「ヤシマさんお久しぶりです。」
サスロは2ヶ月振りにシュー・ヤシマ氏に会いに来ていた。
彼とはレーザー通信などで連絡は取り合ってはいたが、直接の対面は久々であった。
「サスロさんお久しぶりです、今日はもう一人の娘のミライを連れてきました、さあミライご挨拶をしなさい」
「始めましてミライ・ヤシマですお兄様」
「えっまだハルカさんにはプロポーズもしていないのに、お兄様とはこちょばゆいですよ」
「えっそうなんですかついそんな感じがして言葉に出てしまいました。」
「まあまあ、私はそのようになって欲しいと思ってますよ」
「では今度からヤシマさんをお父さんとお呼びしますよ」
「望むところです、では立ち話も何なのでこちらにどうぞ」
今日はヤシマ氏のオフィスを訪れたので案内されるがままに部屋へ入った。
「では早速話に入ります。
まずガルマとアルティシア様の婚約が決まりました。そして資源開発として火星圏へ来月末に先遣隊を派遣します、そして何回かに分けて人を送りたいと思うのですが、実は資源開発の人材が足りなくヤシマさんの所でそちらに、明るい方を、少しお借りできないでしょうか」
「正直なところ、条件によります、ウチも連邦との付き合いがございますのであまり目立った行動は出来にくいのです」
「わかりました、3年で火星圏を安定させ、コロニーを作り移民も考えようと思ってます、その発注をヤシマカンパニーへお願いお任せしようと思ってます」
「規模と数はどれ位になりますか」
「50,000人収容の物を12基程と考えております、そして今後見つける資源衛星からの資源を原価でという線でどうでしょう」
「そこまでしてもらえるのならこちらもなんとかしましょう、ではサイド3出身の者を何人か退社させてそちらに里帰りのようにして、雇い入れて下さいませんかそしてそちらでの役割が終わったらまたこちらで雇い入れるという事にしたいと思います」
「それでよろしくお願いします、来ていただいてる間はできる限りの待遇を保証いたします」
「大事にしてやって下さい、所でうちの娘とは上手くいってますか、男親で育てたのであまりおしとやかには育ってませんが」
「そんな事はありません素敵なお嬢さんですよ、今日も夜ご飯食べに行くのが楽しみですよ」
「娘も昨日の夜は機嫌よくお気に入りのお店を予約してましたからお楽しみにして下さい」
「海産物の美味しい店だそうで楽しみです。
こちらのサイド6はまだ連邦からの輸入制限が無いので中々良い品入ってるそうですね」
「地球の採れたてからみたら、落ちますが中々の物ですよ。」
「所で、以前おっしゃっていた筋からサイド2の様子をつかめませんでしょうか」
「あそこは今は中々難しいですね、以前の爆破テロも裏で手を回してたようですし、でもうちの支社もありますのでできる限り調べてみましょう」
「ありがとうございます、あっそうだ以前お話しさせてもらいました、各サイドとの連携の交渉はオヤジと妹のキシリアが担当する事になりました、私はサイド2の件が済みましたら、資源開発の方に全てを注ぎこみたいと思っております」
「おいおいサスロさんうちの、娘も放っとかないで力を注いでくださいよ」
つい決意を口にしてサスロであったが、ヤシマのツッコミに失言であったので苦笑いするしかなかった。
そして夜になりハルカとお食事をし2人で夜景のキレイなバーでお酒を楽しんでいたら、店の照明が急に落ち、1本のローソクがテーブルに付きサスロが
「俺はハルカの事が好きだぜひ結婚して欲しい、きっと君を幸せにするだからついて来てくれ」
「・・・幸せにして下さい」
「2人で幸せな家庭を作ろうその為には俺は何でもするよ」
そしてサスロの合図で周りのキャンドルが全て付き生バンドの演奏が始まり
「よし踊ろう、踊りは苦手だが笑うなよ」
「あらあらお仕事はあんなにこなされるサスロさんが踊りは苦手とは、こういうのは雰囲気で音楽に合わせたら良いのですよ」
