六花でパン焼いてます   作:ハナガネ

2 / 2
今回全くパン関係ないです。


2話 決闘中にカメラで撮影したいんだ

ここのパン屋は朝を過ぎるとだんだんと客足が遠のいていく。それはここのパン屋を朝食と昼飯、あと僅かだが明日の朝飯の食パンを買っていく人しかいないので朝と昼以外は人が本当に居ないのだ。その間はゆっくりとできるはずなのだが、忌々しい事に食材が尽きてしまったので買い出しに向かわなければならない。否、買出しにかりだされるのだ。

 

「はぁぁぁ~しまったなぁ...こんな事なら前に買い溜めしとくんだった」

 

朝チュンの時間はとっくに過ぎてはいるが、まだまだ正午前であり、故に学業に励むうら若き学生諸君がいない間はゆっくりとコーヒーやらドンミルクなど楽しみ、昼のための準備をする。仕事を一時の間忘れ、朝のリフレッシュタイムである。一つ書き加えるなら、人気とは言っても=人が大量に来るわけではないよ。設備こそ良く整ったこの水上都市は東京だが、銀座等の都市のように人がごった返している訳ではなく、許可された人間、所謂学生や教師などの学園関連の者や、このアスタリスクの主体である、企業団体の社員、幹部位しか入れない為人口密度はさほど高くはない。稀に俺のような働き手を

受け入れる時もある。というか俺は半強制的にここに突っ込まれたんだけどねー。でも交通費、保険は自腹だってさ。それと学園の緊急時には何かしら手伝わなきゃならい。もちろんかどうかは知らんが報酬なんてでーへんぞ。ブラック企業かな?でも、JKの太股と千差万別の胸が見れるだけ最高と思わんかね?あ、でも俺胸平たい族は見て見ぬ振りするよ。理由?可哀想と思わない?何なら揉んで大きくして差し上げ...すいません何でもないです。揉みたいけどスカりますね。空気を鷲掴み。エアーモミモミってありそうでないタグだよな。誰得って話だが。

 

「アスタリスクってDVDレンタル少ないよなぁ...性欲を持て余す」

 

茶番も|板骨(第ニ成長期を殺した何か)のトークはここまでにして。さて、今自分はもうせかせかとお店の裏戸からギンギラギンに日をこれでもかと照り付ける外に出てきたわけだが。みんながみんなして猛ダッシュで一方向にランしているのは何故だろうか?怪しい宗教にでもハマっちゃったのかな?あれかな?一昔前に日本に電撃を走らせたポアする宗教?それともマダムが飛び付きそうな何かしらのバーゲンセール?俺、すっごく気になっちゃったので行ってみようと思う。パン作れよ自分...とか思っちゃうのは妥協。好奇心が傾いた時は思いっきりやるのが正しいと思うんだ。そう思うわないか、そこの君。今、見ている君だよ。デップーさんの第四の壁の破壊能力習得したら絶対世界は変わるけど、ずっと見られてる感があるんだよね?やだ、わたくしめのプリチーなお肌と俺のグングニルが世界に公開されちゃうじゃん!そんな醜態をみられるなんて...くっ...殺せ...!(誰も期待してないし、期待もしない)

 

「と、考えてみたはいいが、そんな野次馬してると昼に間に合わなくなるのは明白だと思うのでこれから初めてでもないおつかいでもない買い物に行きたいと思います!拍手!」

 

育ち盛りの男の子(26)がお店のためにてくてくと町へお買い物!無事に買う事は出来るのでしょうか?

 

...自分の勝手なナレーションだァっとれ、伝統テーマなんてかけさせてやるもんか。自分の想像周り右してクソして寝てろ。こっちはおつかい初めてでも何でもないんですよ。ほらこんな適当なクッサイこと考えてる内に準備完了...あれ?財布どこ行った?いや、アスタリスクって電子マネー主流だけどカード位はいるよ?そーいやカードってなくしやすいよね?遊戯王とかのデッキでばらすと次に使おうとした時そのカードに限って見つからないよな。昔私もよくやりました。えぇ、ほんとに。ようやく見つかった時傷だらけで見つかって叫んだのは遠い小学生のバーロー時代のいい思い出...良くねぇな。おおっと財布見つかった。予想外奇想天外まさかのポケットからチェーンで繋がった状態で露出ゥ!盗まれても言い訳できないね。

 

「はいはーい。では中心街向けてレッツラゴー」

 

