魔王少女の女王は元ボッチ?   作:ジャガ丸くん

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ふぅε-(´∀`; )

1日ペースで書くことを目標に頑張ってます。

そんな作者に感想を書いてくれている方々本当にありがとうございます。それが作者のパワーの源ですw

ではでは約束通り長めの本編へどうぞ





《終》やわらかチキン解体術

ソーナ side in

 

 

 

レーティングゲーム始まり戦況は私の予想に反してリアス達が優勢だった。真っ先に騎士と戦車が1名ずつリタイアした時はどうなることかと思ったが、彼女達を除けば正にリアスのペースそのものだった。今は相手の先兵を幻術にはめ、結界の中に封じ込めている。そうして先兵達を他の敵と引き離し、確実に倒しに行く戦略なのだろう。現れたのは騎士である木場祐斗君だ。

 

「やぁ」

モニターの中で笑顔でライザーの眷属達に祐斗君は話しかけるがその手には1本の剣が握られている。

 

「これで私達を嵌めたつもり?」

 

「たった1人で私達に勝てるとでも?」

 

そう言うライザーの眷属達には余裕がある。

当然だろう。数で優っている、相手はレーティングゲーム初体験。私もそう言う状況であったならそう思う。だが、知っている。数分前に知らされている。彼らのことをこの10日間鍛え抜いた者たちがいることを。だからこそ、私は確信していた。この状況で木場君が負けることはないと……

 

「そうだね……少し前の僕なら……もしかしたら勝てなかったかもしれないね……」

 

そう言って彼は自身の手に握られた剣を見る。

 

「結果を……目的を果たすことを考えて、それだけの為に生き永らえてきた。それを遂げるためだけに強くなろうとしてきた……」

 

彼が何を言っているのか私にはわからなかった。目の前にいる彼女たちも同様らしく、何を言っているんだとばかりに彼をジト目で見つめていた。ただ八幡君とヴィザ翁だけは木場君の言葉を聞き、少しだけ雰囲気が変わっていた。

 

「でも、ユウキさんと剣を交えて……ヴィザさんに言われて……僕はようやく理解できた。ようやく僕の中でしっかりとした1つの解として纏まったんだ。だから焦らないことにしたよ。今はただ……部長の為に君達を倒す‼︎」

 

そこまで言うと木場君は一瞬で敵の間合いに入ると1人を切り伏せる。

 

「「なっ⁉︎」」

 

目の前にいた相手が突然消えたからか、或いは隣にいた仲間が突然切られたからかライザーの眷属は目を見開きながら声をあげる。

 

「遅い‼︎」

 

突然の衝撃から我にかえり反撃に出ようとした2人だったがそれは結局できずに終わる。

反撃に出るよりも先に木場君が2人のことを斬り伏せたからだ。ライザーの眷属3人を斬り伏せた彼は剣についた血を払うと何事もなかったかのように走り去る。ただその場にグレイフィアによる実況放送のみが響くのだった。

 

「凄いですね……」

 

一瞬と言ってもいい出来事に思わず感嘆の声が出てしまう。

 

「ええ、見事な腕前です。10日前とはまるで別人ですね」

 

私の言葉に返してきたヴィザ翁の口角は僅かながらあがっていた。

 

「嬉しそうですね」

 

「私が直接見てはいませんが、やはりそれなりの活躍をしてくれるとこちらとしても嬉しいものです」

 

八幡君もそんな風に思っているのだろうか?

ヴィザ翁の発言に八幡君はどうなのだろうと思い彼を見てみると顔を顰めていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、まぁな……」

何故か木場君が活躍しているのにその様子はどこか浮かなかった。

 

「アレですよ」

すると横から椿姫が指をさしながら私が見ていたのとは別のモニターを指差す。

 

「……えっと、どういう状況ですか?」

 

「ふむ。イッセー殿が歓喜の声をあげていますが……」

 

そのモニターには裸の女性達とそれを見て歓喜の声をあげる兵藤君がいた。映像の隅には塔城さんが物凄く不快そうに彼を見ている。

 

「イッセーの奴が洋服崩壊(ドレスブレイク)とかいう技を使って相手の衣服を粉砕しやがった」

 

「え⁉︎」

 

八幡君から告げられた衝撃の事実に私は思わず声をあげる。映像の中では裸にされたライザーの眷属達が兵藤君に対して罵詈雑言の限りを彼へ向けていた。

 

「アレは八幡殿の仕込みですか?」

 

ビクンとヴィザ翁の言葉に私の身体が震えた。八幡君が教えた……八幡君にそんな趣味が……そうしたら私はどうしよう……いや、むしろ八幡君にならいくらやられてもいいのだけど、でも……

 

 

「んなわけねーだろ」

 

ボンっと八幡君の言葉に私の頭がショートした。わ、わわわわわ私はいったい1人で先走って何を考えてるの⁉︎急激に巡ってくる羞恥に顔が赤くし、身体を熱くさせる私をよそに八幡君は言葉を続ける。

