カリム Side
暗い…………頭が…………ボォッとする………………。
カリム「………………ぅっ……………こ………こは………………?」
視界が………………ぼんやりして………………よく見えないけど………………。
カリム「………………??」
僅かではあったけど、段々と視界がハッキリしてきた。
私は周りを見渡したけど、辺りには何もない………………というか暗くてよく見えないだけなんだけど。
カリム「ここって………………一体?」
身体を動かそうとまず右手を動かそうにも思うように動かなかった、代わりに”ガシャンッ!”という音が聴こえ、そちらに顔を向けるとなんと私の右手首に鎖が巻き付けられていた。
それだけじゃなく左手首、更には両足にも鎖が巻かれていた、どうやら私は十字架のような物に拘束されてしまったようだった。
カリム「くっ!………………誰がこんな」
私はまずは状況を把握する為自身を落ち着かせ、覚えている限りのことを思い出した。
確か………………私はシャッハと別れてから自室で執務をしていると、そこに騎士ダーインが来て話しがあるとかで、それも資料があるからって別室に入ったまでは覚えているんだけど………………………。
カリム「そうよ………………確か彼の部屋に入って騎士ダーインに聞こうと振り向いた瞬間に意識が…………っ!!やられたわ…………」
多分薬品か何かを嗅がされたんだわ、幻術系の魔法を使うとその反応で何が起きたかをシャッハに悟られるから!
それにそんな魔法を掛けた所で私には効かないと思ったのかしら?
カリム「でも………何でこんな「未来の為ですよ」………騎士…………ダーイン!」
突然扉が開いたと思ったら私の目の前にこんなことをした張本人、ダーイン・スヴェイルが現れた、やはりどこかに監禁されてしまったようだった。
カリム「未来とは………………一体何のことです!?」
ダーイン「当然、このミッドの事ですよ……………騎士カリム」
カリム「………………………その未来と、私がこんなことをされているのと何か関係があると言うのですか?!」
ダーイン「まーまぁまぁ、とりあえず落ち着いてください騎士カリム、ちゃんと説明いたしますから………………………」
カリム「………………………っ」
とりあえず私は彼の話を聞くことにした。
ダーイン「まずは私のことについて……………といってもあなた方には既に知られている事ですが、私がここに来てからも他の研究機関からお誘いがあったというのはご存知ですよね?」
カリム「……ええ、でもあなたはその誘いを蹴った」
ダーイン「そうです!…………何故かお分かりですか?」
カリム「…………さぁ?」
ダーイン「それはですね………『受ける必要が無い』からですよ」
カリム「『受ける必要が無い』?」
ダーイン「そうですよ!私は今更あんな低レベルな他の研究機関に移った所で何がありますか!?何もありませんよ!」
『受ける必要が無い』………………………ちょっと待って、それってつまり!
カリム「………………………すでに別の機関に在籍しているから?」
ダーイン「正ー解です!流石は騎士カリム!」
カリム「おちょくらないで、でも………………だったらあなたはどこの研究機関に属していると?そもそも属していながら何故聖王教会に!?」
ダーイン「んん~ふっふっふ、質問が多いですが………………まぁいいでしょう、どこの?とおっしゃいましたね?まぁ詳しくは言えませんが、とある御方に…………とだけ言っておきましょう」
カリム「………………………答えになってないわね」
あまり知らないけど、彼の性格上相手を下に見るという行為をよく他の騎士団からも出ていた、その彼が『とある御方』と言ってその名前も出せないなんて……………。
ダーイン「申し訳ない、こちらも事情がありまして、加えて別の事情もあり少々事態が急変してしまいましてね」
カリム「別の事情?」
ダーイン「ええ、まぁただの厄介者ですけどね…………それと何故ですか…………それは色々と都合がいいからですよ」
カリム「都合がいい?………………………一体何の研究をしているというの?!」