ドォーン。行こうとしたら大爆音。テロでも起こりました?そんなことしたら警備団体御一行様がご立派な武器引っ下げて、蜂の巣にしに来ますよ。でもってドンパチやるんでしょ。ドンドンワーワーキンキン音立ててさ。他所でやってください。朝からやったら首領パッチもお怒りよ。でも白昼堂々テロする奴なんてそうそうイカレてる奴じゃないとやらないと思うので脳ミソ候補から除外。後は代わりに代行者さんが勝手にどっかに復活させといてくれるでしょう。考えた事が天使(お迎え)だからね。でも今この脳裏に浮かんでるのは残念ながらアテネみたいな神々しい天使じゃなくて、サリエル的な堕天使じみた考えだと思うんだ。

 

...違う違う、そうじゃなくて。ちょっと探知したら万能素の流れが急速に変わってるんだよね。 こんなに一気に万能素の流れが変わるって事は星辰力(プラーナ)を使ってるって事と同義だ。そして、この変わり方は通常の煌式武装(ルークス)ではありえない。となると純星煌式武装(オーガルクス)魔女(ストレガ)魔術師(ダンテ)か...ちょっと違うダンテさんはそんな装備なしで悪魔倒すんだもんな。怖い怖い。でもハンサムすぎて痺れる。カックイー!惚れちまいそうだぜ!いやいや、実際スタイリッシュで見る人が見れば惚れちゃうけど。話がそれた。爆音がしたの同考えてもさっき生徒達が走っていった方向だ。...あれ?もしかして決闘してる?誰が喧嘩してるか知らんけど...ん?爆音と万能素の急な速度変化?

 

「あ...」

 

頭の中でバラバラになっていたピースが当てはまっていく。爆音を起こせて魔女と言えばあの人。そう、ボッチぃ...違う。華焔の魔女(グリユーエンローゼ)事ユリスさんが。こりゃ一大事だ。炎で浮いたスカートの下にある、男のロマンを撮影しなければ。こりゃあ...ダッシュで行くしかないな。ちょうど高性能カメラにちょうど買い換えたばかりなんでね。拡大しても解像度が補正によって綺麗なまんま。ちょっとした手ブレや、スカイダイビング中でも歪みは修正される機能付き。だからアルバムには綺麗な画像があるってわけよ。その機能を知らずに最近とった時にやけに歪みねぇなとか考えて写真家の腕前あるんじゃね?と勘違いして家に帰って機能だった事を知ったときは頭に落雷が落ちたね。てか決闘してる場所どこよ。おや、カメラ持った男子生徒発見伝。

早速聞いちゃおうと思います!

 

「あ、おいそこのキミィ。決闘してる場所どこ?あ、すぐそこなのね。ありがと。サービス券上げるよ。コーヒー一杯定価で買える券。嬉しいだろ?」

 

話がハイスピードすぎて半分呆けてぽっかり口を開けたまんまのヤローはさておいてほおり投げて。どうやら道を真っ直ぐ行ったところで決闘をやってるようだ。つく前に終わってなきゃいいけど。

 

小走りで道を行くとその話題の現場が見えてきた。

見えてきたとは言ったが、決闘現場ではなく観衆がワーワーと叫んでいるのが視界に入っただけである。そして中心から上がる仄かな一筋の紅焔。少なく見積もっても10mはあるだろう。再び煌めく紅焔。ありゃりゃ、こりゃあ本気ではないけどキレてんなー...何があったのかしら。私気になります!そんでもって人混みをちょいちょいと掻き分けて、無理矢理前へ。

 

「咲き誇れー六弁の爆焔花(アマリリス)!」

 

あらまぁリリスちゃんガチ切れ...oh...怖いねぇ。

でっかい火球がそのままドーン...あり?なんかこっち来てなぁい?ちゃうわ、前見たらお相手さん...男だなそっち狙ってたよ。直撃しそうな決闘相手の方ご愁傷さま。君の姿は後世にお笑いだったよとでも伝えとくよ。

骨も拾って砕いて肥料にしとくからさ、ゆっくりお休みなさい。...ん?待てよ今俺の立ってる位置は決闘相手の真後ろ...心無しかさっきから圧迫感がないような...人いねぇ!?チョッ、待てい!俺にも正真正銘飛び火するぅ!

 

「あぁもう!くそ!」

 

ドカーン...とどめることを知らない業火は相手と部外者一人を巻き込んで大きく爆ぜた...その光景を見たギャラリーからは悲鳴と諦めの声が刹那うちに飛び交う。いくら星脈世代(ジェネステラ)とは言え大怪我は避けられないだろう...誰もがそう思った。

 

「天霧辰明流剣術初伝ー 貳蛟龍(ふたつみずち)!」

 

「はい!危なぁい!」

 

だが2人は無傷で生きていた。決闘相手は炎の花弁を十字に切り裂き、後ろの部会者Aは素手で出処不明の何かしらの技を使い見事に躱していた。ユリスちゃんはそんな部会者なぞ目に入らなかったかのように決闘相手が使った技に注目しているようだ。あのー...流れ弾とはいえ防いだ僕ちんも少しは注目しても...駄目だね。20代後半の方なんて誰も見てくれないよね!うん!

