サレルト思ッタノデスガ、当ノ本人ガ制御出来テイナイトハ……………宝ノ持チ腐レトハコノコトデスネ」

 

ハルカ「(やっぱり、操作しきれないの?)」

 

奴の指摘通り、いくら凄い力を持ったとしても、それを使いこなせなければ持っていても邪魔になるだけ。

 

カラミティがジリジリとスバルに近付いて行こうとした時、井上………………さんのデバイスが声を上げた。

 

ヤクモ『イメージです!』

 

スバル「!?」

 

いきなりの声にスバルも驚いてしまい、その隙にカラミティがスバルに攻撃をしようとしたけど、スバルは意外にも反応し咄嗟に避けることが出来た。

 

リコ『スバル・ナカジマさん!右目の観察力・洞察力が高まっている筈です!敵からの攻撃が当たる部分に穴が開くイメージを持ってください!』

 

ライラ『逆に触れたい部分、つまり自身が攻撃を当てたい時は当たるというイメージをお持ちください!』

 

デバイスからのアドバイスにスバルはまたカラミティからの攻撃をすり抜けた、そして振り向き際に右回し蹴りを放った。

 

普通ならここでまたカラミティをすり抜ける筈……………。

 

”ガスッ!”

 

カラミティ「ナニッ?!」

 

今度はすり抜けることなく見事に右の回し蹴りが井上…………さんの左側頭部に入った。

 

スバル「出来た!?」

 

スバルはすり抜けることなく当てた事に喜びながらいったん離れた。

 

ライラ『喜ぶのはまだ早いですよ、その力はあまり使わないでください、使うにしても単発にお願いします』

 

スバル「え、どうして?」

 

リコ『その力は確かに便利なんですが、連続で使うと5分しか持ちませんし、再発動出来るかどうか……………』

 

スバル「そ………………そんなぁ…………」

 

ヤクモ『ですから、本当に危ないと思った時に使用してくださいね』

 

スバル「わ、わかった」

 

カラミティ「ドウヤラソチラノ方ニハ物理的ナ攻撃ハ無意味ソウデスネ……………ナラバ!」

 

いきなりアハトの形態が変化した、複数に分かれていた刃物といった近距離系の物から銃のような遠距離系の物に変わっていった。

 

”ドドドドドドドドドドンッ!”

 

質量兵器へと変化し銃弾をばら撒いた、ただこの銃弾は魔力で出来た魔力弾………………つまり井上………さんから吸い取った魔力で造った弾丸ということになる。

 

だけど、皆アハトが銃へと変化する瞬間には既に防壁を造っていた為ダメージは全く無かった、ただ無差別にバラ撒いたため砂埃が激しく舞い視界が悪くなりカラミティの存在が確認できなくなった。

 

兄の確認は出来た物のカラミティは姿を隠している、私は目視でも確認できるように周囲を注意深く見てると、一つの影が移動するのが見えた。

 

影は人の形をしていたけど、明らかに挙動がおかしい………………まるでコッソリと近付く様な、しかもその影の肩には大きな剣のような物が映っていたのが分かった。

 

しかも影の近くには………………………兄であるティーダ・ランスターがいた。

 

影の正体は分かってる、カラミティだ。奴は兄を不意打ちで殺そうと砂埃に紛れて攻撃しようと考えている。

 

だけど………………私が気付くには遅すぎた、仮にここで私が声を上げて兄に教えても奴の攻撃の方が速く兄を捉えてしまうし、私が兄の下に行っても同じこと……………私を斬る……………もしくは兄さんごと私を斬るか………。

 

どの道奴の攻撃は防ぎようがない…………………頭では分かってる………………………けど納得したくない………………。

 

この時私はある事を思い出した。

 

それは4年くらい前、私が管理局を目指す前の事だった。当時兄はある犯罪者の内偵をしていた、その犯罪者は魔導師……………しかも指名手配されていた魔導師だった、複数の局員と連携して張り込んでいたらしい………………………。

 

けど一人の局員が犯人に見つかり逃走されると言う失態を犯してしまった、その所為で犯人は逃げてしまい更には人質を取られる始末、そして犯人は兄を殺害しようとしたらしい。

 

幸いその時マダラこと井上………………さんが犯人を無力化したおかげで人質も兄も助かったと兄から聞いた。

 

しかし私はその時のように兄が死んでしまうのではないかと思った、その瞬間全身の血の気が引いた感覚が私を襲った。

 

