スバル Side
私達はなのはさん達と別れ通路の奥に向かって走った。
スバル「なのはさん達、大丈夫かなぁ?」
ティアナ「なのはさんが敗けるわけないでしょう!なんてったってあの人は”エース・オブ・エース”、敗けるわけないわ」
スバル「……………そうだね!」
ティアナ「それよりも早く奥の方を調べるわよ、本当に…………………ん?出口?………スバル、気を引き締めなさい………扉を出たらもしかした………あっ」
ティアが言葉を止めた、扉を開けると目の前には今度は横に伸びた通路がまだまだ続いていた、けどティアが声を出したのは別にあった、それは……………。
スバル「エリオに……………キャロ?」
エリオ「スバルさん!」
キャロ「ティアナさん!」
なんと私達が出て来た扉の向かい側にも扉があって、私達が開けたと同時に向かい側の扉が開き中から出て来たのはフェイトさんの部隊、ライトニング部隊のエリオとキャロの二人だった……………あ、あと竜のフリードも。
あー成程………中央の扉はこの通路に繋がっていたって事だね。
ティアナ「なんで、アンタ達がここにいるの?」
キャロ「えっと………フェイトさん達に先に行って様子を確かめて来いって言われて」
エリオ「別れた後、通路を進んだ先には『暁』って人達がいて、フェイトさんとシグナム副隊長はその人達と戦ってて……………」
スバル「なぁんだ、私達と一緒か……………」
どうやら反対方向に行ったシグナムさん達の所にも『暁』がいたって事のようだった、だったらこの先にあの人がいるのかも……………。
ティアナ「……………ならとにかく、先を急ぎましょ?せっかく隊長たちが私達に任せたんだから」
スバル「そうだね!」
エリオ キャロ「「はいっ!」」
フリード「キュルクー!」
私達は4人揃って通路を走った、途中にはさっきと同じように公安の人達が倒れていた。
スバル「やっぱり、この先に誰かいるね」
エリオ「ですね、もしかしたら…………………」
フリード「ぎゅるるるぅ~~~……………」
キャロ「フリードもいつもより警戒してます。こんなの初めて……………」
どんどん奥に進んで行くとさっきと同じように次の部屋に繋がる扉っぽいのが見えてきたけど、すでに開いていた。
ティアナ「皆止まって!いたわ……………間違いない、マダラってやつよ」
ティアは拳銃型のインテリジェントデバイス・クロスミラージュを出して姿勢を低くして奥に居る人物を見て言った。
キャロ「何してるんだろう?」
エリオ「分からないよ、でも見た感じだと1人って感じだな」
ティアナ「……………皆行くわよ」
ティアがトンデモないことを言い出した!
スバル「ぇえ?!ちょっとティア!いくらなんでもそれは無謀じゃない?八神部隊長にも止められてたじゃない!」
ティアナ「別に戦おうってんじゃないわよ、足止めよ足止め!隊長達が来るまで間、奴を足止めして出来れば隊長たちが奴を捕まえてくれるわ!」
スバル「そ、それはそうかもだけど……………」
私だってあの人に聞きたい事がるから、このまま行きたいんだけど……………。
キャロ「で、でも………あの人120部隊の人達を壊滅させた人ですよ?」
ティアナ「時間稼ぎくらいは出来るでしょ?それとも、このまま奴を逃がして……………他の人達に被害が出てもいいの?」
キャロ「そ、それは……………」
エリオ「……………僕、行きます!」
キャロ「エリオ君………」
エリオ「キャロ、ティアナさんの言う通りだ、アイツをこのままにしたら皆が危ないんだ、そんなこと僕は許さない」
キャロ「……………………」
エリオ「大丈夫さキャロ、君は僕とフリードがちゃんと守るから、キャロは補助をお願いな?」
キャロ「……………うん!」
ティアナ「それじゃあスバル、行くわよ!」
スバル「う、うん!」
もう、やるしかないって感じだ……………なのはさん達が来るまで何としても時間稼ぎしなくちゃ!