ダーイン「申し訳ありませんがそこもお話するわけには……………ただまぁ、何も言わないと言うのは寂しいでしょうから最終目的だけ言わせていただきましょう」
カリム「最終…………目的?」
ダーイン「はい…………と言っても私に課せられた使命みたいなものですが……………」
カリム「使命って………………………一体」
ダーイン「聖王様の御復活」
カリム「はぁ?!」
ダーインの最終目的とやらを聞いてから私は彼がまたふざけた事を言っているのだと思ってしまった、だから突然の言葉に思わず変な声を出してしまった。
ダーイン「おや?聞こえませんでしたかな?もう一度言って差し上げましょう、いいですか?よく聞いてくださいね、私の最終目的は聖王様復活なのですよ」
カリム「な!何故そんな事を?!それにどうやってそんな事を!?」
ダーイン「あー騎士カリム、いくらあなたでも質問が多いですなぁ…………何故………………ですか、それはあなたもご存じでしょう?この世界はまた古代ベルカの時代のように混沌としていますでしょう、原因は……………お分かりでしょう?」
カリム「…………………」
彼の言う混沌というのは、今世間を騒がせている『暁』と『マダラ』のことを言っているんだと思う。
ダーイン「これでも私は聖王教会に属する者、仮にも騎士を務める者です、聖王様の御復活は私にとっても望みの一つなのですよ」
カリム「そんなこと…………」
ダーイン「この混沌とした世界には聖王様が必要、今一度そのお姿を御見せになれば愚かな民衆など平伏すこと間違い無しでしょう!」
カリム「そんなこと……………そんなこと!出来は「出来るんですよ!」ならどうやって!?」
ダーイン「それは………こちらにおられる方にご協力していただくんです」
突然ダーインの隣に明かりが点いたと思ったら、そこに一人の少女が椅子に座って俯いていた、アレはおそらく眠らされているんだと思うけど、それよりも…………!!
ダーイン「ふっふっふ、あなたもよくご存じのはずですよ?」
カリム「ヴィヴィオ!!」
ダーイン「そうです………………あの『エース・オブ・エース』が居る部隊が保護されている、このお方にご協力して頂くのですよ」
カリム「あなたって人は!!?」
私はダーインがまさかこんな子供を誘拐してくる卑劣な奴だとは思わず、幻滅し彼を睨んだ。
ダーイン「何をそんなに睨むのですか騎士カリム?あなたとて聖王様復活は望ましい事でしょう?」
カリム「確かにこの子は古代ベルカにおいては『聖者の印』として尊ばれるわ!でもそんな理由で誘拐していい筈は「いいわけは無いな」…………え?」
ダーイン「やはり現れましたか…………………マダラ」
マダラ?!どこっ?!どこにいるの!?
私は必死に彼の居場所を探そうと首を縦横と動かしたけど、何処にも彼を見つけることは出来なかった。
カリム「…………………一体どこから」
ダーイン「そうですね、騎士カリムもお困りです!申し訳ないが姿を見せてはいただけないか?」
マダラ「言われなくとも…………そのつもりだ」
マダラはそう言いながら私とダーインの間、といっても若干私の近くに現れた。
前にはやてからはやての部下の人から聞いた通り、空間が捻じれて現れる特殊な移動法で突然現れる………………本物ね。
マダラ「出て来てやったぞ、それで?」
ダーイン「いえいえ、まさに本物ですね…………会えて光栄ですよ?騎士カリムもそう思いませんか?」
いきなりダーインに振られ私は答えようが無かった、確かにはやての所の新人とはいえ才能があり期待されていた4人が軽くあしらわれる程の人物、そしてこんなことをしている張本人……………一度はお目にかかりたいとは少なからず思っていた。
するとマダラは首だけをこちらに向けた、私は彼の事をあまりよく知らない分少し気後れした。
マダラ「…………まさかとは思ったが、何故ここに管理局の理事官を務めている奴が居るんだ?名前は確か………カリム・グラシアだったな」
カリム「っ!」
やはり彼は私達の事を少なからず調べ上げているようだった、それはそうか……………敵に挑んでくるのに何の調べも無しにくるというのはある種の賭けのようなものだからね。
マダラ「磔姿で会うとは思わなかったがな」
カリム「うっ……………」
それは私もそうよ!!
