ラブライブ!~9人の女神と天涯孤独の少年~   作:すとろべりぃ

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お久しぶりです、すとろべりぃです。

長い間更新が遅れてしまいました。失踪とかではないです。単純にモチベや、この回のいい構想が思い付かなかったんです。推しの回なのでちょっと気合い入れていい話にしようとした結果、何も思い付かずこのざまです。

結論、私が書きたい話を書ければいい、と開き直った途端、楽になりましたね…

サブタイのraison d'etreという単語はフランス語で「存在理由」という意味ですね、けっこう有名な単語ですね。某中二病アニメでも挙げられてましたし。


待っていただいた方、(果たしていらっしゃるのだろうか…)大変申し訳ありませんでした。初めての方も、楽しんで頂ければ幸いです。

それでは、よろしくお願いします。


Ep.13…Blue sea raison d'etre

 

真姫から作曲を教えてもらった翌朝、不意にカーテンの隙間から差し込んできた光に、現在の時刻を気づかされる。

『作業』をし終えた俺は時計を見ると、既に6時を回っていた。

 

 

「やべ…一睡もしてねぇ…」

 

 

 

はい、この水野夏海、人生で初めての徹夜というものを体験しました。こんな私を許してください、お父様、お母様。

 

 

 

シャワーを浴び、朝食を食べ終えて少しは眠気を覚ました俺はすぐさま練習場所へ。にしても、初めての徹夜というものは恐ろしいものだな。今後の生活バランスが崩れかねない。学校では寝ないようにしないとズルズル堕落していきそうだ。

 

 

そんなことを考えながら神田明神へ着くと、陰に意外なお客さんがいた。

 

 

 

「おはよう、真姫。翌日来てくれるとは思わなかったけど、嬉しいよ。」

 

 

「おはよう、夏海。私が作った曲だし、歌う人たちの熱意と実力を見ておきたくて。というかその隈大丈夫!?ちゃんと寝たの!?」

 

 

「ああ、ちょっと徹夜になっちゃってな…それより、来てくれるなら連絡してくれれば言ってくれれば迎えに言ったのに。どの時間でも女の子一人は危ないぞ?」

 

 

「平気ならいいけど…ありがと。今日だけだから、もう平気よ。私は陰から見てるから、気にしないで練習してて。」

 

 

「分かった。でも1つだけ、真姫をあいつらに紹介したい。俺たちの練習が前進できたのは真姫のおかげだし、徹夜の件でも話したいことがあるから。」

 

 

 

「分かったわ。なら、その時にこっちを見て呼んでくれるかしら?」

 

 

「了解だ。…と、昨日のプロポーズみたいなことはあいつらには言わないでくれ。俺の命に関わるから…そろそろあいつらが来るぞ。」

 

 

「…分かったわ。じゃ、頑張ってね。…ダーリン♪」

 

 

「ん?」

 

 

 

最後に何か言ってた気がするが…気のせいか?というか、昨日と口調変わりすぎだろ…どんだけ打ち解けられたんだよ俺…良いことだけど。

 

 

 

真姫が隠れた丁度いいタイミングで穂乃果たちが来た。

 

 

 

「おっはよーなっちゃん!」

 

 

「おう、3人一緒なんて珍しいな。穂乃果が寝坊してこないなんて。」

 

 

「そうなんです…ことりと来る途中、既に穂乃果が待ってて…って!!夏海!?その隈はどうしたのですか!?昨日の夜ちゃんと寝たのですか!?」

 

 

「ほんとだ!なっちゃん大丈夫なの…?」

 

 

「いやぁ…作業してたらいつの間にか朝になっててな…その件も兼ねて、話したいことがある。俺たちの曲についてだ。これを聴いてくれ。」

 

 

 

そう言って俺はCDプレーヤーとスピーカーを取りだし、俺たちの始まりの曲、START:DASH‼を流した。

 

 

「どうかな?」

 

 

「なっちゃん!すごいよ!こんないい曲が、私たちのデビュー曲だなんて!」

「うん!ことりも、この曲いいと思う!」

「私たちの詩に音が…すごいです!昨日の今日でこんな曲を…」

 

 

「気に入ってくれて良かったよ。実は、これを作曲してくれた本人が来てくれてるんだ。」

 

 

俺は陰に隠れてた真姫を呼び、三人に紹介する。

 

 

 

「紹介するよ、左から園田海未、高坂穂乃果、南ことりだ。俺の大事な幼馴染みで、μ'sってグループ名でアイドルをやってる。作曲の件、ほんとにありがとな。」

 

 

「「ありがとう!」」「ほんとうにありがとうございます。」

 

 

「…いえ。」

 

 

 

あれ?ここはお礼言われたことに照れて、「べっ、別に大したことはしてないわよ…」みたいなこと言うかと思ったんだが…なんか機嫌悪くなってないか?

