提督が最速で鎮守府に着任しました   作:パイマン

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後編が遅い!? 後編がスロウリィ!?
元々短編の予定だったんで、実は主要な場面は完成済みだったり。


後編

 肉体の外側と内側で、何もかもが加速していた。

 

 ――足。

 ――砲。

 ――主機。

 ――呼吸。

 ――鼓動。

 ――思考。

 

 加速する。

 世界を置き去りにしながら、島風は最大船速で向かっていた。

 己の限界へと。

 

「オ前、速イナ」

 

 目の前の敵が笑いながら、耳障りな発音で言った。

 見たことのない姿形をした深海棲艦。

 その戦闘力も前代未聞だった。

 小柄な島風と同程度の体躯でありながら、腰から生えた自身の全長よりも巨大な尾が異常なまでに多彩な武装を搭載している。

 先端に生えた砲身から戦艦並の火力を吐き出し、無数の艦載機を射出する。加えて、雷撃まで放ってくる。ここに強固な防御力まで備えているのだから手に負えない。

 特に艦載機が厄介だった。敵はたった一人だが、既に上空を覆い尽くさんばかり増えた羽虫のような艦載機が島風を完全に包囲していた。

 敵の攻撃はどれも一撃で致命傷だが、こちらの攻撃はほとんど通用しない。

 数の上でも圧倒的に不利。

 唯一、島風が勝っているものはスピードだけだった。

 

「ダガ、速イダケダナァ」

 

 初めて自分の前に現れた時から敵は笑っていたが、今の笑みが嘲りの意味を含んでいることに島風は気付いた。

 自分の限界が近いことも分かる。

 唯一勝っているスピードが翳り始めていた。

 巻雲達を逃がした後の戦闘再開からどれくらい時間が経ったのか分からない。

 島風は、そのスピードと幸運によって、敵の攻撃をことごとく回避していた。

 直撃は一度もない。だから、こうして息をしていられる。

 しかし、砲撃の至近弾や艦載機の機銃など、避けきれない攻撃の余波を繰り返し受け止めた身体は既にボロボロだった。

 最大船速を発揮し続けた艤装はオーバーヒート寸前で、ボイラーが爆発しそうだ。

 前世の記憶が過ぎる。

 かつてのように、敵の攻撃に追い立てられ、爆走して果てるのが自分の運命なのだろうか――。

 

「……そういうあんたはノロすぎなんだけど!」

 

 己の悲観を、島風は笑い飛ばした。

 それが出来たのは、きっと敵が自分の『速さ』を侮るような言葉を使ってくれたからだ。

 自信でありプライドである自分のスピード。

 それをずっと張り合ってきた大嫌いな提督の姿が、頭の中の弱い考えを全て吹き飛ばして、駆け抜けたのだ。

 頭と胸の内に、新たに反逆の意思が生まれた。

 負けられない、と思った。

 少なくとも、自分よりも遅い目の前の敵には負けてやれない――!

 

「速イダケデ何ガ出来ル!」

 

 高笑いを返しながら、敵は艦載機の群れをけし掛けた。

 強力な爆撃能力を持つ飛行体は、しかし全機が一斉に機銃による掃射を仕掛けてくる。

 ダメージは微々たるものだが、弾幕は完全に回避する方法がない。

 海上を高速で疾走する島風の回避運動は神掛かっていたが、降り注ぐ弾雨が肉体と艤装に無数の小さな穴を空けた。

 噴き出した血とオイルが海水をどす黒く染める。

 ついに体重を支えきれなくなった左足から体勢を崩した島風は転倒した。

 派手な水飛沫を上げながら水面を転がる。

 艦娘である島風は、生きている間は海中に沈むことはない。

 しかし、もう走れなかった。

 

「終ワリダ」

 

 全身に激痛と同時に力が抜け落ちるような脱力感を抱きながら、かろうじて顔を持ち上げた。

 敵の巨大な砲口が、自分に向いているのが見える。

 あの砲撃を喰らえば、きっと跡形も残らない。

 死の恐怖よりも、敵の勝ち誇った顔が気に入らなかった。

 

「ヤハリ、速サダケデハ何モ出来ナカッタナ」

 

 撃たれる。

 今。

 

「――ア?」

「――え?」

 

 不意に、音が聞こえた。

 戦闘が今まさに決着しようというこの瞬間、自分と敵以外誰もいないこの海上で、徐々に近づいてくる音を二人は聞いたのだ。

 甲高いモーターの叫びと水を掻き分ける爆音。

 音のする方向へと視線を向ける。

 何もない水平線。

 突如、そこから一つの影が水柱と共に飛び出した。

 

「何ダ……船カ?」

 

