魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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プロフィール投稿からしばし経ちました……


ちょっとしたリハビリを兼ねて文字は数はそこまで多くありませんがお許しくだされm(__)m


とりあえずリハビリは完了した!
次は長文で話を盛り上げていかばんだ!

というわけでリハビリ話どうぞ……









新たな予感

 

 

 

「あいにくと今は今宵の準備で人が出ていて使用人の類は私しかいないのでな」

 

闘技場から自宅へと戻る途中、レティシアから今日の夜の予定を話されたことにより俺のテンションはだだ落ちしていた。

 

人目に触れないように裏道を通ってはいるが、この街の美しさは裏道にも抜かりはない。途中で子供や警邏隊達とすれ違いながらも自宅へと歩を進めるが、俺たちの後ろについて歩くグレモリー眷属達は俺以上に暗い顔をしている。

 

理由は言わずもがな。

ライザーとヴィザの戦闘である。

 

おそらく、今のグレモリー眷属ではヴィザにあそこまでの力を出させることはないだろう。実際に稽古を受けたことがあるが故に彼女たちは俺の眷属の実力を大まかな形ではあるが知っている。

それが余計に自分たちとライザーとの差を見せつけられる形となったのだ。

 

《まぁ、いいきっかけでしょ?正直今の彼女達すこぶる弱いよ?それこそ、赤龍帝なんて禁手すらできてないんだから》

 

そんな彼女達を見て阿朱羅丸はケラケラと笑っている。クルルは彼女達に関しては何も言わないが、おおよそ思っていることは同じだろう。あるいは、何も感じていないのかもしれない。

 

《後者よ》

 

あ、そうですか……

 

もはや常識レベルに読まれる心を空高く投げ捨てつつ、先程闘技場でリアス・グレモリーが放った言葉を思い出す。

 

 

『大丈夫よ!イッセー。ライザーなんかには負けないわ!貴方もいるし、何より私達はあの時よりも強くなっているんだから!』

 

 

彼女からしてみればただ苦し紛れに出た言葉か、イッセーを盲信しての言葉か……

 

しかし、彼女はそういいながらも、その言葉には力は篭っていなかった。

 

自分を奮い立たせるため?

自己を保つため?

それとも眷属達のため?

 

いずれの理由かは定かではない。

 

 

でも、アレは自身を騙し、眷属すら騙そうとする行為だ。

王としてああいう風に振舞わなければ、とさせるのは生まれが貴族だからか……

 

ただ、俺はそれは好きにはなれなかった。

 

他者に対して自分を偽り、奮闘させるために言葉を吐くならわかる。

だが?彼女はそれを眷属達に言った。

何故?

眷属は家族ではないのか?

少なくともグレモリーが言うところの、慈愛を持って接する相手とはそういう形であるはずだ。

家族に対してすら自己を偽るというのならそれはもう………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がかつて嫌っていた

欺瞞である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッゴフ」

 

「捻くれた考え方しない」

「ほっほ、奮起のさせ方は人それぞれですからな」

 

そんなことを考えていれば、もれなくシノンの肘鉄とヴィザの言葉が俺にクリティカルヒットしたのだった。

見れば他の眷属たちも苦笑いやら、ジト目やらしている。

 

お前ら、その仕方ないなぁって顔やめろ。ってかなんでゼノヴィアもそういう顔してるんだおい。

 

《仕方ないと思うよ(わよ》

 

 

俺に援護はなかった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に着けばレティシアが言っていた通り普段はそれなりにいるメイド隊や執事達はおらず、出迎えたのは……

 

「ちょ!?こっちにくんな!?おい、ちょ、まっ?うぉぉぉおおおおお………」

 

 

大量の動物達だった。

 

 

「フリード…轢かれた」

 

「フリード、動物には好かれてる」

 

ユウと恋は雄達に轢かれていくフリードを見ながら既に手元に抱き上げた動物を撫でている。

他の面々を見ればそれぞれの足元や手元には動物達がおり各々可愛い出迎えに対してやや頬を緩ませながら手触りのいい動物達の毛を堪能していた。

 

そんな眷属達を見る俺の元へはというと。

 

 

『ワフッ!!!』

 

2匹の犬が力強く吠えたかと思えばおすわりの姿勢で俺の前で待機している。

毛艶も他の動物達とは比にならないほど艶めいており、それはどこか神秘的にすら感じた。

 

 

……この犬。珍しく阿朱羅丸が連れてきたペットであり俺の使い魔?であったりする。

 

けれども、普段呼ぶことはない。

可愛がることはするが基本的には広い自宅内で我慢してもらっている。

理由はなんか出したらやばい気がするから。

阿朱羅丸が持ってきたものにまともなものがあったことなどない。

 

 

ふわりと2匹の頭を撫で、グレモリー達のことをレティシアへと任せ俺は自室へと向かう。シノン達も各々やることがあるのか自身の部屋へと向かっていった。

 

 

 

 

 