 

「俺はただ、あいつに欲望に素直になれって言っただけだ。それがあいつの中でああいう結果になったってことだろ。今代の赤龍帝は最低だな……まぁ、一発でああいう形とはいえモノにできる点、変なところは優秀だな……最低なことに変わりはないが……」

 

「確かに……倫理的にどうかと言われれば顔を背けてしまいますが、女性限定とはいえ強力な技であることには変わりありませんね。まぁ、それもまた相手によるでしょうが……」

 

「だな。普通の女性が相手なら無力化できる強力な技ではある。逆にそれをすることによって殺意を強め向かってくる相手もごく稀にいそうだがな……」

 

「うちの女性の方々のことですか……」

 

「…………」

 

八幡の言葉を受けヴィザ翁は冷静に技の分析をしている。いや、冷静にならないでください。あれ最低な技ですから……

八幡君も八幡君です。

あと、ヴィザ翁の言葉に黙らないでください。

なんか怖いです。

でも確かにユウキちゃん達なら恥ずかしがる前にやってきた相手を狩りに行きそうですね……

 

ゴォォォオオオン

 

私達がそんなやり取りをしていると突如轟音がモニターから聞こえ私達はそちらへと視線を向けるとそこでは体育館が巨大な雷に打たれ跡形もなく消滅していきました。

 

「大胆な攻撃だな」

 

体育館は重要拠点として利用することができる。建物の構造上、罠を張り易く尚且つ入ってくるところも限られているため奇襲されにくいからです。そのため、人数で劣っているリアス達はそういった重要拠点を取ってくると思ったのですが……

 

「なかなかに良い判断です。衣服を粉砕されたとはいえ、攻撃されればやり返してはくるでしょう。そうして下手に時間を費やすよりは建物ごと粉砕してしまえば即時決着がつく。リアス殿は重要拠点を失いますが、それは相手も同じこと。いやはや、初のレーティングゲームとは思えない思い切りの良さですな」

 

隣のヴィザ翁の言葉になるほどと私も頷く。ヴィザ翁の言葉を聞けば確かに英断だったと思える。リアスは初のゲームにしてかなり優位に立っている、そう私が思った矢先だった。

 

「イッセー先輩、危ないです‼︎」

 

そう言って塔城さんは兵藤君のことを突き飛ばした次の瞬間、先ほどまで兵藤君がいた場所に巨大な爆発が起きました。

 

「小猫ちゃん⁉︎」

 

「ふん、助けられたわね坊や」

 

「てめぇ、よくも小猫ちゃんを‼︎」

 

突き飛ばされた兵藤君は爆発にのまれた塔城さんのことを呼びます。そんな兵藤君に上空からこの爆発を仕掛けた張本人、ライザーの女王である女性は笑いながら兵藤君へと言葉を発します。

 

「ほほぅ、タイミングとしては申し分ないですね」

 

私の横ではヴィザ翁が敵に賛辞の言葉を発しています。

 

「ヴィザ翁⁉︎敵を褒めないでください」

 

「いえいえ、敵とはいえ素晴らしいタイミングでした。獲物を狩り終えた瞬間こそ最も油断し易い場面。そして威力も申し分ない。ユウキ殿との特訓を受けていない小猫殿ならば確実に狩り取れていたでしょうな」

 

その言葉に私はえ?と目を丸くする。

ヴィザ翁はあの一撃を受けて彼女が仕留められていないと、そう言ったのだ。まさか、とは思ったが確かにグレイフィア様からリタイアの声が聞こえない。

 

「小猫ちゃんの仇は俺が取る‼︎」

 

それに気づいていない兵藤君が叫ぶと、悪態を吐くように声がモニター内に響きました。

 

「勝手に人を終わらせないでください」

 

そう言った彼女の服は所々焼け落ちている。

しかし、当の本人は腕をクロスさせていた。どうやら爆発を受ける直前に防御をしていたようだが……

 

「あれを食らって平然としていられるなんて……あなたどういう身体の作りをしているのかしら?」

 

爆発を起こした本人は平然としている塔城さんに問いかけてきます。

 

「小猫ちゃん⁉︎無事だったのか⁉︎」

 

兵藤君も驚きの声をあげてますが……仲間なのに強さを把握していないんでしょうか……

 

「あんなの……ユウキさんの一撃に比べれば、痛くも痒くもありません」

 

そう言って彼女は立ち上がる。

服装が破けている以外、そこまで目立った損傷もない。

 

「まぁ、伊達にユウキとやりあってたわけじゃねぇな」

 

「ええ、彼女も木場殿と同様に10日前とは比べ物にならないほど成長しています。お2人とも覚悟を決めておられた。そうした者の成長速度は驚くほど速い……特に今のは、攻撃が来ると予測した瞬間、イッセー殿をその場から離れさせ、自身には防御膜として魔力を纏わせていました。彼女は、僅か10日間における1028もの敗北の末、何1つ無駄にすることなく吸収して行ったのでしょう。」

