ハルカ Side
ハルカ「アインス!まずは透の顔を上げさせて!」
私はアインスに透の顔を上げさせるよう指示した、『影縛りの術』は『影真似の術』と同じ………………つまり眼球とか影が映らない部分以外だと術者と同じ動きが出来ると言う事。
ヤクモから聞いて、昨日アインス達と考えた透救出の必勝法。
まずはスバルたちに『写輪眼』等が開眼するのが第一条件というか必須、そしてアインスが『氷輪丸』と『影縛りの術』でカラミティの動きを封じてしまう。
だけど、このまんまという訳にはしないわ。
ハルカ「はやて!」
私ははやてに指示を出そうとしたけど、はやても伊達に部隊長という肩書を背負ってるわけでは無いわね、私の言いたい事が分かってるようで……………。
はやて「わかっとる!シャマル!ユーノ君!他にも出来る人等は全員、透君にバインドを掛けるんや!透君をバインドで雁字搦めにするんや!」
そしてこれも私の予想以上………というか、あの子達ももう子供じゃないわね……………なのは達もはやての指示すると同時かそれより若干早く透にバインドを仕掛けていた。
透は氷漬け+影での拘束+無数のバインドでの拘束といった、超超拘束された状態になっていた………………………こうすると嫌な絵ね。
次にスバルたちに透の精神へダイブさせる、ヤクモからは一度『写輪眼』で精神へ入ることが出来たなら向こうが『天照』を使おうが関係無しに、もう一度だけ入ることが出来るそうだ。
もう一度だけって言うのは、ヤクモの話ではスバルたちやアインスが使用してる眼や刀、実は透の魔力を消費して使用しているという話だった。
透はスバルたちに『写輪眼』とかを渡すと同時に事前に自分の魔力を『譲渡』したらしい、魔力に関しては『譲渡』を使ったっぽい……………変な話ね。
ただ透の魔力は分散させて渡したから多くは渡せなくて、精神に入るのは2回が限度らしい………けどその他の眼や刀に関しては透の魔力が切れてもそのまま引き続き使うことが出来るけど、その時は今のような戦いが出来るかどうかは分からないとのこと……………まぁかなり魔力を消費するモノばかりだしねぇ……………。
アインス「上げたぞ!今の内に入れ!」グイッ
アインスが顔を上げると同時に透も顔を上げ左眼が見える状態にあった
ハルカ「いい!?透の精神に入ったらさっきギンガが言ってた蜘蛛女、きっとそいつがカラミティの言ってた『ウルシ』っていう精神を操る奴だと思うけど、そいつをブッ飛ばせば透は正気に戻るはずよ!」
スバル「ハイっ!」
ハルカ「………………これがラストチャンスよ、コレを逃したら…………後は無いわ」
スバル「……………………」
ギンガ「……………………」
ハルカ「……………フッ………まぁ変な事は抜きで、深く考えなくていいわよ?ぶっちゃけて言えばウルシってキモい女を思いっ切りブッ飛ばしちゃいなさいってこと!」
なのは「気負わないでいいから、ちゃんとスバルたちを支えておくから!」
フェイト「だから透を、お願いね?」
アリシア「私達の代わりに透を叩き起こしちゃってよ!」
ティアナ「ハイッ!!」
響子「本当なら私が行きたい所だけど……………アンタ達に任すわ、そのクソビッチを八つ裂きにして」
ギンガ「ぁ…………は、はい……………」
はやて「引くわ!?!?」スパァァン!
響子の超過激な発言にはやてのツッコミ(平手打ち)が響子の頭に決まった、透も似たようなことしてるけど……………透とはやてって普通に漫才やらせたらどっちが『ボケ』でどっちが『ツッコミ』かしら?純粋に気になるわね。
だけどそんな響子とはやてのやり取りで落ち着いたのか、肩の力は抜けたようだった。
そしてスバルたちは透の左眼を『写輪眼』で見る様にした。
ギンガ「スゥ………ハァ………………それじゃ、いきます!」ギンッ
スバル「うんっ!」ギンッ
ティアナ「ハイッ!」ギンッ
ギンガ達はは軽く深呼吸をしてそれぞれの『写輪眼』で透の眼を見て、そしておそらく入ったと思うけど見た瞬間の状態のまま動かなくなった。
私達はカラミティを警戒しつつギンガたちの身体を護れるよう、私はギンガを、響子はスバルを、そしてシグナムはティアナの近くに立った。
確かに私は3人に無理はするなと言った、ただ私には………………いや、気付いている人は気付いている筈だけど………………ある一つの危険性を感じていた。
ハルカ「(……………出来るだけ早くしなさいよ…………でないと透の命が本当にヤバいんだから………………)」
私は透の着ている鎧から流れ出ている赤い液体が地面に落ちているのを見てそう思った。
アレは明らかに血………………誰の血?……………かなんて言わなくても分かっている事だ、アレは透の血……………前に緋村達が攻撃しあの変なヘビのような化物に左腕を喰われた時の傷が開き始めたようね………。
奴等やすずか、それにヤクモ達が言った事は確かだったようね…………透は奴等にとって貴重な研究材料、その為にいきなり死なれたら研究が出来なくなる…………だから増血剤や止血剤やらを使って透を無理矢理にでも動かしているようね。
そんなことの為に……………アイツを…………。
ハルカ「―――ッ!」ギリッ!
