ダンジョンに愛を求めるのは間違っているだろうか   作:羽吹

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第11羽 遠征

 

 裏切られることは、自分勝手だという。

 期待も、気持ちも、後悔も、

 

 全て主観なのだ。

 客観性ですら主観に犯されている。

 

 だからこそ、意見はぶつけ合うべきなのだ。

 否定も、肯定も、曖昧な答えですら、

 

 私たちの一部なのだから。

 

 

  第11羽 遠征

 

 

「どうしてこんなことになったのかな……」

「運が、悪かったとしか、言えない」

 

 氷の破片が周りで浮かんでいる。

 限定的に降る雪が気温を下げている。

 その後ろでは風が雪を弾いている。

 透き通るような金色が風に靡いた。

 

「グォオオオオオ!」

「ガァアアアアア!」

 

 統一感の無い悲鳴が前と後ろから聞こえる。

 強竜(カドモス)だ。咆哮があらゆる方向から聞こえると言うことは、二体以上居る。具体的には五体居る。

 

 刀を鞘に納める。

 守りの戦いを放棄して、攻めの戦いへとシフトする。

 この場面で出し惜しみなどしない。

 

 微かに歌を奏でながら、前方の巨体へ接近する。

 速くはない最高速を出して肉薄する。

 腕の凪ぎ払いを一瞬タイミングをずらすことで回避。

 続けざまに振るわれる尻尾の強襲を飛んで避ける。

 

 尻尾の付け根を浅く切り裂いて、振り返るカドモスと同速で追従して回り込むことで死角に鎮座。

 私を探す一瞬の隙に右腕を掻ききる。

 痛みを感じて、カドモスが私を補足する。

 ブレスを吐こうと、口を開けるタイミングで並行詠唱を完成させる。

 

 口の中の水分が凍り付き、食道から内蔵系まで凍らせていく。

 カドモスはそれでも無理をして火を吐くが、火によって煽られた氷が溶け、さらに凍る。

 のたうち回るカドモスの口のなかに刀を突き入れ、完全に凍らせる。

 

 次だ。

 左手からカドモスの断末魔が聞こえた。

 金色の剣士が一匹狩り取ったのだろう。

 それでも、まだまだ居る。

 さあ、愛し合おうよ。

 

 ☆ ☆

 

 二時間ほど前のことだ。

 遠征に来た私たちは、50階層で休息を取っていた。

 そして、クエストで必要なアイテムの入手のために51階層に向かうことになった。

 その為に班を分けたのだが、49階層での負傷者が多く、人手があまり割けなかった。

 

 結果、私はアイズとのツーマンセルになり、51階層を二人で進んでいた。

 前衛がアイズだけであっても、私には問題ない。

 モンスターを処理しながらの詠唱など日常茶飯事だからだ。

 

 お陰で、私の並行詠唱の技術はリューすら越えている。

 刀等を使った近接戦闘で高度な駆け引きをしていようとも、一切の滞りも、威力の低下もなく詠唱が出来る。

 こんなものは慣れだ。並行詠唱しているからといって反応が遅れるなど言語道断である。

 今後、私が魔法を教えることになる人物がいれば、そう教え込もうと思う。

 

 何故かポニーテールの金髪のエルフが思い浮かんだ。何のイメージだろうか。

 

 

 問題はアイテムの番人だった。求めるアイテムはカドモスの泉だったのだ。

 アイテムの入手のために番人であるカドモスを殺したのだが、勢い余って頭を切り飛ばし、泉に落としたのだ。

 まあいいかと思っていると、泉が赤色に染まり、地面からカドモスが何体も生まれた。

 多分、泉に何かするとカドモスが生まれるんだと思う。

 しかも、産声をあげたカドモスは帰り道に陣取った。

 

 死闘が始まった。

 

 ☆ ☆

 

 雪が止んだ。

 運が良かったのか、ドロップアイテムのカドモスの皮膜は四枚も手に入った。

 借金に苦しむ私には喉から手が出るほど欲しい。

 

 大した怪我もしなかった私たちは、求めるアイテムを採取しようとして、気付く。

 カドモスの泉は血で汚れて採取できない。

 私たちは顔を見合わせて、もう一つの採取ポイントに向かった。

 

