ラブライブ!~9人の女神と天涯孤独の少年~ 作:すとろべりぃ
どうも、すとろべりぃです。
最近このサイトから離れていて、久々に他の方々の作品を読んでるうちに書きたくなりました。
前々回が海未ちゃん、前回がことりちゃんだったということで、今回はあの子です。嫉妬する女の子と恥ずかしがる女の子は至高。
では、どうぞ。
ことりを家まで送り、俺が家に着いた頃にはだいぶ遅い時間になっていた。
「ふぅ…。久々に楽しい休日だったな…。三人とはずっと一緒だったが二人きりってのは実は初めてかもな…。」
楽しい、ってのは事実なのだが、ここ数日は色々あって、俺も疲れていた。
絢瀬先輩の件といい、ナンパの件といい、俺は大事な人が目の前で傷つけられているのを見ると、その脅威を排除するために過度な負担を身体にかけてしまうらしい。
もちろん、その時は大事な人を守らないと、といったことで頭がいっぱいで負担に気づかないが、少し経つと疲れがどっと来る。俺は怒るのに向いてない人間らしい。
風呂に入り、今日の疲れを洗い流した後、上がった夏海のケータイに、また着信が。
「…穂乃果から?最近の女の子は遅くまで起きてるもんなんだな。」
気づいた俺は穂乃果に折り返し電話をかける。
2コール程で穂乃果は電話に出た。
「もしもし?穂乃果か?すまん、風呂に入ってて出られなかった。」
「ううん、大丈夫だよ!にしても、こんな時間にお風呂だなんて、ことりちゃんとずいぶんよろしくしてたんだねぇ…?」
…へ?こいつ今なんて言ったんだ…?
「…なんで今日ことりと一緒にいたのを知ってるんだ?」
「ことりちゃんが教えてくれたの!あと、海未ちゃんも楽しいって言ってたよ!」
「あいつら…んで、穂乃果はどうしたんだ?用があったから俺に電話したんだろ?」
「…別に用がなくても電話していいじゃん…」
「ん?」
「なんでもないもん!なっちゃん!明日穂乃果と遊園地行こ!!」
「…それは穂乃果と俺の二人でか?それとも四人でか?」
「…なっちゃんと二人がいいなぁ…。」
「…分かった。明日二人で行こうな。」
「!!うん!それじゃ明日、駅で10時に待ってるよ!」
「楽しみにしすぎて寝坊すんなよ?」
「しないもん!それじゃ、おやすみ、なっちゃん。」
「ああ、おやすみ。」
そこで電話は終わった。
俺の幼馴染みはどうして電話一つでこんなに可愛さが溢れてくるんだろうか。二人で行こうって言った時のリアクションなんて、尻尾ぶんぶん振ってるほのわんの姿を容易に想像できたよ。うん、可愛い。
…馬鹿なこと考えてないで、とっとと寝るか。明日も出掛けるんだし。
そこで俺の意識は沈んでいった…。
…朝。
「ふわぁぁ…。よく寝たな…。んじゃ着替えてことりと同じように驚かせに行くか…。」
幼馴染みを驚かせに行くところ、自分でも思うがそうとう子供っぽいと思う。でもいいんだ…。あいつらの可愛いリアクションが見れれば…。
準備しようと身体を起こそうとするが、なぜか身体の右側に違和感が。動かそうとしても動かない。
その原因を探ろうと、俺は右側に顔を向ける。そこには…
「すぅ……すぅ……」
…そこには可愛い寝息を立てて寝ている天使がいた。
しかも、顔ごと右側を向いた俺とその天使の顔が数センチといった距離に。
「っ!!穂乃果!?」
さすがに俺もこの状況にはびっくりして、跳ね起きてしまった。もちろん、その衝撃で天使は目を覚ます。
「う…ん……。あ、なっちゃん、おはよー…。なんで顔赤くなってるの…?」
あ、あなたのせいなのですが…。ってかそれよりも。
「なんで一人暮らしの俺の寝室に穂乃果がいるのかなぁ…家には鍵までかかってたんだけどなぁ…?」
「あ、なっちゃんが家の鍵隠してるところなんだけど、海未ちゃんもことりちゃんも知ってるよ?」
「なんで知ってんだよ!!」
「なっちゃんの考えてることくらい、お見通しだよー。」
「…へぇ、俺の考えてることがお見通しねぇ…?なら…」
「え?」
俺はそう言って穂乃果をベッドに押し倒した。
その上に跨がり、手首を掴んで逃げられないようにする。
「な、なっちゃん…?」
顔を真っ赤にして戸惑ってる穂乃果の顔に、近づいていく。
それに気づいた穂乃果は、目を瞑った。
そしてそのまま俺は―――
ビシッ!
「いっ!いったぁーい!!」
強めにデコピンした。
額に手を当て、涙目になる穂乃果。
「男を甘く見すぎだ、穂乃果。例えどれだけ信用してる人でもな、そんなに無防備だと襲われるぞ?」
「…なっちゃんは襲わないの…?」
このお馬鹿さんは何を言っているのかな?