ティアナ「動かないで!!」
ティアが銃口をマダラって人に向けながら制止の言葉を掛けた、その間に私達はいつでも戦えるようにデバイスを構えた。
ティアナ「そのままゆっくりとこちらを向きなさい!!」
マダラさんはティアの言う通りに私達の方を向いた、私はマダラさんの姿を真正面からじっくり見た。
スバル「(あぁ……………本当に……………あの時の、あの時の人だ!間違いない!)」
私はマダラさんを見て確信を持った、あの時……………4年半前の空港の爆発事故でギン姉と一緒にマダラさんに助けてくれたのがマダラさんであることは私の中で確信に変わった。
ティアナ「管理局です!あなたを公務執行妨害及び器物破損、殺人その他多数の容疑で拘束します!」
ティアがマダラさんに罪状を言った、あの人は恩人である前に世間を騒がせている犯罪者だというのを忘れていた。
実際のマダラさんは私の記憶にある格好と同じで、唯一違うって言ったら背中にある大きな剣と左の腰に差した二本の棒くらいだけど……………。
マダラ「お前達か………………さっきここに入って来た管理局のネズミと言うのは?」
ティアナ「な、何ですって……………」
マダラ「それもこんな女子供が来るとはな……………お前達の上司は何を考えているのやら……………」
エリオ「フェ、フェイトさん達を馬鹿にするな!!」
マダラ「っ……………………一つ聞くが、お前達は何人でここに来た?」
ティアナ「……………何でアンタなんかに言わないといけないのよ」
マダラ「ただの気紛れだ、それとも本当にお前達の上司は無能なのか?」
ティアナ「っ~~~~!!8人よ!!元々12人しか来れなかったし、中央の扉は開かないから部隊を二つに分けての行動になって、アンタの仲間が居たから隊長たちが相手してるのよ!!これで満足!!??」
マダラ「ハァ……………納得したから、とにかく落ち着け……………これだから最近の若い奴は」
ティアナ「っ~~~~~~!!」
あぁ~~~、ティアがキレそうだよぉ……………確かにマダラさんの言うことは何というか人を怒らせるような感じではあるけど……………。
マダラ「ならば謝罪し訂正しよう、お前達の上司は良い判断をしたと」
エリオ「え?……………」
キャロ「あの、どういうことですか?」
マダラ「簡単だ、俺の事をどういう風に聞いているかは知らんが、この場合未知の敵に対し全員で乗り込むことが理想だが、そうもいかない場合部下に敵戦力の把握をさせる為に先に行かせ調査させるというのは部下の生存率をグッと上げる」
スバル「そう……………なんですか?」
マダラ「まぁこれは単なる俺の持論だがな、だが部下の事を何より大事にする上司程優秀な奴はいない……………そいつは信頼できる奴という事だ、精々大事にすることだな」
ティアナ「……………………はっ!あ、当たり前じゃないそんな事!!ふざけないでよね!?」
マダラ「俺は聞かれたことを答えただけなんだがな……………」
何だろう……………マダラさんは指名手配されるほどの危険人物で、管理局の敵って言われてるのに……………マダラさんからは管理局…………………というか、私達に対して悪意とか敵意みたいなのが感じられない……………て言ってもよくわかんないんだけどね。
それより私はマダラさんに言うことがあったのを思い出し、声を掛けた。
スバル「あ、あのっ!!」
マダラ「ん?何だ?」
スバル「よ、4年半前はありがとうございました!!」
私は精一杯のお礼の言葉を言って、お辞儀をした。皆ポカンとしてるけど、どうしたのかな?