 

「そうだな」

 

八幡君もヴィザ翁も今の塔城さんの行動に感嘆の声をあげているけれども、私と椿姫はそれどころではない。今の説明途中何といった⁉︎

10日間で1028の敗北⁉︎単純に1日102,3回は倒されているということか⁉︎いったいどれほどハードな特訓をしたのだ⁉︎

 

2人の会話に私達が戦慄している中も戦況は動いていくのだった……

 

 

 

ソーナ side out

 

八幡 side in

 

 

 

そのゲームは順調に進んでいた。

リアス達が常に常に優位に立ち、戦況を動かしていく。しかしゲームは遂に山場を迎えた。唐突にグレイフィアから告げられた姫島先輩のリタイア。

 

「やっぱりライザーの奴はフェニックスの涙を使ってきたか」

 

あの後姫島先輩が敵の女王と対峙し、イッセー達は木場との合流を優先させた。合流した先でライザーの妹がいたものの彼女自身、戦いに参加する意思がなかったのは運が良かった。そのため、その場は割と簡単に制することができしな。ただ、その後リアス・グレモリーとライザー・フェニックスとの対決が始まってイッセー達が合流した途端姫島先輩のリタイアを知らせるアナウンスがなった。

実力としては勝っていた姫島先輩が負けた理由は単純。勝ちを確信した姫島先輩が油断したその一瞬を相手は逃さず、フェニックスの涙で傷を全回復し姫島先輩を倒したのだ。

 

「ライザー‼︎」

 

俺の隣ではソーナが柄にもなく憤怒の色を見せている。まぁ、ソーナは一応リアスと幼馴染だしな。こんなことをされれば怒るだろう。

 

「ソーナ殿、コレは戦いです。たとえ相手が格上だろうとどんな手を使って来ようと、勝者のみが全てを得るのですよ」

 

ヴィザがそういうとソーナは釈然としない様子だが押し黙る。ヴィザの言葉が正論だと彼女自身わかっているからだ。それでも、納得はできていないのだろうが……

 

「こっからだな……」

 

モニターを見ながら呟くとその言葉に隣にいた真羅先輩が反応した。

 

「この展開を予想していたのですか?」

 

「ある程度はな。ライザーだって馬鹿じゃない。念には念を入れてきてるだろう。だからこそこっから連続してくるぞ。3つの重要点が…」

 

そう言っている途中でも、俺はモニターから視線を逸らさない。

 

「連続してくるのですか?」

 

今度はソーナが反応する。

 

「ああ。最も重要なのはイッセーが……今代の赤龍帝がライザー・フェニックスに届き得るかどうかってとこだろうな」

 

その言葉にソーナと真羅先輩は不安そうな顔をする。そりゃそうだ。今んところのイッセーは相手の服を粉砕したぐらいしかしてないからな……

 

「2つ目はそうなる前にリアス・グレモリーが投了しないかどうかだ。シノンが鍛えたから大丈夫だとは思うが、念のため山場として数えておくに越したことはない」

 

「確かに……」

 

リアスの性格を知っているソーナは俺の言葉を肯定する。

 

「そんで3つ目だが……」

 

俺がそこまで言いかけた時、その3つ目の重要点が動いた。

 

 

遂に動き出したライザーがまず初めに木場のことを燃やし尽くす。さすがにライザーの火を耐えられるほどの成長はできていなかったか……

 

そうして次にライザーは回復係のアーシアへとその火を放つ。リアス・グレモリーが庇いはするものの庇いきれず、彼女は火に包まれリタイアする。とはいえ、リタイア間際心弾銃でイッセーのことを撃ち抜き回復の役割をしっかりと遂げていた。

 

「今のはファインプレーですな」

 

俺もそう思う。

今の回復があるとないとでは大きな差だ。

 

 

しかし、ピンチなのに変わりはない。

ライザーの元には姫島先輩との戦闘を終えた彼の女王が戻ってくる。

 

「ふむ。そろそろ終わりにしようか?リアス」

 

そう言って彼は残りの眷属達……小猫とイッセーに向かって火を放つ……

 

「小猫ちゃん⁉︎」

 

その瞬間にイッセーの声が響いた。

再び小猫に庇われたからだ……

 

 

 

八幡 side out

 

小猫 side in

 

「小猫ちゃん⁉︎」

 

今日2度目のイッセー先輩の自分の名を呼ぶ絶叫を聞きながら私は火に吹き飛ばされていきます。全魔力をガードに回しましたが、それでも足らず私の身体は耐えられず、意識も失いかけました。でも、そんな中でゲーム直前の先輩との会話が頭の中で再生されました。

 

〜〜〜

〜〜〜

 

「どうして私に?」

 