私は歯を食い縛り過ぎて若干歯が欠けてしまった、けどそんな事は今はどうでもいい……今はなんとしても……………。
シグナム「焦るなハルカ、お前らしくないぞ」
表情に出ていたのか、シグナムには私の心の内を見透かされたように指摘された。
シグナム「お前の気持ちはわかる、透の傷口が開いてしまい危険な状態なのはな…………だが今私達が焦った所で何も出来はしない、今私達が出来る事といえばスバルたちを信じて待つことだけだろ?アイツ等を待とうハルカ」
確かに…………シグナムの言う通りだった、何も出来ない私って勝手に思って焦って……自分で指示したくせにスバルたちを信じることを頭から一瞬とはいえ離してしまった、シグナムも他の皆も気持ちは同じはずなのに……………遠征隊で多少は鍛えられたと思ったんだけどなぁ………。
ハルカ「………………そうね……………ゴメン、シグナム………しっかりしないとね!」
シグナム「あぁ、それでこそハルカだ」
響子「伊達に『破壊神』なんて異名はもってないですよね?」
ハルカ「………響子、どれぐらいブッ飛ばされたい?」
響子「すみませんっ!」
響子は私が右手を見せた途端、光の速度の如く……………残像が出来るくらいの土下座をして謝って来た…………………謝るくらいなら最初から言うなっての。
とにかく、私は透の精神に入ってる3人を見ながら信じて待つことを再確認した。
ハルカ「思いっ切りやっちゃいなさい………………………」
Side Out
スバル Side
~透の精神内~
ギンガ「さてと………………流石に2回目で事前に情報がある分、抵抗も無いわね」
今私達は井上さんの精神内に侵入し、急造ではあるけど3人小隊を組んで走って奥へと進んでいる。
ティアナ「とは言っても、流石にあのウルシって奴も私達の事を警戒している筈だから、周囲の警戒もしなくちゃいけないわね」
スバル「だね、いつ向こうが襲って来るか分からないし」
私達は走りながらも周囲を警戒しながら目標である井上さんの下に向かった、残念ながらウルシの気配は感じなかったけど目標である井上さんの姿は視認できる距離まで来た。
ギンガ「見えた、ここからは更に慎重に行くわよ?」
ティアナ「……………にしても、改めて見るとココが精神世界か………………妙に広いわよね?」
ティアは上の方を見上げながら感想を言った、確かにココが精神世界なんて言われてもあまりパッとしないかもしれない。
スバル「ティア、あまりキョロキョロしてると奴が来るかもしれないよ?」
ティアナ「分かってるわよ(でもそれよりもこの空間……………暖かいって感じと同時に…………ヒンヤリと冷たいって言うか……………寂しいって感じが漂ってるって言うか…………………何かしら?)」
そうこうしている内に私達は無事井上さんの近くまで行くことが出来た、今からはこの磔のようにされてる井上さんを救出する事なんだけど……………。
スバル「……………ギン姉」スッ
ギンガ「分かってる……………」スッ
ティアナ「いるわね………」スッ
二人も私と同じ様に気付いている様子だった、私達は周囲に気を配りながら戦闘態勢に入った。
ギンガ「……………出て来なさい!居るのは分かってるのよ!?ウルシ!」
ギン姉が声を張り上げてウルシの名前を言った、するとどこからか”カチカチ”と何かの音が聴こえて来た。
ウルシ「……………ア~ラ、マタアンタ達ナノ………………言ッタワヨネ?ココハアンタ達ガ来ルヨウナ所ジャナイッテサ」
ティアナ「っ!?上よ!!『シュート』!」ダンッダンッ!