エリオ「ス、スバルさん……………」
キャロ「ビックリしたぁ」
ティアナ「あ、あんたってやつは……………」
マダラ「…………………………」
当の本人であるマダラさんは何も言わず沈黙していた。
マダラ「…………………………」
そしてマダラさんは顎に左手の親指と人差し指を左右に置き、首を左に傾け人差し指を擦るようにして、まるで何かを考えてるか思い出しているような感じだった。
もしかして、覚えてないのかなぁ……………ちなみにマダラさんの右手は左肘を乗せる様にしていた。
スバル「あ、あのぉ……………」
マダラ「……………誰だ?」
スバル「へ?」
マダラ「記憶に無いな………………誰かと間違えて………いや、4年半前と言えば……………」
スバル「えっと……………」
マダラ「おい、お前は俺とは何処であった?」
スバル「はい、えぇ~っと………あの空港の爆発事故は御存じですか?」
マダラ「あぁ、あの現場には俺も居た…………………と言っても、すでに爆発していたがな…………………………ん?確かあの現場には2人の少女がいたと記憶しているが」
スバル「それです!それっ!!石像が倒れて来たのをマダラさんが助けてくれたんです!」
マダラ「…………………あぁ思い出した、そうか………お前はあの時の少女だったか」
スバル「はいっ!あの時はギン姉も助けてくれたって聞きました!ありがとうございます!!」
マダラ「俺があそこにいたのは別の要件があって、偶然お前とお前の姉を助ける形になってしまった…………よって感謝の言葉は不要だ」
スバル「は、はぁ……………」
マダラ「話はそれだけか?ならば俺は先を行かせてもらうぞ?こう見えて俺は忙しいんでな」
マダラさんはそう言うと私達に背を向けて、また歩き出した。
ティアナ「ちょっ!待ちなさいよ!アンタを拘束するって言ってんのよ!!」
マダラさんはまたピタッと止まりこちらを向いた。
マダラ「あぁ、そうだったな…………だが、断る」
ティアナ「………抵抗すると、痛い目を見るわよ?」
マダラ「そうなればいいな、だが果たしてお前達にそれが出来るかな?」
ティアナ「舐めないでよね!!」
ティアがマダラさんに向けて発砲した、弾はマダラさんの足元に当たりマダラさんは動きを止めた。
マダラ「…………………」
ティアナ「動かないでって言った筈よ!」
マダラ「…………………ハァ、血の気の多い若い少女だな…………………覚悟は………出来ているな?」
ティアナ「は?何の事よ?」
マダラ「死ぬ覚悟に決まっているだろ?」
マダラさんがまたこちらを向くと同時に私……………いや、私達にある感情が襲った。
それは『恐怖』だ、何でそう思ったかは分からない……………けど、マダラさんからは何か言い知れないモノを感じた。たぶんそれが『恐怖』だったんだと思う。
キャロ「ヒッ…………」
ティアナ「…………………」カタカタッ
マダラ「相手に対し銃を向け、尚且つ発砲したんだ……………己の死も覚悟の上でなければそんな事出来る筈はない…………銃とは脅しの道具ではない、銃だけではない剣・槍・ナイフといった物も人を殺す道具である事を忘れるな」
ティアナ「う、うるさい!」
マダラ「…………どうやらお前達は若いが故にそこら辺の事が分かっていないようだな、それに………………」
エリオ「そ、それに………何だ?」
マダラ「ん?あぁ…………いや、お前達は何と言うかエリート…………………というか、才能・素質があると思ってな………」
スバル「え?そ、そう…………ですか?」
ティアナ「当たり前よ!!アタシとスバルは訓練校を首席で卒業してんだから!」
マダラ「そうか…………でだ、これまでのやり取りでお前達の魔力等を感じたが、中々のようだな…………将来はいい魔導師になれるのは間違いないようだな」
ティアナ「な、何よ急に…………………」
マダラ「だが、それが故にお前達は……………弱い………」
ピクッ
ティアナ「……………………………………何ですって?」
マダラ「弱い、と言ったんだ…………………戦闘は訓練でない事は流石に知っているな?…………だが、命のやり取りや実際の戦闘をしたことの無いお前達には俺に勝つことすら不可能だという事だ、それに…………………まぁここはいいか、だから弱いと言ったんだ」
プルプルッ
ティアナとエリオが震えている、恐いからじゃない怒っているからだ、それはそうだ……………今日初めて会った相手に「お前達は弱い」と言われたら誰だって怒るに決まってる…………………かく言う私も少し怒ってるんだけど。
ティアナ「…………だったら………やってみなさいよ」
マダラ「いいのか?『戦闘』の『せ』の字も知らん若い奴が俺に勝てると?」
エリオ「絶対、後悔させてやる!!!」
マダラ「ふっ…………いいだろう、少しだが……………稽古をつけてやる、来い!」
マダラさんは私達に掌を上に向け向け、手首を曲げまるでかかって来いと言ってるようだった。
スバル「マダラさん…………恩人ですけど、捕まってください!!スターズ3・『スバル・ナカジマ』!行きます!!」
ティアナ「そんなの必要ないわよ!!スターズ4・『ティアナ・ランスター』!行きます!!」