 猛烈なスピードで近づいてくるそれは、一隻の小型艦船だった。

 奇妙な船体だった。

 遠目にでも分かる――ド派手なのだ。

 ショッキングピンクに光沢のあるカラーリングで染め上げられた船体は、とてもまともな艦船とは思えないデザインだ。

 やけに鋭角的なフォルムのそれは、凄まじい船速も含めて鮫とロケットを掛け合わせて出来上がったかのような印象を受けた。

 そして、そんな船に乗っているのは――。

 

「て、提督!?」

 

 島風は思わず叫んでいた。

 

「待たせたなぁ、シカマセェ! いや待つはずがないな、何故ならオレは世界を縮める男、誰かを待たせるなど有り得ないのだ!」

 

 クーガーもまた叫んでいた。

 

「大は小を兼ねるのか速さは質量に勝てないのか、いやいやそんなことはない速さを一点に集中させて突破すればどんな分厚い塊であろうと砕け散るゥゥッ!!」

「何ィ!?」

 

 減速することもなく一直線に突っ込んでくる船体に、敵は度肝を抜かれた。

 向かってくる船が、今まさにトドメを刺そうとしていた艦娘の味方であることは予想がついた。それを返り討ちにしてやろうと考えていた。

 しかし、自分に激突しようと突っ込んでくる相手の行動は、完全に予想外だった。

 その一瞬の思考の間隙を最速で駆け抜けたクーガーが、大質量の砲弾と化した船体で敵を捉えていた。

 激突。

 そして、大爆発。

 

「ハッハッハッ、ハァーッ!!」

 

 クーガーの高笑いが、諸共爆音に飲み込まれる。

 目の前で繰り広げられた壮絶な光景に島風は悲鳴を上げかけた。

 

「ドラマチーック! エスセティーック! ファンタスティーック! ラーンディーングー!」

 

 しかし、爆煙を突き破って飛び出してきたクーガーの妙に余裕のある姿を見て、一瞬で萎えた。

 爆風に吹き飛ばされて空中に投げ出されたように見えるが、実際は無傷である。

 どういう理屈なのか、爆発の影響が服にすら及んでいない。

 島風のすぐ傍に頭から着水する。

 

「ハアァ~、22分31秒。また世界を縮めてしまったぁ……」

「……来てくれたんだね、提督」

 

 死を覚悟した戦場へ風のように現れた、あまりにも普段通りの提督の姿。

 島風は深い安堵を感じて、知らず涙を浮かべていた。

 クーガーはいつものように不敵な笑みを浮かべ、

 

「おっと、安心するにはまだ早い。奴さん、まだまだ元気一杯みたいだ」

 

 鋭い視線は爆煙の中心へと油断なく向けられていた。

 船の残骸が上げる黒煙はゆっくりと晴れていく。

 それを悠長に感じたかのように、爆発の中心で突風が発生して、一瞬で煙を振り払った。

 おそらく尾で振り払ったのだろう。そこには無傷の敵が悠然と佇んでいた。

 

「……ニンゲン?」

 

 クーガーの姿を認識した敵は驚いたように呟き、

 

「人間ダト……」

 

 ギザギザの歯を剥き出しにして、口角を吊り上げた。

 口の両端が裂けて耳まで届きそうだった。

 

「人間ダトッ!!」

 

 歓喜――いや、狂喜の篭もった甲高い声で哄笑した。

 人語を解し、意思や理性らしきものを感じさせる深海棲艦の存在はこれまでにも確認されている。もちろん、それらの存在と意思を疎通することに成功したという例まではない。

 しかし、島風には目の前の深海棲艦がそれらの存在と同類だとは思えなかった。

 目の前の深海棲艦は、本質的に理性のない怪物なのだ。

 その咆哮が言語の形を偶然取っているに過ぎない。

 分かりきったことだが、話は通用しない。

 この場を切り抜ける為には、目の前の敵を倒すしかない。

 

「うーん、なんという文化的要素の欠片も見当たらない敵だ。だが、話は早い。そして、速いというのは重要だ!」

 

 深海棲艦を前にして全く臆した様子もない自身の提督を、島風は少しだけ頼もしく思った。

 少しだけ、なのは自信満々の態度に反して、肩まで海水に沈んだままだからだ。

 決死の特攻も通じず、無傷の敵を前にしてどうするつもりなのか――。

 

「ギャハハハッ! 逃サナイゾ、人間!!」

「逃さない? オレが逃げるとは侮ってくれるな。しかも、オレに追いつけると思っている。どちらかというと、後者の方が気に入らない!」

 

 クーガーの的外れな怒りにツッコもうかと一瞬悩んだ島風の眼に、信じ難い光景が広がった。

 突然、クーガーを中心にして海面に穴が開いたのだ。

 正確には、周辺の海水が無数の粒子となって霧散し、次の瞬間それらがクーガーの両脚に収束して全く異なる物質へと変換された。

 

 ――物質変換能力(アルター)

 

「《ラディカル・グッド・スピード》脚部限定!!」

 