ティアは私達にウルシの居場所を言うと同時に上に向けてデバイスでの砲撃を二発撃ち込んだ。
すると黒い何かがティアの砲撃を避け私達の目の前に着地した、誰なんて確認するまでも無くウルシだった。
ウルシは丁度井上さんの近くにいて、私達とは10mくらい離れていた。
ウルシ「チョットォ、イキナリ撃ツナンテヒドイジャナイノ、当タッタラドウスルツモリヨ」
ティアナ「何言ってんのよ、あんなの避けて当たり前でしょ?威嚇程度に何言ってんのよ」
ウルシ「ソレガ管理局ノ言ウセリフ?……………テイウカ私モ一応所属ハ管理局ニナルンダケド、技術開発部門ノネ」
ギンガ「一緒にしないでくれるかしら?あなた達のような奴等が軽く管理局の名前を使わないでちょうだい!」
ウルシ「ソレハ心外ダワ、私達……………トイウカ開発者側ダッテ管理局ノ為、ヒイテハ市民ノ為ニナルノヨ?」
ティアナ「どこがよ?!そんなの私達も市民も望んじゃいないわ!現にアンタ達が誘拐等の犯罪に加担し、その被害者で人体実験などをしてるというのはもうほとんどの局員が知ってるのよ!」
ウルシ「ジャァ彼ハ?彼ナンカアナタ達ニトッテ特ニ捕マエナイトイケナイ対象ジャナイ?彼ハ管理局デモ危険ナ存在、大量ニ人ヲ殺シ回ッテイル残酷ナ人間………………イイエ………人間デスラナイカモ、ナノニ私達ヲ倒シテ彼ヲ助ケヨウナンテ…………可笑シナ話ヨネ?」
ウルシは井上さんの隣に移動し右手、尖った指先で”ツツゥ…………”と顔を撫でる様にしながら言った。
ウルシ「彼ハアナタ達ガ敵対シテイタ『マダラ』ジャナイ、ソンナ彼ヲ捕マエズ救出スルナンテ……………何ヲ考「関係無い」…………ハ?」
ティアナ「関係無いわよそんなの!…………井上………っ………井上さんは私の兄を助けてくれた…………スバルやスバルのお母さんを助けてくれた…………本当に人を殺してるのかは知らない、でもこれだけはハッキリ言える!私達は井上さんを取り戻す!そして井上さんをなのはさん達の所まで連れて行く!アンタを倒して!!」
ティアは声を大にして真っ向から否定した、ウルシの表情は変わらない。
ウルシ「ソウ………残念ネ……………ナラ早クアナタ達ヲ片付ケテ、彼トサッキノ続キヲ楽シムコトニスルワ」
ウルシは糸で磔状態になっている井上さん撫でるようにして手を這わせ、終いには下半身部分を重点的に撫で始めた。
私はそれがたまらなく癇に障った、なのはさん達の大事な人を……………私の大事な恩人に対してそんな事をって思った。
スバル「井上さんをそんな風に触らないで!!」
ギンガ「あなた何してるのよ!?」
ティアナ「アタシ達を目の前にして、何ヤラシイことしてんのよ!?」
私達はウルシに対して怒りの言葉を浴びせた、私だけじゃなくギン姉やティアまで怒ったのは流石に驚いたけど…………。
ウルシ「アラ、アナタ達モシカシテ………………」
ギンガ「な………何よ……………」
ウルシは私達を品定めするような目で見て来た(実際そう見てるのかどうかは分からないんだけど…………)。
ウルシ「モシカシテ……………彼ノ事ガ好キナノ?」
スバル「え…………えぇぇぇええぇぇ??!!」////////////////////
ティアナ「なっな………なななな何言ってんのよ!!?」///////////////
ギンガ「………………………」
私達はウルシの爆弾発言に動揺してしまった。
だってだって、いきなり井上さんの事が好きなのか?なんて言ってくるんだよ?!そりゃ…………確かに助けてもらったし、私達が強くなるきっかけにもなったけど…………でもでもコレが本当に好きなのかって分かんないよぉ~!!
