魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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先に言おう。
今回は前書き2000近くある上に
本文がある。

前書きを別話として投稿しようとしたが。
絶妙に一話投稿するには短すぎて、他と一緒にするには長かったからいっそのことと思い前書きに入れ込んだ。

前書きも楽しんでくれるといいな!

では前書きスタート!




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「よっよっ……っよっと」


明るい声に聞こえるが、その光景は決して明るくはなかった。1本1本がそこらの魔剣や聖剣を上回る斬れ味を持つそれである。
それをまるでジャグリングするかの様に回している上にユウキは目を瞑っているのだから、見る人が見れば肝を冷やすだろう。

しかしそんな様子を気にも止めずに各々が自己の精神集中に意識を向けていた。


恋はその肩に戟をたてかけ空を眺め

ユウは獣耳を生やしながら瞑想し

シノンは銃を一度バラしながら確認し

阿伏兎は編笠を傍らに壁に寄りかかり

クロメは刀の手入れをし

フリードはクルクルと銃を手元で回し

マギルゥは本を読み

リタはパソコンをいじり

ゼノヴィアは刃禅をし

ヴィザはただ八幡の横に控え

黒歌は猫の状態で八幡の膝の上で丸くなり

そして……






「うぉぉぉおおお!やるっすよーーー」

ミッテルトは腕をブンブン回しながら瞳を輝かせていた。





各々が各々の準備をしている中


「さて……それじゃあ担当を決めるか」

小さく呟いた八幡の声は、それだけで全員の視線を集めるのには十分だった。
















『それではレーティングゲームを開始します。転移開始1分前。参加者は速やかに準備をしてください』



グレイフィアがアナウンスをするとともに新人達に緊張感が走る。

当然だ。相手にするのはセラフォルーの女王率いる眷属達なのだから。

だが、その緊張感を一際強くする存在が他にもいたのもまた事実である。

それは……

「コォォォオオオオ」

仙気を纏いながら息吹行う小猫と

「・・・・・」

ただ1人眷属も連れずに参加し今尚背後に陽炎を起こしているライザー


そして……


「勝てるとは思いません。ですが1人でも落としましょう」

約1ヶ月前とは明らかに違う魔力を纏うソーナ

この3名の変化にその他のメンバーは戦慄を覚えざるを得なかった。



















ー転移完了ゲームを開始しますー








「さて、当たりを引いた様だが期待値は如何程なものか……」

そう言って無精髭を蓄えた男は同僚の元から飛び立ち目標へと向かっていく。

その先にあるのは……




「おらぁぁぁああああ!!!!」

「っな?!!?!?」

轟音と共に着地した男は手に持つ番傘を振るい周囲へと甚大な被害をもたらす。

それに咄嗟に反応できたのは1人。
強襲された者達の主人ただ1人だった。


「っはっはー。さぁ、やろうじゃないかルーキー」

「っつ!?阿伏兎殿!!」

黒髪の青年。
若手最強と名高いサイラオーグの前に、彼以上の徒手空拳を持つ者。

2大傭兵が一角
夜兎の阿伏兎が立ちはだかった。





時同じくして別の場所でも、それぞれの会合がされていた。





「にゃははははは。よろしくねぇ?白音」

「・・・・」

「っちょ?!!?無言で気弾の打たないで?!!?!」

姉妹は前日の続きが始まり





「悪いけど赤龍帝、君の相手は私が務めさせてもらう」

「上等だ!」

女王は今代の赤龍帝の前に立ちはだかり





「さーて、あの頃からどれだけ強くなってるかなぁ?かな?」

「今回は小猫ちゃん無しでボク1人か。でも簡単に負けません」

聖魔剣の使い手の前には絶剣の異名を持つ剣士が剣を抜き





「きひひひ俺っちも暴れるかぁ」
「フリード邪魔」

「っ、貴方達が相手ってわけね」
「リアス油断しない様に」
「あわわわわ」
「ふ、2人も来たですぅ??!!!?」

残ったグレモリーおよびその眷属には、敵眷属の中でも最悪の中の悪さが目立つ2人が並び立ち





「さてさて、若手会合からのあなた方の進展。ここで見極めさせて貰いましょう」

「てっきり貴方はハチくんの側に控えると思ったんですが、私達のところですか」

「ええ、我が主人は申した『見極めろ』と。であらば、私はあなた方を見極めなければなりません。ソーナ嬢」

「各自後退。生半可な攻めや守りはヴィザ翁には悪手です。最初から出し惜しみせずに他の若手と合流を優先します」

魔王の妹は魔翁を前にもしても冷静な判断を下し





「さーて!うちの相手はあんたっすか!」

「堕天使の転生悪魔か。第1戦にはいいだろう」

「うちをなめないほうがいいっすよ?」


不死の鳥は自身の種族が苦手とする光を使う者を相手取る。




それでも尚



「ほら?逃げなくていいのかしら?一瞬で終わるわよ?」

「な、何よこんなのはんそ…きゃぁあああ」



その眷属は猛威を振るい



「、、、次」

「な、なんだこいつは?!なんで攻撃が効かないんだよ!!??っぁぁああああ??!??!?」



それを止める術も持たない者達は




「………」

「…………」ピクピク 

「……つまらない」





瞬く間にやられていく。


そう力なき者達は……


「暇だなぁ」
「そうじゃの」
「そうね」



かの王はおろか、その王の周りで待機する2人の眷属にすらたどり着けはしないだろう。





【開幕】

 