カリム「そ、それよりも何故あなたがココにいるの?!」
マダラ「……………それはココを破壊する為に決まっているだろう」
カリム「破壊って………」
マダラ「何も無しに俺は動かんのでな…………それにココには破壊以外に少しばかり用があってな」
カリム「??用って………………」
ダーイン「あーよろしいですかな?」
私とマダラとの会話にダーインが割って入って来た。
マダラ「何だ?」
ダーイン「それよりもお聞かせ出来ませんか?一体どうやってこの場所まで来れたのでしょう?少なくともここにたどり着くには必ず人に会うはずなのですがね、まぁ先程の奇妙な移動法のようなもので一発でここに来なければの話ですがね」
マダラ「簡単な話だ、ただ歩いて来た………それだけだ」
ダーイン「………………………」
カリム「………………………」
た、確かに……簡単な話ね……………歩いて来たって………。
ダーイン「………………んんっ!先程も言いましたが、ココにたどり着くには必ず人にハズですよ?一体どうやって?」
マダラ「なに、ただ単純な話だがな」
Side Out
~回想~
マダラ「ここが聖王教会か………………………」
俺は人目に付くわけにはいかないのでな、適当な木の陰に身を潜めてココの様子を探っていた。
マダラ「…………ん?何か騒いでいるのか?」
教会内では何やら騎士や神父・シスターたちが慌ただしく動いてるのが確認出来た、その為セキュリティが甘くなっていてな、容易に入り込めたわけだ。
そして俺は一応は潜入している身なのでな、念の為に姿を隠して移動していたがその必要は無かった。
騎士団の連中の話によると騎士の内の一人が居なくなったとのことで、アイツ等は大騒ぎをしていた……………まぁ一人だけがかなり大騒ぎしていたがな。
だが潜入するには丁度良すぎるシチュエーションだったんでな、俺はこの隙に教会内を調査させてもらった
そして一つの部屋に辿り着いた、そこには見張りがいたから眠ってもらった。
そしてその部屋に入り、堂々と入口からココまで来たと言うわけだ。
~回想終了~
マダラ「とまぁ、こんな感じだ……………簡単だろ?」
俺はダーインと言われている奴に説明してやった、ついでにグラシアさんにも。
カリム「ちょ、ちょっと待って!あなた今ココに入って来たって言ったわね?」
マダラ「そうだが、何だ?」
カリム「じ、じゃぁココって聖王教会?」
マダラ「そうだ、それもおそらくこいつの自室………………執務室と言ってもいいな」
カリム「(………そういえば彼の部屋に行ってからの記憶が無いのよね)」
マダラ「つまりお前達は………………………自分達がいる教会の地下にこんな巨大な研究所を隠し持っていたんだ、それも違法な………………な」
カリム「そ……そんな……………それに違法って………」
マダラ「まぁ教会自体にも地下はあったようだが、ココはそこ以上に深いようだがな」
カリム「その違法な研究って……………まさか聖王復活と何か関係が?」
マダラ「!……………ほぉ、よく知っているな」
カリム「そこの彼から聞いたのよ……………」
マダラ「そうか…………だが、それだけではない事も知っているのか?」
カリム「えぇ………………ここでは一体何の研究をしているというの?」
グラシアさんは心底落ち込んだ様子を一瞬浮かべたけど、流石は騎士……………少将クラスの人じゃね、すぐに別の事を聞いてきた。
マダラ「それはアイツの方がよく知っているんじゃないのか?なぁドクター?」
ダーイン「………………………」
カリム「………どうなの?ダーイン!」
マダラ「答えた方がいいんじゃないのか?こちらの方はそれをお望みのようだ」
ダーイン「……………1つお尋ねしてもよろしいかな?」
マダラ「ほぉ…………質問を質問で返すか、まぁいい……………何だ?」
ダーイン「ここに来る為には部屋の前に1人のみ見張りを置いておいたのですが、どうやって眠らせたのでしょう?奴にはあらゆる幻術魔法は効かないのですが」
マダラ「効かない人間なんていはしない、だがまぁいたとしてもだ……………俺の幻術は少々特殊なのでな………」
俺はワザと両目の『写輪眼』が見える様に仮面越しじゃったけど、目を見開いて見せてやった。