ウルシ「アラ私ノ勘違イダッタカシラ、ナラ「好きよ!」……………何ヨ、イルンジャナイ」
スバル ティアナ「「え?!」」
動揺してる私とティアと違って、ギン姉は真っ直ぐウルシを睨み好きだと断言した。
スバル「ギ、ギン姉………………」
私は別の意味で動揺してギン姉を見た、するとギン姉は困ったような顔をして私達を見た。
ギンガ「ごめんねこんな時に…………好きって言っちゃったけど、実は私自身もよく分かってないの……………この気持ちが本当に好きって感情から来るものなのかは………ね」
ティアナ「ギンガさん……………」
ギンガ「…………この事はなのはさん達には内緒よ?」
スバル「ギン姉!?こんな時に何言って「あなた達も!」え………」
ギンガ「あなた達も………………私と同じ様な気持ちなんでしょ?私もだけど、いい加減自分の気持ちにハッキリさせなさいよ?」
スバル「………………………」
ティアナ「………………………」
私すぐには返事が出来なかった、すぐ返事をすればそれは井上さんに対して何も感情が無かったから…………もしくは答えが出ているからなんだろうけど、私の中では全然答えなんか出なかった……………ティアもすぐに返事を出さなかったからすると私と同じなんだろうなぁ。
ギンガ「………まぁ、焦る必要は無いわ……………今は井上さんを救出することが先決!答えはその後だっていいんだからね?」
スバル「……………うんっ!」
ティアナ「ハイッ!」
ウルシ「アァ~ア、結局ヤルノネ………………面倒ダワ………私ッテ戦闘タイプジャナイノヨネェ」
そう言いつつも自分の指というか爪を私達に見せるようにして明らかな戦闘態勢を取った。
ウルシ「悪インダケド、私モ暇ジャナイノ………アナタ達『ダケ』ニ構ッテル暇ハナイノヨ……………アッチノ『奴等』ヲ抑エトカナイトイケナイシ」ボソッ
最後の辺りがよく聞き取りづらかったけど、ウルシは私達を相手にしたくない理由があるように見えるけど………………。
スバル「………………そんな事は気にしない!先手必勝だよ!!」ダッ
私はウルシの言った事を一先ず頭の片隅に置くことにして、ウルシに向かって駆け出し右のストレートをボディに入れようとした。
スバル「てりゃぁぁ!!」ブォンッ!
ウルシ「アッ!?ッブナイワネ!」
だけど奴は私の攻撃を難なく避けた……………いや、『避けさせた』。
ギンガ「危ないのはスバルだけじゃないわ!」ブンッ!
既にウルシの背後に回ったギン姉がウルシの背中に向けて左の回し蹴りを入れた。
ウルシ「ガッ?!」
背中にモロに蹴りを喰らったウルシは仰け反る様にして足元がグラついた。
ティアナ「アタシ達も相当危ないわよ!?」ザシュッ!
ウルシ「アギッ!」
隙が出来たウルシにダガーモードしたティアが足の一本を斬った、斬った所から血は出なかったけど、そのお陰でウルシは更にバランスを崩していた。
スバル「イケる!?」
ギンガ「気を抜かないで、どんどん攻めて奴に攻撃する隙を与えないわよ!」
ティアナ「分かってます!」
ギン姉の言葉に同意するかのようにし、私達はもう一度ウルシに攻撃しようと駆け出した。
ウルシ「クッ………………ソウ上手クイクカシラ?!」グィッ!
ウルシは私達が近付こうとしたら左手を振り回して近付けないようにしてきた、そしてすぐにさっき私達をこの精神世界から追い出した時に出した糸で造った槍のようなものを投げて来た。
ギンガ「気を付けて!アレを喰らったらまたここから追い出されてるわ!」
スバル「分かってる!」
だけどさっきとは違って私達は糸の槍を難なく躱し、ウルシとは離れた位置に集まった。
ティアナ「さっきの私の攻撃といい…………ココは精神世界だから、魔法って言う概念が無いのかしら………………」
ギンガ「かもしれないわね、だけど一応魔法は使えるようだからまったくってわけじゃ無さそうよ、おそらく魔力は私達の身体から来てると思うけど」
スバル「ならちゃんと魔法は使えるって事だよね」
ティアナ「とりあえずはそうね、ただそれも無限に使えるわけじゃないから気を付けなさいよ!?」
スバル「うん!」
ウルシ「雑談ハ終ワリカシラ!?」ドォンッ!
集まってた私達の中にウルシが降って来た、さっきまで目の前に居た筈なのにと思って見てみたら、ウルシの形をした糸だった。
ギンガ「いつの間にあんなことをしたのよ!?」
スバル「くっ……………やぁぁっ!」ヒュンッ!