 クーガーの両脚は膝から下が、一瞬で鋭角的なフォルムの装甲に覆われていた。

 粒子化した分の体積が消失したことで発生した空隙は、すぐさま周囲の海水が雪崩れ込むことで埋められる。

 しかし、そこにクーガーが再び沈むことはなかった。

 変質した両脚――アルター《ラディカル・グッド・スピード》が融合装着された両脚を小刻みに動かしながら海面に立っていたのだ。

 

「何それ、どうやってるの!?」

「片足が沈む前にもう片足で海面を踏み締めるこの反復作業を高速で行うことによって海面に立つ! これが『速さ』だっ!!」

 

 要は、超高速の足踏みだった。

 言葉を失う島風を尻目に、クーガーは足踏みを続けながら、敵に向けて前傾姿勢を取った。

 

「さあァァ、行くぞ! 受けろよ、オレの速さを――!」

 

 固い地面に対してそうするように、海面へ向けて一際鋭く足を突き出すと同時にラディカル・グッド・スピードの踵からパイルが射出された。

 それによって生み出された爆発的な反動が、クーガーの身体を弾丸のように前方へと吹き飛ばした。

 爆音と盛大な水柱を残して、クーガーの姿が掻き消える。

 

「衝撃のォ――」

 

 一瞬で敵に肉薄し、蹴りを繰り出す。

 島風も、敵の深海棲艦さえ反応出来ない。

 

「ファースト・ブリットォォォッ!!」

 

 比喩ではなく弾丸の速度を持って放たれた蹴りは、敵に防御の暇すら与えなかった。

 腹部に直撃を受けた敵の身体が、飛び石のように海面を何度も跳ねながら後方へ吹き飛んだ。

 人間が繰り出したとは到底思えない威力だ。

 例え艦娘であっても、駆逐艦クラスの自分ならばとても耐えられない。島風は戦慄した。

 しかし、敵の装甲と耐久力は駆逐艦クラスではなく戦艦クラスだった。

 口から血を吐き、確かなダメージを負いながらも、敵はすぐさま体勢を立て直した。

 砲撃と同時に上空から艦載機の攻撃が放たれ、十字砲火となってクーガーに襲い掛かる。

 血に汚れた口元は相変わらず吊り上り、狂ったような哄笑は止まない。

 冷たい怖気が島風の背筋を走る。

 しかし、クーガーの方はそんな戦慄を感じるどころか対抗するような高笑いを上げながら走っていた。海面を。

 

「大した火力だ! だが、足りない!」

 

 海上を疾走しながら、四方から迫る攻撃を尽くかわしていく。

 

「足ぁぁりないぞっ!」

 

 それは攻撃を『回避する』というよりも『置き去りにする』といった表現の方が相応しいスピードだった。

 

「お前に足りないもの、それは情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ! そしてなによりもォォオオッ!!」

 

 慣性を無視したかのような鋭いカーブを描いて方向転換すると、敵に向けて突進する。

 それに気付いて姿勢と砲口の向きを変えようとした瞬間、既にクーガーは目の前にいた。

 

「――速さが足りない!!」

 

 薙ぎ払うような蹴りが側頭部を捉え、敵は再び横殴りに吹き飛ばされた。

 それでも倒れない。

 しかし、クーガーもまた次の瞬間にはその場から消失している。

 反撃は全て空を切った。制空権確保によって圧倒的なアドバンテージを掴んでいるにも関わらず、標的を捉えることが出来ないのだ。

 クーガー一人に、完全に翻弄されていた。

 

「信念と文化無き本能だけでは、オレに一生追いつけない!」

「……確カニ、速イ」

 

 攻撃の手を止め、敵は高速で移動し続けるクーガーを睨みながら呟いた。

 その様子をクーガーは内心でいぶかしんだ。

 こちらを捉えられないと悟って、スタミナ切れを狙った持久戦に持ち込むつもりか?

 もしも、そういう考えならば、むしろこちらは有利になる。時間が経てば、加賀の率いる艦隊が駆けつけるのだ。

 

「ダガ、ヤハリ速イダケダ!」

 

 深海棲艦特有の青白く発光する眼球がギョロリと動いた。

 クーガーから移した視線の先には、島風がいた。

 

「――野郎!?」

 

 敵の砲口が、島風の方へ向けられる。

 もちろん、島風もただ戦闘を眺めて呆けていたわけではない。

 標的が自分に変わったことを察すると、すぐさまその場から離れようと足を動かした。

 そして、踏み出した足が体重を支えきれずに膝から崩れ落ちた。

 自覚していなかったダメージの深刻さと、クーガーが駆けつけてくれた安堵感によって生まれた気の緩み。それらが最悪のタイミングで重なってしまったのだ。

 クーガーの判断と行動は速かった。

 砲撃が放たれた瞬間、島風の前に躍り出ていた。

 

「壊滅のセカンド・ブリットォ!」

 