世界樹の種子という超便利アイテムを手に取りながら首を傾げた私に先輩は真剣な顔をしながら答えてきました。

 

「それはな、今回の3つの重要点。イッセーの禁手化とリアスのメンタル。そして最後の1つにライザーの女王の攻略があるからだよ」

 

その言葉に私は更に疑問が浮かびましたが、聞くよりも早く先輩が答えを言ってきます。

 

「普通に挑めば、姫島先輩が勝つだろう。だが、ライザーはフェニックスの涙を使ってくる可能性がある」

 

それを聞いた私は驚きを隠せませんでした。初陣の相手にそこまでするのかと思ったのですが……

 

「勝つためならライザーはそうする。というか、それがレーティングゲームだ。特に今回のようなゲームでは勝てば全てを得て負ければ失う。だからこそ、相手も余裕を見せながらも念には念を入れてくるだろうよ」

 

そう言われると言い返せません。

あの焼き鳥にはムカつきますが、先輩の言ってることが事実だし、正しいからです。

 

「姫島先輩は強い。でも、どんなに強くても、相手の不意をついて一撃で倒さないと回復される可能性がある。だからこそ小猫なんだよ」

 

そこまで言った先輩は種子を握る私の手を握ってきました。

 

「ふにゃ⁉︎」

 

真剣な先輩とは裏腹にこの状況に嬉しさと羞恥を覚えてしまう自分がいます……

 

「リアス・グレモリーも姫島先輩も敵は警戒してる。だから不意を突くのは無理だ。イッセーはライザーを仕留める役がある。だから小猫に頼むんだ」

 

そう言うと先輩の握る手は強くなりました。

 

「わたしにできますか?」

正直不安だった。

現時点で相手は確実に格上だ。

でも、そんなわたしの不安を先輩の言葉が脱ぎ払ってくれました。

 

「小猫、お前は強くなってるよ。この10日間で驚くほどな。最終日のあの瞬間を思い出せ。そうすれば、お前の一撃は必ず相手を打ち砕く」

 

強くなってると言ってくれた。

相手を打ち砕けると……

 

「だから、小猫に頼むんだ。お前ならできると信じているから」

 

そう言って先輩は手を離し、今度は私の頭に手を置いてくる。その手はいつものように暖かく、それでいて少しくすぐったかったです。

でも……

 

「先輩……」

 

「ん?」

 

私は先輩を呼ぶとぎゅっと先輩に抱きつきます。先輩も少しだけ戸惑いの声をあげますが、振りほどこうとはせず受け入れてくれました。

 

 

ふぅ、充電完了です。

 

「先輩、頑張ります」

 

じっくりと充電した私は先輩から離れると覚悟を決めて呟きます。

 

「おう、頑張れ。しっかり見てるから。あと余裕があればイッセーのこと庇ってやってくれ。早々やられはしないと思うが、あいつが序盤でやられたら終わりだからな」

 

そう言って先輩は振り返りその場から離れていきます。その場に残った私の拳は強く握られていました。

 

 

〜〜〜

〜〜〜

 

失いかけ、うっすらとした私の視界には悲鳴をあげるイッセー先輩が写っていましたが、私が注視していたのはその反対側の視界。

 

私から興味が失せ、私に声をかけていたイッセー先輩達を見ているライザー、そしてその隣にいる女王。彼らの視界にはもう私はいない。私をいないものと判断し、イッセー先輩と部長だけを見ている。

 

 

 

 

「舐めるな……です」

 

服なんてもう焼け落ちてる。

姿は全裸に近い。

でも、そんなことは関係なかった。

そんな中でも私の動きは早かった。

 

無くしてはいけないと耳に入れておいた種子を取り出すとすぐさま口の中に放り込み、それを飲みました。

 

その瞬間、全身の痛みが消え力も湧き戻ってきます。気づかれる前に動き、勝負に出る。

 

飛んでいった私は屋根から飛び出るギリギリの位置で身体を反転させ着地、足に魔力を集中させ一気に加速させます。

 

私のことにようやく気付いたのかライザーと女王は驚愕の色を見せていますがもう遅いです‼︎

 

加速し近づく中で私は最終日のあの日の感覚を思い出していきました。

 

あの日……最終日、ユウキさんから唯一1本取れた時の感覚を………

 

特訓2日目にユウキさんは言ってました。

僕の刀は僕の腕の延長だと。

剣士にとって武器とは空手家の拳、ムエタイの膝…己の一部であるべきだと。

 

『研ぎ澄まさなきゃ。この剣のように。硬く、鋭く、それでいてしなやかで変幻自在に。1撃1撃に自身の想いを乗せるんだ。強く、深くね』

 

その言葉が私の中で今再びこだましていました。

 

 

この1撃に込めるのは、ただこのゲームで勝ちたいからとかそんな想いじゃないです‼︎

 

 

間近に迫った女王を前に私は思いっきり拳を引きます。

 