 

 

それはさておき、俺は真姫の紹介に移る。

 

 

「こちら、START:DASH‼を作曲してくれた…「将来、夏海の妻になる、西木野真姫です。」…へ?」

 

 

「「「……へ?」」」

 

 

 

この場が一瞬にして凍りついた。…真姫の周りだけを除いて。

 

 

「おい!昨日のことは言うなって言ったよなぁ!?」

 

 

「昨日のことは言ってないじゃない?未来のことは言ったけど。」

 

 

「そういう問題じゃ…「「なっちゃん…?」」「夏海…?」…はい…?」

 

 

「「「どういうこと(ですか)…?」」」

 

 

ヤバイヤバイヤバイ…お三方が今までの比じゃないほど恐ろしい表情で俺を見てる…。何が怖いって…三人とも無表情なんだよ!笑ってるのも怖いけど無表情は怖すぎるだろ…。

 

 

…ともあれ、今回の件は完全に俺が悪い。後先考えず一人の女の子の将来を変えてしまったんだ。このことを俺は何一つ隠さず穂乃果たちに伝えた。

 

 

「「…またいつものかぁ…。」」「相変わらずですね…。」

「あなた、私以外にもあんなこと言ってるわけ?」

 

 

…俺ってそんなに思われるようなことしてるか…?全く自覚はないんだが…。

 

 

「これからは一言一言考えてから言うように心がけます…」

 

 

「悪口言って友達を泣かせて親に怒られた小学生みたいじゃない…」

 

 

…そもそも元凶はあなたなんですけどねぇ、真姫さん?

 

 

 

「…と、話はこれだけじゃないんだ。ここからは俺のわがままなんだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新入生歓迎会では、もう一曲、歌って欲しいんだ。」

 

 

 

 

「「「「え…?」」」」

 

 

 

 

俺は別のCDを取りだし、流した。

 

 

「これも西木野さんが?」

 

 

「いえ、私は一曲しか作ってません…」

 

 

「夏海…あなたまさか…」

 

 

 

「はい、この隈の原因はこれの作詞と作曲です…。」

 

 

そう、俺が先程までしていた作業というのは、作詞と作曲。自分でも無茶なことしてるとは思っているが、わがままを言うなら俺も体張らなくちゃ。

 

 

 

「私の曲だけじゃ不満だったかしら?」

 

 

「そんなことは億に一つも存在しないから安心してくれ。俺がこの曲を歌って欲しい理由は三つ。一つ目は、俺たちの初ライブを、一曲で終わらせたくなかったんだ。なんか、寂しい感じがして。二つ目は、START:DASH‼はほんとにいい曲だと思うし、真姫に作曲してもらえて、ほんとに良かったと思ってる。これは不満とかじゃなくて、俺個人の感想なんだが…START:DASH‼はなんかこう、今の俺たちには完成され過ぎてる曲な気がして…。それに、曲調が少し暗めだったから、もう一曲、明るい曲でバランスとりたかったし、お前らには明るく笑って歌ってて欲しいからな。そこで俺が作曲したこの曲なら違和感もなくなるかな…って。」

 

 

(こんなクオリティー高い曲作って、よく言うわよ…ほんとにこの人、音楽のことになるとすごいのね…)

 

 

「三つ目なんだけど…やっぱ言わないでもいいか?」

 

 

「なっちゃん?どうして?」

 

 

「いやぁ…自分で挙げといてなんだけど…言うのが恥ずかしくなって言いたくないんだよ…」

 

 

「「「言ったら西木野さんのこと許してあげる(ます)」」」

 

 

「言います。言わせてください。」

 

 

 

俺に選択肢なんてなかった。というか、恥ずかしいって単語出した途端に三人の目が輝いたんだが…心なしか真姫もそわそわしてるし…。

 

 

「その…なんだ?三人が頑張ってステージで踊ってるのに俺だけ何もしてない気がして…だから、どんな形でもいいから、俺がお前たちのステージに、ライブに加われたら、って…って!これで満足だろ!」

 

 

「「なっちゃん…」」「夏海…」

 

 

「「かわいいー!!」」

 

 

そう言って穂乃果とことりが抱きついてきた。

男の俺でも、二人に抱きつかれると振りほどけない。

 

 

「くっ…はーなーせーよー!!」

 

 

「ダメですっ!可愛すぎるなっちゃんが悪いんですっ!」

「そーだそーだ!なっちゃんが悪いんだ!」

 

 

最近いじる側の俺がいつの間にかいじられる側になっているのですが…やだよ!俺はいじるのは大好きだけどいじられるのは苦手なんだよ!

