ラブライブ!~9人の女神と天涯孤独の少年~ 作:すとろべりぃ
こんにちは、すとろべりぃです。
かよちん誕生日おめでとう!!
かよちん回じゃないですが、ご容赦ください。
オリジナル展開はこの辺りから難しくなってきますね…頑張ります。
それでは、どうぞ。
休日(?)を二日跨いで、また朝練からμ'sの活動が始まる。本番まで本当に時間がない。ダンスの方は海未の練習メニューの成果もあり、やっと形になってきた。だがその形も、歌を付けて、と言われるとやはり難しくなってくるのだろう。歌自体の練習もしなくてはならない。今日、決着を付けないと。
そういえば、今日の三人は様子がおかしい。
穂乃果とことりは上機嫌なのが見てすぐ分かるのだが、海未はあまりいいとは言えない雰囲気だった。
気になるし、今後の練習に支障が出ては困る。
「海未、どうしたんだ?穂乃果とことりはこんなにやる気出してるのに。」
「べ、別に…穂乃果とことりとだけデートしたことなんて気にしてません…」
…うん、不謹慎っていうか、俺が悪いんだけど、海未が拗ねるところ可愛すぎるよ…多少不機嫌になりながら顔を少し赤くして俯いてるんだよ?アカン、鼻血出そ…
…っていうか待てよ…?
「海未、落ち着け。たしかに俺は穂乃果とことりと出掛けた。ただ、それをデートって言うんだったら俺の家で二人で歌詞づくりするっていうのはデートって言わないのか?」
「それとこれとは違います!映画ですよ!?お食事ですよ!?遊園地ですよ!?」
ズーン…けっこうショック。俺はけっこう作詞楽しんでたのになぁ…。海未は楽しくなかったのかな?
一人だけ舞い上がってたってのを確認すると恥ずかしい。
「そ、そうか…俺は海未と作詞するの楽しかったんだけどな…今度からは別々に作s…「だ、だめです!」えぇ…何が問題なんだ…」
海未との作詞してからというもの、けっこう楽しくなってしまった俺はちょくちょく思い付いたフレーズを書き留め、詩を作るようになっていた…が、どうやら乙女心を詩にするのは俺にはできなさそうだな。
「じゃあ、これならどうかな?海未がよければだが、これから作詞するときは一緒にご飯も食べるってのは。俺が頑張って作るからさ。」
「ぜ、是非お願いします!」
たぶん今までで一番嬉しそうな海未の顔が見れた。機嫌戻してくれてよかったよかった。
「君たち。」
練習を終えた俺たちの背後から、俺たちを呼ぶ声が聞こえた。
「東條先輩?こんな朝からどうしてここに?」
俺たちを呼んだのは副会長、もとい東條先輩だった。
それより格好に驚いた。巫女さん?の格好をしていた。
「ここでお手伝いしてるんよ。それより、ここを使ってるんやったら、お参りしてき。」
「ほ、穂乃果、疲れて動けないよ…。」
「こ、ことりも…」
まあ、無理もない。この短期間で海未の練習メニューを、泣き言一つ言わずこなしていた。
「へぇ…じゃあウチが、動けるように元気出してあげんとなぁ…?」
そう言い、東條先輩は穂乃果とことりの背後に立った。
その手をいやらしい動きをさせて。
「あ、あの…なにを…」
穂乃果が言い切る前にそれは始まった。
「元気が出るおまじない!わしわしMAXやん~♪」
「「い、いやぁああああ!!!」」
おおおおおおおお!!!!東條先輩の手が、穂乃果とことりの背後から二人のなんとも立派に育った果実を掴む…いや、揉みしだいているゥゥゥッ!!!
ていうかそれ、元気が出てるの二人じゃなくて間違いなく東條先輩ですよね!!!??