 繰り出された蹴りと砲弾が接触した瞬間、大爆発が巻き起こり、クーガーの身体を呑み込んだ。

 島風の上げた悲痛な叫びもまた爆音に掻き消された。

 戦艦の砲撃は、生身の人間が耐えられるような威力ではない。

 しかし、島風の声に応えるように、爆炎の中からクーガーが姿を現した。

 砲弾を蹴りつけた反動を利用したのだろう。空高く打ち上げられたクーガーの身体は、弧を描いて島風のすぐ傍に着水した。

 

「提督、大丈夫!?」

 

 先程と同じような状況。

 しかし、今度は無事では済まない。

 沈んだままのクーガーを、島風は慌てて引き上げた。

 体格が違いすぎる為、上半身までしか水の中から持ち上げることが出来なかった。

 

「なるほど、これが戦艦の火力というヤツか。うちの戦艦組は怒らせないようにしなきゃならんなぁ」

 

 クーガーの軽口は、島風の耳には入らなかった。

 顔を青褪めさせて、足元に視線を落としていた。

 クーガーを中心にして海面に赤黒い色が滲み、広がっている。

 戦艦の砲撃を蹴りで受け止めたのだ。海面下に沈んだクーガーの両脚がどんな状態になっているのか、想像に難くなかった。

 

「て、提督……足が……っ!」

「安心しろ。まだ二本ともくっついてるよ」

「ごめんなさい、わたしが……!」

「謝るんじゃねぇ!」

 

 クーガーの一喝が、錯乱しそうになった島風の正気を引き戻した。

 涙で滲んだ瞳を、これまで見たこともないほど力強い、そして甘えを許さない厳しさを込めた眼光が射抜く。

 

「負い目は弱い考えを生む! その弱い考えに反逆しろ!」

「反逆……」

「ここでオレと一緒にくたばるか? もう二度と巻雲達の所へ帰れないと、諦めるのか!?」

 

 島風の心が震えた。

 それは恐れではなかった。

 自分の中に先程まで存在していた恐怖――眼を背けていたそれを睨みつけることで生まれる魂の震えだった。

 弱音を吐き出しそうになっていた口を食い縛り、涙を拳で拭うと、島風は前を見据えた。

 相も変わらず不快な笑みを浮かべて、悠然と佇む深海棲艦。

 頭上を禍々しい形状の飛行体が飛び回り、凶悪な砲身は自分達に向けられている。

 しかし、もはや島風の心に恐怖はなかった。

 その恐怖に反逆する意思だけがあった。

 

「オレが正面から仕掛ける。それに合わせて、お前もありったけの攻撃を叩き込め」

 

 クーガーの提案に、島風は自身の状態と周囲の状況を確認した。

 ダメージは大きいが、幸いなことに艤装は未だ稼働中だ。

 しかし、肝心の武装は背中に残った魚雷のみ。しかも、発射装置が損傷して撃ち出すことが出来ない状態だった。

 クーガーが正面から仕掛けると言ったが、敵も彼だけに集中して自分を放置するという愚は冒さないだろう。

 例え砲身がこちらを向いていなくても、頭上には無数の艦載機が飛び回っている。一度かわせなかったその攻撃を、何故次はかわせると思えるのか。

 無謀だった。

 無理だと思った。

 どう考えても無茶だ。

 

「――やる!!」

「上等ォ!!」

 

 島風が答えると同時に、再び周囲の海水が消失した。

 粒子の輝きが、今度はクーガーの全身を包んでいく。

 突然出現した空間の間隙によって二人の身体が一瞬宙に浮いた状態になった。

 まるでその瞬間を狙っていたかのように、敵の砲塔が火を噴いた。

 クーガーと島風は、互いの足を蹴り合うことで反動を生み出し、左右に分かれて砲撃を回避する。

 

「誰もオレに――オレ達に追いつけない!」

 

 粒子の収束が終わり、物質の再構成が完了する。

 今度は《ラディカル・グッド・スピード》を全身に纏った状態で、クーガーは降り注ぐ砲弾の雨を駆け抜けた。

 それはアルターの鎧というよりも、自分自身を弾丸に変えたかのような姿だった。

 純粋な脚力だけではなく、背部や脚部から放出されるエネルギーを推進力として、更なるスピードで疾走する。

 敵の照準はもはや全く追いついていなかった。

 いや、弾速さえ追いついていないようだった。

 

「ダカラ、速イダケデ何ガ出来ル!?」

 

 敵の禍々しい笑みは変わらなかった。

 己の力に絶対の自信を抱いている。

 どれだけ素早く攻撃をかわそうが、自分を倒さなければ戦いは終わらないのだ。

 そして、倒す為には自分を攻撃しなければならない。

 その瞬間を狙っていた。

 自分に攻撃する為に相手が近づき、攻撃が当たることさえも許容して、接触の瞬間に生じる一瞬の停滞へすかさず反撃を叩き込み、粉砕する。

 速さだけでは、自分にダメージを与えることは出来ても倒すことまでは出来ない――そう確信していた。

 