「…俺はお前のこういう行動に慣れてるから大丈夫なの。分かったら、こういったことはするなよ?」
「はーい…。…なっちゃん以外には、ね。(ボソッ」
そう言って俺は顔を洗うためにそそくさと寝室を出ていった。
…あと、高鳴ってる自身の鼓動を抑えるために。
準備が整った俺は、穂乃果と外に。
「そいえば、なっちゃん。穂乃果の服、どう?」
そう言って穂乃果は俺に自分の格好を見せる。
可愛い幼馴染みのそのような行動に慣れてない俺は、恥ずかしくなってしまい、そっぽ向きながら答える。
「あ、あぁ…。穂乃果に似合ってて可愛いと思うよ…。」
「そ、そう…。良かった…。えへへ…。」
…他所から見たら恋人以外の何者でもないやり取りをしながら、遊園地に向かった。
「うわぁ…。」「やっぱ、日曜の遊園地は混むよな…。」
俺たちの目の前には、人が溢れかえっていた。
この混みようでは、すぐにはぐれてしまうだろう。
昨日あった出来事が脳裏をかすめた俺は穂乃果に言った。
「穂乃果、ほら。手、繋ぐぞ。」
「へ!?なな、なんで!?」
「なんでって…はぐれないようにだよ。最近は物騒なのもいるし、穂乃果を離したくないんだよ。」
ぷしゅ~と音を立てて穂乃果は茹で上がっているかのように赤くなっていた。もちろん、夏海は自分が言ってることはごく普通のことだと思っているので、なぜ赤くなっているのか気づいてない。
「もう…無自覚でこれは…ズルいよ…。」
「ん?何か言ったか?」
「なんでもない!なっちゃん!ジェットコースター乗ろ!」
「ちょっ!?そんな引っ張るなって!!」
穂乃果に引っ張られ、俺たちは遊園地の中へ。
その後も穂乃果に引っ張られた俺は、色んなアトラクションに乗っていった。
ジェットコースターには5周乗るわ、コーヒーカップではすごい勢いで回すわ、メリーゴーランドで大はしゃぎして恥ずかしい思いさせるわ…
でも、穂乃果の楽しい姿を見てると、俺も楽しくなってくる。
「んじゃ、次はここ行くか。定番だし。」
「そ、そうだね…」
俺たちが足を運んだのはお化け屋敷。
ここのお化け屋敷は、乗り物に乗って自動で進んで行くもの。自分のペースで進めないため、けっこうスリリングなものだ。
「穂乃果さん?こっち側もうスペースがなくて辛いんですが…」
「だ、だって…怖いんだもん…」
「あれ?穂乃果ってお化けとかダメだったっけ?」
「あんまり得意じゃないかな…?」
あ、これは誰でも分かる、そうとう苦手なタイプだ。
小さい頃から一緒にいたけど、こんなところでも新発見はあるもんだな。
「ごめんな、気づかなくて…。ほら、穂乃果。手握っててやるから、安心しろ?」
「う、うん…ありがと…」
手まで真っ赤になっている穂乃果を尻目に、アトラクションがスタートした。
お化け屋敷特有の、いそうな所では出ず、安心したところを驚かしにくる。よくできてるもんだ。
そんな仕掛けに、うちの天使さんは企画が見たら大喜びするであろう、期待通りの反応をしてくれてる。
「き、きゃあああああ!!!」
驚く穂乃果は飛び上がって、俺の腕に抱きついてきた。
…正直、こんな可愛い幼馴染みが抱きついてくると、こちらとしてもアトラクションどころじゃない。
恐怖で俺の腕に抱きついている穂乃果に、それに意識して気が気でならなくなっている俺。
前言撤回しよう。企画さん、ほんとすいません。
一通りアトラクションを回った俺たち。けっこういい時間になっていた。
「なんだかんだ1日でもけっこう回れるもんだな。」
「だねー。じゃ、寂しいけど、最後にあれ、乗る?」
まあ、遊園地の最後と言ったらあれになるだろう。
ゆっくりと、俺と穂乃果が乗った観覧車が昇っていく。
「今日は楽しかったね!付き合ってくれてありがと、なっちゃん!」
「こちらこそだよ。ほんとに楽しかった。ありがとな、穂乃果。」
ま、楽しかったけど、昨日の倍は疲れただろうな、ここだけの話。
「帰りたくないな…。まだ遊んでたいよ…。」
「そうだな…。でもな、終わりがあるから、こんなに楽しく遊べるんだ。だからな、どれだけ楽しくても、終わりが来てしまうならそれを受け入れるしかないんだ。たくさんいい思い出を、ありがとう、ってな。」
「うん…そうだよね!明日からまた頑張らなきゃ!」
「そうそう。ライブまでの時間も少ないしな。」
金曜日の放課後から、休める時間を申し分ないほどに遊びに費やしてしまった。
だが、たまにはこういう休日があっても、悪くはないかな。そう思った俺だった。
もうライブまで時間もない。明日からは、もっと時間を大切にしていこう。限りある、貴重な時間を。
読んでいただき、ありがとうございました。
注意ですが、現段階では夏海は誰とも付き合っていません。あくまで年齢=です。
書いていくうちに、やっぱり他の方々を尊敬しますね…。自分も努力します。
次回も、読んでいただけると、嬉しいです。