「「な、なっちゃん!副会長さん止めてえええ!!!」」
「いいですよ東條先輩!!お兄さんそういうの大歓g…「夏海…?」やめましょう、東條先輩。二人が嫌がってますよ。」
いやー、さすが俺。紳士だな。たぶん他の野郎だったら間違いなく混ざってたところを止めるなんてな。紳士すぎて変な汗出てきたよ…関係なかったわ、うん。
「えー。でも二人はもっとしてほしい顔になってるけどなぁ。これ以上のことも…」
「「ふ、副会長さん!!」」
東條先輩がほんとに悪そうな顔でにやにやし、顔を真っ赤に、涙目になってる二人が叫んでいた。
ただそれよりも俺には気になっていることがあった。
「東條先輩?その先ってなんなんです?」
「「「「…へ?」」」」
この場にいる俺以外の四人が一斉に俺の方を見る。
え、俺なんかおかしいこと言ったか?
「ど、どうしました?」
「夏海くん、それ本気で言ってるん?」
「本気も何も、その先って何があるんすか?」
「知らなかった…なっちゃんって変態だと思ってたのに…」
「ほんと…男の子ってみんな…」
「ええ…こんな純粋だったとは…絶滅危惧種レベルですよ…」
おい、あほのか。失礼にも程があるぞ。紳士だぞ?紳士。ことりさん?その後の言葉がすごい気になるんですが。海未、絶滅危惧種ってどんなレベルだよ。でも、それだけ稀少ってことは俺すごいんじゃ…?
「じゃあ、みなさんが教えてくださいよ。」
俺がそう言った瞬間、四人は瞬時に顔を真っ赤にしながら、
「「「「女の子に何言わせるの(ですか)!!」」」」
お叱りを頂きました。何これ、俺が何したっていうのさ…。
その後、お参りを済ませた俺たちは学校へ向かった。
それから授業を終え、三人はすぐさま練習へ。
俺にはやることがあった。
「今日、作曲の方は決着を付けてこようと思ってる。たぶん練習には出れない。ごめんな、いつも放課後は顔出せなくて。」
「いいんです。頑張ってください。それより夏海。もし、朝のことを他の女性に聞いたりなんてした時には、覚悟してくださいね…?寿命が縮みますので…」
それだけ言い残し、海未たちは屋上へ向かっていった。
正直、あの冷たい微笑みと殺気だけで寿命縮まってると思うんだが…。
…さて、こっちも行きますか。頑張ってる幼馴染みたちに顔向け出来ないしな。
俺は一年生の教室には向かわず、音楽室に直行した。
西木野さんが来るのを信じて。
――来た。
「こんにちは。久しぶり。」
「ど、どうも。お久し振りです。」
「砕けた感じでいいんだよ?その方がしゃべりやすいだろ?」
「…先輩相手だと難しいわよ…。」
やっぱり敬語は使い慣れてないみたいだ。
まあそこに触れるのはやめよう。
「何か用があって来たんですか?」
「ああ、君に作曲を頼みに来たんだ。お願いしたい。」
「お断りします。そもそもなんで私なんですか?」
「君のピアノが好きだからだよ。単純さ。
逆に質問してもいいかな?