 

ここに乗せるのは応えるため。

私が勝つと言ってくれた先輩の期待に、私ならできると言ってくれた先輩の信頼に……

 

先輩から向けられた想いに応えるために私は勝ちます‼︎

 

引かれた拳は魔力を纏い一発の弾丸さながら女王の身体を捉えそして撃ち抜いて行きます。

撃ち抜かれた女王はそのまま轟音をたて木々を倒しながら吹っ飛んでいきました。そして……

 

《ライザー様の女王1名リタイア》

 

グレイフィア様の声が響き渡りました。

 

「やった………」

 

 

 

小猫side out

 

ソーナside in

 

 

 

それは一瞬の出来事だった。

やられたはずの塔城さんが、何故か復活し目にも留まらぬ速さでライザーの女王の元へと駆け寄ると力の限りを尽くし彼女を吹き飛ばしていった。

 

《ライザー様の女王1名リタイア》

 

グレイフィア様のその言葉がその勝負の行方を簡潔に知らせた。

 

「あの状態からライザーの女王を倒した⁉︎」

 

隣で椿姫が驚き声をあげるが、驚いているのは私も同じだ。何故あの状態から復活したのか、塔城さんから視線を既に離していた私にはわからなかった。

 

「ほっほ。八幡殿も用意周到ですな」

 

「相手がフェニックスの涙を使ってきたんだ。文句は言えねぇだろ」

 

そう言って八幡君とヴィザ翁だけは笑っている。

 

「何をしたの?」

 

「世界樹の種子。私の同僚と八幡殿が共同で編み出した回復アイテムです。瞬時に傷を癒し、消費した魔力すら回復させます」

 

「フェニックスの涙よりも凄いものじゃないですか⁉︎」

 

私の問いに答えてくれたヴィザ翁だが、彼の言葉に私は声をあげる。傷を癒すだけじゃなくて魔力まで全快なんて反則にもほどがあるアイテムだ。

 

「サーゼクス様には許可を取ってる。フェニックスの涙同様使用してもOKだそうだ。まぁ、量産はしにくいから一個しか渡せなかったんだがな……それよりもまた動くぞ」

 

そう言われ私も再びモニターへと視線を戻す。どうやら今のやり取りの間にまた戦況が少しだけ動いたようだ。

 

「ぐぁぁぁあああ」

 

悲鳴をあげているのは兵藤君だった。

どうやらライザーは女王がやられた後すぐに塔城さんを倒し、今度は兵藤君を倒すつもりらしい。

 

「リアス殿は最後まで倒さず、先に眷属全員を倒すつもりでしょうな。リアス殿の心を折るために」

 

ヴィザの言葉に私は唇を噛み締めた。

間違っていない。

レーティングゲームとしては正しい戦法だ。

だが、それでも幼馴染がそういう目にあっているのをただ見ているのは我慢できなかった。

 

 

「ここまでだな……」

 

そう言って八幡君は席を立ち上がります。

 

「ここまでって……勝てないってことですか⁉︎」

 

八幡君の言葉に私が反応し声を荒げました。

椿姫は八幡君の発言を受け彼を睨んでいます。

 

「いや、逆の意味でチェックメイトなんだよ」

 

「え?」

 

「リアス・グレモリーは万策尽きた。このままじゃ確実に負ける。でもな……リアス・グレモリーの策が尽きたことで、最後の手段を使うことになったんだよ。」

 

そう言って八幡君は指を弾き音を鳴らします。

何を言ってるのかわからない。

そう思った矢先、モニターの中で兵藤君の周囲に魔力の奔流が生まれ、彼はそれに飲み込まれていきました。

 

「八幡君何を⁉︎」

 

「俺は大したことはしてねぇ……ただ……」

 

そう言って八幡君は外していた視線をモニターに戻し言い放ちます。

 

「阿朱羅丸の魔力をほんの僅かだけあいつの神器に渡しておいて、それを今解き放ってあいつの中にいるドラゴンを無理やり起こした」

 

「っな⁉︎」

やったことについても驚いているが、結局それは反則なのではないのか?バレなければいいのでしょうか?

 

「阿朱羅丸は竜達に嫌われてる。そんな奴の魔力がいきなり自分の付近で目覚めれば、当然赤龍帝は反応する。あれはその余波だと思え」

 

そう言って八幡君はモニターから視線を逸らすと入り口の方へと歩き出します。それに続く形でヴィザ翁も立ち上がり彼の元へと歩いて行きました。

 

 

「どこに?」

 

「勝敗は決したよ。強制的とはいえ禁手化した赤龍帝に勝つ術をライザーは持っていない」

 

そう言って彼は部屋を後にした。

彼が部屋を後にして程なく、あっけないほど簡単に勝敗は決した。モニターには兵藤君に抱きついているリアスの姿が大きく映し出されながら………………………

 

 

 

ソーナside out

 

小猫side in

 

 

 

私が気づいた時には戦いは終わってました。

部室ではイッセー先輩を囲ってみんなが騒いでいます。雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩もちゃっかり空気に馴染んで混ざってますけど、何もしてませんよね?