「じゃあ、これならどうだ!?」

 

 海面を蹴りつけて、クーガーは空高く跳んだ。

 空中へ身を投げ出した標的に向けて殺到する艦載機の群れ。それらを尻目に、両脚の踵を強く打ち合わせる。

 火花が散り、それが発火点となって右の踵からジェット噴射のようにエネルギーが噴き出した。

 クーガーの全身が独楽のように回転する。

 

「瞬殺のォ――」

 

 その勢いとスピードはもはや竜巻だった。

 高速回転し続けながら繰り出される猛烈な回し蹴りは、周囲の艦載機を蹴散らしながら、眼下の敵に向けて襲い掛かった。

 

「ファイナル・ブリットォォォオオオオッ!!」

 

 渾身の一撃が、真正面から激突する。

 敵はやはり回避することが出来なかった。

 しかし、咄嗟に自身の尾を盾として防御することには成功していた。

 クーガーの攻撃は、戦艦の装甲と馬力をしてそれに圧し勝つ程の威力を発揮していたが――それでも圧倒するまでには至らなかった。

 激しく火花が散る激突の最中、敵はほくそ笑んだ。

 

 ――これを凌げば、勝ちだ!

 

 攻撃の勢いが衰えた瞬間が、全ての決着だと確信した。

 

「――あなたって遅いのね」

 

 その囁きは、背後から聞こえた。

 思わず肩越しに振り向き、眼を見開いた。

 島風が、そこに立っていた。

 クーガーに意識を割いていたとはいえ、島風にも注意は向けていたはずだった。

 実際に、砲撃の照準こそ向けなかったものの、差し向けた艦載機は島風の方が多い。

 既に十分なダメージを負った相手だ。一度回避出来なかった攻撃をもう一度繰り返せば、それだけで沈められる。そう判断した。

 しかし、その予測を裏切って、島風は敵の背後に回り込んでいた。

 かつてないスピードを発揮して弾丸の雨を走り抜け、避け切れない攻撃はあえて背中の魚雷発射管で受けた。

 低威力の機銃を使ってくることは予想していたが、外装だけを破壊してくれるかどうかは賭けだった。

 そうして発射管から強引に引き抜いた魚雷五本を両手に抱えて、今、ついに島風は敵を捉えたのだ。

 

「にひひっ」

「……糞ガッ!」

 

 島風の悪戯っぽい笑みと、ついに引き攣った敵の笑みが向き合う。

 

五連装(・・・)酸素魚雷、行っちゃってぇー!!」

 

 島風は五本の魚雷を、文字通り叩き込んだ。

 

 

 

 

 轟沈した深海棲艦や艦娘の死体は、海に沈んで二度と発見されることはない。

 一時期、深海棲艦の生態を調べる為に海の底までさらって死体を確保しようと何度も捜索隊が向けられたが、そのどれもが肉片すら見つけることが出来なかった。

 海に沈むと同時に消滅しているとしか考えられない特性が、深海棲艦の謎をより深くしていた。そして、それは艦娘にも同じように当て嵌まることだった。

 敵を沈めた地点からは、既に大分離れていた。

 激しい戦闘があったとは思えないほど海上は静かで、他に艦影は見えない。

 あの深海棲艦の仲間や援軍が現れるという心配はなさそうだった。

 ため息を吐くと、島風はジト目で背後を振り返った。

 

「……おっそーい」

「なぁに気にするな。のんびり帰ればいいさ。その内、迎えに来た加賀さん達と合流出来るだろう」

 

 ゴムボートの上に寝転がって、リラックスした体勢でクーガーが言った。

 クーガーの乗ってきた内火艇に備え付けてあったのを、残骸から奇跡的に回収出来た物だ。

 エンジンは付いていないので、オールで漕ぐか他の船で曳航するしかない。

 他の船とは、つまり腰にロープを括り付けて繋いだ島風のことである。

 艤装はかろうじて稼動しているが、戦闘のダメージに加えて限界まで酷使したせいで自慢の船足は見る影もない。

 二人は互いの信条とは裏腹に、広い海上をノロノロと進んでいた。

 

「提督だったら自力で海の上走れるんでしょー? わたしの方を乗せて帰ってよぉ。こんなに遅いの耐えられない!」

「おいおい、オレだって体力は人並みなんだぞ。鎮守府まで走って帰ったら疲れてしょうがない。代わりのボートを貸してくれるなら、世界を縮めてやるよ」

「わたしの艤装をあんな悪趣味なデザインに変えられるなんてイヤ!」

「ついでに、オレの出すスピードに耐えられないのか、大抵の乗り物は壊れちまうのさ」

「じゃあ、駄目じゃん!」

「そういうわけだ。さあ、頑張って一秒でも早くオレを地面のある所まで連れ帰ってくれ。シカマセ」

「もーっ、提督のバカ! 役立たず! それと島風!」

「ハッハッハッ、すまんすまん」

 