私は左のハイキックをウルシの右横腹に決めようとした、だけどウルシに足を掴まれ隣にいたギン姉にぶつけられ、そのままギン姉と一緒に飛ばされた。
ティアナ「スバル!?ギンガさん!?」
ウルシ「次ハアナタニ決マッテイルジャナイ!?」ガシャッ!
ティアナ「なっ!?くっ……………」
一本減った足でティアを踏む要領で刺しにきた、ティアは一本減ったとはいえ不規則にくる足に翻弄されながらも距離を開けることに成功した。
その間に私とギン姉は即座にウルシの左右に回り込み、私の攻撃から入った。
スバル「はぁぁぁぁぁ!『エル・ディレクトォォォォ』!!」
私は未完成の『エル・ディレクト』をウルシに向けて放った、ギン姉の言う通りで一応魔法は使えるようではあった。
ウルシ「!?」バッ
ウルシは横から来た私の砲撃を察知してギリギリで避けることに成功した。
ギンガ「ハァッ!!」ドゴォンッ!
ウルシ「グァァッ!?」
避けたところで隙が出来たウルシにギン姉の『ナックルバンカー』が炸裂した。
ウルシ「~~~~!!ダァァァッ!!」
ギン姉にやられながら態勢を崩しながらも、攻撃してきたギン姉に対して足で刺そうとしたけど、既にギン姉の姿は無く刺しに行った足は空しくも空振りに終わった。
ウルシ「アァーーモォーー鬱陶シイワネ!!私ハアナタ達ニバカリ相手ニシテランナイッテイウノニ!!『アイツ等』ノ事モ気ニナルシ……………」
ティアナ「アイツ等?」
私達の攻撃に頭に来ていたウルシは思わず口にした『アイツ等』という言葉にティアだけじゃなく、私もギン姉も聞き取っていた。
スバル「(私達以外にも侵入した人が居るの?)」
私はなんとなくそんな予想はしたんだけど、すぐにその事を否定した。
こんな事は私でなくても分かる、ココは井上さんの精神世界…………そんな所にホイホイ入れるような人なんているわけない、まして私達なんかは異例中の異例……………というか井上さんの力で入ったから井上さんの力が特異ということなのかな?
そう考えながらも私達はウルシを圧倒していた、明らかに奴にダメージを与えていっている、ウルシの強さ……………というかウルシは井上さんと比べるとガジェットとやるより弱いと思える……………って井上さんと比べるのもなぁ……………。
ティアナ「『ギガノ・ゾニス』!」ゴォォォゥ!
ティアナ「『バオウ・クロウ・ディスグルグ』!」バンッ!
ティアナ「『クエアボルツ・グラビレイ』!」ドンッ!
戦っている最中ティアは全然聞いたことの無い術を放っていた、聞いてみると眼が現れた瞬間自然と頭の中に入って来たらしい……………頼もしいからいいんだけど、それって大丈夫なのかなぁ……………。
ま、まぁそんなこんなで今もまたジリジリとウルシへと距離を詰めていこうとしていく私達、だけどそんな中ウルシはやられているのにも関わらず不敵な笑みを浮かべていた。
ウルシ「…………………………フッ」
ギンガ「……………何か可笑しい事でもあったのかしら?」
ギン姉がウルシの笑みに対して、疑問を投げかけた。
ウルシ「アラゴメンナサイ、外ノ状況ヲ見テ……………ツイネ」
スバル「外の状況?」
ウルシ「アナタ達ニハ言ッテナカッタケド、私ハ外ノ事ガ見エルノヨ……………操ラレテイル彼ノ目ヲ通シテネ、ソレ以外ニモ彼ノ身体ノ状態トカネ」
ティアナ「………………何が言いたいの」
ウルシ「アナタ達ハ確カニ強イ、ダケドソンナ悠長ニシテテイイノカシラ?………………………彼ノ身体ガヤバイッテ事ニ気付イテルノ?」ニヤニヤ
井上さんの……………身体がヤバいって………一体どういうこと?
ティアナ「……………まさか?!井上さんの傷が!?」
ギンガ「っ!?」
ウルシ「正解♪丁度アナタ達ガ入ッテ来タ辺リデ薬ノ効力ガ切レタヨウヨ、今モ鎧ノ隙間カラ血ガ夥シク出テルワネェ……………サァドウスルノカシラ?」
スバル「だったら、アナタを片付けるだけ!?」ダッ!
