負けて、敗けた。
自分の世界で、俺は最強だったのに。
惨めなくらい、悔しかった。
打ち倒れた狼は、
無様だなって笑えよ、と心で叫んで。
目の前の人物は、
大丈夫かい、と微笑んだのだ。
負けて、敗けた。
だから、自分の世界を壊してやった。
周りに居た奴らは居なくなって。
手が痛くなって、心がすり減ったけど。
驕った心が擦りきれた。
擦りきれて、毒が飛び出して、膿んだのだ。
狼なんて、いつだってヒールだ。
皆に好かれて笑い合えるなんて、馬鹿らしい。
だから、笑ってやる。
お前らは無様だ。誰かに似て、無様なんだ。
だから、もっと悔しがれ。
そんな世界を壊して。俺に向かってこい。
そして、誰かに微笑んでやれ。
番外 花見サバイバル
踵を思いっきり振り上げる。必要なのは力だ。
渾身の力で振り降ろす。いや、蹴り落とす。
一瞬こちらを見て、体を半回転させる。
避けるつもりか。無駄だ。
俺は今、相手からは見えていないはずなのだ。
避けきれないはずだ。踵が頭に吸い込まれて、
トン、と足首に何かが当たる。
長槍の石突きだ。僅かに反れた軌跡を更に押し出される。
斜めにズレた先には、何もない。
何もない場所が、動いた。
驚いたように横にズレた。
ユウのやつ、ここに居たのか。
着地して、後ろを振り向く。
ユウがフィンと切り結んでいた。
これは模擬戦だ。俺とユウのペアとフィンで戦っている。
前衛が俺、後衛がユウだ。
なのに、フィンには簡単に後衛への攻撃を許してしまった。
だいたい、あの白色がどこに居るのか分からないのがいけない。
サポートはちゃんとしているんだろうな。
フィンには見破られていたぞ。
その後にユウがフィンに落とされ、俺も撃墜された。
俺たちの負けだ。
「いや、流石に焦ったよ。見えない敵っていうのは厄介だね」
「嘘をつくな。充分に対処できてたじゃねぇか」
「いや、見えてなかったはずだよ。
あれは多分、予測されたんだと思う」
予測だと? 俺の行動を全てか?
「ああ。でも当然、全部じゃない。
ベートの動きはある程度は分かるんだ。空気の動きとか狙われている場所何かは、何となくね。
これが経験って奴だ。分かったかい、ベート」
俺が足りないもの、だろ。……ちっ。
「よし、それじゃあ君たちには花見の場所を確保してきて貰おうかな」
☆ ☆
花見とは、二週間後に控える親睦会のことだ。
その場所の管理はギルドがしている。
説明をしよう。
祭り好きの神様たちによって、良い場所はすぐに埋まる。
なので、その場所取りに行く必要がある。
そして、半端な実力者では駄目だ。
理由は過去にある。
特等席を確保した中規模のファミリアの構成員が闇討ちされたのだ。
そして、場所を抑えた証文を奪われた。
犯人は奪った場所で宴会を開いているファミリアだ。
なので、すぐに犯人は明らかになったが、問題にされなかった。
そのファミリアは大手のファミリアだったのだ。
というかヘラ・ファミリアだった。
詳しくは近くの席を取っていたゼウスのために、闇討ちしたらしい。
一緒に飲みたかったと供述していたらしい。
誰も何も言えなかった。
闇討ちされた人も大した怪我では無いこともあって、問題にされなかったのだ。
それからだ。こんな法則が生まれた。
花見の席は、大怪我をさせない限り、奪い取って良い。
そう、これは争奪戦なのだ。
ーーー
「まあ、俺たちなら楽勝だろ。
レベル5二人に喧嘩売る奴なんて居るかよ」
まあ、その通りだ。
私もベートもオラリオでは有名だ。
……主に悪評が。
だが、それで襲ってこなくなるのならそれは良いことだ。
「まずは、何処が残っているのか調べないとね」
まだ朝も早い時間だ。
ギルドから良い場所を手に入れられる可能性もある。
そうすれば、奪い取る必要がなくなる。
それは良いことだ。
だが、それは理想論のようだ。
既にギルドには行列が出来ていた。
もう良い場所は無いだろう。
よし、襲おう。
「ベート、誰を襲う?」
「あのキョロキョロしてる奴だな。
良いもの持ってそうじゃねぇか」
「分かった。じゃあ私はあの子だね。
隠れるように移動するなんて。
襲って欲しいと言っているようなものだよね」
周りから白い目で見られた。
私たちが何をしたと言うんだ。
ーーー
「ドーモ、犠牲者=サン。アカヒメです」
「アイエエエ! アカヒメ!? アカヒメナンデ!?」
「うぉおおおお!? この狼いきなり襲ってきたぞぉ!?」
「逃げんじゃねぇ!このウスノロ共!」
「ハイクを詠め」
「待って、お願いだから待って! そもそもハイクって何!? 何なの!?」
「ハイクとは辞世の句デアル。古事記にもそう書いてある」
「次はどいつだぁ! その辺りのやつらか?