ティアナ「(兄さんが死ぬ?………………そんな……………折角兄さんとここまで来れたのに………………こんなとこで…………)」

 

私の頭にはカラミティが兄さんを斬るヴィジョンが映し出されていた。

 

ティアナ「(いや…………いやよ…………こんなとこで兄さんが死ぬなんて………………一緒に………井上………………さんに………………お礼を言おうって…………そう決めてたのに!)」

 

私は必死にどうやって助けるかを考えた、兄に呼びかける?なのはさん達を呼ぶ?私自身が行く?とさっきと同じことを考えていた。

 

だけど…………どうやっても間に合わない、でも諦めることは出来ない………………どうすれば………………。

 

と思ってると、私の右目に少し熱くなるのを感じた、もしかしたら涙が出ているのかも………………今は泣いてる場合じゃないのに!

 

ティアナ「(誰か………………誰でもいい…………誰か兄さんを助けて!………………アイツから………………兄さんを…………)………助けて!!!」ブワッ!

 

カラミティ「(チィッ!)」ブンッ

 

私は兄に救いの手が伸びるのを想像してしまいながら叫んだ、想像…………いや………この場合妄想かな…………こんな余裕が私にあったんだ…………………兄が危ないと言うのに…………。

 

カラミティは私の声に気付いたのか、私が叫んだすぐ後にアハトを兄に向けて振り下ろした、兄もそのすぐ後私の声に気付きカラミティにも気付いた…………けど、アハトの刃がすぐ目の前に来ていた。

 

兄は…………アハトの剣で斬られる…………鮮血が激しく迸るに違いない………………けど、結果は違い………………兄は無事だった…………。

 

”ゴォンッ!”

 

カラミティ「!?」

 

ティーダ「っ!?」

 

ティアナ「……………何よ………コレ」

 

砂埃が少しずつ晴れていく、だけど私と兄、そしてカラミティにはハッキリと見えていたモノがある………………それは………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の周りに紫色のオーラと人間の肋骨みたいなモノが現れ、そして肋骨から人の腕のようなモノ………………人間で言うと丁度左腕が伸び兄を握るような形だった…………けど握り潰すようにはせず、まるで兄を覆うようにしている感じだった…………手と言ってもこれも私の周りにある様に骨のような形だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂埃が徐々に晴れ視界が良好になった、依然私達三人?は止まった状態。

 

スバル「ティアっ?!大丈…………夫………って」

 

晴れたお陰でなのはさん達も私達の事を確認することが出来るようになった、なったらなったで私達同様私と兄を覆っている紫色の『何か』に驚いていた。

 

なのは「アレって………………」

 

フェイト「透が使ってた…………『須佐能乎(スサノオ)』?!」

 

フェイトさんが言った通り、コレは前に井上………………さんと戦った時、私達の最後の砲撃を撃った時に防御した魔法…………って呼べるのか分からないけど………………。

 

シグナム「スバルに続いてティアナまでもか!?」

 

ハルカ「それより…………もっ!」

 

皆が驚く中、アインス二等陸尉とハルカさんがカラミティに攻撃し私と兄から引きはがしてくれた。

 

スバル「私だけじゃなく………………ティアまで………………」

 

ティアナ「ハルカさん…………コレは一体………………」

 

ハルカ「(こっちも『万華鏡写輪眼』………)その前にティアナ、さっきヤクモ達がスバルに言った事と同じようにして、『須佐能乎(スサノオ)』を収めなさい」

 

ティアナ「でもそんなことよりも「早く!」…………ハイ、分かりました」

 

私はハルカさんに圧倒されながらもハルカさんの言う通りにし、さっきスバルが井上………さんのデバイスに言われた通りの事を私もやってみると『須佐能乎(スサノオ)』ってやつは徐々に消えていった。

 

スバル「凄いよティア!あんなモノ出せるなんて!!」

 

ティアナ「凄くもなんともない、たぶん………………アンタと同じよ………………そうですよね?ハルカさん」

 

ハルカ「…………………………」

 

私はある出来事を思い出しながら、ハルカさんに聞いてみた。

 

その間にもカラミティはなのはさん達を相手にしていた。

 

ティアナ「この力はあの時………………そう、井上………さんに頭を掴まれた時に何かされたんじゃないんですか?そうじゃないと説明が付きません!」

 

ハルカ「………………」

 

アインス「……………………」

 

すずか「………………………」

 

ティアナ「ハルカさん!!」

 