そう、要はウルシを倒しこの精神世界からウルシを消せばいいだけの話、そうすれば井上さんは正気に戻り助かる可能性がグッと高くなる。
私と同じことを考えていたのか、ティアもギン姉も同時にウルシに向かって走り出した。
ウルシ「掛カッタワネ!?」
ウルシの言葉と同時に私達の足元から白い物体が私達の足から身体へと纏わり付いた。
ティアナ「な、何よコレ!?」
ギンガ「くっ………………全然…………切れないし、伸びる…………」
ウルシ「ソリャソウヨ、ダッテソレハ私ノ糸ダシ」
スバル「そんな……………何で足元から…………」
私は言いながら必死にもがいてみるけど、糸が切れる気配は一向に見えない。
ウルシ「気付イテルデショウケド、トラップ式ノ糸………………アナタ達ガ来ルコトハナントナク分カッテタカラ、事前ニトラップヲ仕掛ケサセテモラッタワ」
ギンガ「……………だったら、さっきまでやられてたのってトラップにおびき寄せる為の演技って事?」
ウルシ「半分ハ正解、ダケド半分ハ本当ニ危ナカッタノヨ?サッキモ言ッタケド私ッテ戦闘タイプジャナイノヨ、本来私ハ対象ノ精神内デノ支配ヲ行ッテル……………ダカラアナタ達ミタイニ精神ニ入リ込ンデ来ルヨウナ連中トノ戦闘ナンテ想定サレテ造られてナイノヨ」
ティアナ「そう……………戦闘は出来ない、だけどトラップを仕掛ける事は出来るって事ね」
ウルシ「ソウ言ウ事……………サッ、アナタ達ハモウ一度消エテモラウワ、コッチノ用事モ終ワリニシテ早ク彼デ『楽シミ』タイワ」ジュルッ
スバル「く………………そぉ………………」
なんとか抜け出そうと力を入れてみるけど、糸はビクともしない。その間にもウルシは私達に近付き、そして………………………。
ウルシ「ジャァネ♪」ヒラヒラ
私達をまた追い出そうと脚を突き刺し、私達の身体を貫いた。
すると徐々に私達の身体が消えかかっていくのが感じられた、段々と手の感覚が無くなっていき意識も薄れていく中私の耳……………というか頭の中に声が響いた。
???「後ハ任セナ」
って……………アレは一体何だったんだろうと思いながら私達は現実世界に引き戻されていった、ただ任務失敗という最悪の結果を残しながら。
ウルシ「サッテト、ヤットアッチモ片付イタコトダシ、アイツ等ノ対処ヲ済マセタラ心置キナク彼ト「何ヲスルッテンダ?」ソリャァアナタ男ト女ガ………ッテ!何デ!?」
???「ナンナラ手伝ッテヤルゼェ」
???「ワシの庭に土足で入り込んだ虫けらにデケェ顔されたくはないなぁ」
???「アイツ等が果たせなかったのは残念だったが、やはり最終的に俺達がやるという結果になってしまったか………まぁ仕方のないことではあるかもしれんが」
???「恩人である彼と私の大事な息子にこれ以上の勝手は許さんよ…………」
ウルシ「ッ!!??」ガクガク
Side Out
アインス Side
スバルたちが透の精神に入って数分、私は『影縛りの術』に集中していたがやっと動きがあった。
スバル「!」
ギンガ「!」
ティアナ「!」
精神に入ってたスバルたちの意識が戻った、その証拠に3人の身体が一瞬だが痙攣したのが見て取れた。
ハルカ「大丈夫!?」
ティアナ「あ、はい………………」
覚醒した3人にそれぞれが駆け寄り身体を支えてやった、しかしどうにも3人の表情は明るくない。
なのは「どうしたのスバル?」
スバル「………………………なのはさん………………………」
スバルに声を掛けたなのは、それとは正反対に今にも泣きそうな声を上げるスバル。
フェイト「成功したのギンガ?」
ギンガ「そ、それが…………………」
フェイトの質問に浮かない顔をし答えを言えないギンガ………………まさか…………。
スバル「………………すみません皆さん!!」バッ
3人を代表するかのようにスバルがいきなり頭を下げて謝罪してきた。
ハルカ「……………失敗………したのね?」
スバル「………はい」シュン…………
ハルカの問いにスバルが元気のない答えを返す、ギンガもティアナも皆に申し訳ないような顔をして顔を上げようとはしなかった。