ダーイン「…………その眼……………とても興味深いですね」
マダラ「残念だがお前の興味に付き合う暇は俺には無くてな、さっ……………お前の質問には答えてやったんだ、次はお前がこちらの方の質問に答える番だ」
俺はダーインと呼ばれた男に要求した。
まぁなんとなく予想出来るけどさぁ、それよか……あの椅子に座っとる少女が気になるんよなぁ…………しかもあの椅子、車輪が付いとるのぉ。
あの子って確実……………聖王のコピーの少女じゃろ?………………確か機動六課に保護されたはずじゃったけど、この子も拉致られたんか。
ダーイン「いいでしょう、と言っても先程も言いましたがあまり詳しくお教えすることは出来ませんが、しいて言えば『脳』の研究ですね」
カリム「『脳』……………ですって?」
ダーイン「そうです、人間は誰しも思考します、コレをして良いのか悪いのか、アレを如何すればよいのか…………といった具合にね、そんな人間には突然の出来事にはどうしても冷静に対処するというのが出来ない、突然の出来事に対し人間は認識し判断します、そこにどんなことがあったとしてもパニックを起こします………そんな時必然的に人間は『何故?』という言葉が脳に現れます、そしてそれを思考した時には…………………お分かりですね?」
カリム「それって………………」
マダラ「成程……………要はお前の分野は『洗脳』か」
ダーイン「はい…………これで私に対する質問は「だから誘拐しているのか?」…………」
カリム「え?」
俺の言葉にダーインは黙り、グラシアさんが何だと?みたいな声を出した、そりゃぁそうやろうな。
マダラ「ここ1ヶ月以上にわたる児童誘拐、全ては『洗脳』の為」
カリム「そ、それって………………今ニュースでやっている」
ダーイン「………………………」
マダラ「そうだ、まぁ俺もさっきの話を聞くまでは予想の範囲を超えなかったんだがな、だが…………これで確信に変わった」
カリム「そんな………何で……………」
マダラ「何を言う「え?」『洗脳』に子供の脳程やりやすいものは無い」
カリム「な、何を………………………」
マダラ「考えてもみろ、すでに身体も精神も出来上がった大人より、まだ純粋な考えも出来、将来有望な子供なら自分達の都合のいいように『洗脳』出来尚且つ自分達の好きなように弄れるだろう?そう例えば………………有能な兵士にする、とかな」
カリム「っ!!」
マダラ「予想出来なかったか?…………いや、していたが無意識に除外していただけ……………だな、で?どうなんだ実際」
ダーイン「………………」
マダラ「黙認は肯定と受け取る質でな俺は」
カリム「ダーインッ!!あなたって人は!?」
マダラ「あーそういう要件は俺のいないところでしてくれ、俺の用を先に済まさせろ」
ダーイン「…………そういえば、あなたがここに来た理由をお聞きしていなかったですね」
マダラ「それもそうだ………と言っても、分かっていると思うが、ここを破壊させてもらう………そして、そこの少女を返してもらう」
ダーイン「はぁ?返してもらう?何をご冗談を………この娘は本来我々の所有物なのですから…………」
マダラ「貴様らのものでは無い、その少女は俺達と同じ境遇にある……………いわば『同士』なのだからな」
『同志』じゃなく『同士』、同じ造られた者同士じゃけぇ間違っては無いよのぉ。
ダーイン「よろしいので?そんな事をすればあなたは袋の鼠、上にいる騎士団に捕まってしまいますよ?」
マダラ「忠告痛み入る、が俺にそんなものは不要だがな………………俺からも一つだけ聞かせろ、その少女とコイツを如何する気だ?」
俺は聖王のクローンの少女と磔にされとるグラシアさんの事を聞いた、この2人には研究に関する接点っつーのがあるのかはようわからんけぇな。
まぁ唯一あるとしたら『古代ベルカ』ってくらいしかないけどのぉ……………。
ダーイン「あぁ………騎士カリムですか?なぁに、簡単ですよ…………こちらの少女にはロストロギアであるレリックを使用するだけでは無く、より完璧な王の復活の為騎士カリムのその特異な能力、そうレアスキルと魔力を頂かせてもらおうと思いましてな」