私は沈黙しているハルカさんに答えてもらおうと声を荒げてしまった。

 

ハルカ「………そうよ、あの時透はアンタ達に自分の力を渡してたのよ」

 

ハルカさんがやっと口を開けてくれたと思ったら、私が言った通りの事となった。

 

考えてみれば当然の事だった、先日井上…………さんと戦った時、戦い始めて途中彼が去るまでは私の身体には何の異変も無かった。

 

けどその後、妙な人型の巨大質量兵器が出て来た時、私達がシュテルって子たちを救出しようとした時に彼に邪魔をされた………………頭を掴まれたのはその時だ。

 

掴まれた後、妙に頭が重く目も少し変な感じがしたのはこの事だったんだと今では思う、あの時は掴まれた拍子に………と思ったから特に気にしては無かったんだけど……………。

 

だけど…………それでも気になる事がある…………………。

 

ティアナ「…………何で私達に…………………こんな能力を?」

 

ハルカ「それは……………透を助ける為に必要な事だからよ」

 

スバル「井上さんを………………助ける為?」

 

ティアナ「それって……………どういう…………………」

 

私はハルカさんにどういう意味か聞こうとしたけど、カラミティと戦ってたなのはさん達の砲撃等でそれどころでは無かった。

 

ハルカ「今は戦いに集中しなさい」

 

ティアナ「しかしっ!」

 

すずか「ティアナちゃん!」

 

ティアナ「っ……………………すずかさん」

 

すずか「いきなりのことで驚くのは分かるけど、透君は皆に自分を止めて欲しくてティアナちゃん達にその能力を渡したんだよ、きっと自分を止めると信じて…………………そして…………皆がその能力を扱えると信じて」

 

ティアナ「………………」

 

私は黙るしかなかった、確かにあの力のお陰でスバルも兄も無事だった…………アレ等が無ければ二人とも死んでいた。

 

ティアナ「っ!それじゃぁ!」

 

振り向きながら私はある事を思い出した、あのとき井上…………さんにやられたのは私達だけじゃない事を………。

 

私の視線の先にいるのは………………………。

 

 

 

 

 

 

エリオとキャロ。

 

 

 

 

 

エリオはフェイトさん達と一緒にカラミティの攻撃を捌いたりしつつ攻撃を加えていった、キャロはそんなエリオたちのような近接戦闘をする人達に強化魔法でサポートしつつ、自身も遠距離の砲撃で援護射撃をしていた。

 

ティアナ「…………あの二人も井上…………さんに頭を……………」

 

エリオとキャロも私やスバルと一緒で井上…………さんに前の戦いの時に頭を掴まれていた…………と言うか触られたことを私は思い出した。

 

そんな時、カラミティが大ジャンプしてキャロの方に向かって行った、おそらくキャロがエリオたちを強化している事に気付いたんだと思う。

 

キャロ「っ!」

 

カラミティ「貴女デスカ………………彼等ニブースト系ノ魔法ヲ掛ケテイルノハ、先程カラ彼等ノ力ガ妙ニ高イ事ニ少々疑問ヲ持ッテイタンデスガネ」

 

キャロの危機にエリオが逸早く気付きキャロの下へと走っていこうとした。

 

一生懸命………………手を前に出し……………叫びながら……………。

 

そしてまた私の目に驚愕する出来事が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

エリオ「キャロに近付くなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

エリオの叫びと共に起きた事、それはカラミティ…………というか井上………………さんの身に起こった……………それは…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロの近くに立ってた井上……………さんの身体が、『何か』に弾かれるようにして吹き飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロ「えっ?!」

 

何も来てないのにいきなり人が吹き飛ぶのを見れば誰だって驚くに決まってる。

 

だけど……私の予想通り、やはりエリオにもあの人の能力が付与されていた………………となれば…………。

 

私はキャロに近付いて行くエリオの『眼』を見た、エリオの眼には予想通り私とスバル同様変化が起きていた。

 

エリオ「キャロ!大丈夫!?」

 

キャロ「う、うん…………平気だけど………………ってどうしたのエリオ君!?」

 

エリオ「え?…………な、何が?」

 

ただエリオの眼は私とスバルのような赤い眼では無かった、何ていうか………………。

 

キャロ「何がって………………………エリオ君の眼…………眼がおかしいよ…………いつもの眼じゃないよ……………」

 

エリオ「え…………うそ……本当?」

 

キャロ「………………」コクッコクッ

 

エリオの問い掛けにキャロは頷いて答えた……キャロの言う通りエリオの眼は変わっていた………………ただ私達と違うのは、『両眼』っていう所と、あと両目とも灰色とも紫とも言えない色で『何重もの円がある眼』になっていた。

 

その間にも吹き飛ばされたカラミティが起き上がっていた。

 

カラミティ「舐メタマネヲォォォォ!!」ブォンッ!