 鎮守府でいつも繰り広げているような、いつも通りのやりとり。

 不意に泣きたくなるような安堵感を覚えて、島風は慌てて顔を前に向けた。

 口ではああ言ったが、クーガーを連れて帰ることに不満は欠片もない。

 むしろ、一刻も早く地上へ帰してあげたかった。

 ボロボロになった彼の両脚を見る度に、胸が締め付けられるような不安と後悔を感じた。

 無事に鎮守府へ帰れたとして、もう二度と地面に立つことが出来なくなっていたらどうしよう?

 そんな悪い考えが頭を離れなかった。

 もし、そんなことになったら、自分は艦娘をやめよう。そして、提督の足の代わりとなろう。

 本気でそこまで考えていた。

 自分が――艦娘という存在が何者かなど、違う存在になれるのかどうかなど、今の島風にはどうでもいいことだった。

 

「なあ、シカマセ」

 

 快晴の空の下。僅かに波を蹴立てる音だけが響く空間で、クーガーの呟くような声がハッキリと聞こえた。

 

「何? それと島風」

 

 島風は振り返らずに応えた。

 

「敵に襲われた時、何で一人で残ったんだ?」

「何でって……」

「巻雲が分かってたんだ、お前が分からなかったはずがない。自分の足を一番信頼しているのはお前自身だからな。そのスピードを活かして、お前一人が鎮守府へ応援を呼びに行くのが判断としては正しいし、賢いやり方だったはずだ」

「……うん」

「仲間を置いていくのが心配だったから残ったのか? だとしたら、そいつは甘ったれた考え方だ。お前と同じことを仲間が考えないはずがない。仲間を見捨てたくないってのは誰だって同じだ」

 

 クーガーの言葉は厳しく、同時に優しさが込められていた。

 一人残った島風を心配したからこそ、彼はここまで駆けつけたのだ。

 島風はその言葉と思いを噛み締めるようにしばらく黙った後、口を開いた。

 

「だってわたし、速いもん」

 

 振り向かずに答えた。

 

「仲間を置いて、敵から逃げる方向に最大船速なんて出したくない。でも、敵に立ち向かう方向になら全速力で行ける。わたしが一番スピードを出せる方を選んだだけだよ」

「……なるほど」

 

 背中越しに、クーガーが苦笑する気配を感じた。

 

「馬鹿だな、お前」

「な、なにおう!?」

「まあ、控え目に言って賢かねぇ。うん、やっぱり馬鹿だ」

「いいよ、もう! 自覚してるもん! 命令違反になるなら、帰ってから罰でも何でもやればいいよ!」

「安心しろ。そういう馬鹿は、オレも嫌いじゃない」

 

 それは島風が思わず戸惑うほど嬉しげな声色だった。

 

「その馬鹿を極めてみろ、島風」

「だから、わたしは島風――」

 

 そこまで言って気付き、驚きながら振り返った。

 

「合ってるだろう?」

 

 そう言って、クーガーはニヤリと笑った。

 

 

 

 

 特殊部隊『HOLY』――その実態は、アルター使いのみで構成された対アルター犯罪組織である。

 その本部の一室。HOLY部隊隊長マーティン・ジグマール専用のオフィスに、クーガーは居た。

 ソファーに腰掛けた彼と背を向け合うように、窓の外を眺めながら佇むのはジグマール当人である。

 

「――足の具合は、もういいのかね?」

 

 背を向けたまま、ジグマールが訊ねた。

 

「ええ、すっかりね。オレの速さには少しの翳りもありませんよ」

 

 ジグマールの気遣いが社交辞令のレベルを出ていないことくらい察している。

 上司を相手にして、クーガーは普段と何ら変わりのない軽口を返していた。

 

「それはよかった。唯一の長所が欠けてしまうようなら、君のような態度の悪い男をHOLYに置いておく理由がないからな」

「こいつは手厳しい」

 

 似たようなやりとりを毎日のように加賀と行っているが、今の状況は全く楽しむ気にならない。

 クーガーは、この定期報告という任務に早くも飽き始めていた。

 

「それで、どうかね? 鎮守府の様子は」

「順調ですよ。定期的に送られる任務は常に完遂。新しく着任した新人も含めて、問題を起こす艦娘は一人もいません。組織としては、このHOLYよりも上手くいっているんじゃないですかね?」