 

そう思いながら立ち上がり私もその中に入ります。しかしそこでイッセー先輩が腕を押さえながら蹲り始めました。そこから説明会が始まり、現在朱乃さんにドラゴンの力を吸い取ってもらっている最中です。

 

「イッセー……」

 

「いいんですよ部長……俺が望んだことです……それに部長を助けられたんですから、このくらい安い代償ですよ」

 

「イッセー君はわかっていてやったのかい?」

 

「ああ、八幡から聞いてた。体の一部、或いは全てを失う可能性もあるって」

 

「八幡君が……」

 

木場先輩は問いに答えてくれたイッセー先輩を見ながら呟いています。

 

「でも、それでも俺が自分で考え決めたんです。あいつは俺にその選択肢を与えてくれた。だから俺は後悔もしてないし、八幡に感謝してる」

 

 

そう笑顔で応えるイッセー先輩ですが突如そこに思わぬ人物が入ってきました。

 

「ふざけるな‼︎」

 

全員が開け放たれたドアを見るとそこには先ほどイッセー先輩によって敗れたライザーがいました。

 

「ライザー⁉︎何故ここにいるの⁉︎」

 

「ふざけるな‼︎俺がこんな奴に負けたなんて認めるものか‼︎今ここでもう一度戦いやがれ‼︎」

 

興奮し声を荒げるライザーには前まであった余裕なんて微塵もありません。その顔は憤怒と憎悪にまみれてます。

 

「お兄様おやめください‼︎」

 

そんなライザーを諌めるように彼女の妹や眷属達が部室に入ってきた。

 

「離せ‼︎今すぐこいつと殺らせろ‼︎」

 

妹の制止すら聞かずライザーは私たちに向かって特大の火を放ってきました。

 

「見苦しいぞ、焼き鳥」

 

不意に冷たい声と共に私達の眼前まで迫っていた火は消え、私たちの目の前には刀を片手に八幡先輩が立っていました。

 

「なんだ貴様は‼︎」

自身の火が防がれたことが気に食わなかったのか、或いは突然現れた先輩が邪魔だったのか、ライザーは先輩に向かって吠えます。

 

「今回の勝負はグレイフィアが審判を務めた上、俺やサーゼクス様それにフェニックス卿まで見ていた。そしてお前は負けた。なら潔く引き下がれ。これ以上やるなら俺が相手するぞ?」

 

先ほどの声以上にその言葉には威圧が込められているのがわかりました。

 

「人間風情がほざくな‼︎」

そう言ってライザーは再び火を出してきます。

 

先輩が人間?

何を言ってるんですか?この焼き鳥野郎は?

先輩は悪……あれ?先輩から悪魔の気配がしません⁉︎

 

 

部長たちも私と同じことを感じたのか戸惑っています。そんな中先輩は刀を振りライザーの火をかき消しました。そうして火で塞がれていた風景を見た瞬間私達は思わず声を漏らしました。

 

 

「え?」

 

私たちがそこで目にしていたのは、ライザーの腹に2本の刀が突き刺さっている光景でした。いつ反撃したのか全く見えませんでした……

 

「ぐぁぁぁあああ」

 

いきなり襲ってきた激痛にライザーは苦悶の声をあげ膝を地につけると、いつの間にか悪魔の気配が戻っていた先輩は冷たくライザーに囁きかけます。

 

というかどういうことなんですか?本当に。

なんで悪魔の気配さっきまでなかったんですか?

 

 

「安心しろよ、刺さってるのはただの刀だ。でもお前のこれからの対応次第ではその刀はお前に恐怖を埋め込むぞ?」

 

先輩の目にギラリと怪しい光が宿るとライザーはピクリと震え始めた。

よく見れば部長達も何故か震えてますがなんでですか?あんなに格好いいのに………

 

「その辺にしてあげてください八幡。それにライザー様もです」

 

みんなが震える中声をした方を向くとそこにはグレイフィア様とヴィザさんが立っていました。

 

「っ……」

 

グレイフィア様に言われたからかライザーは悔しそうに俯いていますがそんな彼にグレイフィア様は淡々と告げていきました。

 

「八幡の言う通り、今回の勝負はリアスお嬢様の勝利です。それはサーゼクス様にフェニックス卿、そして私とセラフォルー・レヴィアタン様の女王である八幡の監視の下での結果です。これ以上やるというのなら、私も八幡も魔王の女王として動かせてもらいます」

 

その言葉にライザーの顔がたちまち白くなっていく。

 

「セラフォルー・レヴィアタン様の女王⁉︎じゃあお前があの⁉︎」

その言葉に反応し、ライザーの眷属達にもざわめきが広がります。

 

「あのとはどのことかわからんが、セラフォルー様の女王ではあるぞ」

 

「確実に3ヶ月前のレーティングゲームのことですよ」

 

あっけらかんと言う先輩の声にグレイフィア様が細目で睨んでいました。

先輩わかっててはぐらかしたんですね。

 

部長達はなんのことかわかってないみたいですけど、知ってる私からすれば有名になって当然のような気がします……

 

「しかし、八幡も意地の悪いことをしますね。実力で勝っているにもかかわらず、わざわざ神器を使い、悪魔の気配を消して人間の気配を出し油断させるなんて。」

 

え?そんなことできるんですか?

