女神は大樹に寄り添いて   作:柚太郎

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こんばんは
他の作品も書いていますが、長編なのでこちらに力が入るかもです


第1話

 

ある日の放課後

 

俺はいつものようにバイト先での仕事に励んでいた

 

店主と二人で切り盛りするトラック屋台式の屋外カフェは、とても人気で、そんな毎日は俺に充足感を与えてくれるものだった

 

俺はそんな普通に充実した毎日をこよなく愛しており、このまま平穏無事に続くと思っていた

 

「大樹くん、あのお客さん帰ったらもう上がっていいよ」

 

そう言ってくれるのはこのトラックカフェの店主

 

「はい、おつかれさまでした」

 

と、最後のお客様に目を移す

 

「いやー、緊張したねー。まさか最初は誰もいないとはねー」

「でも、良かったです。練習したかいもありました」

「あの子が来てくれて本当に良かったね!」

 

などと話している高校生三人組だった

 

話している内容はよくわからない

が、なにかとても大事なことをやりきった後の顔をしている

その顔をみて少し羨ましくなる

 

「大樹くん、笑顔が接客の基本、だよ」

 

店主にニッコリと注意されてしまった

どうやら顔に出ていたらしい

 

「すみません」

 

素直に謝罪する

これは俺のミスだ

 

そんなこんなで三人組も帰り、片付けをし、俺も帰路につく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家の近くまで来ると、誰かに呼び止められる

 

「大樹くーん」

「お、花陽か。今帰り?」

 

この娘の名前は小泉花陽

俺の一つ年下で高校1年生

苗字は同じだが、兄妹というわけではない

が、血のつながりが無いわけでもない

俺と花陽はいとこ同士なのだ

 

「うん、ちょっと学校で用があって…。大樹くんはバイト終わりだよね?」

「そ、いやー、今日も疲れた!」

「ふふっ、お疲れ様」

 

花陽が笑いかける

こいつの笑顔はとても癒される

 

そんなこんなで家に着く

 

「「ただいまー」」

 

俺は今花陽の家に下宿させて貰っている

高校進学の際ド田舎の自宅から上京し、東京の高校へ進学したのである

最初は一人暮らしをするつもりだったのだが、親が許可をしてくれなかったため、東京に家がある花陽の家に住むこととなった

 

今となっては親が許可しなかったのは当たり前だと思うし、花陽の家には感謝をしている

 

花陽が毎日見れるのは目の保養になるしね!

 

—————————————————————

 

 

おじさん、おばさん、花陽、俺の四人でいつものように食卓を囲む

 

おじさん、おばさんのことを俺はお父さん、お母さんと呼んでいる

ここに来た日にそう呼んでくれ、と言われたからだ

 

お察しの通り、最初は違和感が大きく、とても抵抗感があった

おじさん曰く

 

「限定的とはいえ、大樹くんはこの家に住む家族の一員なんだ。遠慮せず好きなように。この家に住むからには僕のことをお父さん、家内のことをお母さんと呼んでくれ。家族だからな!」

 

と、押し切られ今日まで来てしまった

とは、言っても1年も経てば抵抗もなくなり、すんなりと呼ぶようになっている

心の中ではおじさん、おばさんだが

 

 

 

 

いつものようにおばさんの料理に舌鼓を打っていると、おじさんが花陽に質問を投げかけた

 

「花陽、学校にはもう慣れたかい?」

 

普通の家庭で、普通の父親が、普通の娘に投げかける普通の問いかけ

 

「うん、楽しいよ」

 

そんな普通の問いかけに対する、普通の娘の普通の回答

 

 

 

小泉家はそんな普通の、とてもありふれた、極普通の家庭

 

 

 

 

 

 

そんな中に俺が入ったとしても、何も変わらない、ありふれた生活だった

 

 

 

 

 

 

俺はそんな普通でありふれた毎日が好きで、ずっと続くことを疑わずにいた

 

 

 

 

花陽が何かソワソワしている

 

何か言いたげだ

 

 

 

 

 

 

「? どうした?」

 

父の問い

 

 

 

 

 

 

花陽が紡ぐ次の言葉で、俺の平穏な高校生活は崩れさり、騒がしく、波乱な一年の幕開けとなったのだった

 

 

 

 

 

「私ね、スクールアイドル、やってみたいんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 




他の作品も見ていただけると幸いです
もう一つの方はそんなに長くは続かない予定です
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