良いぜ、全員でかかってこいよ!」
「お前らもう目的忘れてるだろ!」
「腕の骨が折れた……!」
「人間には215本も骨があるのよ! 一本ぐらい何よ!」
「お前が折ったんだろ!?」
「おい! こいつら押さえるぞ!
「次は、お前か……! ちっ、どいつもこいつも逃げやがって……!」
「貴方たちぃいい! ギルドの前で何やってるのぉおおおお!」
ーーー
「…………ちょっと、やり過ぎちゃったかな……?」
「けっ、別にいいだろ。このくらい。
花見なんかに現を抜かしてないでもっと鍛えやがれ、と愚痴った狼の後ろには。
数十人の死体(ちゃんと生きてるよ!)と、数十枚の花見の場所の証文。
まあいいか、全員軽傷だし。因みに骨が折れている人はポーションを飲ませておきました。
ギルドには迷惑をかけたけど、必要なもの以外の証文は返却する。
その証文を再度買い求める金額で迷惑料としよう。
☆ ☆
「はあ、どうしてこうなったんだ……」
目の前でフィンが溜め息を着いた。
「ロキ・ファミリアに抗議文が幾つか来てるんだけど……?
ねえ、二人とも。いったいナニヲシタノ?」
ちょっと数十人ほど襲いました!
うん、言えないな。
結局私たちは、フィンに怒られた。
ーーー
首元に峰打ちが入る。
一瞬で意識を持っていかれそうになって、押し止めるために足を地面に叩きつける。
その足が払われて、首を落とされる。
意識を持っていかれた。
起きてみれば、正午頃だった。
また、負けたのだ。ユウとの模擬戦に負けたのだ。
「ちっ」
くそっ、あいつは強え。
今日一緒に雑魚共を襲ったときでもそうだった。
俺の方が敏捷は速いはずなのに、あいつの方が撃破数が多い。
魔法も使ってないのに、だ。
フィンいわく経験が足りないと言うが、実際はそうじゃねぇ。
まだ抜けねぇんだ。
相手より強いことが前提の戦い方が。
力でゴリ押してるんじゃなくて、
力で押さえつけている戦い方だ。
こんなんじゃ駄目だ。
俺は誰よりも強くなるんだ。
悔しさが。この悔しさが。俺を誰よりも強くする。
かつて負けたあの小さな背中に、追い付くために。
そして、あいつを振り向かせるために。
負けられないんだ。
☆ ☆
☆
☆ ☆
私を忘れないでね。
私も忘れないから。
番外 サクラメイキュウ
春麗らかな暖かい日だった。
道を歩いていて、ふと目についた。
視界の端で微かに桜の花を見付けた。
目を向けると、そこは花屋だった。
色とりどりの花と、土の匂いがしていた。
老夫婦が穏やかに座って、笑い合っていた。
私はふと思い付いて、桜の花を購入した。
リヴィラの町には行きつけの花屋があるが、あそこは高い。
今回はここで購入していこう。
そして、見付けた。紫苑の花だ。
紫苑の開花時期は秋で、春ではない。
どうしてこんな時期に咲いていて、売られているのだろうか。
気になって尋ねてみると、思いがけない言葉が帰ってきた。
気温管理を徹底することで、紫苑の花をこの時期に咲かせたのだそうだ。
理由は息子の命日に供えるためだという。
成る程、確かにこの花にはそれだけの価値がある。
紫苑と桜を購入して、受け取らない。
少しの間取り置きをしてもらったのだ。
私はその足で『豊穣の女主人』に向かう。
昼時が過ぎて、人のいない店に入った。
「おや、ユウ。こんな時間に来るってことは、昼食を食べそこなったのかい?
困ったね、これから予約があるんだが……」
「予約? まあ、それはいいや。今日は食べに来たんじゃないんだ。
リューと迷宮に行こうと思って。誘いに来たんだ」
別に今日じゃなくても良いのだ。
リューと出かける予定を入れられれば良いのだ。
「それは困るね。ここ最近は特に急がしいんだ。
リューを持っていかれるとねぇ……
だけど、ふむ、そうだね。分かったよ。
明後日にはリューに休みをあげることにしようじゃないか。……それで良いかい? リュー」
「ええ、私もそろそろ花を供えに行こうと思っていましたから。
ユウと行けるなら、私としても助かります」
良し、それじゃ花屋に受け取りに……
「けど、条件があるよ。なに、難しいことじゃない」
「……?」
「今、
体で誠意を見せてもらおうじゃないか」
えっ?