 馴れない道を通ったからか、迷った。

 何故か行き止まりにたどり着いて、どうしようかとアイズと相談していると、壁一面から嫌な音が響いた。

 モンスター・パーティーである。

 またしても殲滅した私たちは、レアドロップと魔石を回収して、歩き出した。

 

 先程間違えた道まで戻って来て、今度は確認しながら進む。

 ある程度歩いたところで、大きな部屋に着いて、今日は厄日だと再確認する。

 ブラックライノスが異常発生していた。数百匹はいる黒い犀を確認した私たちは既に無表情だった。

 

 一刻もしない間に、私たちは八つ当たりで犀を絶滅に追い込んだ。その内また出てくるだろうけど。

 またしてもレアドロップと魔石を回収して、目的地へと進む。

 いつもよりもレアドロップは多かった。

 

 今度は通り道が崩れていた。

 先程の犀の大群の弊害だろう。

 

 通れない道を迂回するよりはここから少し遠めの採取地に向かった方が早いと判断。

 来た道をそっくり戻って、別の道に入った。

 

 随分と歩いて、採取地のカドモスの泉に着いた。

 しかし、居るはずの番人が居らず、警戒しながら泉を採取すると、

 泉からカドモスが飛び出してきた。

 

 本日七体目のカドモスを狩って、アイズと笑い合う。

 これ以上何も起きないよね、と談笑しながら帰り道を歩いていると、

 デフォルミス・スパイダーが数百匹程カサカサと動いているのを見つけた。

 さっきは居なかったよね、と肩を落としながら殲滅していると、

 

 壁から何種類ものモンスターの大群が現れた。

 本日二度目のモンスター・パーティーである。

 モンスターたちを本日二度目の八つ当たりで殲滅する。

 苛立つことにレアドロップが大量に出てきた。

 

 二人とも無表情かつ無言で進む。

 飛び出してきたモンスターは一瞬で細切れである。

 極めつけは二時間程前に通ったはずの道が崩れていた。

 51階層の地盤って緩いんだね。という私の言葉にアイズは全力で同意してくれた。

 

 ☆ ☆

 

「何をしていたんだ」

 

 50階層。そこはモンスターの生まれない安全地帯であり、ロキ・ファミリアはここで野営をしていた。

 その内の一つのテントの中で、私とアイズは正座をしていた。

 

「距離的には二時間もあれば帰ってこれるはずだよ。なのに、どうして半日以上帰ってこないんだ!」

 

 捜索隊を編成する所だった、と目の前の小人族(パルゥム)が言った。

 横に控える高貴そうなエルフが呆れたように繋いだ。

 

「どうやったら、こんなに大量のレアドロップを回収できるんだ。

 バックパックに入らなくなるまでレアドロップを集めて来いなどとは一度も言っていないはずだが」

 

 そんな血も涙もない台詞に対して、私たちは答える。

 

「「運が悪かった」」

「「そんなわけがあるか」」

 

 信じてもらうのに一時間は掛かった。

 

 

 酷い目に遭った遠征は、当然まだまだ続く。

 心配をかけた罰として、炊事班の手伝いをしていると、ティオネに拝まれた。

 何でも、料理を教えて欲しいらしい。

 ロキ・ファミリアの食事は全員でとるから分かるが、フィンの料理はティオネが作ることがたまにある。

 お世辞にも美味しそうとは言えない彼女の料理はフィンの悩みの種だろう。

 時々でいいなら、という但し書きを付けて了承する。

 

 食事が終わって、夜になる。

 見張り等もこなしつつ、朝になった。

 迷宮に朝や夜の概念は無いと言えば無いが、こういった習慣は大切だ。

 リズムを崩してしまうと調子が落ちるからね。

 

 そして、52階層、53階層と降りていく。今回の到達目標は56階層だ。

 迷宮階層である、とゼウス・ファミリアらが残しているので、これまでと変わらずに進んでいくだろう。

 その通りになった。56階層の探索を進めて、大体70%といった進捗である。

 食料が尽きる限界まで探索を行い、地上へと帰還する。

 

 オラリオに戻って、ドロップアイテム等の売却、分配などを済ませて、私は一旦廃教会帰る。ステータスを更新してもらうためだ。

 

「ユウ君、レベルアップだよ! おめでとう! レベル5ということは第一級冒険者じゃないか!」

「ああ、なるほど」

 