エリオ「お前は僕が倒す!!ライトニング3・『エリオ・モンディアル』!行きますっ!!」
キャロ「ライトニング4・『キャロ・ル・ルシエ』と『フリードリヒ』!行きますっ!!」
バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!と私とマダラさんは素手での攻防を繰り広げていた、と言ってもマダラさんに攻撃の隙を与えないように私は攻撃の手を緩めないでいた。
マダラ「ほぉ、グローブをしていたからもしやと思ったが、やはりお前は格闘系の者か…………なかなかの体術だ」
スバル「お母さん直伝です!!」
マダラ「そうか、お前の母は大した師のようだ…………が、やはりまだまだだな」
私の攻撃はマダラさんに攻撃をさせないようにしてはいても、本気で当てる勢いでやってるのに、私の出す攻撃は悉く防がれ避けられていった………………しかも防がれていたのは全部右手だけで。
スバル「くっ!…………………何で!?」
マダラ「確かにお前の体術スキルが高い事は認めよう、だがお前はその能力に頼り過ぎており、応用が利かんところがダメだ、そして非常に正直な攻撃だ…………故に読み易い」
スバル「うっ…………………」
マダラ「更に言えばお前の戦い方はその高い機動力を生かして一気に相手の懐に飛び込み、叩き伏せる戦法だろう?見た所、そのブーツが起点のようだな…………そしてその右手のグローブで一気に片を付けるんだろう?何故片方だけなのかは知らんがな……………そして遠距離系の魔法があるのか知らんが身に付けなければこうやってすぐに見破られるぞ」
スバル「は、はい……………」
マダラさんが言った事はすべて当たっていた、何でこの短期間で見破れるの?!
そう言ってる間にエリオが私の後ろからマダラさんに向けて槍を放った、マダラさんは右に重心をズラして槍を避け、その槍を掴みエリオごと後ろへと投げた。
マダラ「………1つ気になる事があるとすれば、女性にしては妙に力がある事だ…………お前まさか…………………」
スバル「っ!!」
マダラさんが言った事に私は身震いした、もしかして私の体の秘密を知ってるんじゃ?!
マダラ「その様子だと図星か……………だが、俺にとってはどうでもいいことだな」
スバル「え…………………」
マダラ「お前の身体の事を他人がとやかく言った所で何もなるまい、仲間に言おうが言うまいがお前が決めることだ、お前はお前自身なのだからな……………違うか?」
スバル「え…………………と、あの……………」
マダラさんは私の顔を真っ直ぐ見て真面目に言って来た、私が今までの悩みの一つをマダラさんは軽く
ティアナ「スバル!!しっかりしなさい!!」
ティアの声に驚いてマダラさんと距離を置くと、ティアの弾と私と入れ違いにエリオがマダラさんに向かって行った。
マダラ「お前は槍使いか?」
エリオ「それがなんだ!?」
マダラ「ふむ………成程な、聞くが…………いくつだ?」
エリオ「な、なんでそんなこと!?」
マダラ「いくつだと聞いてるんだ」
エリオ「……………10だ!それがどうした!」
マダラ「成程な……………お前は高い機動力とその並外れた魔力資質を生かした突撃型というわけか…………………そしてそのデバイス………複合型………のようなものだな、成程突撃型用に開発されているのか」
エリオ「な、何を?!」
マダラ「そして槍捌きも、とても10才のガキが出来るようなものではない程洗練されている…………………がそれは10代のガキの中ではと言う話だ、俺からしたら子供のおもちゃ遊びにしか見えん」
エリオ「な、何だとっ!?」
マダラ「ん?…………………所々剣術のような足運びが見て取れるところを見ると、お前の師は剣士か…………いや剣士だけでは無いな近接時はまた違った感じがあるな…………成程、良い師だ…………………だがあまり無理な戦闘は避けることだ、まだ出来ていない身体で無茶をすればそれは身体の成長に負担を与え妨げてしまうからな」
エリオ「何なんだお前は!?」
マダラ「お前の稽古はひとまず終わり…………………だっ!」
マダラさんはエリオの槍を足で挟み、そのまま身体を捻りエリオを投げ飛ばした。確かテコの原理ってやつだ。
エリオ「うわぁぁぁぁあぁああ!!!」
ティアナ「エリオ!!アンタねぇ!!」
マダラ「次はお前か?」
ティアは射撃をしながらキャロと協力してブーステッドイリュージョンを発動させ、更にオプティックハイドを発動させて自分を透明にしていた、辺りには複数のティアの幻影が出現した……………ちなみに撃った弾は躱されてたけど。
マダラ「むっ…………………そうか、射撃を主とする典型的な遠距離タイプかと思ったが、幻術タイプでもあったか…………」
でもこれならいくらマダラさんでもどれが本物かは分からない筈、ティアもそう思ったのかクロスミラージュをモードツーにして背後から攻め、拘束しようとしていた。
マダラ「ほぉ、これだけの高等幻術魔法が出来るとは…………………そうか、あの少女との魔法…………となるとあの少女がキモか………だが!」ガっ!