カリム「な、何ですって?!」
マダラ「ほぉ、コイツにはそんな特殊な能力があったとはな……………」
ダーイン「彼女自体は私には興味はありませんがね、だが彼女のその能力を此方の少女に移すという前代未聞のことを私に一任して頂いているんでね………………それにここには聖王様の遺物・『聖遺物』がございますし………………」
マダラ「………………………」
ダーイン「これほどまでにやりがいのある研究はしたことありませんよぉ」
カリム「狂ってる…………」
ダーイン「あーご心配なく、あなたの護衛のシスターシャッハも後でお仲間にして差し上げますので」
カリム「………………シャッハにまであなた!!」
マダラ「そうだな…………そんな狂人であるお前には悪いが、お前にはそんな事は最初から出来はしない」
ダーイン「…………フッ、何を………」
マダラ「俺がそうさせないからな」
カリム「………あなた………………」
ダーイン「…………騎士カリムを助けるおつもりで?」
マダラ「いーや、俺もこいつがどうなろうと知ったことでは無い」
カリム「むっ」
マダラ「ただ、お前達の研究の邪魔さえ出来ればそれでいい、お前達の嫌がる事を俺はするだけだ………」
ダーイン「………………………」
マダラ「さ…………捻りが無い言い方だが、何もせず俺の言う通りにすれば穏便に事を運んでやる」
ダーイン「ではこちらも…………それを私が素直に応じると?」
ま、そう来るわな………いつも通りにやるしかないんかなぁ、ただ今回の相手はそれなりに覚悟しといたほうがええかもしれんなぁ。
マダラ「なら少々痛い目を見てもらうまでだ」
ダーイン「くっふっふっふっふ、私がなんの備えも無しにいるとでも?」
マダラ「まぁある程度は予想して来ている、無駄に終わるだろうがな」
ダーイン「さ~て、その予想…………無駄になればよろしいんですがね~」
………なぁんかさっきからコイツのこの余裕が気になる、つかイラッとくる。
マダラ「…………ではお話はここまでにして、あとは情報を吐いてもらうだけにしてもらおう」
カリム「ちょっと、あまり手荒な事はしないで!彼にはこちらでも聞きたいんだから!」
マダラ「それは知らん、そんなのはお前達の事情だ、俺にはなんの関係も無い」
カリム「それこそ知らないわよ!」
ダーイン「……………ハァ」
俺とグラシアさんの会話にまた奴が割り込んできた………いや、割り込んでっつっても会話って会話はしては無いんじゃけどね。
ダーイン「やれやれ、もう私を捕らえた気でいらっしゃる……………あなた方には少しこの子と一緒に遊んでもらいましょうかね」
マダラ「あの子?」
俺はダーインの言っとる『あの子』っつーのを誰のことを指しとるんかを考えちょると突然横から誰かに攻撃された、しかも的確に頭を真横に一閃してきた。
マダラ「っ!!」
俺はいきなりの攻撃に驚いたけど咄嗟にしゃがんで避けた、まぁ大振りの攻撃じゃけぇ余裕じゃね。
俺を攻撃してきた奴はすぐ離れてダーインの数mくらい離れた位置に立った。
影になって分かりづらいけど、どうやら男の様でかなり体格のいい奴じゃった………………けど、なんか妙にゴツゴツしとると言うか普通の男じゃ無さげな感じじゃった。
まさかコイツが……こいつ等の実験でこうされたんか?
マダラ「コイツ…………ん??」
今頃になって気付いたんじゃけど俺を攻撃してきた奴の隣に小さいけど誰かがおるっぽいんじゃけどな、ダーインじゃないで?
ダーイン「よくそいつの攻撃を躱せましたね、ま、ここは彼女の召喚獣に任せましょうか……………いいえ召喚虫と言いましょうか」パチッ!
ダーインは言い終わると同時にカッコつけるような感じで指パッチンしやがった、すると部屋の明かりが点き辺りがよぉ見えるようになった。
俺を攻撃してきた奴は人かと思ったら、なんと人型の昆虫じゃった………マジか……………俺虫って苦手なんじゃけど…………。
ってそれよかあのまさに虫野郎の隣におる女の子って………見た事あるけど…………って!!
マダラ「(この娘は!!)」
俺はメッチャ驚いた、だってそうじゃろ?あそこおるのって………………。
メガーヌさんの所の娘さん、ルーテシア・アルビーノなんじゃけぇ!!
