ほい!(*´ω`*)
ちょっと短め。
そして話が全然進んでいかないorz
とりあえずどぞどぞ(*´Д`*)
「ふむ。なかなか面白かったのぅ」
ニシシシと笑いながらこちらを見て来るピエロ服の女性を殴りたい衝動にかられながらとりあえず大歓声から抜け出した俺たちは彼女へと問い詰めを始めた。
「おい、あればどういうことだマギルゥ!」
「んー、儂なりのサプライズじゃよ♪お出迎えは派手な方がええからのぅ。なんじゃ?感謝感激したかの?」
『しねぇよ(ないわよ)(ない)』
全く悪びれる様子もなくコテンと首を傾げながらいう彼女に対し全員が否定の声をあげれば、なんじゃー、つまらんのぅと彼女は頭の後ろに手を回し口を尖らせた。
「はぁ……まぁ、このことに対する処置は後でシノンたち任せるとしてヴィザはどうした?」
俺自身が言ったところで無意味なのだろうと諦め、うちの年長者は何処だと問いかける。
「うーん?なんじゃ、お主は儂よりもヴィザのほうがええのか?もしやあれか?Bえ「早くしろ」あやつならー空中闘技場じゃよー♪」
なおもふざけ倒そうとする彼女に対し僅かな殺気を漏らせば態度を反転させて空の方へと両腕を指した。
「マギルゥネェさん…………ってびぇぇぇええええええええん!?」
その移り変わりの早さに彼女の足元にいる珍妙な生物……使い魔であるビエンフーが呆れながら見ているが直後彼女の前蹴りが炸裂し遥か彼方、宝樹の方へと飛んでゆく。
「さぁ、あやつのところに行くのじゃろ?ならば善は急げじゃー」
そんなビエンフーを一瞥もせず、まるで何事もなかったかの様にケロリと言う彼女に対し俺らだけでなくグレモリー達まで白い目を向けていた。
「なぁ、八幡……こいつもお前の眷属なのか?」
そんな空気に耐えられなかったのか、或いは呆れ果ててか、イッセーが俺の方へと視線を移し聞いてきた。
「まぁな……」
『えぇ……』
「なーんじゃーお主らは、会ったばかりの相手に失礼じゃのぅ」
俺の肯定の声に質問をしたイッセーだけではなく他の奴らまで疑いの声をあげながら彼女へと再び視線を戻した。
まぁ、初対面じゃそう思うのも仕方ない。
胡散臭さが全開だからな。
身体中から滲み出てるまである。
「まったくお主ら、儂を誰じゃと心得る。自分で言うのも嬉しいが八紘四海をまたにかけ、ドラゴンも笑う大魔法使い。その名もマジギギカ・ミルディン・ド・ディン・ノルルン・ドゥ!、略してマギルゥと覚えておけぃ」
そんな彼らの反応に対しデデンという効果音がつきそうなポーズと共にマギルゥが自己紹介をし始めた。
『ま、マギルゥ?』
「ちっがーーーう、"トナリノキャクハ、ヨクカキクゥキャクダ"の"カキクゥ"のアクセントでマギルゥじゃ」
『…………』
どうやら理解できなかったらしい。
「はぁ〜、かく力説しても分かり合えぬ、人とは悲しいものじゃて」
「いや、お前もこいつらも悪魔だろう」
「おや、そうじゃったの。それはうっかりしておったわ♪まぁ、そんなことはどーでもいいがの♪」
もはや付いていくことができずただただ呆然と見ているグレモリー達を他所にマギルゥは興味なさげに彼女達へと背を向ける。彼女もまたリタと似ており、基本的に眷属以外には興味のかけらも持たないため、その様子に俺たちは苦笑いを浮かべた。
「ほほぅ、お主が新しい眷属かの?ならば!今のうちに持ちネタを増やしておくことをお勧めするぞい」
そんな俺たちの間を縫う様に動きゼノヴィアの隣まで歩み寄った彼女は何やら吹き込み始める。
「も、持ちネタ?」
「そうじゃ、眷属が増えるたびにパァーッとパーティーを開くのがうちのしきたりでのぅ。そこで新人は一発ギャグをかまさねばならんのじゃ」
「そ、そうなのか!?」
「そうじゃよ♪」
「し、しかし私は」
「安心せい!儂がとっておきを教えてやるからのぅ♪」
「ふ、ふむ、それなら……」
「おい、テキトーなこと教えんな。とりあえずヴィザと合流。その後うちに帰るぞ」
放っておけばこのまま騙され続けかねないゼノヴィアと騙し続けかねないマギルゥを一瞥し翼を出すと、空中闘技場へと向かって行き、それに続く様に眷属やグレモリー達が続いて行く。
「あ、こら待てぇいお主ら、儂を置いて行くでないわー」
そんな俺たちの後をマギルゥとゼノヴィアが必死になって追いかけてきた。
───────────────────
わずか数十秒ほど上空へと飛んで行った時、それは突如として起きた。
「あっつ!!!?」
俺たちが向かう先、空中闘技場から巨大な灼熱の炎が天へと登っていったのだ。その熱がこちらまで伝わってきたため、イッセーが思わず声をあげる。
「なーんで結界張ってねぇんだ?」