ティアナ「うぐっ!!」
スバル「ティア!?」
マダラさんは後ろを振り向くことなくティアの首を掴んだ、一体どうやってアレを見破ったの?!
マダラ「何故見破ったのか不思議と言った顔だな?」
私だけじゃ無くティアの表情でマダラさんが聞いてきた、その間にもティアが造りだした幻影は消えていった。
マダラ「何、難しい事じゃない…………………言ってみれば勘…………というのも一つではあるが、確実なのは『匂い』と『気配』だ」
ティアナ「ふ、ふざけないでよ…………そんな馬鹿な理由で………」
マダラ「だが現にお前はこうして俺に拘束されているじゃないか、あとこの魔力の刃は完成してから使うことだ………不安定な物を使っても己の危険が増すだけだ、それに姿を消してはいたが…………………別にいなくなったわけでは無い、あるものはある…………ただそれだけだ」
ティアナ「くっ…………………」
マダラ「さてお前は「GOaaaaaaa!!!」んっ!」
マダラさんがティアに何かしようとした時、横からフリードがデカくなってマダラさんに向けて突っ込んだ。
マダラさんはティアを離して後ろに大きくジャンプした、ティアはフリードが加えてなんとか助かった。
マダラ「これは驚きだ、まさか入って来た時にいたあの小さな竜が、まさかこんな巨大化するとはな…………」
マダラさんは今度はキャロの方を向いたけど、別に近付こうとはしてはいなかった。
マダラ「そこの少女」
キャロ「は、はいっ!」
マダラ「お前は補助魔法で仲間を強化し、尚且つ傷付いた仲間を回復する…………いわば後方支援型…………でいいんだな?」
キャロ「え?えぇ~っと…………………たぶん、はい…………」
マダラ「そうか…………………」
マダラさんは俯いたかと思ったら、顔を上げるなり…………………。
マダラ「……………やはり、お前達は未熟者だと言うのが分かった、それもかなりの…………………」
ピキッ!
ティアナ「…………………何ですって?」
マダラ「個人の戦闘能力はさっき言ったような感じだ、そちらも大したことは無いが……………集団戦でのお前達の動きには大きなミスが俺なりにだが三つある事に気付いた」
ティアナ「~~~~~言ってなさいよ!!」
私達は再びマダラさんに向かって行った、今度は一人一人じゃなくて皆で攻めることにした。
マダラ「まず一つ、お前達は簡単ではあるが小隊を組んでおり、リーダーは…………幻術を使うお前か?そしてその中には補助や回復する魔導師が居る」
マダラさんは私とエリオの接近戦での攻撃をすべて捌いたり避けたりしながら言葉を続けた、ここまでやって何で当たらないの?!