マダラ「その少女はっ!………………」
ダーイン「驚かれましたか?彼女は少し前に手に入れましてね、いやぁ私も驚きましたぁ、まさかこの少女がこの年にして召喚術が使えるとは………それもこんな強い奴まで」
ダーインは虫野郎に近付いた、虫野郎は顔をダーインの方に向けた。
表情が読み取れんで、一見すると無表情に見えんことも無いけど、俺からしたらダーインを睨んどるようにも見えた。
ダーイン「ふっふっふ、安心しろ……………その少女には手を出さんよ、その子は私の大切な護衛役なんだ…………お前もその子の為にもしっかりと働かないとな」
虫野郎「…………………」
あの虫野郎、何も言わず拳をギュッと握りっぱなしじゃんか……………やっぱりダーインって野郎とは仲間って感じじゃないのぉ。
ダーイン「さぁ、その少女の為に奴を倒せ」
ダーインはあの虫野郎に指示を出し、自分はその間に聖王のコピーの少女を車輪付きの椅子でさっさと部屋を出て行きおった。
マダラ「行かせるか……………とは、言わせてはもらえんか………」
俺がダーインの後を追いかけようとしたら、さっきの虫野郎が俺の行く道を塞ぎやがった。
マダラ「…………………お前はあの少女の召喚虫だろう?ならば何故主を助けることを選択しない?」
俺は虚ろな目をして俺を見とるルーテシアに目を向けた、やっぱアイツ等の実験段階じゃろうけどその犠牲になってしもぉたんやな。
今のルーテシアはよぉ漫画やアニメとかである目に光が無い状態、しかも半目で………………。
てか、前の参観日の時の帰りにシュテル達に聞いとったんじゃったわ。
シュテル(回想)「そう言えばルーテシアは学院内でただ一人、召喚獣が使える子なんですよ」
レヴィ(回想)「そうそう、それも4体もいてね!どれも強いんだって、担任の先生が言ってた!」
なぁんて言っとったなぁ……………となるとあの虫野郎がそのうちの一体っちゅーことになるんかなぁ。
虫野郎「………………………」
奴はなんの反応も見せんで、ただ俺に向かって来る意志を見せる様に構えだした。
ルーテシア「………………………」スッ
ルーテシアはゆっくり手をあげた、するとあの虫野郎が俺に向かって飛んで来た。
いきなりの攻撃を難なく避け、その隙に俺も攻撃することも可能………じゃったんじゃけど…………。
マダラ「(うげぇ~………やっぱ虫やんけぇ、俺虫って苦手っつーか無理やな……………)」
そう、俺ってば大の虫嫌いで虫にいい思い出は全くない、アリや蚊みたいな小さい奴なら潰すけぇ問題ないけどテントウムシくらいからもう……………ダメやね。
前世じゃぁアレやで虫が顔に止まったお陰で死にかけたんじゃけぇ、アレはマジ怖かったわぁ~。
マダラ「さて………………どうするか…………」
白『オイ』
俺が虫野郎をどうやって倒そうか迷っとると、白がいきなり話し掛けてきた。
マダラ『何じゃぃいきなり、今チョイ忙しいんじゃけど』
白『何言ッテンダ、虫相手ニビビッテンジャネェカヨ』
マダラ『ぬぐっ!………う、うっさいわ!!………………んで、何なん?』
白『俺ニ殺ラセロヨ』
マダラ『は?』
いきなりコイツ何言ってん?
白『九喇嘛ヤアシュロン、コイツ等ガ出テヨォ…………俺ガ出タノッテ、オ前ガ勝手ニ暴走シタ時ダケジャネェカヨォ』
マダラ『いや、まぁそうなんじゃけどさぁ……』
白『ダカラヨォ、今回ハ俺ニ殺ラセテクレヨ』
んーなんかやるって字が違う気がするんじゃけど……………まぁ確かに九喇嘛とかに任せても大きさに問題があるけぇな………。
マダラ『…………わかった、けど!あの子には手ぇ出すなや!?』
白『分カッテルッテ』
マダラ『ホンマに分かっとんかねぇ……………あ、あと』
白『何ダ?マダ何カアンノカヨ?』
マダラ『あんまやり過ぎんなや、んでグラシアさんをさりげなく助けちゃってや』
白『アァ?イイノカヨ、ソンナ事シテ』
マダラ『まぁバレん程度に…………それに助けるっつっても片方の鎖を外すだけでええけん』
白『…………成程ナ、了解ダ』
マダラ『あぁ、あとそれとさぁ…………』
俺は追加で白に指示を出して念話を切った。
マダラ「なら、お前に任せるとしよう」
俺は一応グラシアさんから死角になる位置、まぁ俺の後ろにグラシアさんがおる様にしただけなんじゃけど…………。
一旦仮面を外してその上から『虚化』の仮面を出して、そっからトビの仮面を付けた…………じゃけぇ順番で言えば『虚化』→トビみたいな、二重に仮面付けちょるけぇ息しづらい。
トビの仮面を付けた時に、俺はある意味人格を白に渡した。
マダラ(白)「アァァーーーッハッハッハッハ!!ヤット暴レラレルゼェ!!!」