ティアナ「本当に…………ごめんなさい、皆さんに後押しされながら………………皆さんの代わりに気合入れて井上さんを救出しようとしたのに……………」ギュッ
ティアナは本当に悔しそうに声を震わせながら、握っていた手をさらに握る様にしていた。
ハルカ「………………よくやったわよ」
ティアナ「!…………すみません………ずみ゙ま゙ぜん…………グスッ…………」
ハルカは泣きながら謝るティアナの頭を優しく撫でながら、そっと頭を抱いてやった。
アインス「(しかしどうする?透への精神干渉で2回目で成功すると思っていたが、最悪の結果になってしまった……………どうする!)」
私は泣いているティアナたちには申し訳ないと思いつつも、透を助け出す算段を立てようとしていた。
スバル「っ……………もう一度やります!」
なのは「スバル……………」
ティアナ「私もお願いします!今度は絶対に成功させて見せますから!」
すずか「だけど、今度は3人の個人の魔力を使わないと入れないんだよ?入るのにどれだけの魔力がいるのかわからないのに……………」
ギンガ「構いません!これは……………私達の失敗…………失敗を取り返させてください!!」
はやて「ギンガ……………」
アインス「…………………」
余程さっきの事が悔しかったのか、それとも私達に対して申し訳がないのか………………おそらくどちらでもありどちらでもないのだろうが…………。
だが3人のやる気だけは伝わってくる、私個人としてはやらせてやりたい……………おそらく主はやても同じことを考えているはずだ…………まぁそもそも、この3人の事だ………止めた所で意地でもやろうとするだろうな。
しかし、そんな必死に私達に頼み込んでいる3人の空気をぶち壊そうとしている輩が一人……………いや1体いた。
カラミティ「成程成程、ヤットデスガ『タネ』ガワカリマシタヨ」
カラミティが私達に聴こえる様に声を出すと同時に透の魔力をまた大きく出し、その衝撃波で『氷輪丸』の氷を砕き皆が張ってくれたバインドも外した、更に最悪な事に『影縛りの術』の効果時間も来ていたようで透へと延びていた影が私の方へと戻ってきた。
アインス「くそっ!」
解放状態となったカラミティに警戒するように、皆一塊にならずティアナ、スバル、ギンガ、エリオ、キャロを中心に分散した。
カラミティ「ホォ…………コノ影ノ術ハ一定時間デ効果ガ無クナル仕組ミデスカ、更ニ先程眼ガ変化シタソチラノ5名ノ能力ヲ使イ私達ヘノ対抗策トシテ置イテイルワケデスネ」
シグナム「さて……………それはどうかな?」
カラミティ「マァソノ辺リハドウデモイインデスガネ、対処ハナントナクワカリマシタシ……………肝心ナノハ別ノ方デスガ」
ハルカ「別の方って何よ?」
カラミティ「別ノ方ト言イマシテモ眼ノ事ナノデスガネ、先程言イマシタデショウ?『タネ』ガ分カッタト」
私はカラミティが言っている言葉の意味を一瞬で理解した。
アインス「まさか!」
カラミティ「ソウデス!ソチラノ5人ノ方々ノ奇怪ナ眼ノ事デス!先程私ガ彼ヲ操リ『天照』ヲ仕掛ケヨウトシタ瞬間、彼ノ動キトソチラノ3名ノ女性ノ動キガ止マリマシタ!ソノ時彼女達ハ片方ノ眼ガ彼ノ眼ヲジット見テイマシタ、コノ事カラ分カルノハ…………………」
”スゥ………………………”
そう言ったカラミティがいきなり取った行動は、攻撃では無く透の『眼を閉じた』ことだった。
カラミティ「単純デスガ…………コウスレバモウ先程ノヨウナ事ニハナリマセンデショウ!?ウルシモ最初アナタ方ガ入ッテ来ラレタ時ハ随分驚イテイマシタガ、ドウヤラ2度目モ無事ニ撃退出来タヨウデスネ……………彼女戦闘ニハ不向キデシタカラ……………マァソンナ事ヨリモ」
そして眼を閉じた透の頭は下を向くようにカクンッと頭を下げた。
カラミティ「デハァ!?今度ハ私達ガ攻メテモヨロシイ番デスヨネェ?!チナミニ申シ上ゲマスト、コレ以上妙ナ事ヲサレマスト次ハ確実ニ彼ノ心臓ヲ潰シマスノデ…………ソノ辺リヲゴ理解シテイタダキタイ」ニタァ………
クロノ「クッ…………」
カラミティ「シカシコウナッテハ、彼ヲ助ケ出ス事ハ不可能………………ツマリ?残ル手段ハ彼ヲ殺スシカアリマセンナァ!?」