どうして君は作曲を断るのか、知りたい。」
「そ、それは…」
西木野さんの顔が曇る。
やはりまだ俺に心を開いてくれてるわけではないみたいだ。
なら―――
「分かった。質問を変える。
なぜ、君は音楽を捨てる道を選ぶ?」
俺の質問に西木野さんも驚いていた。
「な!?なんで…!」
「隠していてすまなかった。君に面識はないけど、君のご両親にはお世話になったんだ。」
そう、俺は両親をあの事件でなくしてから、心を病んでいたのだ。笑顔で約束はしたが、やはり現実を受け止めるには幼かったのだろう。
そんな俺は、西木野総合病院へ入院し、彼女のご両親だけではないが、無事に回復できたのだ。この恩は忘れることはない。
「中学生の頃に入院してな…君のご両親には計り知れない恩がある。で、なぜ君は医者と音楽を両立させようとしないんだ?自信がないから…か?」
「…それも一つよ。それよりも、小さい頃から、大した成果も出せなかった音楽を、パパとママが許してくれるとは…」
「それは、君のご両親を信じていない、ってことになるが、それでいいのか?」
「ちっちがっ…そういうことじゃ…」
「君が言ってるのはそういうことだよ。君をここまで愛して育ててくれたご両親が、自分の道を拒む、と思っているんだろう。何が違うんだ?」
ここまで言った俺は、西木野さんが涙を必死に堪えている姿をやっと捉えることができた。両親の愛を素直に受け取れない人間を見ると、周りが見えなくなってしまう、俺の悪い癖だ。
「すまなかった。言い過ぎた。…入院してた時なんだが、君のご両親から少し君のことを聞いたんだ。」
「…私のこと…?」
「眩しいほどの笑顔で、将来は有名なピアニストさんになるって言ってたうちの娘が、ある時を境に、うちの病院を継ぐ、と言い始めてな…ってさ。もう少し、自分のやりたいことと、ご両親を信じてもいいんじゃないか?」
「パパとママが…そんなことを…」
「それに、自信がないならさ、こういうのはどうだ?
俺が作詞、作曲したものを、君が患者さんたちの前で演奏するんだ。その綺麗な声で。きっと、患者さんたちも、ずっと病室にいるより治りが早くなると思うよ。
俺も、そのために頑張るからさ。一緒に頑張ってみないか?」
俺はそう言い、彼女に手を差しのべた。彼女はきょとんとしていたが、不意に笑い出す。とても、魅力的な笑顔だと思った。
「何よそれ、告白のつもりかしら?」
「こ、告白!?」
「だって、それって、お前だけのために、ずっと一緒にいてやるって、そういうことでしょ?」
そう言われて、俺が言ったことがどれだけ恥ずかしいことだったかを思い知らされた。穴があったら入りたい。なかったら、掘り起こして埋まる。
「そ、そういうつもりで言ったんじゃ…」
「ふふ。あなたって攻められると弱いのね。勉強になったわ♪」
く、くそ…このお嬢様め…少し意地悪が成功したくらいでいい気になりおって…
「ありがと。帰ってパパとママと話してくるわ。あと、作曲、やるわ。任せてみなさい、びっくりするような曲にするから。」
「…ありがとう。これが歌詞だ。あと、もう一つ頼んでもいいかな?」
「意外と欲張りさんなのね?何?」
「作詞はまあまあ出来るようになってきたんだが、作曲はからっきしでな…君が作曲してるのを見て、勉強したい。君のご両親にお礼も言いたいしな。」
「ヴェェ!?」
…これまた面白い驚きかたするな。ことりと良い勝負だ。
「さすがにだめだよな…すまなかった、忘れて…「いいわよ。」え?」
驚いた。正直、ダメ元で聞いたから断られるかと…。
「ほんとにいいのか?」
「いいって言ってるでしょ?ちゃんと教えてあげるから、作曲の勉強、頑張ってね。」
…くそ、さっきからこの娘、いい表情で笑いやがる。
いじる側の俺からしたら、ちょっと癪だったが、こういうのも悪くない。
穂乃果たちに連絡して、俺は西木野さんの家に向かった。
のだが…
「やっぱ病院を経営してるだけあって、でかいな…」
「そんなことないわよ。それより、早く入るわよ。」
おいおい、これでそんなことなかったら他の家どうなるんだよ…。
「お帰りなさい、真姫ちゃん。…あら、水野くん、かしら?」