周囲の気温が上がる中、空中で止まった阿伏兎が疑問の声をあげれば
「別に、あいつ程度なら張らなくても問題ないからでしょ?ここから地上までかなり離れてるから」
彼の特訓を少しだけ付き合ったシノンが応える。
「で、でも木に当たったら危なくないか?」
「ああ、この樹は燃えないよ。これ燃やしたいなら、というか傷をつけたいなら阿朱羅丸の全力の災害豪雨でもやらなきゃ傷つかないとおもうよ?」
「っな!?」
ふと漏れ出たゼノヴィアの素朴な疑問にユウキが応えればゼノヴィアは目を見開いた。
まぁ、宝樹だしな……
ほんと……どこから持ってきたんだよ……
「ね、ねえ!どういうことよ!?」
「何がだ?」
するとその炎を見たグレモリーが今まで以上に声を大にして叫んでくる。
「何がだ?じゃないでしょ!だってあの炎は!!!!」
「いいからいくぞ」
そんなグレモリーの声を右から左へ受け流し再び闘技場へと向かい飛んでいく。
「ぶ、部長。あの炎知ってるんですか?」
「……っ貴方も知ってるはずよイッセー」
「お、俺も?でもあんな馬鹿でかい炎なんて見たことないですよ?」
「……あそこまでの大きさなんて私も知らないわよ……でもあの炎は……」
「あらあら、もしかして」
『?』
察しのいいグレモリーや姫島先輩はどうやら気がついたらしいが他のグレモリー眷属はわからない様だ。
まぁ、あいつらにとって炎の違いといったら大きさくらいで質の違いがわかるのはグレモリーや姫島先輩くらいか。あれだけデカくなってりゃ、
後ろから聞こえる声に対しそんなことを考えながら、俺は意外と成長しているあいつとヴィザのいる闘技場へとさらに加速して向かっていった。
「なめるなぁぁぁぁぁぁああああ!!!!」
「ほっほっほ。なかなか良い筋ですがまだまだそれでは私には届きませんよ」
そこでは見知った顔の2人、青年と老人が闘技場の中心で炎と刃を交えていた。
「っがぁ!?っくそ!今日こそ、今日こそ貴殿から一本取ってみせるぞヴィザ翁!!」
青年の方からは並々ならぬ覚悟がその形相からうかがえる。察するに、相当模擬戦をしているのだろうが一回も勝ててないのだろう。
「ええ、とって見せなさい。貴方はまだまだ伸びる」
対して老人の方は普段と変わらぬ様相で相手をあしらっていた。しかし、手には
「ヴィザがあしらってるだけとはいえ抜刀するほどまで伸びたのか」
その光景を見て青年の成長具合に高い評価をつけた。ヴィザは全く本気ではない。それでも抜刀させるだけでも素晴らしい成長である。
「おお!主人殿、帰って来たのか!」
そんなことを思いながら闘技場の観客席の中を歩んでいると1人の少女がこちらに声をかけて来た。
「ん?なんでお前がここにいんだ?」
「なに、ヴィザ翁達のサポートさ。タオルや使用後の闘技場の整備。こういった仕事も私たちメイドの仕事だ」
えっへん、とこちらに向かって胸を張ってくるメイド少女の傍らにはタオルやモップなどが置いてあった。
「いつもすまないな」
「それは言わない約束であろう八幡」
そういって金髪の長い髪を揺らしながら少女は微笑んだ。
「あれ?レティシアまでいる?」
「おお、ユウキ、それに恋達まで。長旅お疲れさまである」
そんな彼女の微笑みを堪能しているとユウキ達が追いついて来たようで開口一番に彼女がいることに驚いているようだ。
対してレティシアはメイドであるにもかかわらず割とフランクに彼女達へ話し返した。
他のところから見れば眷属という地位にいる者に対してメイドがこんな態度を取れば打ち首とかあるかもしれないがうちではそんなの関係ない。メイドや使用人全員含め家族である。
「えっと、君は?」
そんなみんなの帰還を迎えたレティシアに対して頭に疑問符を浮かべたゼノヴィアが誰だと問いかけた。
「おお、これは失礼。新しい眷族であるゼノヴィア殿。私はレティシア・ドラクレア。主人殿の家でメイド長を務めている。今後会う機会も多くなるだろう。よろしく頼む」
初対面であるからか俺たちに話すよりもやや丁寧な形でレティシアは挨拶をする。
「む。そうなのか。ゼノヴィア・クァルタだ。よろしく頼む。ところで……メイド長とは?君は眷属ではないのか?」
対してゼノヴィアも挨拶を返すがふと彼女の挨拶に疑問に思ったのか頭に?マークをつけながらレティシアへと首を傾げた。
「ああ、わたしは違うよ。主人殿の家には私のように眷属にはならなくともこの家に仕えている者が、主人殿と……八幡と共に歩むことを決めた者が多数いる。多くは悪魔には転生することに抵抗があったり、眷族は面倒だからといった理由であったり様々な理由から眷属にはならずに仕えている者だ。私もその1人だよ」