「サスロさんという呼び方はもうやめて欲しいな」
「では貴方とお呼びしましょうか」
「何か照れるがではそれで頼む」
「はいっ行きましょうあなた」
そしてサスロに取って至福の夜が過ぎていった。
「ボスおはようございます。」
いきなり現実に戻されたサスロはびっくりした。
つい先程までは麗しのハルカといたはずなのに、何故かむさっくるしいジンネマンの顔で起きてしまった。
「おはよう、あれっここはどこだ今は何時だ」
「ボスもう9時です、今日は10時から予定がありますのでお早く準備して頂けますか、あっハルカ様はボスを送った後お帰りになり、お話を聞きました。ボスご婚約おめでとうございます」
「ありがとう、嬉しくて記憶無くなるほど飲んでしまった、目覚めた時にお前の顔見えた時に昨日は夢だったのかと思ったよ」
「悪うございました私の顔で、でもそんなゆっくりされてますと、時間間に合わなくなりますよ、今日はお父様になられる方もおられるでしょうし」
「やばいヤシマ氏に報告もあるし朝飯はいらんからコーヒーだけ頼むあと、手土産も用意してきたやつの中から小さい方のやつ出してくれ」
そして取り急ぎ用意をし部屋を出て本日の目的地であるサイド6の会計局に向かった。
そして約束の時間の10分前に着くと、一階ロビーには、ヤシマ氏が待っており話をしに行った。
「おはようございます、お待たせして申し訳ございません」
「いえいえまだ約束の時間にはなってませんから大丈夫でしたよ、ところでハルカが朝方かなり酔って帰って来ましたが何かありましたか」
「ええ実は・・」
「どうされましたもしかしたらうちの娘が何か粗相でも致しましたか」
「いえっ実はお嬢さんに昨日プロポーズを致しまして、でお父さん娘さんを私に下さい、絶対幸せにします」
「ええっどうした事です、まあ父としてはびっくりしましたが、サスロさんならと思い紹介致しましたので、反対はしませんよ、ただビックリしましたよ今は仕事に専念されてたようでしたのでまだ先だと思ってました」
「自分としてもまだ先だと思ってましたがハルカさんといると安らぎますし仕事に専念する為にも身を固めたいと思いまして」
「わかりました、詳しい話は後で聞きます、とりあえず待ち合わせ時間になりましたので行きましょう」
そして目的の人物に会うのであった。
「ヤシマ様とサスロ様がお越しになりました」
「入ってもらいなさい」
「ご無沙汰しておりますお元気そうですねジョージさん」
「やあヤシマさん最近はまた珍しい方と仲良くされてるようですね」
「初めましてサイド3より参りました、サスロ・ザビと申します、お噂はお聞きしておりますお目にかかれて光栄です、ジョージ・ブルーム会計局長」
そう今日、サスロが会いに来たのはサイド6の実質的なトップと言われているジョージ・ブルームなる人物であった、彼が右と言えばこのサイドはみな右を向くと言われている人物で、今回ヤシマ氏を通じてようやく会う事が出来たのである。
「これはご丁寧な挨拶ですね、ウワサはヤシマさんより聞いてます、大変優秀なお方だとの事ですが、本日のご用件を伺いましょう」
「この先の宇宙と地球との付き合い方について私なりに考えた事をまとめましたので、聞いて頂きたいのです」
「ほう、付き合い方ですか、まあお聞きしましょう」
「では・・・・」
サスロは持論のコロニー共和国案を話し何とかわかってもらえないかと、考え熱いトークを出し続けたところ
「貴方の考えはわかりました、それはジオン公国としての総意と受け取ってよろしいか」
「それはどういう意味ですか」
「少なくとも私どもが入手しているジオン公国の情報では御兄上であるギレン総帥は戦争を前提にしていると聞いておりますが」
「以前の兄なら仰られるように戦争をし人口を減らし優秀な人材で地球圏を支配すると考えてたのは否定しません、ですが人はそれが間違いと気が付けば、正しい道に戻す事ができます、兄もそのように考え私と何度も話、決めた内容が本日お話させて頂いた内容です」