玄関でお出迎えしてくれたのは、西木野さんの母、
「お久し振りです。四年前は本当にお世話になりました。これ、つまらないものですが。」
「あらあら、そんな気遣わなくてもいいのに…。」
俺は、そう言って来る途中に買ってきたほむまんを渡した。手ぶらで来るのは失礼かなと。
「先輩、私の部屋で待っててください。ママ、パパと三人で大事な話がしたいんだけど…」
「…分かったわ。パパと居間にいるから、水野くんを案内してあげて。」
そう言い、優姫さんは居間の方に向かっていった。
俺は、西木野さんに連れられて、彼女の部屋へ。
女の子の部屋に入るのは、穂乃果たち三人と、にこくらいだったので、そわそわしてしまう。
案内を終えた西木野さんも、居間へ向かう。
「それじゃ行ってくるわ。」
「そんなに緊張しなくても、大丈夫だ。ご両親を、信じろ。」
「ええ。…ありがと。」
そう言い残し、彼女は行った。
しばらくして、西木野さんが帰ってきた。
「お帰り。どうだっ…た……?」
俺が言い切る前に、彼女は俺を抱きしめ、涙していた。
「先輩…先輩…ありがとう、ございます…。パパとママ…頑張りない、って…」
「そっか…よかったな。」
しばらくそうしていると、開いたままのドアから、彼女の父、
「おやおや、私たちはお邪魔だったかな?」
「パ、パパ!ママ!開けるならノックしてよ!!」
「開いてるものは仕方がないだろう。
…水野くん、少し、いいかね?」
大騎さんに呼ばれ今度は俺が居間へ向かうことに。
「水野くん、ありがとう。真姫を、やりたい道に向かわせてくれて。感謝している。」
「いえいえ、私が受けた恩に比べれば。」
「そんなことはないさ。それより、うちの真姫とはもうそういった関係なのかね?」
冗談っぽく言っているが、真剣な顔つきと声から、からかっているわけでもなく、本気の質問だった。
「いえ、そのような関係ではありません。ですが、彼女の将来を揺るがせたのは、紛れもなく自分です。今はまだまだ未熟ですが、責任は取るつもりです。そのために、精進していきます。」
「…そうか。私たちは君になら、真姫を任せられるよ。頑張ってくれ。そして、本当にありがとう。」
…とんでもないことを誓ったが、俺も男だ。それくらいしないとこれからやっていけないだろう…。
にしても、ほんとに緊張したな…。
そんなご両親とのやり取りを終え、西木野さんと俺は防音室へ向かい、西木野さんは作曲を、俺はそれを見て、分からないことを聞いていた。
すっかり夜も遅くなり、作曲が始まってから3時間ほどで、曲は完成した。流石にこの短時間でこんな曲は出てこないだろう。これが、降ってくるって感覚なのだろうか。
玄関先、西木野さんに帰りを見送られる俺。
「今日はほんとにありがとう。曲、満足していただけたかしら?」
「ああ、すごくいい曲だよ。ありがとな。朝と放課後、神田明神で練習してるけど、君も来る?」
「考えとくわ。それに…」
そう言って西木野さんは一歩俺に近づき、言った。
「私には大好きなパパとママからもらった『真姫』っていう大事な名前があるの。ちゃんと名前で呼びなさいよね。」
そう言ってウィンクする真姫。今日だけで何回この娘に見とれてしまっただろう。でも、ほんとにいい表情になった。
「ああ、すまなかったな、真姫。じゃあ、そういう真姫も俺のこと夏海って呼ぶんだよな?」
「う…と、当然よ!」
俺は今日の仕返しとして、無茶を振ってみた。
「よろしくな、真姫。」
「ええ、夏海。」
こうして、μ'sの記念すべきデビュー曲が完成した。
時間がない今、作ってくれた真姫に胸張れるように練習しよう。
俺たちは、前に進むしかない。
読んでいただき、ありがとうございました。
けっこう書いたつもりでしたが、いつもの倍くらいですかね?もっと書けるようになりたいです。
展開の速さも指摘していただけると助かります。
飛ばしすぎかどうか自分の判断では難しいので。
そして、メンバー誕生日記念回などは、もう少しストーリーがまとまってきた頃書こうかと思っています。
海未ちゃんの回は書けるといいな…
では次回もよろしければよろしくお願いします。