 

 

「っはっはー。いいねぇ。その気迫、その膂力。徒手空拳に賭ける思い。悪くないぜ」

 

 

「っく。こちらの拳を容易く受け止めるか」

 

 

男と男の語り合い。

 

そう呼ぶにふさわしい闘いがその場では行われていた。

 

互いに使うのは五体のみ。

普段手に持つ番傘を地面に突き刺し置き去りにした阿伏兎は、その腕っ節を持ってサイラオーグを圧倒していた。

 

 

「さぁて、ここでクイズだ。無抵抗で俺に殴り飛ばされて退場させられるのと。抵抗して俺に蹴り飛ばされて退場するの。どっちか選べ」

 

 

そういう阿伏兎の顔は嗤っていた。

 

「っつ、ぉぉぉおおおおおお!!!」

 

そんな阿伏兎の問いを無視して己の拳を振るうサイラオーグ。

眷属は会合した瞬間に退場させられもはや1人となった。それでも逃げるという文字は彼にはない。目の前に自分以上の徒手空拳の使い手がいるのだ。ここで挑まずしてどこで挑むのか。

 

果敢にも前へと進むサイラオーグ…だが。

 

 

「ん?どっちにしても退場させられるっ?別にいいじゃないか。たかがクイズだろ?」

 

その拳は無慈悲にも繰り出された蹴りによって吹き飛ばされる。

 

 

そも、魔力を持たないサイラオーグにとって、阿伏兎はある種の天敵である。

 

なにせサイラオーグ唯一の武器ともいっていい徒手空拳において上回られているのだ。

 

夜兎の膂力と長年にわたる戦いの中で生まれた判断力はサイラオーグのそれと比べるまでもない。

 

だが……

 

「まだ……だぁ!!!」

 

だからこそ、サイラオーグは折れない。

不利などいつものことである。

どんな時だって魔力を持たない自分は不利な立場なのだ。

今回だって不利という面では何も変わっていないではないか。

 

故に突き進む。

努力の悪魔とも言える彼は。

否、彼だからこそ、誰よりも諦めずに、誰よりも最後まで挑み続けていく。

 

 

そんな彼の雄姿に阿伏兎はニヤリと口角をあげた。

 

 

「いいねぇ。若い芽が順調に育ってる様で。最近ヴィザの気持ちがわかる様になってきていけねぇや」

 

っま、だからといって負けてやる気はないがな。

 

そう言って阿伏兎は拳を握りなおした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、始めようか。赤龍帝」

 

「っは!きやがれ!」

 

 

ガチャリ、と地面に突き刺したデュランダルを抜き放つゼノヴィアに対し、赤龍帝の籠手をつけた左腕を前に出す兵藤。

 

その顔はニヤついており、明らかに不穏なことを狙っている。

 

 

そんな兵藤の様子など構いもせずゼノヴィアはその場でデュランダルを構え

 

「ではいかせてもらおう」

 

「っぅぉぉおおお。って、え?」

 

力のままに振り下ろした。

瞬間変態の感か、或いは赤龍帝としての危機察知能力か、瞬時に横に飛んだ兵藤は自身が先ほどまでいた場所を見て戦慄する。

 

ただ一線。

 

ゼノヴィアの元から続く割れ目。

自分のいた場所まで伸びるそれは彼の顔から血を引けさせるには十分だろう。

 

 

「デュランダルは他と違い純粋な力に特化した聖剣。であれば戦い方はそれを中心に置きながら展開するのが望ましい」

 

そんな兵藤を無視し語るゼノヴィアだが、彼女の持つデュランダルが黒い光を放ち始めた。

 

 

「即席の剣術などチャンバラ。剣術の腕は日々積み重ねるしかない。であれば自分に必要なものは何か。同じ剣士であるユウキにヴィザ翁にクロメに無く、自分にある長所とは」

 

それは木場の持つ聖魔剣とは比べほどにならないほど禍々しく

 

「それすなわち一撃の破壊力。今の段階では全力ではなっても山の一部を両断するくらいだが、ユウの拳と同じく、いずれは山を消し飛ばす威力を放ってみせる」

 

先の戦いで見た聖剣よりも輝かしかった。

 

「さぁ、こい赤龍帝。先の戦いではタンニーンに勝てなかったが。まずは龍繋がりで君を倒させてもらう」

 