 カドモスを7匹落としたからね。

 今回の遠征では、私とアイズで組んだときに限って酷いことが起きた。

 51階層だけではなく、56階層でもそうで、たった二人でモンスター・パーティーは五回も発生して、カドモスも五匹くらい余計に出てきた。

 その経験値のお陰だろう。恐らくアイズもレベルが上がっていると思う。

 うん、何故か嬉しくない。

 

 ☆ ☆

 

「アイズたんとユウちゃんのレベルアップのお祝い、そして遠征の打ち上げってことで、乾杯!」

「「乾杯!」」

 

 ここは豊穣の女主人だ。

 ロキ・ファミリアは遠征の打ち上げを行う。

 そして、ロキ・ファミリアの行きつけの店はここだった。

 

 私は、今回の遠征による報酬のお陰でちょっと気分がいい。

 集めたレアドロップの何割かをアイズと山分けしたからだ。

 借金に少し余裕が持てたのである。嬉しい。

 

 なので飲む。昔みたいに悪酔いする程は飲まないようにはしているが。

 ロキ・ファミリアのメンバーが殆どダウンして、解散となる。

 だが、私は帰らない。これから二次会なのだ。

 仕事着のまま私の前に金髪のエルフが座る。

 二人で杯を合わせた。

 

 その後、シルもやって来て、三人で飲む。

 リューと飲むと駄目だな。昔みたいに飲み過ぎる。

 私は何をしたのか、『豊穣の女主人』に数十万ヴァリスもの弁償金を払っていた。

 本当に何をしたんだ。覚えていない。

 

 ☆ ☆

 

 あれから一年以上過ぎた。

 私の借金は5000万ヴァリスにまで減っていて、ロキ・ファミリアでも後輩が数多く入ってきた。

 彼らはまず、サポーターとしての役割を帯びることになる。

 私にはサポーターをしていた時期など無いので、その気持ちは分からないが。

 

 そんな中、優秀な新人がロキ・ファミリアに加入した。

 名前をレフィーヤ・ウィリディスというエルフであり、レベル2だ。

 特筆すべきなのは三つ目の魔法で、召喚魔法である。

 エルフの魔法であれば、スロットを超えて行使できるというものだ。

 それ故に二つ名は千の妖精(サウザンド・エルフ)

 

 そんな折りに、私はフィンとリヴェリアに呼ばれた。

 ノックをして、執務室に入る。

 

「きたか、ユウ」

「うん、何の用かな? フィン、リヴェリア?」

「今回お前を呼んだのは私だ。ユウ、後輩を育ててみないか?」

 

 後輩? 新人のエルフのことだろうか。

 だが、彼女の魔法はエルフ限定の召喚魔法だ。私では役に立てないと思うが。

 そう伝えると、否定が返ってきた。

 

「そんなことはない。ユウの魔法の運用技術が必要なんだ。

 彼女はこれから沢山の魔法を行使することになる。単純な攻撃や防壁の魔術だけではなく、特殊な魔法もだ。

 どんな状況であってもそれらを総合的に判断し、また応用できるのはお前ぐらいだ。

 それに、お前は一度後輩を持った方がいい。独りの時の猟奇的な性格も収まるかもしれないからな」

 

 ふむ、悪い話ではないか。

 私の技術なんて後世に残す気は無かったんだが。まあいいか。

 

「分かった。いいよ。でも、リヴェリアも師事はするよね?」

「ああ、勿論だ。座学、実践ともに分割するか?」

「合同でいいんじゃないかな? お互いに何か得られるかもしれない」

「分かったから、ここで相談するのは止めてくれないかな」

 

 最後にフィンの若干苛立った声が響いた。

 執務の邪魔をしちゃったね。

 

 ☆ ☆

 

 後輩が出来る、というのは新鮮だ。

 始めてのことなので緊張するかな、と思っていたのだが、リヴェリアも合同で教えるということもあるのか、気楽なものである。

 とはいえ、ちゃんと授業計画も練ってある。

 

 レフィーヤに教えることは大きく分けて三つある。

 

 一つ目は知識だ。

 どんな魔法を扱うにしろ、それがどんな効果なのか、どういう意味を持っているのかを理解しないといけない。

 この作業に終わりはない。どこまで極めても知識の集積は必要だからだ。

 また、私の前世からの科学知識も含めて教える。

 

 二つ目は実践知識だ。

 魔法の発動感覚、インターバルの感覚などを体で覚えてもらう。

 こんなことに一々頭を使うのは不毛なので、条件反射まで押し上げる。

 そして、恐怖心の克服だ。

 必要になるかは分からないが、モンスターに怯えるようでは困るので、矯正する。

 また、これが一番大事なのだが、並行詠唱である。

 私が教える以上、固定砲台など許さない。

 理想は近接戦闘をしながら最大火力の魔法を圧縮したりの応用込みで運用することだ。

 え? 理想が高すぎる? 私が出来るんだから出来ると思います!