というか今までこの街にいて部長に気づかれなかったのってそれが理由⁉︎

私達がグレイフィアさんの言葉に驚く中先輩は苦笑いしています。

 

 

 

 

「さて、皆さん初のレーティングゲームでの勝利おめでとうございます。我々も教えた甲斐がありました」

 

そんな時だった。

おさまりかけたその場にヴィザさんが再び爆弾を投下したのだ。

 

 

「ど、どういうことだ⁉︎」

 

「そのまんまの意味だよ。この10日間俺とその眷属でリアス・グレモリーたちを鍛えた」

 

 

あれ先輩それ言っていいんですか?

 

「ふ、ふざけるな‼︎どうしてそんなことを」

 

「リアス・グレモリーを勝たせるためだが?彼女は今回の婚約を望んでいなかった。俺の主の妹、ソーナ・シトリーとリアス・グレモリーは幼馴染だ。ならその幼馴染が不幸な目にあうことを見たらソーナはどうなる?それは連鎖してセラフォルー様にも被害が及ぶ。だから俺が動いただけだ」

 

ライザーの放つ怒りの圧を受けながら、先輩は淡々と説明していく。さすがにサーゼクス様やグレイフィア様が頼んだとは言っていないが……

 

 

「そ、そんなの……」

 

「反則……とは言わせないぞ?」

 

ライザーが言い終えるよりも早く先輩は声を発した。

 

「お前はゲームを何度もしてるがリアス・グレモリーは今回が初だ。加えて数でもお前が勝っている。しかもお前はフェニックスの涙まで使ったな?圧倒的優位にあったにも関わらずだ。俺たちは10日間だけしか特訓に付き合えてないんだ。俺たちの特訓があっても、お前の方が有利だったはずだが?」

 

先輩は嘲笑を交えながら告げますが、当然それをあっさり認めるわけがありませんでした……

 

 

「ふ、ふざけるなぁぁあああああ」

 

咆哮をあげたライザーは先ほどのゲームですら見せなかった特大の炎を纏い先輩に襲いかかってきます。

 

「はぁ、めんどくさ」

 

先輩がそういうとライザーの咆哮が止み、それと同時にライザーが倒れました。

 

「お、お兄様⁉︎」

 

「何をしたの⁉︎」

 

慌てて駆け寄るライザーの妹を他所に部長が私達を代表して聞きます。

 

 

「別に?ただ、刺さっていた刀に呪力を込めてこいつを気絶させただけだ。今そいつはお前がシノンに見せられたような悪夢を見てるだろうよ」

 

それって部長がマナーモードみたいになってたあの……………

 

「引け、レイヴェル・フェニックス。それにライザーの眷属達もだ。これ以上フェニックス家の品位を落とすような行為をするな」

 

先輩に言われたライザーの眷属達はライザーを抱えると部屋を後にします。

 

「ご迷惑をおかけしました」

 

そう言って頭を下げてきたのは部屋に残っていたライザーの妹です。

 

「問題ねぇ、これで最後の依頼も終わりだ」

 

「依頼……ですか?」

 

「ああ、フェニックス卿からのな」

 

「初耳なのですが……」

 

どうやらグレイフィア様もその依頼を知らなかったみたいです。私達も目を丸くして先輩のことを見つめてます。

 

「内容が内容でしたので私と八幡殿だけが知っていたのですよ」

 

「ヴィザ翁?」

 

八幡に変わり答えたヴィザさんにグレイフィア様が視線を向けます。

ってかヴィザさんヴィザ翁って呼ばれてるんですね………

 

 

「万が一ライザー殿が敗れた場合、そしてその時彼が自身の敗北を認めなかった時、お灸を据えて欲しいとのことでした」

 

「お灸……ですか?」

その言葉にレイヴェルさんが首をかしげると今度は先輩が全容を明かしてくれました。

 

 

「まぁ、ぶっちゃけて言えばフェニックス卿も今回の婚約は反対だったんだよ。酒の勢いで言ってしまったはいいが、ライザーはグレモリーと婚約するほどの器が現時点ではないってさ」

 

 

『はぁぁぁああああああ⁉︎』

 

その言葉に私たちだけではなくグレイフィアさんすら声をあげました。

 