アダム独特の匂いが漂う廊下は、ただそこを歩くだけで心を落ち着かせ、生物に安らぎを与える効果がある。

そのためか、この後に億劫なことがあるにもかかわらず、今はこうしてゆっくりと気持ちを落ち着けさせられている。

 

そんな落ち着いた時間を堪能しながら、自身の部屋を開ければ見慣れた空間が広がる。

 

こんな大きな屋敷に相応しくない、至って普通の高校生のような自室。違いがあるとすれば、やや広さが広いだけだった。

 

すぅ、っと軽く息を吸い込めば嗅ぎ慣れた、いわゆる自分の匂いというものがする。

 

吸った分をふっと吐き出せば、肩のにも降りた気がした。

 

帰ってきた…

 

 

この部屋に来てようやくそんな気がする。

 

やはりパーソナルスペースというのは大事なものだと、こうして帰ってくるたびに思う。

こういった自室があるから気を休めることができるのだ。

 

 

 

 

 

「ーーーーー」

 

そんなことを思いながらも無言の視線を感じ振り向けば、ふわりと窓から風が入りカーテンが揺れ動いた。

 

俺自身が開けたわけではない。

ましてや使用人達が開けっぱなしにすることなどないだろう。

 

その証拠に1つの封筒が窓際に置いてある。

拾い上げそれを開いてみれば

 

 

"冥府と禍の団にうごきあり"

 

 

簡潔な一文のみが書かれていた。

 

《冥府にもねぇ。あの骨組み、また面倒なことしそうだよ》

 

《一回解体(バラ)してから組み直すべきかしら?》

 

それを見れば阿朱羅丸とクルルが物騒なことを漏らし、思わずため息が出てしまう。

 

禍の団に関していえば予想通りなのだが、冥府に関しては少しだけハズレた。

 

 

「もう少し大人しくしてると思ったんだがな……」

 

冥府を仕切るハーデスは馬鹿だか阿呆ではない。アレでもオリュンポスの三柱神の一柱なのだ。だからもっと機を見ると思ったのだが……

 

《機を急ぐ理由ができたか……》

 

《会談で私たち2人をバラしたせいかもしれないわね》

 

あの骸骨は自分達と人以外に対し排他的である。特に冥府の頭上に住んでいる者達、即ち悪魔と堕天使については特に毛嫌いが激しい。

 

その一角に鬼呪龍神皇が入ったとなれば焦るのも分からなくはない。

しかもそこに吸血の始祖であるクルルもいるのだ。下手をすればそれこそ新しい勢力を築けるほどの量の吸血鬼を生み出されるのではと勘ぐった可能性もある。

 

 

「働きたくねぇな……」

 

切に願うことである。

 

『ハチは働くよ(わね)』

 

鬼2人から完全否定である……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、面倒臭いでやんすねぇ」

 

「…………」

 

 

魔王の女王が吸血鬼2人と戯れている頃、冥界の端では2人の悪魔が死体の山の上でナザリックの方を見ながらため息を吐いていた。

 

「あの老害どもは相変わらずの悪魔嫌いでしたしねぇ」

 

「………」

 

フードを深くかぶった少女の呟きにもう1人は答えない。

 

 

「はぁ……働きたくねぇでやんす」

(働きたくねぇな……)

 

奇跡的にもナザリックにいる女王と言葉がかぶる瞬間であった。

 

 

「まぁ……ハチさんのためならこのくらいするっすけど」

 

そんな言葉とは裏腹にその瞳はまるで子供がヒーローに憧れるかのように爛々と輝いている。

 

いや、現に彼女にとってはヒーローなのだろう。彼女の愛用のマントの裏にはかつて八幡と阿朱羅丸が考えた彼らの文様が描かれており、さらにはその下にサインらしきものが書かれていた。

 

 

「早く聖地に帰りたいでやんすねぇ」

「……zzz」

 

 

そう言いながら死体の山の上で足をばたつかせる彼女とは違い、もう1人は眠いのか寝てしまっている。

 

 

実際先ほどまでは暴れていたが、それが終われば無言になっていた。

流石に3徹で動いて入れば眠気に負けるのだろう。普段は喧しい彼女もこうなって入れば可愛げがある。

 

「まぁ……あっしから言われせてみれば、その胸はもぎとれればいいと思うでやんす」

 

 

やや嫉妬まじりの視線を向けるも、ピクリと何かに気がついたのか視線を元に戻した。

 

「動きやしたか……ではお仕事再開と行こうでやんす」

 

そう言って横に差していた鎌を抜き取りクルクルと器用に手と腕の周囲を回していく。

 

ガチャン、と手で握りしめ視線を隣へ移すと

 

 

隣で寝ていた彼女はおきていなかった。

 

 

 

「はぁ……あっし1人でやるでやんすか」

 

 

ため息を漏らしながら地を蹴れば、音速に匹敵するのではと思うほどの速度で距離を詰めていく。

 

 

目指すその先には…

かつて駒王学園を襲った合成獣の群れが暴れていた……

 

 

 




次回!
若手会合
ハチの眷属たちがはっちゃけます!





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