 まあ、出来なくてもある程度までは叩き込むが。

 

 最後は応用技術である。

 これは非常に難しい。何故ならば、知識と実践の両方を含めた技術だからだ。

 知識を持って、結果をちゃんと作り上げる。この過程は非常に難しく、それでいて結果が分かりにくい。

 こんなことをする意味が理解しにくいということだ。

 何故なら、大抵のことは別の魔法で事足りるからだ。

 

 だが、これによる恩恵は計り知れないものがある。

 連続使用も、遅延発動も、効果を倍増させることも、魔力の節約になったりと、その他にも沢山の効果がある。

 ただ既存の魔法を組み合わせるだけでも、これらに似た効果は得られるのだ。

 ここが私が師事する一番大きなポイントである。

 一番、教え難いところでもあるが。

 

 

 そんなことをリヴェリアに話したら、引かれた。

 お前はどれだけ苛烈(スパルタ)なんだ、と言われた。

 心外である。近接戦闘用の杖術も合わせて教えることは言わなかったというのに!

 魔導士にだって近接戦闘の心得は必須だと思うんだ。実際にリヴェリアも滅茶苦茶強いし。

 

 まあ、レフィーヤの教育の主導権は私が握っていて補助にリヴェリアが付く形なので、この授業計画は採用されたのだが。

 

 ☆ ☆

 

 さて、杖術について私が教えることが出来るのかというと、一応は可能である。

 私は道場において刀術を教わるときに、薙刀や弓、杖術なども一通り学んだ。

 その中でも杖術はかなり詳しく学んだ。

 応用性が高いことと、私が将来杖を持つ可能性を考慮していたからだ。

 

 しかし、生兵法は怪我の元である。

 なので、アイズに頼んで模擬戦をしようと思う。私の杖術が教えられるレベルなのかの確認だ。

 私の『武器庫』には幾本か杖も棒も入っている。

 

 

 杖術において、一番大切なものは何か。

 そう問われると、こう返すべき言葉がある。

 

 即ち『間合い』である、と。

 

 杖術という技術は、オラリオにおいてあまり注目を浴びない。

 理由は簡単、相手を殺す技術ではないからだ。

 杖術には、相手を無力化する技術が多いのだ。

 だからこそ、間合いが特に重要になるのである。

 

 

 アイズの剣閃が伸びてくる。私の領域を侵そうとして、

 剣先が下に落ちる。私が払ったのだ。

 アイズは想定内とばかりに、払われた衝動に逆らわずに下に潜り込もうとする。

 そんなことは許さない。

 

 縦に一回転した杖がアイズの首先を掬い上げるように動いて、アイズが一瞬止まる。

 私にフェイントを掛けても無駄だ。

 杖を回避したアイズが再び肉薄してくるが、今度は杖を横に回転。斜めに回転した杖が私の周囲を蛇のように纏って、

 剣腹を叩く。軌跡をずらされたアイズは、勢いに逆らわずに回し蹴りをしてくるが、杖の前でそれは致命的だ。

 縦回転する杖が踵を上に跳ね上げ、無防備になったアイズの脇腹に杖を突き込む。

 

 咄嗟に体を捻ってダメージを減らしたアイズに、畳み掛けるように杖を突き出す。

 仰け反って避けられる。杖が伸びきるタイミングで杖を手放して、持ち変える。

 杖を引き戻すように振るって、首を狩る。

 しかし、アイズは屈んで避け、追撃を……してこない。牽制に剣を振り上げて私を近付けなくして、一度距離を取った。

 

「アイズ。攻めてこないの?」

「……間合い。今ユウの間合いに入っても、攻撃は全ていなされる、と思う」

 

 正解だ。杖術は刀術以上に守りが固い。

 これを突き崩すのは相当骨が折れるのである。

 その要が間合いだ。自分のパーソナルスペースである。ここに敵をいれない。ここに入った攻撃は全て落とす、いなす。

 これが杖術の守りの基本だ。

 