……ミアさん? 今、何と?
「だから、ユウには今日一日、接客でもしてもらおうかね」
☆ ☆
女子会だ。
また何かをしでかしたのか、フィンに怒られたティオネがやけくそで企画したのだ。
私たちを巻き込んで。
リヴェリアまで巻き込んだ女子の幹部全員に加えて、リヴェリアに巻き込まれたレフィーヤの五人で酒場に来ていた。
『豊穣の女主人』に。
ティオネが朝の内に予約をしてきたらしい。
もう逃げ出して迷宮に行くことは出来なさそうなので、今日は飲もうと思う。
思いっきり飲んでやろうと思う。
酔い潰れても良いのだ。
この店の方針なのか、ここには女性しか居ないからだ。
女性しか居ないのなら、ある程度はみっともなくても良いのだ。
私は店の扉を開けた。
「いらっしゃいませ! 豊穣の女主人にようこそ!
御予約のお客様です、…………か……?」
満面の笑顔が、凍った。
「…………何してるの? ユウ?」
ユウだった。エプロンドレスと短めのスカートをはいている、
……凄く似合っている。ちょっと羨ましい。
「……ユウ? 誰のことでしょう?
誰かと勘違いなされているのでしょうか。
この世界には同じ顔の人が三人はいると言いますからね。
それでは、こちらの席にどうぞ。お客様」
「うん、分かったよ、ユウ」
「そうね、そこがいつもの私たちの席だもんね、ユウ」
「その格好似合ってるね! ユウ!」
「あ、あのっ、ユウさん。辛いことがあったら、聞きますからね!」
「はあ……。何をしているんだ、お前まで……」
あ、店員さんから表情が消えた。
「……ご注文がお決まりなら、どうぞ」
「知り合いだからって、手を抜くんじゃないよ!」
ゴツン、とユウの頭にミア母さんの拳骨が落ちた。
「うわぁ……あんなユウさん、始めてみました」
「そうだね。私もあんまり見たこと無いなー」
「そうか? 普段のあいつを良く観察してみると良い。以外と抜けているぞ」
ああ、確かに。結構ドジだよね。
ーーー
料理が運ばれてきた。
ユウとエルフの人が運んできた。
大きなピザや串物、パスタ、サラダ等が並んでいる。
飲み物はユウが運んできて、一旦魔法で冷やしてから配ってくれた。
やっぱりユウなんじゃないか。
そして、宴会が始まった。
始めは愚痴だ。レフィーヤが早々に酔ったのか、本人が居るというのにユウとリヴェリアの愚痴を言い始めた。
釣られるようにティオナが話し始め、ティオネへと感染した。
リヴェリアはユウに注文をしながら愚痴をこぼしていた。主にレフィーヤの。
私はどうしたものかな。別に愚痴は無い。
強いてあげるなら、ベートが何故か良く絡んで来るぐらいだ。あまり人付き合いが得意じゃないから、親切心なのかな?
ちょっと寂しい。
皆は楽しく話してるのに、私だけ一人だ。
ユウに配られたお酒を見る。黄金色の液体。
えい。一気に飲んじゃえ。
ーーー
凄く、怖かったです。
アイズさんが、大量に飲み始めたんです。
ユウさんにお酒を何回もおかわりして、それを一気に飲み干した彼女は、バタンと倒れて、起き上がった。
そして酒場の店員の姿をしているユウさんに、模擬戦を申し込んだ。
ティオネさんも、ティオナさんも、リヴェリア様も、当然私も反応が遅れた。
そして、それが致命傷だった。
剣を抜いたアイズさんはユウに襲い掛かった。
だけど流石はユウさんで、攻撃を紙一重で避わした。
そして、エプロンが切れた。
二回、三回、四回と剣が振るわれ、ユウさんも同様に避ける。
どんどんとアンダーウェアが露になっていった。
といっても、その事に気付いたユウさんは自身を見えなくしてしまったので、私は確認できませんでした! 残念です!