フリードも攻撃に加わってくれるんだけど、これも避けられる。
ティアナ「それが何だってのよ!?」
マダラ「いい機会だ…………教えてやろう、何と言っても稽古だからな」
マダラさんは私達の攻撃を後ろに飛んで避けた、その隙にフリードがマダラさんに向かって行ったけど、マダラさんは逆にフリードの頭に乗った…………………と思ったら、なんとそのまま尻尾の方まで走って私達とは別方向に飛んだ。
飛んだ先には・・・・・・キャロがいた。
キャロ「え…………………」
マダラ「……………………………………」
エリオ「キャロっ!!」
キャロ「あ……………ぁ………ぁ」
マダラ「…………………その一つは、お前だ」
キャロ「え?…………………」
エリオ「キャロから、離れろ!!!」
エリオがキャロとマダラさんの間に割って入った、マダラさんは大きく跳躍して離れ、そして私とティアもすぐに二人の所に戻った。
マダラ「補助の魔導師が居るのであればそいつは最後まで立っていなければならない、見た所そこの少女自体の戦闘能力は低い……………ここからはそこの少女にアドバイスだが、補助・回復に徹するのであればまず回避能力を鍛えろ」
キャロ「え……………っと、何でですか?」
エリオ「キャロ!聞いちゃダメだ!」
マダラ「………まぁ敵とみなしている俺の話を聞く聞かないはお前達の自由だ、何故……と聞いたな?簡単な話だ、仮にお前が倒れたら誰がこいつ等を補助や回復をするというんだ?」
キャロ「あ……………」
マダラ「ここからは二つ目も入るんだが、小隊にとって回復などの魔導師が居る程心強い者はいない。更に言えば小隊のリーダーも同じだ…………………だが逆を言えばこの2人が倒れては他の魔導師の士気が下がってしまい、その小隊は一気に瓦解してしまう………それがお前達のミスだ」
ティアナ「むっ…………………」
マダラ「そして三つ目は、当たり前の事だが連携がなっていない、その程度では俺はおろかここに来るまでにいたアイツ等を捕まえる事すら不可能だ、特に銃を扱うお前がな……そんな事ではいずれ自分の手で仲間を撃つはめになってしまうぞ」
マダラ以外「…………………」
マダラ「俺からは以上だ、あとは上げるも下げるもお前達次第だ」
マダラさんは未だ余裕があるのか、ゆったりとした動きでそう答えた。
ティアナ「くっ……………だからってアンタを逃がすつもりは無いのよ!!」
スバル「捕まってください!!」
エリオ「捕まえて見せる!!」
キャロ「捕まえます!」
私達はマダラさんにまた向かって行った。
マダラ以外「はぁぁぁあああぁ!!!!」
マダラ「…………………お前達では無理だと言っているのに………」
あれからどれくらい時間が経ったんだろう?5分?10分?いや……………1時間は戦ってた感じがする………。
スバル「ハァ………ハァ………ハァ………」
マダラさんはどこかの瓦礫の上に座って、その瓦礫の破片を片手で投げては掴みを繰り返していた。
マダラ「ん?」
するとマダラさんは何かに反応したかと思ったら誰かと話していた、たぶん通信だと思うけど…………。
マダラ「だ、そうだ……………よかったな、暫くしたらお前達の上司達がここに到着するらしいぞ」
スバル「うぅ…………………ハァ…………………ハァ…………………」
ティアナ「くっ………ハッ………ハッ………」
エリオ「ハァ………ハァ………ハァ………くそ…………ハァ………」
キャロ「ハァっ…………ハァっ…………」
フリード「キュル~~…………………」
マダラさんは持っていた瓦礫の破片を砕き私達に近付いてそう言って来た、けど私達は答えることが出来なかった。今までずっとマダラさんとの戦闘をしていて、しかもこっちの攻撃は全然通らないしマダラさんは右手だけで捌かれる。
それに凹むことにマダラさんは私とエリオの攻撃はその場を動かずに捌いてたのは……………流石にきたなぁ…………………。
マダラ「また一つ問題点発見だな…………体力が無いな……………」
ティアナ「ハァ………ハァ…………う、うる……さい…………」
マダラ「まったく…………年長者の言葉は素直に受け取っておけ」
私達はこれまでの戦闘で皆息が上がって倒れてた、マダラさんは立ち上がると奥の部屋に続く通路に向かって行こうとした…………………というか何でマダラさんは息が上がってないの?
マダラ「残念だが、稽古はここまでだな」
私達にそう言い残してマダラさんはその場を立ち去ろうとした………けど。
スバル「ま…………………待ってください…………………」
マダラ「……………無理はするな」
マダラさんは私を心配してか、そんな言葉を掛けてくれた。
スバル「ありがとうございます、でもまだ……………まだ私、あなたに見せてないものがあるんです!!」
私はあの時の試験の時とそれからの訓練の時の感じを思い出してガンナックルの回転速度が上げ、魔力を右肩から右手にかけて集中した。
マダラ「!?……………いいだろう、やってみろ」
スバル「行きます!!」
出す時に肩からブースターのようなものをイメージしながら……………放つ!!