「手厳しい言葉だ」

「正直、オレには本土側の懸念が理解出来ませんなぁ。艦娘は深海棲艦とは明確に異なる存在です。謎が多いとはいえ、警戒しすぎでしょう」

「ほお、君らしくない浅慮な意見だ。まさか、情に絆されでもしたかね?」

「オレも相当な数の悪党を人間の中に見てきましたがね、彼女達にはそれがない。誰もが真っ当な信念や誇りを持っている。確かに艦娘は人間とは違う存在だと思いますよ、アルター使いとはまた別の意味でね」

「君の感情論で本土側が納得すればいいのだがな」

「何を言ったところで納得はしないでしょう。奴らは艦娘とアルター使いを一括りにして利用したいだけですよ。それこそ、深海棲艦まで含めてね」

「フッ、恐ろしい話だ」

「呆れる話ですなぁ」

 

 ジグマールが振り返る。

 

「――深海棲艦や艦娘は、アルターによって構成された存在である」

 

 かつてクーガーに告げた言葉を、再び繰り返すように言った。

 

「そういった推論が出ていることを、私は鎮守府に着任する前の君に教えたはずだ」

「ええ、覚えていますとも」

「いい加減、その推論に対する君の結論を聞かせてもらいたいものだ」

「生憎とオレは研究者じゃありません」

「艦娘と深海棲艦に接触したアルター使いに訊いているのだ」

 

 ある日突然、海から現れた深海棲艦と艦娘。

 片や人類の敵、片や人類の味方。

 分かりやすく区別されたこの二つの存在を、同一視する人間は少なくなかった。

 大隆起によって生み出された禁忌の地、ロストグラウンド。そして、そこから生まれるアルター使い達――それらと何ら変わりはない。同じモノだ。

 人類は深海棲艦や艦娘と出会う前に、アルターに出会った。

 抗うことの出来ない強大な力に遭遇し、その恐ろしさを知った。

 多くの人間の心には、得体の知れない存在への恐怖と忌避感が深く根付いている。

 これまでに判明した艦娘の特性や生態も、アルターとの関連性を感じさせるものが多かった。

 彼女達が戦闘に使用する艤装は、稼動の為に燃料や弾薬の補給を必要とする。

 修理には鋼材が、艦載機にはボーキサイトという資材を消費する。

 機械ならば資材を必要とすることは何ら不思議ではない。

 しかし、艦娘の用いるそれらは機械ではなかった。

 複雑な工程を経ることなく、吸収されるように消える資材。復元する損傷。しかも、それは艤装だけに留まらず、艦娘自身が負った傷まで同じような現象によって治癒してしまう。

 明らかに生物ではない。

 しかし、意思を持ち、言語を解し、人類に好意と敵意という極端な感情を抱く。

 何処からやって来たのか分からない。

 何故現れるのか分からない。

 深海棲艦と艦娘は、いずれも普通の人間にとって忌避する存在という点において共通していた。

 

「彼女達は明らかにアルターに近しい能力を使っている。来夏月のように、アルターが自我を持つ例も存在するのだ」

「しかし、全ての物質ではなく資材にのみ作用するという異なる点も存在するでしょう。他にも、過去に実在する艦船の記憶を持っている理由が分からない」

「君は、彼女達がかつての艦艇の魂を持つ生まれ変わりなどという説を信じているのかね?」

「さあ、どうでしょうね」

「いずれにせよ、今の段階では推論を重ねるだけで実証にまでは至っていない。だからこそ、君が選ばれたのだ」

 

 のらりくらりとかわすクーガーを逃がさぬように、ジグマールは鋭い視線を向けた。

 

「彼女達がアルターかどうか、試してみれば分かる。アルターの再々構成――優れたアルター使いである君ならば可能なはずだ」

 

 他の物質を再構成することによって生み出されるアルター。

 しかし、そのアルターもまた再構成されたとはいえ物質には違いない。

 それを更に再構成する――再々構成。

 自身のアルターだけでなく、精神力が大きく上回れば他者のアルターを侵蝕し、分解することも可能になる。

 ジグマールはそれを行えと暗に告げているのだ。

 

 ――艦娘達に対して。

 

 クーガーは口元に笑みを維持したまま、何も答えなかった。

 返答に窮したようにも、本当に今の状況を楽しんでいるようにも見える。

 そのどちらなのか自分には見抜けないと悟ると、ジグマールは緊迫した空気を和らげるように苦笑を浮かべた。

 

「気が進まないようだな」

「深海棲艦という人間にとって無条件の敵が存在することは変わりませんからねぇ。おまけに、敵の勢力は計り知れない。新型の報告、ご覧になったでしょう?」

「ああいったモノが、今後も増えていくというのかね?」

「それに対抗する為に、艦娘の協力は必要です。少なくとも彼女達が我々に好意的なことは間違いありませんよ。それこそ、アルター使いにだって平等にね」

「……君は私の弱みを突くのが上手いな」

「申し訳ない」

「ふむ。では、質問を変えよう。仮に彼女達がアルターである説が正しいとして、だ――構成したのは一体どのような存在なのだろうか?」

 