...あの決闘相手の男...よくあれを防いだね。見たところフツーの煌式武装(ルークス)だし、流星闘技(メテオアーツ)も使って無いみたいだし。なかなかの剣術ですなぁ。若いって素晴らしい。と、男がユリスちゃんに真剣な表情で迫ってる!これは決まったんじゃないか?

 

「こ、このっ!」

 

ユリスちゃんもあまりの速さに対処し切れないよう...ん?武器構えてなくね?

 

「伏せて!」

 

は?伏せて?...!なぁるほど!

男の狙いが分かったぜ!どさくさに紛れて胸揉む気だな!やるじゃないか!色男!て...違う...ユリスちゃんの立っていた位置に何か刺さっている...あの光の矢は...まさか!

 

「パルテナの...光の弓矢...!?」

 

大いに検討外れ。全く違うね。あれは真剣に考えてユリスちゃんをぶっ殺す煌式武装(ルークス)の矢だな。長い間この学園に在籍してたので、流石に分かる。問題はそこじゃない。決闘中に誰が射ったかだ。アスタリスクのルールでは決闘に第三者が手を出してはいけない事になっているが...破ったね。ものの見事に。よく俺も破ってたから人の事言えないけどさ。決闘中の手出しはやらなかったよ。神聖な勝負は汚しては騎士の名が廃る...そもそも騎士じゃないね。騎士なのは同じ時期に一話の構成が丸かぶりだったどっかの最弱(笑)の方だね。こっちは夜も昼も一刀修羅しません。するのは俺の煌式武装(ルークス)流星闘技(メテオアーツ)位だから。

 

「全く...こんな決着ありかよ...まだ撮れてねぇのによぉ...!あれは!」

 

押し倒されたユリスちゃん、これだけでも絵になりそうだが、今は断腸の思いで無視してその前を見る。そこにはもう1本先程の矢が飛んできているのが嫌が応にも確認出来てしまった。躱そうにしてもユリスちゃんと決闘相手君は今倒れた状態で動けるわけがない。ましてや周りの生徒なんて遠すぎて間に合うわけがない。今、動けるのは自分だけしかいない。誰が助けるのかはイヤでも分かってしまう。

 

「SIT!」

 

抑えておいた全身の星辰力(プラーナ)を解放して、そのままダッシュ。星脈世代(ジェネステラ)の身体能力はとても高いので...ユリスちゃん達に矢が合わさる前にその間に割り込む。そんでもって、結構速度出てる矢を掴んで...

 

「粉砕!」

 

掛け声と共に握力で粉砕する。いきなり現れた、カッコイイ、ニーサンにユリスと決闘相手君は目をパチクリさせている。そういやユリスちゃん、少年君に押し倒されて...なんてラッキーハプニングだ。カメラを取り出して記念にカシャリとな。

 

「少年、今君が手にしているものはなんだ?」

 

「...え?何って...うわあああぁぁぁあ!」

 

少年君...まさか私が考えていた事を見事にやってくれるとは。ダイビング胸モミモミ。カメラに一枚収めさせてくれたし最高だな!今度サービスしてあげるよ。

ヤローだけど。っと、やっと思考が戻ったのか野次馬が凄いアプローチだの何だの騒ぎ出した。おい、矢を止めた俺の話はなしか。かっこよかっただろう?おい!そこ!反応しなさい!

 

「お、お、お、おまえ...!」

 

ようやく胸揉みされたユリスちゃん再起動。怒りで星辰力(プラーナ)の制御が上手く出来ていないのか、火が溢れで出してる。火傷しちゃうぜ。

 

「はいはい、そこまでにして下さいね」

 

声と共に乾いた拍手の音が辺りに鳴り響く。ふと、鬼さんじゃないけど手のなる方へ向けると金髪で、美貌を兼ね備え...

 

「胸が...インフレを起こしてやがる...!」

 

そう、胸が大きかった。鷹斗はその者を知っていた。何故ならその現れたのは星導館学院の生徒会長、クローディア・エンフィールドその人だったのだから。チラッとユリスちゃんを見ると可哀想な気持ちになったのは僕の慈愛だと思う。

 




更新を大変送れさせたことをお詫び致します。
次回が何時になるかは分かりませんが、アスタリスク2期を喜んで執筆に励む所存であります。

拙い文章ですが応援よろしくお願いたします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。