「だから、機会があればお灸を据えて欲しいって頼まれたんだよ。フェニックスは不死ではあるが決して絶対ではないってことをな。それだから少しきつい悪夢を見せる形にしたんだ。」

 

 

「どんな内容ですか?」

 

恐る恐る私が問うと

 

「ん?俺の神器の奴に永遠に追いかけられる夢」

 

先輩は笑いながら答えてきますがそれって……

 

 

「「本当の悪夢じゃないですか」」

 

はもった。

私とグレイフィアさまの発言が。

阿朱羅丸のことを知ってるが故に……

 

「小猫様もご存知だったんですね」

 

「はい」

 

あ、なんかグレイフィア様に少しだけ親近感が湧きました。なんか先輩経由でグレイフィア様と意思の疎通が少しだけ出来ましたし。

 

同情なんてしませんがそこで私とグレイフィア様はライザーに向けて静かに合掌をしときました。周りの皆さんは阿朱羅丸のこと知らないので話についていけてないみたいですが…………

 

 

 

小猫 side out

 

ヴィザ side in

 

 

コツコツと夕陽が差し込む廊下を私は主と共に歩いていた。

 

「ようやく1段落しましたな」

目の前に歩く主の後をついて行きながらふと言葉を発する。

 

「ああ。ヴィザも悪かったな。結構長く付き合わせて。ありがとうな」

 

「いえいえ、主の命です。ならば私はそれに従いましょう」

 

主からの労いの言葉に私は応える。

実際に1番疲れているのは主その人だ。

ならば自身の疲れなど気にしてはいられない。

 

そんなやり取りを続けたところでふと主の足が止まる。私もそれに倣い足を止めると彼は振り向き私へと告げてくる。その言葉は真剣そのものだった。

 

「ヴィザ……領に戻ったら眷属全員に今溜まっている仕事を全て迅速に終わらせるように伝えろ」

 

「かしこまりました」

 

主の言葉に頭を下げて了承の意を示すと彼はそのまま続けてきます。

 

「それと、いつでも動けるようにしておけ」

 

「というとやはり……」

 

「ああ、阿朱羅丸が感じていた通りだ。動くぞ、悪魔の歴史が……」

 

主は私の懸念を肯定しながら答えてくれた。

 

「きっかけが何かなんてわからない。俺が阿朱羅丸と出会ったからか、白龍皇が目覚めたからか、赤龍帝が目覚めたからか、或いはそれ以外のことかもしれない……だが先の大戦が終わってから随分と月日が流れたこの時代に変化は訪れるぞ。」

 

彼は感じていた。

今の日常が変わっていくであろうことに。

半年ほど前に彼が阿朱羅丸から言われ私たちに告げた言葉。そう遠くない未来に悪魔達……いや3大勢力全てを巻き込んだ事件が起き始め、それが新たな転換期へとなる……と。

その言葉が真実であったことに彼自身が感じている。感じた理由は彼の体質故か……

しかし、たとえそうなったとしても自分がやることなど決まっている。

 

 

「どこまでもお伴します。八幡様があの時私に手を差し伸べそれを取った時より、八幡様の傍に仕えると決めておりますから……」

 

そう、何が起ころうと自分は……

否、自分達は変わらない。

自分達は主の元に集ったその時から、やることなど何1つ変わってはいない。

 

「頼りにしてるぞヴィザ」

 

そこに込められていたのは眷属最強の自分に対する信頼か、それとも自分たち全員に対する感謝の気持ちか……いや、両方だったように思えた。

 

 

「お任せください。ところで八幡殿はどうなさいますか?」

 

自分たちにはまだいくつか仕事があるが主はこれでもう溜まっていた仕事はなくなったはずだ。あとは魔王様達の妹の護衛くらいだが……主の性格上それ以外にも仕事を取り、休むなどしないと思うが………

 

 

「俺はやることができた。」

 

「やることですか?」

 

「協力者から連絡があった。教会本部が持っていた聖剣エクスカリバーが堕天使コカビエルの手に渡ったらしい。しかも厄介なことにコカビエルがこの町に潜伏してるときたもんだ。それについての調査だよ。協会側も聖剣使いを2名こちらに送ってくるらしいしな」

 

 

主から話された今後の予定はやはり面倒ごとのようだ。話してる主は面倒くさそうに言っているが、それを放置などしたりしないだろう。

 

「かしこまりました。八幡殿もご無理はなさらぬように」

 

「わかってるさ」

 

笑いながら私の言葉に応える八幡殿をみて思わず苦笑いをしてしまう。

 

「では」

 

「ああ」

 

その言葉を最後にそこで会話は途切れその場から2つの影は消えていった…………

 

 

 




いかがでしたか?

これでライザー編は終わりで次回からエクスカリバー編へと入っていきます。

個人的には早く進めて3大勢力の会議編へと進んでいきたいε-(´∀`; )

コメントお待ちしております。

次回も明日か明後日には登校予定です。ではでは


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