「そうなのか」
疑問が解けたからかゼノヴィアは手を差し出しレティシアと握手を交わす。
その直後、特大の炎熱が俺たちを襲った。
「あっつめたぁああああ!!??」
シノンがすぐさま反応したことにより一瞬の熱さから、瞬時に熱が冷気に変わり、その変化にちょうどやって来たイッセーが声を再びあげた。
『なっ!!!?』
「やっぱり……」
しかし、そんなイッセーとは対象的にグレモリーやその眷属達は闘技場の中心へと視線を移すとグレモリー眷属が驚愕し、グレモリー本人はどうしてと困惑顔をしていた。
「はぁはぁ、喰らえ!!!」
「ほぉこれは」
そんな俺たちのことなど知らず闘技場では自身の持てる魔力を総動員して作ったであろう炎が青年を中心に圧縮され始める。
「いっけぇぇええ!!!!!」
圧縮された炎が青年から空に放たれやがて折り返しヴィザへと迫っていく。
瞬間俺たちは視界に広がった灼熱の光に、思わず手で目を隠した。
やがて炎の光が弱まって行き、闘技場の様子が再び目に入る。
「ほほほ。悪くない技でしたよ。フェニックスの炎を極限まで圧縮し、敵に当てると同時に爆発させる。いやはや、肝を冷やしましたぞ」
そこには無傷のヴィザが何事もなかったかのように立っていた。
「っく…かすり傷すらつけられないのか……」
「いえいえ、貴方は強くなった。私も一瞬人工神器を使ってしまいました。取り敢えずはここまでで特訓は終了です。頑張りましたねライザー殿」
そう言ってヴィザは悔しそうに膝をついているライザーの肩に軽く手を乗せた。
───────────────────
「って、てめぇなんで!?」
「なんで貴方がここにいるのライザー!!」
「……別に俺がここに居ようと君には関係ないだろリアス、赤龍帝」
特訓が終わり、闘技場中央へ向かうと真っ先にイッセーとグレモリーがライザーへと敵意を向けた。それに対して彼はまるで少し前の諍いがなかったかのように応える。
「っな!てめぇは部長のことを!!」
「なぁ?彼はイッセー達の知り合いかい?」
今にもライザーへと飛び掛からんとするイッセーとは違い彼の素性を唯一知らないゼノヴィアはコテンと首を傾げた。
そんな彼女に対しシノンとユウキが彼について話し始める。彼女の顔は次第に曇って行き、話が終わる頃にはライザーに対して冷たい視線を向けていた。
「と、いうわけよ」
「そんな彼がどうしてここに?」
冷たい視線をそのままに彼女は俺に対して疑問を投げかけた。
「ああ、それはな「強くなる為だ」だそうだ」
応えようとした俺の声を遮りレティシアからタオルを渡され身体を拭いていたライザーがゼノヴィアの問いに答えた。
「強く?」
「ああそうだ。あの時俺は負けた。不死の力を持つフェニックスこそ絶対であり最強。俺は何の疑いもなくそう思っていた。赤龍帝に負けた時もそうだ。まぐれだと……偶々だと自分に言い聞かせ無様にも暴れようとした」
自嘲しながら話す彼は一呼吸置くと今度は俺へと視線を移す。
「だが、あの時知った。不死は……フェニックスは絶対ではない事を。あの黒き鬼の龍に嫌という程理解させられた」
彼の拳が不意に強く握られる。
「理解すれば怖くなった。死という概念が。今まで感じなかった恐怖が俺の身を襲って来た。気がつけば俺はただあの鬼の龍から逃げだしたんだ」
だが!と彼は両手の拳を胸の前で合わせる。
「あの鬼の龍に気付かされた。逃げていたところで何も変わらないということに。そして、死から逃れたいのならば強くなれと諭された!」
合わせた拳を降ろし俺へと向けられた視線が一層強くなる。
「だからこそ、俺は強くなる。そしていつかレーティングゲームで貴方を倒すほどの大悪魔になってみせる!!!」
そう言うと彼は視線を俺からグレモリー達へと移した。
「謝罪はしない。あれは互いの家が決めた事項だった。だからこそ俺はお前らには謝らないぞリアス。だが……俺は変わるぞ。もう油断はしない。もう驕ることは辞めた。次やり合う時はもうお前達には負けはしない。覚えておけ。先のゲームの借りはいつか必ず返す!」
そう言うと彼は魔法陣を自身の足元に展開させる。
「っつ!?待ちなさい!!」
「ヴィザ翁此度の特訓感謝する。また機会があればお願い致します。そして……八幡殿。変わるきっかけを与えて頂き感謝します」
そして制止の声をあげるリアスを他所に俺たちへと礼をあげるとその姿は消えていった。
後に残ったのは変わったライザーに対してこれからの期待を持つ俺たちと、複雑な想いを胸に込めたグレモリー達だけだった。
いかがでしたか?
次回はそこそこ話が進む予定(*´Д`*)
感想お待ちしております。
ではでは