 

 

 

っと、やっと二人がほどいてくれたので、話を戻す。

 

 

 

「それで、俺のわがままなんだけど、どうかな?この少ない時間の中で、二曲になると相当大変だと思うけど…」

 

 

「やるよ!大変だとは思うけど、なっちゃんが作ってくれたんだし!」

 

 

「なっちゃんも加わりたいんだしね♪」

 

 

「それはもう忘れてくれ…」

 

 

穂乃果とことりは承諾してくれた。ほんとに感謝しきれないな…。だが…

 

 

「…」

 

 

 

「海未?」

 

 

 

海未の返事がなかった。思えばさっきからずっと黙ったままだった。

 

 

 

「海未?どうしたんだ?」

 

 

「いえ…私もいいと思います…」

 

 

 

海未の様子がおかしいが、結局朝は話し合いで予想以上に時間を使ってしまったため、学校へ行くことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり、練習の時間になっても海未の様子はおかしいままだった。心配になった俺は、原因を聞き出すことにした。

 

 

 

「海未、話をしないか?」

 

 

「…分かりました。」

 

 

 

そう言って俺たちは、学校外、公園のベンチに二人で座った。

 

 

 

「海未、どうしたんだ?朝から急に元気がなくなったが…」

 

 

「夏海、私は、あなたたちと一緒にいてもいいのでしょうか…?アイドルを続けてていいのでしょうか?」

 

 

「…その疑問を抱く理由を、教えてくれないか?」

 

 

「私は、あなたたちとアイドルをやるにあたって、必死になっていました。穂乃果やことりのような可愛らしさは私にはありませんし、人前で歌うのは恥ずかしいです。だから、少しでも力になろうと、歌詞づくりで頑張ろうと思いました。夏海と一緒に。…ですが、夏海は一人でもあんなに素敵な歌詞に、作曲までできるように…。なら、私には何があるのでしょうか…私はあなたたちと一緒にいて、アイドルを続けてもいいのでしょうか…?役割も、アイドルらしさもない私が…。」

 

 

 

ここまで静かに聴いていた俺は、海未が思い詰めていた理由をようやく理解できた。いつも、気づくのに遅い自分の周囲を見れない力に、腹を立てる。

そして俺は、まだ聴いていないことを、大事なことを聞くことにした。

 

 

「じゃあ、海未。君はこれからどうしたい?」

 

 

「…私は…。」

 

 

海未は黙りこんでしまった。恐らく、迷っているのだろう。悩んでいるのだろう。俺も、海未の立場になったら、恐らくこうなっていると思う。

なら、俺がすることは決まっている。

 

 

 

正すのだ。根本からお前の考えていることは間違っているんだ、と。

 

 

 

「じゃあ海未はさ、もし俺と立場が逆だったとして、俺が人の前では恥ずかしくて踊れない、歌詞作りという役目も海未ができる。その状況で、俺は抜けた方がいい、俺がいるだけ穂乃果たちの迷惑になる、って言ったらどうする?」

 

 

 

「迷惑だなんて…ありえません!それだけで私たちは離れるような仲ではないです!ずっと一緒にいると、この四人はどこでも一緒にいると誓い合いました!役割とか、長所や短所の問題じゃないんです!私たちは四人で私たちなんです!」

 

 

 

「…なんだ、もう答えは出てるじゃんか」

 

 

「…え?」

 

 

「俺たちの答えが、一回でも違ったことがあったか?そこに至るまでには何度もぶつかったことはあったさ。でも、俺たち四人は、いつでも同じ答えだった。さっき海未にした質問は、海未以外の三人でも同じことを答えたと思うぞ?少なくとも、俺は海未と同じ意見だ。」

 

 

 

「…!!ですが…私はあなたたちの力になれていませんし…」

 

 

 

「あーもう!!そこから違うんだっつーの!!海未自身言ってただろ!俺たちは誰が何を出来ないから、なんて下らないことで離れるようなものじゃない!まず、海未が力になれてない?誰よりも真面目に、一生懸命練習に取り組んで、裏でもアイドルらしさを出そうと努力してるお前を、力になってないなんて思わない!海未がいなきゃダメなんだよ!海未よりも可愛くても、海未よりもかっこよくても、海未じゃなきゃダメなんだよ…。俺たち四人は、穂乃果がいて、ことりがいて、俺がいて、海未がいて。ようやく俺たちなんだよ…

 

 

 

 

 

だろ?お二人さん?」

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

「「そうだよ!!」」

 

 

 

 

 

 

「なっ…穂乃果!?ことり!?」

 