 そして、攻めは多彩だ。

 杖はただの棒だが、だからこそ出来る動きは非常に多い。

 柔軟性に富んだ攻撃は予測しにくいが、警戒しているアイズ相手では効果は薄い。

 超反応で避けられる。これはもうどうしようもないのだ。

 

 一刻ほど打ち合って、千日手で終わった。

 アイズとここまで戦えるなら教えられるレベルだろう。

 安心した。これで私はレフィーヤにモノを教える資格があると言えるだろう。

 

 途中から観戦に来たリヴェリアは私が杖術を使っているのを見て、溜め息をついていた。

 レフィーヤに杖術を教えようとしているのがバレたな。まあいいか。

 何とかしてリヴェリアも説得しよう。

 魔導士だって前線で戦えないとか駄目なんです!

 

 ☆ ☆

 

 迷宮に入る。

 リヴェリアと二人だけで探索である。

 最深部まで行くつもりはない。レフィーヤの魔術の練習場所を探しに来たのだ。

 18階層までに使えそうな所をピックアップして、リヴィラの町で相談する。

 

 そのまま町で休息を取り、下層に降りる。今度は私たちの連携の確認や実験などが理由だ。

 実験相手に30階層辺りのモンスター・パーティーを何度も引き起こす。

 モンスターを引き寄せる罠を大部屋に蒔き、寄ってきたモンスターを半殺しにしていると、迷宮が私たちが追い込まれていると誤認するのか、モンスター・パーティーが起こるのだ。昔はこの方法で三日三晩愛し合ったものである。

 

 因みにこの方法を説明した時にリヴェリアは私に雷を落とした。

 もっと自分を大切にしろと怒鳴られたが、大切にした結果としてこういうこと(モンスター・パーティー)になったんだけどなぁ……

 

 連携の確認、ということは仮想敵がいる。モンスター・パーティーを利用する以上、仮想敵はモンスターの大群だ。

 なので、大規模な魔法での連携だ。

 二人で凍らせたり、メドローア宜しく炎と氷を混ぜたり、時間差、連続など、色々試していると。

 数の少ない竜種のドロップアイテムが荷物の大半を占めることとなった。

 

 私の借金が無くなった。嬉しい。

 

 ☆ ☆

 

 学区では最高成績だった。

 だからと言って、このままではオラリオで通用しないことは分かっている。

 私の取り柄は産まれ持ったこの魔力と、エルフ(同胞たち)の召喚魔法だけ。

 

 だけど、所属するファミリアは決まっている。

 あのロキ・ファミリアである。都市を二分する、最強のファミリアの一つである。

 ロキ・ファミリアには二人の有名な魔導士がいる。

 

 一人目は、エルフの王族にして、レベル6の冒険者。

 リヴェリア・リヨス・アールヴ様。

 『九魔姫(ナイン・ヘル)』だ。説明不要の有名人だ。

 

 もう一人は、何とヒューマンである。

 『赤姫』ユウさんだ。

 レベル5の冒険者であり、魔法を手足のように操る、と言われている。

 噂だけではどう凄いのかが全く分からないが、リヴェリア様が認めている、という点からみて、凄いのだろう。きっと。

 

 この人には、それ以外にも色々な噂がある。

 『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインとライバルである、とか百合関係だ、とか。

 男性であるとか、モンスターの生き血を啜る、などという噂もあるのだという。

 良く分からない人物である。

 

 そんな人たちのファミリアに入団するのだ。

 ロキ様に連れられて、ホームである黄昏の館に到着した。

 大きな館で、ちょっと尻込みをしてしまう。

 既に私の背中には恩恵(ファルナ)が刻まれている。その事を勇気に変えて、一歩を踏み出す。

 

 ここが、これからの私の家で。

 そして、家族(ファミリア)と過ごす場所なのだ。

 何が待ち受けているのだろうか。楽しみだな。

 




[ネタバレあり]


 ここで書くべきではないのですが、この小説の前提として、レヴィスはアリーゼではないことになっています。
 これは原作でそうだと明言されても変えないかもかもしれません。
 それぐらい話として致命的な部分なのです。
 どうしようもなくなると書き直しますが。

 次は主人公交代!
 レフィーヤさんが主人公だよ!
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