「はぁ…今日も疲れたな…」
デスクワークをしている手を止めてそんな事を呟き、缶コーヒーを一口飲む。
俺は加藤冨隆、どこにでも居るごく普通の会社員。
有名企業に入ったのはいいが毎日忙しく、残業もあってとても体に疲れが来ていた。
今日もその残業だ。
上司に仕事を任され、その仕事を片付けていた。
「この商品は…っと…」
いつも通り、いつもと変わらない仕事。
会社の商品の売上高などの集計、商品の広告などの作成。
それが俺の仕事、まぁ地味で嫌気がさす作業だが給料が貰えるのだから文句は言えない。
「こんなもんかな、あー終わった終わったっ…」
ある程度仕事が片付き、椅子の背凭れに倒れ込むと大きく伸びをする。
今、何時だ。
ふと、時計を見る。
「23時過ぎか…結構早く終わったな」
まぁいい、家に帰ってゆっくりビールでも飲もう。
あ、この前の刑事ドラマ予約してたな…帰ったら見るとしよう。
そんな事を思いながら俺はパソコン等をしまい、鞄を持つと会社を出る。
外はすっかり暗いが、ここは都会なので夜というのに明るく、騒がしい。
これもいつも通り、何も変わらない。
「…五月蝿いのは、好きじゃないがな」
そう吐き捨てると家へと歩く。
会社から家は歩いて1時間半ほどだ。
俺は一人暮らしで一軒家に住んでいる、家賃はそこそこだがいい家だ、一人暮らしにはちょうどいい。
「そうこうしてると着いたか…」
家へ入る、玄関は仕事用の革靴が何個か置いてある。
特にこれと言うのがないが少しばかり広い靴置き場だった。
靴を脱いで、端に揃えると郵便受けに目が行った。
「…手紙?」
郵便受けから手紙を取る。
手紙は田舎の母が送ってくるのでそうそう珍しくないが、やけに黒く少し不気味な手紙だった。
「差出人は…書かれてないな…」
手紙の何処を見ても差出人の名前はない。
不審に思ったが手紙を持ってリビングへ。
鞄を置いて、ソファーに腰掛けてその手紙を開ける。
そして内容を見る。
拝見
加藤 冨隆様。
先日の魔王代理決定会で貴方様が選ばれました。
なので、手紙をお送り致しました。
本日、26:30に迎えの者が参ります。
魔王代理決定会責任者より。
「…は?」
唖然とする。
魔王の代理に選ばれた…?
俺は手紙を何度も読み返す、内容は変わるはずなく、ただ同じ文章を読むだけだった。
「魔王代理…ってなんだよ…」
ソファに倒れ込み、天井を見る。
魔王ってあの魔王だよな…よくRPGとかに出てくるラスボスの…その代理に俺が選ばれた…?
待てよ…そもそもなんで代理なんだ?
そんな色々な考えが頭を巡る。
26:30にお迎えに参ります…?
時計を見る。
「2時…」
26:30、つまり2時半。
後30分もない。
「…どうせ悪戯だろ」
そう思い、手紙を投げ捨てる。
そして冷蔵庫からビールを出し、開けて一口飲む。
やはり仕事後のビールは体に染み込む、そしてチャンネルを持つとテレビをつけて、録画していた刑事ドラマを見る。
しばらく見ていた、すると
ピンポーンッ。
「あぁ…?」
誰だこんな時間に。
立ち上がり、玄関を開ける。
「魔王様、お迎えに参りました 」
そう言うと頭を下げる女性。
よく見ると背中にコウモリのような羽がついていて、頭には角らしきものが生えている。
「えっ…と…何方ですかね…」
「あ、申し遅れました。
この度、魔王代理に仕えることとなりました。
エルムと申します」
エルムという女性はそう言うとまた頭を下げる
そして俺は手紙を思い出す。
「その…もしかしてあの手紙って…」
「はい、決定会長が書かれて代理になる魔王様の家に送られたものです」
固まった、驚きもあるがあの事が現実だったという事に衝撃を受けて固まっている。
(俺が魔王…?無茶だろ、俺は普通の人間だ。)
頭を抱える俺を見てエルムが
「では、参りましょう。
説明は後に致します」
俺の腕を引っ張って歩いていく、俺はされるがまま
いきなり引っ張られたので転けそうになるがなんとか立て直して歩いていく
「わっ…ちょ…!?」
そして俺のごく普通のー日は普通ではなくなった。
❄霜月❄です。
はい、ジャンル&このサイトでは処女作となります。
以前に小説は書いていたんですが未熟すぎて失踪となりました。
このサイトではそれがないようにやっていこうと思います。
それはいいとして世界観としてはごく普通の会社員が突然魔王の代理に抜擢された!という感じです。
まぁこういうのたまにありますよね(ないですね)
あとがきはこの辺で終わりとします。
更新はなるべく早めにしたいと思います。
ではでは。