 

キャロ「っ!?危ないエリオ君!!」バッ

 

キャロが片手を前に出しながら自分の斜め前にいたエリオを突き飛ばそうとした、ただこの行為が意味があったのかは分からないけどカラミティの攻撃………………斬撃は二人に直撃することは無かった……………何故なら。

 

 

 

 

 

 

キュィィィィィィィィンッ!

 

キャロ エリオ「「…………え?!」」

 

 

 

 

 

 

キャロがカラミティが放った斬撃を前に出した片手で『吸い取って』いた。

 

キャロ「な、何…………」

 

エリオ「こ、これって……………?!キャ、キャロ!眼!眼が!?」

 

エリオがキャロの眼を見て声を上げる、成程…………キャロも眼がおかしいと言うことは………これで全部ってこと?

 

キャロはエリオに指摘されてオロオロしていた、当たり前よね…………エリオもそうだけど他人から眼がおかしいって言われても自分じゃぁ見ることが出来ないから、わけわかんなくなるわよね…………。

 

カラミティ「クッ!……………シカシコレナラドウデショウ!」

 

カラミティが再びアハトを大剣に変え、さっきより大きめの斬撃をギンガさんとクイントさんの方へと向けて放った。

 

スバル「ギン姉!お母さん!?」

 

しかも一つだけでは無く、連続で3つの斬撃がギンガさんとクイントさん、それになのはさんやハリベルさんの方へと飛んで行った。

 

なのは「『ディバインシューター』!」

 

ハリベル「『虚閃』!」

 

ハルカ「(やっぱ『虚閃』使えたんだ…………)」

 

皆さん飛んで来た斬撃をそれぞれ砲撃で対処して防いでいたギンガさん達の方もメガーヌさんが砲撃で相殺したので何もなかった。

 

しかし、恐るべきは井上……………さんと言ったところでしょうね……………。

 

ギンガさん達の方にまた新たな斬撃が飛ばされていた、なんとカラミティが飛ばしたのは『3つ』ではなく『4つ』だった。

 

奴はギンガさん達の方へと飛ばした斬撃の後ろにもう一つの斬撃を飛ばしていた…………つまり最初の斬撃は囮で、本命は二発目の斬撃だったってことになる。

 

流石に二撃目が来ることは予想してなかったギンガさん達は対応を取ろうにも、二発目の斬撃がすぐ近くまで迫っていた。

 

ただ……………ギンガさん達に関しては本当に私も焦ってた、さっきのエリオたちは私とスバル同様前の戦闘の時に井上………………さんに頭を掴まれたのは私達四人だけだったから…………。

 

だけどギンガさん…………ましてやクイントさんやメガーヌさんに至っても掴まれたわけでは無いから、あの人の能力を貰う事なんてできるわけが無い。

 

ギンガ「(ガードは……………ダメ!間に合わない!?)」

 

誰もがギンガさん達に斬撃が直撃すると思っていた、おそらく本人たちも同じように思ったでしょうね。

 

ギンガ「つっ!?(っ!何?!いきなり左眼が…………熱く!?)」

 

すずか「(ギンガちゃん………もしかして………)ギンガちゃん!あの斬撃を見て!!」

 

ギンガ「っ?!」

 

いきなり片目を押さえたギンガさんに対し、すずかさんがギンガさんにカラミティが放った斬撃を見る様に指示した。

 

ギンガさんは反射か分からないけど、言われてすぐに顔を上げカラミティが撃って来た斬撃を見る様にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”ズズズズズズズズズズズ……………”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギンガ「えっ?!ちょっ………」

 

するとこれまたいきなり、カラミティが撃って来た二発目の斬撃が突如起こった空間の歪みみたいなモノに吸い込まれて…………『無くなった』。

 

ギンガ「………………………」

 

クイント「ギンガ……………あなた……………」

 

ギンガさんはさっきの私達と同様いきなりのことで頭が混乱して少し放心状態になっていた、ただそれ以上に私が混乱していた。

 

何故なら、あの時私達以外に井上……………さんに頭を掴まれた人っていなかった筈だから………………。

 