 

 

 

横の茂みから穂乃果とことりが待ってましたと言わんばかりに飛び出してきた。二人ともちょっと涙目になってる。

 

 

 

「二人ともいつからいたんですか!?聞いてたんですか!?」

 

 

 

「あー、それなんだけど、俺のケータイと通話中にしといて、スピーカーにしてたんだ。だから最初からこの二人には聴いててもらった。これは、四人の問題だからな。」

 

 

 

「そんな…」

 

 

 

「「海未ちゃん!!」」

 

 

「…はい。」

 

 

 

「海未ちゃんはいつでも穂乃果を叱ってくれるし、間違っても教えてくれた!海未ちゃんがいなかったら、穂乃果はここにはいないんだよ!それに、こんなにかっこいいし、可愛いし、アイドルに向いてないなんて、ありえないの!むしろ穂乃果の方が向いてないよ!」

 

 

 

「…はい…!」

 

 

 

「海未ちゃんの照れた時の顔も、弓道してるときのキリッとしてる顔も、四人で遊んで笑ってるときの顔も、いつでも魅力的で、女の子らしいんだよ?もっと自信持ってよ!それに、穂乃果ちゃんを抑えるにはことりとなっちゃんだけじゃ無理そうだし…「ちょっと!?ことりちゃん!?」…えへへ♪だから、海未ちゃんがいないとことり、困っちゃうなー♪」

 

 

「…はい…!!」

 

 

 

「…だそうだけど?海未はどうしたい?」

 

 

「…これからも、一緒にいてもいいですか…?迷惑もかけるでしょうし、何もできないかもしれませんが…私はいつまでもあなたたちと一緒にいたいです…!!」

 

 

 

「俺たちはいつでも迷惑かけてかけられっぱなしだったろ?今さらそんなの気にすんな!それに、離れたくても絶対離さねーよ!俺たち四人は、ずっと一緒なんだからな。」

 

 

 

そこまで言い終えた俺に、海未は抱きついて来た。穂乃果もことりも、一緒になって抱きしめ合った。抱きしめ合って、日が暮れるまで、泣いていた。

 

 

 

「俺たちが一緒にいるのに、理由なんてないんだ。

もしあるとすれば、それは穂乃果であり、ことりであり、海未であり、俺であるから。それ以上でもそれ以下でもない。それで充分なんだ。海未は周りをよく見れるんだ。朝も、俺の隈に一番早く気がついて、心配してくれた、優しい女の子だ。その周囲に、優しくする対象に海未自身を入れるのを忘れるな。俺たちの大好きな海未を、海未自身が悪く言うな。大事な人を悪く言われるのは、辛いぞ?」

 

 

 

「はい…!!はい…!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、学校での休み時間中、俺はまた一つの詩を綴っていた。

 

 

 

「何を書いているのです?」

 

 

「ああ、海未か。昨日、どこかの女の子が見当違いな場所からようやく勇気の一歩を踏み出せたらしいからな。その心情を、なんとか詩にできないかな、って思ってな。」

 

 

「もう!そのことは忘れてください!!」

 

 

 

「あはは!今日も恥ずかしがってる顔が可愛いって、ことりも喜んでるな!それでな、海未。詩はけっこう進んだんだけどな、題名が思い付かないんだ。何かいい案ないかな?」

 

 

 

「そうですね…では…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇気の理由(Reason)、というのはどうでしょうか…?」

 

 

そう言った海未の顔は、曇りなく、まさに勇気の一歩を踏み出した、眩しい笑顔だった。

 

 

 

「ああ、それいいな!いただいてもいいかな?…といっても、これ海未のソロの曲にしようと思ってるんだけど。」

 

 

「ソロ!?嫌です!恥ずかしすぎます!」

 

 

「こっちはμ'sの舞台で慣れないとだなぁ…。」

 

 

 

そう言いながら、俺には不安なんてなかった。

いつでも、彼女たちを、彼女たちの進む道を信じているから。





読んでいただき、ありがとうございました。


はい、アニメにはなかった海未ちゃん回です。推しとしては、絶対に書きたかったです。wonder zone回とちょっとかぶってしまいましたが、ことりちゃんの回はもう少し違う形で書く予定です。

あと、真姫ちゃんのキャラなのですが、男性が関わると真姫ちゃんのキャラはアニメよりコミカライズ版よりになりそうという私の個人的意見から、この作品ではぐいぐい系にしていくつもりです。


この作品では私の偏見と価値観で書いていくつもりなので、不愉快に思われた方は申し訳ありません。ですが、直すつもりもありません、書きたいものを書いていくつもりです。


ではよろしければ次回もよろしくお願いします。
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