ジョジョの奇妙な冒険 グランドオーダークルセイダース 作:ベロリンガRX
俺の名前は空条承太郎。なんかプッチ神父と戦って死んだぜ。\ドォーン/
メガネっ子に起こされたぜ。ヘラヘラ男も来たぜ。\テレマスナァ/
なんか授業があるらしいけど俺は不良なので、サボってそのまま自分の部屋に行くぜ。\ティーン/
誰か居たぜ。\テテーン/
なんか爆発したぜ。\ドギュオォーン/
よくわからんけどマシュを助けに行くぜ。\ドドドドド/
マシュさんいますかー?\タスケテココヨー/
居たぜ。\ディーン/
閉じ込められたぜ。\ガッシャーン/
開けるぜ。\オラオラオラオラァッ/
出るぜ。\ビシガシグッグッ/
飛ばされたぜ。\バァーン/
とべこんちぬえど
燃える街
西暦2004年 冬木。
かつての自然豊かな風景も全て燃え尽きたこの地方都市の一角で、承太郎は目を覚ます。
「……ここは、何処だ?」
「良かった。目が覚めましたね先輩。無事で何よりです」
「お前は……マシュ、なのか…?」
承太郎は混乱していた。隔壁をぶち破って外に出ようとしたら、気が付けばあたり一面燃え盛る室外におり、マシュも服装が変わっており、何より異様なのはその手に持つ背丈を超える大きな盾だった。
「先輩、説明は後ほどします。その前に、今は周りをご覧下さい」
承太郎の目に飛び込んできたのは、剣を持った骸の群れだった。
「Gi―――GAAAAAAAAAAAA!」
「コイツ等……新手のスタンド攻撃かッ!?」
「言語による意思の疎通は不可能。敵性生物と判断します」
マシュは盾を構え、戦闘態勢に移る。
「マスター、行きましょう。わたしと先輩の二人で、この事態を切り抜けます!」
「……マシュ、つまり今のお前も戦えるって事でいいんだな?」
「はい、先輩も、あの時の力を使えますか?」
「あぁ、この程度の骨野郎に、負ける気はねーぜッ!」
承太郎にスケルトンの大群が殺到する。承太郎の頭をかち割らんと剣を振り下ろす。
「
しかしッ!剣は承太郎に届かないッ!!スタープラチナという暑い壁に阻まれた剣はそのままへし折られたッ!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」
スタープラチナの素早いラッシュがスケルトンの剥き出しになった頭蓋骨を叩き割るッ!みるみるうちに骸骨を骨粉に変えていくッ!!
「やああッ!」
マシュも負けてはいない、初めての戦闘でありながらその巨大な盾を自在に操り、スケルトンを叩き伏せる。
「これでッ!倒れてッ!!」
そして、マシュの渾身の一撃が、最後のスケルトンを沈黙させた。
「――ふう。不安でしたが、なんとかなりました。」
「やれやれだぜ。数は多いがそれだけじゃあ相手にはならねーな」
「お疲れ様です先輩。見事な戦いぶりでした。」
「お前もな、マシュ。結構やるじゃねーか」
承太郎たちが一段落付いたその時、何処からか声が聞こえてきた。
『ああ、やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?』
「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライトです。現在特異点Fにシフト完了しました。同伴者は空条承太郎一名。心身共に問題ありません。レイシフト適応、マスター適応、ともに良好。空条承太郎を正式な調査員として登録してください」
『……承太郎君、やっぱり君もレイシフトに巻き込まれたのか……』
「あぁ、こっちは問題ないぜ。多少骸骨に襲われた程度だ、全部自然に還してやったぜ」
『そうか……それと、マシュ……君が無事なのも嬉しいんだけど、その格好はどういうコトなんだい!?ハレンチすぎる!ボクはそんな子に育てた覚えはないぞ!?』
「ドクター、わたしの状態をチェックしてください。それで状況は理解していただけると思います」
『君の身体状況を?お……おお、おおおぉぉおおお!?身体能力、魔力回路、すべてが向上している!これじゃ人間というより――』
「はい。サーヴァントそのものです」
マシュは、あの爆発でマスターを失ったとあるサーヴァントと契約し、英霊と人間の融合体、デミ・サーヴァントとなっていたのだ!
『そうか……しかし、もう一つ気になることが出てきたんだが……』
「気になること、ですか?それはなんでしょうか?」
『あぁ、たった今、承太郎君の身体状況のチェックも行ったんだが、どうやら彼も、マシュと同じような反応が見られるんだ』
「……もしかして、先ほどの紫の使い魔の力でしょうか?」
「……マシュ、お前、見えているのか?おれのスタープラチナが……」
「はい、でも初めから見えていたわけではありません。恐らく、デミ・サーヴァント化したのが原因で見えるようになったものだと思います」
スタンドは同じスタンド使いにしか見ることは出来ない。しかし、ここは自分がいた世界とは別の世界である。今までの常識が通用するとは限らないのだ。そして承太郎は、先ほどの話から、自らの状況におおよその見当をつけていた。
あの時、自分が元いた世界、J世界で承太郎が死亡した時に、偶然か、はたまた何者かの意志か、どちらかは分からないがJ世界で死んだ承太郎の魂を、こちらのF世界の承太郎と融合させたのだろうと考えた。元々こちらの世界に空条承太郎という存在がいなければ、カルデアに現れたとしても不審者としてつまみ出されるだけだったのだろう。しかし、承太郎は確かにこの世界でカルデアに選ばれたマスター候補の一人であった。それは、こちらの世界にも空条承太郎という人間が存在したという事実があるのだろうと承太郎は考えたのだ。
『むっ、予備電源に替えたばかりでシバの出力が安定していないのか。仕方ない、説明は後ほどだ。二人とも、そこから2キロほど移動した先に霊脈の強いポイントがある。何とかそこまで辿り着いてくれ。そうすればこちらからの通信も安定する。いいかな、くれぐれも――』
通信が途中で切れてしまった。恐らく復帰までしばらく時間がかかるだろう。マシュはどことなく不安そうな顔をしている。
「……やれやれ、仕方ない。行くぞ、マシュ」
「はい。頼もしいです、先輩。実はものすごく怖かったので、助かります」
「キュ、フー、フォーウ!」
何処からともなく現れたフォウが承太郎の肩に飛び乗る。
「そうでした。フォウさんもいてくれたんですね。応援、ありがとうございます」
「どうやらコイツも俺達と一緒についてきちまったらしいな」
「……あ。ドクターには報告し忘れてしまいました……」
「キュ。フォウ、キャーウ!」
「ほっとけ、だとさ」
「そうですね。まずはドクターの言っていた座標を目指しましょう。そこまで行けばベースキャンプも作れるはずです」
承太郎は、この先に巻き起こる奇妙な戦いの予感にやれやれとため息をつき、足を進めるのだった。
To Be Continued…