そしてそんな事を考えてた私に………………いや、私とスバルとギンガさんにまた別の問題が起きた。

 

ティアナ「うっ……………」

 

スバル「あっつ…………左眼が…………」

 

ギンガ「っ………………………!」

 

さっき変化した右眼、それとは反対に今度は左眼が熱くなり押さえていると、いきなり変な景色が映りだした。

 

なんと私の眼………………………というか左眼に色んな景色が映りだした、普通に左目を押さえている私の手が映っている…………『他に』、『エリオが映って』いたり『キャロが映って』いたり……………あと『クイントさんがすぐ近くに見え』たり何故か『スバルの足元が見え』たりした。

 

スバル「うぇぇ!?!?!何!?なんなの!?!?!」

 

ティアナ「スバル?アンタにも見えてんの?!」

 

スバル「え………えぇっと………アンタにもっていう意味が分かんなんだけ…………って左眼に私が映ってる!?って何なのこの眼!?」

 

確かに……………スバルが私の方を見た瞬間、『スバルの視点が私にも見えた』………て言うかスバルの言う通り………何この眼!?

 

それに………………………眼だけじゃない………………………何か…………………頭に………………。

 

私の頭の中に何か…………変な言葉というか………………呪文のようなモノが思い浮かび、私は何が何だか分からず頭を片手で押さえていた。

 

しかし、そんな私達にお構いなしに来るのがカラミティ………………………と思いきや、奴は私達を観察するかのようにジッとこっちを見ていた。

 

カラミティ「……………ホホォ、成程……………ソウ言ウ事デスカ…………」

 

カラミティは一人?で勝手に納得していた、何が成程なのかしら?

 

カラミティ「先程カラ起キテイル不可思議ナ現象………………要因ハ………………………ソノ眼デスネ?」

 

流石にカラミティも一連の現象……というか、私達の眼を見て気付いたようね…………って当たり前か、こんな目立つ眼を両方持ってたらね。

 

カラミティ「……………ナラバ、コチラモ同ジヨウニシマショウカネ……………」

 

カラミティは井上……………さんの左眼が見える様に顔を上げさせた。

 

カラミティ「シカシコレハ……発動スルニハ、時間ガ少々掛カッテシマイマスネ………ット、コレデデキマスネ…………イキマスヨ?………………………名前ハ……………」

 

一人?で勝手に話しを進めていたカラミティが、準備が整ったような言い方をしてきたと思ったら、井上…………さんの左眼が若干変わって来たように見えた。

 

ハルカ「っ!?」

 

カラミティ「『天「アンタ達!透の眼を見なさい!!」照』!」ギンッ!

 

いきなりのハルカさんの声に反応する暇も無かったけど、ハルカさんが言う前に…………少なくとも私はあの人の眼を見ていた。

 

ティアナ「っ!」ギンッ!

 

スバル「っ!」ギンッ!

 

ギンガ「っ!」ギンッ!

 

すると私の右眼が痛み出し、目を瞑ってしまった。

 

痛みが消え目をゆっくりと開けると、いつ移動したのか分からないけど、周りが荒野では無く少し白い空間が広がっていてその空間に浮いているというより、見えない床の上に立っているって感じだった。

 

周囲を確認しようにも靄のようなものが掛かっていて、若干見えにくくてほぼ何も見えない。

 

私は周りを確認しようとすると後ろの方で声がしたので、振り向いて見ると私の他にスバルとギンガさんもいた。

 

ティアナ「スバル!ギンガさん!」

 

スバル「あ、ティア!」

 

ティアナ「二人もここに居たなんて…………」

 

ギンガ「それよりも………………ここは……………」

 

スバル「私達…………さっきまで荒野のようなところにいたよね?」

 

スバルもさっき自分が居た所の事は記憶にあるようだった、ただ何で自分達がここにいるのか分からないだけなんだけど………………………。

 

スバル「もしかして!コレもカラミティの仕業!?あの時、井上さんの眼で何かしたんじゃ!?」

 

ギンガ「それはどうかしら……………でもあの時ハルカさんの指示で眼を見たんだし…………」

 

ティアナ「確かに………あ、そう言えば…………なのはさん達もいるのかしら…………」

 

ギンガ「周りは………………ダメね、靄がかかって何も見え………あら?靄が晴れていくわ………………」

 

ギンガさんの言う通り、今まで靄がかかっていた白い空間にが徐々に晴れて言ってはいるんだけど……………白い空間であることに変わりは無いわね。

 