シグナム「どこまで卑怯なんだ………………………」
我々はカラミティの脅迫に対し足が竦んでしまった、奴の言う通りならばさっきと同じような事をしてしまえば透の命は確実に無いのだからな………………。
ハルカ「…………………ま、そう来るとは思ってたわよ………………けどね、だからって諦めるわけにもいかないのよ!!」
ハルカは力強く言ったつもりだろうが、内心かなり焦っているのであろう……………手や脚も良く見ないと分からないレベルだが震えており、冷や汗も顔を流れていた。
そんなハルカを見てなのは達も心配になった、マズイ………………透を助ける算段を押してた我々が弱気になっては他の皆に伝染してしまう…………だが……………他にどうすれば……………。
カラミティ「ドウヤラ、威勢ヲ吐クダケガ精一杯ノヨウデスネ…………残念デス、出来レバ戦闘データヲ取ラセテモラッテカラ殺ソウト思ッテマシタガ………………マァ仕方ガナイデショウネ」
アハト「所詮………………人間ナド愛ナドト言ウ下ラナイ妄執ニ囚ワレタ哀レナ肉ノ塊ダ、我等ノヨウナ究極ノ存在ニハ程遠イ遺物ナノダ………………………サッサト片付ケロ………………『ゴミ掃除』ダ」
カラミティ「ソウデスネ………………デハイキマショウ」ダッ
カラミティは走り出しながらアハトを剣の状態にし、思いっ切り振り上げながら私達の方へと向かってきた、私達は先程のカラミティの言葉の所為で迎え撃つのを躊躇ってしまった………………今更になって……………。
カラミティ「クハハハハハハ!ヤハリ彼ヲ私達ガ操ッテイル以上、アナタ方ハ手出シガ出来ナイ……………当然デスネ、何ト言ッテモ彼ハ私達ノ支配下ナンデスカラネェ!!」
声を高らかに言ったカラミティ、確かに奴の言う通りというのもある……………が、そんなことは断じてないとすぐにも思った………………口に出そうとも考えた…………おそらく皆もそうだろう。
だがそんな私達に代弁してくれたかのように、どこからか声が聴こえて来た。
???「イヤ、ソレハネェナ………………………」
妙な声だった………………だがその声は聞いた事のあるこえだった…………それもつい最近聞いたこえあった、その声の主は私達の目の前で剣を振り上げた状態で止まっていて、顔を地面に向けている人物から聞こえて来た気がした。
そして、その人物は下を向いている状態の顔をゆっくりと上げ、私達を見た。
その人物とは透………だが、妙な事に透の顔には……………そして眼は…………。
透?「………………………ヨォ」
顔を半分以上覆う仮面と、左眼が黒く中心が黄色い状態であり、口がニタァっと笑っている透の姿が見えた事だった。
Side Out
オマケ
これは、先日すずかの研究所であった実際の話……………。
ハルカ「よし!なら明日から本格的に透捜索に取り掛かるから早目に寝ましょ?」
アインス「そうだな」
すずか「私も皆のデバイスの調整を軽くやってからにするよ」
ヤクモ『あの……………申し訳ないのですが、私達を先にお願いできませんか?』
すずか「え……………ヤクモ達を?」
ハルカ「ヤクモ、流石に今日は色々あってすずかも疲れてるんだからさぁ、明日でいいじゃない」
ライラ『いえ、出来ればすぐにでも使えるようにしてもらいたいんです』
アインス「……………しかし、お前の調整をしてはすずかの身体が」
すずか「あ、私なら大丈夫だよ………………でも流石に今日はね………」
リコ『お礼といってはアレですが……………少々お耳を』
すずか「何?」
ヤクモ『ゴニョゴニョゴニョゴニョギョノゴニョ』
ハルカ「ねぇ今ゴニョの中に変なの混じってなかった?」
ユーリ「………………私もそう聞こえました」
アインス「だ、だが…………一体何を話し「オーケ!任せて!!」てって何?!」
ハルカ「すずか?!アンタOKしちゃったの?!」
すずか「モチのロンとみせかけてツモだよ♪♪」
ハルカ「いやわっけわかんない」
ライラ『では早速お願いします』
すずか「40秒で終わらせちゃうよ!!」
ハルカ「それキャラと年齢が違う!!」