バカとテストと召喚獣〜龍達の血を継ぐ者達〜   作:白波風

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タイトルはネタ。わかる人の大体はMUGENが大好きだと思われる。そして中身は説明回。
※《》で話しているのは小声、という風に捉えてください。


第2話 あーあ、出会っちまったか

何分かが経ち、次々と教室に入ってくる生徒を見回してから、そっと話し出す三人がいた。

《予想外に馬鹿面が多いんだが……大丈夫なのか?》

《大丈夫だ、問題ない。……はずだ》

《はずって……不安しかないんだけど?》

上から蒼馬、秀、美波である。教室の廊下側一番後ろを三人で確保し、ゆるゆるとこのクラスのメンバーを観察していた。「自分達が切り札(ジョーカー)になってやろうじゃねーか」という威勢の良い事を言っていた三人だったが、それは自分達以外にもそこそこできる連中がいる事が大前提であったが故に(強さ、という意味合いのできる、という事ではない)観察している限りでは、とてもそんな風に見えるのはいなかった……いや、僅かに数名、可能性があるように見えた者や、顔馴染みはいたようだが。ともかく、予想外にできなさそうな奴が多かったようで、どうも彼らは失望しているようだ。

そして登校時間も過ぎた頃、一人の男がやってきた。

「すいませ〜ん、遅刻しちゃいました☆」

「さっさと座れ、蛆虫野郎」

「その言い方は酷いっ。て、雄二。何やってるのさ」

それを見た瞬間、秀が驚いた様な顔になった。

《な……んだありゃ……》

《秀⁉︎どうしたのよ一体》

《どうした?……何が見えた》

明らかな動揺を見せる秀に、二人は問いかける。二人に向けて秀は興奮している様な、恐ろしいものを見ている様な顔をしながら、二人に話す。

《あんなにヒートが輝いてる奴なんか見たことあっかよ。ありゃ鍛えりゃ伝説になるヒートだ》

『ヒート』とは自らの気持ちが昂ぶった時に体から放出される、言わば闘気と呼べる者である。すべての人間に宿っている力でこそあるが、制御することができる人間は少ない。的確に制御することでとてつもない力やスピードなどを使用する事ができ、致命傷も回復する、といわれる。力を常に扱う者は早く目覚め、制御もすぐにできる様になるという。

喧嘩の絶えない神室町に住まう秀や蒼馬は勿論、その使い方を習った美波も制御しているが、他人の覚醒前のヒートを見る事が出来るのは秀のみである。本人曰く、「多分俺の魂が色々変なのが原因だと思う」とのこと。

よりヒートに関して詳しく説明すると、喧嘩の最中において、昂った衝動のままに繰り出す一撃が『ヒートアクション』と呼ばれるものである。普通の人間の身体であれば、一瞬で身体がバラバラになってしまう様な恐るべき力だが、しかしここでもヒートは関係してくる。神室町での喧嘩は、一種のエンターテイメントの様な認識になっており、野次馬というべきか観客というべきかわからない人々が喧嘩を見ている事が多く、その人々が熱狂する事によって無意識のうちに漏れ出るヒートがフィールドの様なものを作り出し、それによって致命傷になるヒートアクションもただのK.O技となるわけである。ちなみにだが強力なヒート使い同士の闘いにおいては、ぶつかり合うヒートがこれと同じフィールドを作り出すために、観客がいずとも致命傷を回避できる、というわけである。

こう書き連ねると、ヒートは万能と思われてしまうかもしれないが、それはとんでもない誤解である。それこそヒートを纏っていなければ、いくらヒートを使えようが致命傷は致命傷となり、死ぬときは死んでしまう。生命を無意識に守るものではない、ということである。また、超常の力を発揮できる訳ではなく、あくまでその気になり、かつそれができる肉体と場合においてならば、同じことを行使するのはさして難しい事ではない。要するに、PKやESPの様なものではない、ということだ。……つまるところ、万能じゃないということだ。

「どうも、このクラスの担任の福山真です。それでは、皆さん自己紹介をお願いします」

と、いつの間にか担任も現れ、自己紹介の時間となる。

多少のイベントが発生はしたが、そんな当たり前の時間の最後……彼らFクラスの代表は、こんな事を言い出した。

「上位クラスに『試召戦争』を仕掛けてみないか?」

爆弾を仕掛けた代表のその言葉に、獰猛な牙剥き出しの獣のような笑顔で、秀は喜んでいた。来たか……と。

口々に文句を言うクラスメート達に向かい、彼は『勝てる根拠』がある、と言いきった。

「康太、姫路のスカートを覗いてないでこっちに来い」

そして呼んだ一人目を、彼はこう紹介した。

「土屋康太。こいつがかの有名な『ムッツリーニ』だ」

『ムッツリーニ』という渾名で呼ばれる彼は、しかし秀の顔馴染みであった。秀は彼とこの学園の『情報屋』のようなものをやっているからだ。出会う前の二人はお互いに情報屋をやっていたのだが、取り扱う情報や形態の違いから、二人が交わることはないはずだった。

偶然にも、とある情報を入手せねばならなかった秀の前に、偶々同じ情報を入手しようとしていた康太に遭遇、協力してその情報を入手した二人は、その後も仲良くやろう、と二人での仕事を始めた、という経緯である。ちなみに、かつての秀は先生の秘密や、学園内で計画されている悪巧みなどが主かつ、元々持つ情報を売ると同時に、頼まれた情報を入手し、その手間賃も含めて売る、という形態であった。対して康太は生徒の秘密や恋愛などのゴシップ、並びに撮った写真を売っていて、元々持つ情報しか売らない、という形態だった。……それ故に二人は出会うはずなど無かったのだが。

「さーて、説明も終わったし、行くぞお前ら「なあ」ん?」

「試召戦争の会議だろ?参加させてくれよ」

「ああ……構わんが。お前らは?」

「後で話す。それより、さっさと行こうぜ」

代表の言う「切り札」は大体が秀の予想通りのものとなっていた。そして彼らも、自分達を活かすために、作戦会議に参加することにした。

後に彼らはその時のことを思い出しては、改めて考えることになる。

とても不思議な「運命」は存在する、

ということを……

 

 

 

 

 

 

「……大丈夫かしらね?」

「多分、問題ない」

「多分って……お前なあ……」

 

 

 




ヒートの独自解釈は、つまるところ「なんでムービー銃は効くの?」を言葉で説明したかったから。ただそれだけだったりする。
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