魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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当日公開でした!w

短いけど次へと繋がるための話だからw
(同日、それも短いスパンで2つあげてるので飛ばし読み注意で)

あとがきも読んでくれると嬉しいな☆




ゲーム後の日常LAST

 

 

 

「悪魔生〜色々花咲けば〜あよいしょ、酒を注いでは呑み飲まれ〜、酒を注いでは呑み飲まれ〜」

 

 

朝、機嫌の良さげな声が温泉に響いていた。

みるものが見れば見目麗しい少女が湯に浸かって歌っているように見えるが、その者の年齢はヴィザとタメである。

 

それ故に一緒にはいっているものは死んだ目をしながらその歌を聴いていた。

いや、目はもともと死んでいるが。

 

 

「はぁ…相変わらず突然きて無理やり付き合わさせるのはやめてくれませんかねぇ?」

 

八幡は普段と変わらない瞳をジト目にし合法ロリへと言葉をかける。

相手の姿に反応はしない。

歳も歳だし、何より慣れた。

慣れとは怖いものである。

 

「っかっかっか、良いでわないか。今に始まったことでもなし。それに我とハチ坊との間で間違いなど起ころうはずもなかろう」

 

愉快げに笑うニオは両手を広げ存分にアダム温泉を堪能していた。

 

 

「俺が眷属にどやされるんだよ」

 

「あやつらももう我相手には諦めておろう?そも、ヴィザやわしがおるからある程度の自由がきくのじゃ。このくらいは許容せい」

 

 

ニヤニヤと笑うニオ、若手会合の時に見せた厳格な態度などそこにはなかった。

 

 

「この風呂は良い。このような見た目じゃが中身はもはや年寄り。そんな我の中まで若返られるような湯じゃ。そこにお気に入りと入る。なんと至福なことか」

 

「俺はおもちゃのアヒルかなにかか」

 

「っかっかっか、お主がおもちゃでおさまるタマかの?いつも我の予想を上回る動きをする。ヴィザの件といい、いつ会っても飽きぬ男の子よ」

 

そのやり取りは旧知の仲すら思わせた。

 

 

「それで、ハチ坊。動きは掴めたかの?」

 

緩めた表情のまま、視線だけ真剣にニオは問いかける。

 

「ああ」

 

そんな彼女に対し短く返事を返せば彼女の顔はより一層愉快げに歪んだ。

 

 

「そうかそうか。それではもう時期というわけか?」

 

「ええ、間違いなく近いうちには」

 

「つまりは久々に我も戦えるか。滾るノォ」

 

 

「はぁ」

 

八幡から思わずため息が出る。

ヴィザもそうだが、どうしてこの年代の者達は自分にここまで正直なのか。

ヴィザにしろニオにしろ戦闘狂の気がある。

そうでない者でもこの年代の者達はクセが強いのだ。リリンしかりである。

 

 

「それに、その時は原典(オリジン)所有者も動くのであろう?」

 

ピシリ。

ニオが言葉を発した瞬間、空間に亀裂が入るかのように空気が張り詰めた。

 

 

「何故それを?」

 

「っかっかっか。そんなに警戒するでない。なにも彼奴をどうこうしようなどせんよ。ただ、お気に入りの子の動きは見ておきたくなるものであろう?」

 

 

「つまりは、元から知っていたんですね」

 

 

ストーカーめと呟きながら諦めたようにため息を吐くと、空間の軋みが嘘のように解けた。

 

 

「我に隠し事ができる存在などいないからノォ。それこそ無限や夢幻であろうと……の」

 

勝てるかどうかは別じゃがのー、っと軽く言うが八幡からすれば心臓に悪いことこの上ない。

 

 

「それに、それを含めて我がハチ坊の後ろ盾となっておるんじゃ。じゃから入浴(趣味)くらい付き合わんか」

 

軽快に笑いながら言う彼女に対して反論できない八幡。

セラフォルーの眷属とはいえ、元老院が手を出してこないのは八幡の強さ以上にニオが後ろ盾となっていることに他ならない。

それをわかっているが故に彼はニオに大きく出れず、また……

 

 

「さて、そろそろ出るぞ!出た後はドリンクじゃ!フルーツ牛乳が我を待っている!」

 

この裏表ない満面の子どもじみた笑みを見ては、中身が年寄りとわかっても許してしまう。

 

 

「ほら、行くぞハチ坊!なにをしておる。主は今日帰ってしまうのじゃ。存分に我に付き合うのじゃ」

 

この人のノリや感じは、素直になったあいつの姉を思い出してしまう。

だからこそ、嫌いになんてなれないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、ひきぎゃ、ひきぎゃや……ゆい……あじゃ?ぐぎゃぎゃ、ぐげぇ、グゲェギャギャギ」

 

 

 

とある地下室にてそれは呻いていた。

もはや支離滅裂になっており、理性はほとんど感じられなかった。

 

 

 

「はぁ、これで完成。まぁ、使っても彼らにはほとんど意味のない獣だけど。ここまで理性も無くなって、姿形が変わってくれると私としては情も何も生まれなくて助かるけど」

 

 

まるでゴミを見るような目で獣を一瞥した女性はつまらなそうにため息を吐く。

 

 

「そーそうくんもシャルバくんも動くみたいだけど。無駄なのにねー。彼に勝てる存在なんて居ないのに」

 

自身が所属する組織のメンバーにもかかわらず、彼らに対して容赦のない言葉を呟く。

 

 

「ようやく手に入れた自由。謳歌しなきゃ損ってもんだよねー」

 

ニコニコと笑う顔は心の底から笑っており、楽しげだった。

 

「さぁさぁ、完成っと。後はこれをシャルバくんに届けたらお仕事しゅーりょー。本当にお姉さんは疲れちゃったよ」

 

ぐいーっと体を伸ばしながら完成した報告の連絡文を飛ばす。

 

 

「ふふ、もうすぐ会えるねぇ。君はどんな顔するかな?驚き?悲しみ?私がやったことを知ったら怒ったりするのかな?楽しみだよ八幡くん。君に会えるのが」

 

 

 

今また1人。

自分に正直に生きる者が動く。

おのが目的を果たすために。

 

その先にあるのは何か。

 

バットエンドかハッピーエンドか。

 

 

いずれにしろ歴史は動き出した。

 

 

 

NEXT!

 

New chapter entry

〜絶対人外戦線〜

 

 

 

 

 

 

 

 





次回新章突入!

このSSを投稿し始めて1.2を争う書きたかった章

時間かかるかもですが、じっくり書いていきますよー






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