そう言って繰り出される無数の重撃。

一太刀でも食らえば潰されかねないそれを、兵藤は慌てて倍加させて足で逃げていく。

 

 

「そ、そんなのありか!??!!?」

 

「そんなのありかだと?こんなもの可愛いもんだろう!!!!ユウはなぁ、ユウキ達はなぁ。あんなにも、あんなにもぉぉおおおお」

 

「っちょっ!?なにを???!??!?」

 

 

その途中心の声が漏れ出すゼノヴィア。

覚悟を決めていたとはいえリタ達によるデスマーチはトラウマといってもよいモノとなっていた。

 

 

「っ、そこぉ!洋服破壊(ドレスブレイク)!!」

 

「っはぁぁああ!!!」

 

「うそーーん?!!?!?」

 

 

そんなゼノヴィアに対し兵藤とて逃げるだけではない。得意の女性特攻(ゲスの極み)を発動するが、それはあっけなく斬り伏せられる。今まで防がれることのなかった女性特攻(ゲスプレイ)を防がれたことに思わず声を上げてしまう。

 

 

「こんな技!フリードの幼子の悪戯(チャイルドトリック)に比べればただのセクハラ行為だ!」

 

 

むしろただではないセクハラ行為とはなんなのか。そんな言葉が頭によぎるが相手はあのフリードである。想像で勝てるはずがない。

そもそも兵藤とは違う意味で頭のネジが外れている相手なのだから。

 

「思い出したらムカついてきた!フリーーードォォォオオオオオ!!!」

 

「俺はフリードじゃねぇぇえええええ??!?!?」

 

 

兵藤の抵抗は虚しく。

結果として火に油を注ぐ結果となっていた。

 

 

『相棒、このままじゃ勝てんぞ?』

 

そんな中、唯一冷静を保っていたのが彼の中にいるドライグである。

 

「っても、どーするんだよ!!」

 

『使うしかあるまい。俺としては認めたくないが、至ることはできているのだから。認めたくはないが』

 

「2度も言うことかよ??!」

 

 

本当に不本意そうに言うドライグに対し、逃走に必死な兵藤は心外だとばかりに話しかける。

 

「ほう?余裕そうだな?」

 

そんな様子を見てさらに攻撃の手を強めるゼノヴィア。兵藤にはドライグの言う手しか残っていなかった。

 

 

「っくそ。まだなりたてで長くできねぇが。仕方ねぇ!!!」

 

部長からも使い時を考えるように言われているが、このままでは使わずに落ちてしまう勢いである。

 

「いくぞドライグ!!!!」

 

禁手(バランスブレイク)

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 

 

瞬間兵藤はライザーと戦った時同様の鎧に包まれていく。

 

 

「ほう」

 

それを見たゼノヴィアは一度後退する。

初見の相手に対してまず伺う。

恋のペット達を相手にした時嫌という程叩き込まれたことである。

 

「いつのまに禁手化(バランスブレイカー)を?」

 

 

素直に出てきた疑問。

この短い期間に禁手化(バランスブレイカー)という神器のある種極みに到達したことに感心するも

 

 

「部長の乳首を押したんだ!至らないわけがねぇだろ!!!」

 

返ってきた言葉に失望する。

 

「……ないな」

 

『やめろぉぉおおおお!!!そんな切実な声で言わないでくれぇぇええええ!!!』

 

そうして思わず出た言葉に過敏に反応するドライグ。彼からしてみれば不本意ここに極まれりなのだろう。

 

 

「今はもう天界陣営ではないが……やはり君は一度浄化された方がいい」

 

そう言ってデュランダルに先ほど以上の魔力を送り込む。

 

「っは!この状態ならお前の剣も怖くねぇ!」

 

対して兵藤は一瞬で限界まで倍加する。

 

ここに八幡の女王とリアスの懐刀との激戦が幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっちは面白そうだねぇ」

 

リアスからすれば1人でも落として勢いに乗りたい場面であろうこの場所で

 

「それにしてもさぁ木場くん」

 

しかし現実は非情である。

 

「君この1カ月なにしてたの?」

 

近くの岩場に腰をかけたユウキは倒れ伏す木場を眺めながらつまらなそうに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその近くでは。

 

「こんなものかな」

 

パンパンと手を払う少女と

 

「っぐ………」

 

膝をつくグレモリーと姫島

 

 

 

そして………

 

 

「きひゃ♪」

 

楽しそうに銃を回すフリードの側には

 

 

 

「あわわわわわ」

「はわわわわわ」

 

 

震え、抱き合うアーシアとギャスパーがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




三本投下!
今日はもう寝る!


レーティングゲーム遂に開催、

今後はグレモリー、ソーナ、サイラオーグ、ライザーを纏めてかければなぁと思いつつ。
レーティングゲームの終わらせ方も考えてますのでよろしくなのです。

黒歌の細かい話は小猫vs黒歌編でやるからよろしくにゃ!

ではでは!お休み!!!

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