 初めてジグマールとの会話に興味を示したとばかりに、クーガーが肩越しに振り返った。

 

「深海棲艦と艦娘に共通性があるのは確かだ。この対極の存在を一括りに構成したアルター使いがいたとしたら、それは一体何者なのだろうか?」

「これはオレの考えなんですが――」

「何かね?」

「きっと鼻で笑うでしょう」

「何でもいい。言ってみてくれないか」

 

 クーガーは黙ってソファーから立ち上がり、ドアに向けて歩いた。

 ドアノブに手を掛け、そこでようやくジグマールの方へ顔を向けた。

 

「海。あるいは地球ですな」

「ほう?」

 

 ジグマールは面白そうに笑った。

 

「彼女達は人類に向けて送られた罰と救済。母なる海と大地のアルター――そう考えるわけですよ、オレは」

「なかなか興味深い自論だ」

「そうでしょう?」

 

 そう言って笑うと、ジグマールの許可も得ずにクーガーは退室した。

 ジグマールもまたそれを咎めなかった。

 

「――『向こう側の世界』を覗いた君の言葉でなければ、一笑に伏していたところだがね」

 

 一人、部屋に残ったジグマールは自身のデスクに備え付けられた端末を起動した。

 艦娘に関連するファイルを開く。

 クーガーが提督を務める鎮守府を含め、HOLYはこれまでに複数の艦娘を保護し、管理していた。

 しかし、それ以外の艦娘が管理の及ばない場所で不特定多数確認されている。

 深海棲艦と同じように、彼女達もまた何処から、何時現れるのか分からないのだ。

 そして、HOLYに所属する以外の艦娘達が確認された場所――奇しくもそこは同じくHOLYの管理にないアルター使い達(ネイティブアルター)が多く住むエリアだった。

 

 

 

 

「――朝潮(あさしお)、準備は出来てるか?」

「はい。いつでも出撃可能です。司令官、ご命令を!」

「今回の任務は、市街への違法物品の密輸の阻止だ。この種の犯罪はこれまでに度々繰り返されているが、今回は陸路ではなく海路が使用される可能性が高い。そこで、お前達艦隊の出番だ」

「了解しました!」

「深海棲艦が相手ではないが、犯罪グループにはネイティブアルターの存在も複数確認されている。油断はするな。だが、一人残らず確保しろ」

「朝潮、ご期待に応えてみせます!」

「……それと、俺を司令官と呼ぶな。HOLY部隊の司令官はジグマール隊長だ。誤った呼称は、現場での混乱を招く」

「でも、わたしにとっての提督は……いえ、も、申し訳ありません」

「俺はお前達の提督になるつもりはない。だが、艦娘を共に戦う対等な仲間だと認めている」

「は、はい! 光栄です!」

「俺の名は劉鳳(りゅうほう)だ。そう呼ぶといい」

 

 

 

 

「――カズマァ! あんた、こんな時間まで何処行ってたのよ!?」

「ゲッ!? (かすみ)かよ……よりによって最悪の奴に見つかっちまった」

「あ、カズくん。おかえりー」

「ただいま、かなみ。けど、その呼び方はやめろって!」

「はんっ、あたしはかなみのように甘くはないのよ! それで、何してたの?」

「仕事だよ……」

「また君島とつるんで? それで、幾ら稼いできたのよ?」

「……ほらよ」

「はあ!? これっぽっち? こんなの全然稼ぎのうちに入らないわよ! あんた、何やってたの!?」

「まあまあ、霞ちゃん。カズくんも疲れてるだろうから、とりあえず中に……」

「こんな役立たず、家に入れる必要ないわよ! あんた、今日は外で寝なさい!」

「か、勘弁してくれよ」

「あんたを養う為に、かなみがどんだけ頑張って働いてるか分かってんの!?」

「もういいよ、カズくんが甲斐性なしのロクデナシなのは分かってるから」

「おまけにクズよ!」

「……そうね、そこにウスノロを足してもいいよ」

 

 

 

 

 

 

 




とりあえず、これで完結です。
本来、この話は短編の予定でした。
特に前置きもなくクーガーが鎮守府に着任しているという設定で、島風の絡みと共闘シーンだけを書いて、最後はクーガーに名前を呼ばれて終了という流れです。
なので、実は加賀さんとかジグマール隊長のシーンはあとから付け足したものだったりします。
艦これとスクライドのクロスオーバーを妄想している内に、色々無茶な設定を思いついたりしたんで、とりあえず世界観を固める為と伏線っぽいものとして場面を追加した感じです。
最後の台詞だけのシーンとか、書き終わった後に唐突に思い浮かんだのを書き殴っただけだったりw
正直、この設定でもう少し話を書きたいという気持ちはあるんですが、一時のテンションで始めるには重い内容なんで、とりあえずこれでクーガー提督の話は完結とさせていただきます。

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