ティアナ「(何も無いわね)………………ん?」

 

私は晴れていく中で、一つの影のようなものが見えた。

 

スバル「ティア?どうしたの?」

 

ティアナ「うん………………何か…………向こうの方に影が見えるんだけど…………」

 

靄が晴れていく中で見える一つの影、私達は一旦それを確認しようと固まりつつ周囲を警戒しながら影の方へと歩いて行った。

 

影の10mくらいに迄近付いたら影の正体が見えて来た。

 

しかし、影の正体は今まさに私達が相手にしている……………………………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

井上………………………さんだった。

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

エリオ Side

 

 

 

エリオ「一体………………どうしたんだろ?」

 

ハルカさんが大声で『眼を見ろ』って言ってから、スバルさんとティアナさん…………それにギンガさんまでもが立ったまま井上さんをジッと見ながら止まっている。

 

ちなみに僕も(キャロに確認を取った)キャロも未だに両目とも変な状態のままだった。

 

カラミティ「クッ!コノッ!…………何故発動シナイ?!ソレニッ……………ッ………何故動カナイノデス!?」

 

アハト「何ヲシテオルカラミティ!?サッサト奴等ヲ攻撃セヌカ?!」

 

カラミティ「ワカッテマス!デスガ、突如彼ガ動カナクナッテシマッタンデス!カケタ筈ノ『天照』マデ何故カ発動シマセンシ…………」

 

スバルさん達だけじゃなかった、カラミティ……………と言うより井上さんも同じようにスバルさん達を見ながら動かなくなってしまってボォッと突っ立っている状態だった。

 

クロノ「…………何が………あったんだ?」

 

リニス「分かりません………ですが、奴等は透の眼の力……………消えない炎を使うつもりだったのは間違いないようですが…………」

 

ユーノ「前にハルカに聞いた『天照』ってやつだね、でも見るからに発動はしてないようだけど……………」

 

薫子「発動以前に皆の動きが止まってるんだけど………………」

 

レヴィ「なんかボォッとしてるし」

 

はやて「何がどうなったらこうなんねん?」

 

皆さんも今の現象に驚いて行動することが出来ないでいた、カラミティも井上さんを操作しようにも井上さん自体が動こうとしていない為僕達を攻撃出来ないでいた。

 

唯一遠距離で攻撃しようにも、僕達は簡単に防いでしまうので向こうも下手に手出しできないでいた。

 

と、皆さんが困っている中、今まで止まっていたスバルさんとティアナさんとギンガさん達に異変が起きた。

 

スバル「にゃっ!?」

 

ティアナ「きゃっ?!」

 

ギンガ「くぁっ?!」

 

3人は気が付いたと思ったら膝に力が入らず尻餅をつき、井上さんの方も頭が後ろの方へと傾いていた。

 

なのは「皆!?」

 

はやて「ちょ?!アンタ等大丈夫なんか!?」

 

ティアナ「は…………はい、なんとか………」

 

フェイト「一体何があったの?」

 

スバル「え……………っと………よく分からないんですけど……………井上さんと会ってました…………」

 

ヴィータ「…………………は?」

 

ギンガ「私たちもよく分からないんですけど…………」

 

ハルカ「(キタ!?)全員!!一旦集まって!?」

 

全員「っ?!」

 

いきなりのハルカさんからの招集が掛かった、とりあえず僕達はハルカさんの近くまで急いで集合した。

 

はやて「何やハルカちゃん、いきなり呼び出して」

 

シグナム「今はティアナたちの事も重要なんだが…………」

 

ハルカ「それも踏まえて……………ていうか、それこそが重要なんだから…………」

 

シャマル「重要って…………何か知ってるの!?」

 

ティアナ「それって…………私達のこの眼のことも関係してるんですか?!」

 

アインス「そう言う事になるな」

 

はやて「アインス………何か知ってるん?」

 

アインス「はい……………詳しい事はハルカから……………」

 

アインスさんの言葉で皆さん一斉にハルカさんの方を見た。

 

ハルカ「呼んだのは、もちろん透を助ける事よ…………その仕掛けがもう動き始めたのよ………………カラミティ!!」

 

カラミティ「?」

 

ハルカさんは遠く離れたカラミティに向けて持っていたデバイスを指して言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルカ「アンタの敗けよ、アンタはもう……………………透の術中に嵌ってんのよ!!」

 

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