「私もサスロさんとは何度も話をしザビ家の方ともお話をさせていただきましたが、そのように感じております、ですから今日もジョージさんに紹介したのです」
ヤシマが助言をしたところで話の流れは変わり
「では貴方は戦争をなるべく避けて、宇宙と地球を対等なものとし、宇宙はコロニーに住む人が統治し開発を進め、人類の発展に努めるという事ですかな」
「はいっ私が目指すのはそのような世界です、戦争に時間や手間をかけるなら宇宙開発にその分の力を回し更なる、発展に繋げたいという事です、これはまだ極秘事項なのですが、すでに来月には火星に向けて第1陣が向かいます」
「そのような極秘事項、私に話をしてもよろしいと私が連邦に話をするとその話をジャマしに来るか権益を求めて来ますよ」
「確かに連邦に知られればそのようになるでしょう、しかし聡明なジョージ氏はそのような事はされますまい」
「そうですなそんな事をしてジオン公国を敵に回して得る物などありませんからな、で私達、サイド6に貴方は何を望む」
「独立を行うのは5年後を目処としておりますそれまでに各サイドを連携させる必要があります、それこそ何度も話をし理解して頂く必要があります、人を集めなくてはならず警戒されているサイド3より中立的なこちらサイド6でなら連邦の監視の目が緩むと思いますので何度と無く協力をお頼みしたいのです」
「こちらとしても参加する以上、途中で失敗などは避けたいからその方が良いでしょう、他にはありますかな」
「連邦と戦争をする事は出来うる限り避けねばなりませんがあちらにこちらを迂闊に攻めさせねばならない為に盾は作らねばなりませんその為の準備のご協力をお願いしたいのですが」
「さすがにそれは私の一存で決められませんから市長らと話をせねばなりません」
「具体的な内容はこちらにまとめて置きましたのでご検討下さい」
「わかりました、ところで先ほどから気になっておるのですが、お連れの方がお持ちの小箱はもしかして」
「お気づきになりましたか、ジョージ局長が時計がお好きとの事でしたのでお近づきの印にお持ちしました」
「もしやそれはパテック・フィリップのグランドマスターチャイムでは」
「さすがですね、全世界で7本しかない内の一本がたまたま手に入りましてもちろん本物です、21世紀のアメリカ大統領がされてたのを、子孫の方が手放され、それを手に入れましたもちろん本物です鑑定書もあります」
「なんと、それは凄い物ですね確か10万個の部品を使い作られているとの事でお金を出せば買える類の物ではないですよ」
「たまたま私も手に入れそのすぐ後に今回のお話がありましたので正に渡るべくしてという所ですね、どうぞ腕にはめてみてください」
「おーっこのような感触は初めてです、私も色々な時計を手にしましたがここまでの装着感のものは記憶にないですな、このような贈り物をただ頂く訳には行きませんな、わかりましたサスロさんの申し出前向きに検討致します、まあ要望には私の個人所有のドッグや有効的な施設を使えばほぼ叶えられますから大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。では詳しい話などは妹のキシリアに伝え伺わせますのでよろしくお願いします。」
「今日は良い出会いになりました、ヤシマさんご紹介頂きありがとう」
「いえいえ私も御二方が意気投合されて良かったと思っております、なんと言ってもうちの娘のムコ殿ですから」
「それはそれはおめでとうございます、お式をやられるならぜひ出席したいものですね、この時計を付けて行きますよ 」
「それはぜひ来てくださいご招待致しますよ」
そしてヤシマと2人会計局を後にした。
とりあえず今回は、ここまでで次回後編という事で疲れました。