スバル「『エル・ディレクト』ォォォォォッ!!」
マダラ「っ!!!(コイツは!!??)」
私が放った魔力砲は真っ直ぐマダラさんに向かって行った、これは…………………直撃する?!
ティアナ「やるじゃない……………スバル」
エリオ「やった……………」
誰もがマダラさんに当たると確信した……………けど。
マダラ「驚きはしたが…………………見た目だけだな」
バシィッ!!
マダラさんは私が放った『エル・ディレクト』をまた右手だけで防いだ、というより握りつぶした。
ティアナ「そんな…………」
皆私の攻撃が防がれたのに驚いていた、かく言う私も………だけどまだ!!
スバル「まだ………やぁぁぁぁぁっ!!」
マダラ「まだやるのか……………今度は何だ?」
スバル「『ラセンガン』!!」
マダラ「っ!……………コレもか!…………だが」
マダラさんは一瞬驚いたけど私は構わず魔力の球をマダラさんに向けて当てようとした、あれからも特訓して九割完成してるからまだちょっと不安だけど…………………。
だけどそんな私の『ラセンガン』もさっきの『エル・ディレクト』のように消された、しかも今度は私の掌にマダラさんの掌が重なった形で……私の『ラセンガン』は不発………と言うより消えて無くなった。
マダラ「確かにあの空港の時、俺はその技をやって見せたが、あれだけで真似たのか……………驚異的な才能………とでも言うべきか」
スバル「な…………………何で………」
ティアナ「そんな…………………」
エリオ「スバルさんの……………とっておきが………」
マダラ「だが……………『エル・ディレクト』は見た目だけが派手なだけで上手く魔力を練られていない、『螺旋丸』は師が居ないから仕方ないと言うべきか」
スバル「え……………どういう……………」
マダラ「あれは『螺旋丸』では無いと言ってるんだ、アレは見様見真似で出来るものでは無い…………………あれでは小規模の爆発しかおきんただの魔力の爆発玉だ…………………そうだな、これもいい機会だよく見ておけ」
マダラさんの手から物凄い魔力が集まって回転していって球状の魔力が出来上がり、私の隣にあった瓦礫に向けて放った。
マダラ「これが『螺旋丸』だ!」
『螺旋丸』を当てた場所に大きなクレーターが出来ていた、確かに私のとじゃぁ比べものにならない程の威力だった。
マダラ「だがいい筋をしている、本格的な訓練を積めばかなり…………………いや、コレは言うまい」
マダラさんはまた先に進もうと歩いて行こうとした。
ティアナ「ま…………………待ちなさい!!」
マダラ「止めておけ、もう分かっている筈だ………俺に勝てないという事、そしてお前達の敗北と」
マダラ以外「っ!!」
マダラ「…………………お前達は俺と戦い、俺の力を知り、己の力を知り未熟さを知り、そして敗けた……………悔しいか?」
エリオ「あ………当たり…………前だっ!」
マダラ「なら…………………」
マダラ「『敗け』から『学べ』!」
キャロ「え?」
マダラ「今回の戦いで何故敗けたのか、どうやったら勝てるか?どうやれば強くなるかを自分なりに考えることだな…………………そこから先は自己責任だな、強くなるのも弱くなるのも」
スバル「…………………」
『敗け』から『学べ』……………………………………。
マダラ「…………………じゃぁな、お前達は中々見所のある奴等だ……………また出会うことがあるとしたら、その時は今より強く成長している事を祈ろう」
その後マダラさんや『暁』の人達は研究所内にはおらず、後から来たなのはさん達に私達は助けてもらった。
今回の戦いで分かった事がいくつかある事に私は気付いた、それは『悔しい』と『強くなりたい』と『認めてもらいたい』だ、皆も同じなのか特にエリオなんかは流石男の子って感じで、早速シグナム副隊長に特訓のお願いをしていた。
その時私は気付いた、マダラさんは私達に一切攻撃してこなかったこと…………………私達は全員掠り傷はあるものの、それは自分で付けたモノでそこを除いたら、無傷での完全敗北だったこと……………敵わないな、でもいつかは乗り越えて見せたいと強く思った。
Side Out