結局、アイズさんはリヴェリア様やティオネさん、ティオナさんに取り押さえられ、私たちはお店に弁償金を支払いました。
それにしても、あの時のアイズさん、格好良かったなぁ……。
凛々しくて、毅然としていて。
私も、あんな風になりたい。あんな風に戦ってみたいなぁ……。
☆ ☆
「災難でしたね、ユウ」
リューが言った。だけど、口許が笑っている。
「ねぇ、リュー。リューは当然、予約の客がアイズ達だということも、私が彼女たちと知り合いだということも知ってたはずだよね……?」
どうして目をそらすのかな。ねぇ。
「ああ、ミノタウロスですね。
私が前衛を担当します、サポートをお願いします」
逃げたな。
まあいいや。モンスターを見る。
五体居るね。リューの邪魔をしないように左右の端に居る子を凍らせる。
その間にリューは三体の首を狩っていた。
ーーー
そうして進んで、17階層に着いた。
「私がやるよ。いいよね、リュー?」
「ええ。私は本来、冒険してはいけませんから」
リューは冒険者の資格を剥奪されている。
魔石の交換なども資格的には出来ないのだ。
抜け道なんて幾らでもあるが。
刀を取り出す。五億ヴァリスの刀だ。
取り外し式の魔宝石を組み込んでいる。
魔宝石の影響で刀自体が薄く紫色に染まる。
静寂に声が響いて、私の
ゴライアスが吼えた。
彼が拳を振りかぶって、降ろす。
拳の一歩手前で軽くジャンプ。地面から伝わる衝撃を無くして、
彼が拳を引き込めるタイミングで手首を刺す。
私は相手に自身の懐に連れていって貰い、途中で手首を切断。
切られた断面が凍って、内側を侵食していく。
もう、止まらない。
この魔法は人間相手には使えない。
毒のような魔法だからだ。
刀に滴る水の正体は、氷点下以下の
そして、この水は周りの水分と異常反応を起こすように調整した。
この状態の水は、衝撃を与えると一気に凍る。
つまり、切られた箇所から凍っていくのだ。止めたければ患部を切断するか、焼くかだ。
どちらにせよ、切られた箇所は捨てざるを得ない。
そんな、毒の魔法だ。
腕を切られて吼えたゴライアスの四肢を全て切りつけて凍らせる。
昔のような達磨状態だが、気分は高揚しない。
リューが居るからね。
なので、首を落とす。
あっさり落ちる。一切、詰まらない。
流石は五億ヴァリス。凄い切れ味である。
その上、血を弾いている。
幾ら血を着かないように切っても、ある程度はどうしようも無いものだというのに。
流石である。高かったけど、これは良い買い物だったのだ。
ーーー
リヴィラの町で休息を取った。
宿には泊まらない。リューが泊まれないからだ。
森に分け入っていく。
複雑な経路を通った森の奥には、墓がある。
刺さった剣が墓石である、空洞の墓。
私の親友の居場所だ。
刺さっていた剣を抜いて、手入れをする。
刃先が溢れていたりするが、それは直さない。
彼女の生きた証でもあるからだ。
錆を防止して、弱くなっている部分を補修する。
そして、また刺す。
周りの雑草等を抜いて、掃除する。
リューも手伝ってくれた。
花を供える。
リューは白色の花と、ここに来るまでにその花に合いそうな花を手折って、供えた。
そういった供え方でも良い。
私のように一々凝らなければいけない決まりはないし、私も普段は凝っていない。
私の用意した花は、桜と紫苑だ。
薄桃色の春の花と、薄紫色の秋の花。
普通なら同時に供えるようなことには出来ない組み合わせである。
だけど、この組み合わせには意味があるのだ。
「ねぇ、アリーゼ。知っているかい。
極東にはね、桜と言う花があるんだ。
色々な種類があって、昔は気にもしなかったけれど、今から思うとやっぱり美しかったんだろうね。
そして、もう一輪は紫苑だ。
これは秋の花でね、花屋の老夫婦がこの時期に咲かせたらしい」
そして、
「私は君を忘れないよ、アリーゼ。
毎月一回はここに来る。これから色々あって来れないことが有るかもしれないけど絶対に忘れない。
好きだよ、アリーゼ。
恋愛のことじゃない。
私の愛は彼らのモノだけど、私の友情はアリーゼが居なければ有り得なかったんだ。
私の喪失を埋めくれたのは彼らだけど、私の虚しさを埋めてくれたのは君なんだ。
もう一度言うよ、私は君が好きだ。アリーゼ。
だから、桜を供えるんだ。
恋愛のことじゃない。
だから、勿忘草じゃなくて、桜なんだ。
これはただの我儘だと思うけど、偽らない私の気持ちなんだ。
私を忘れないで、アリーゼ」
お願いだ。そういって、目を瞑った。
ーーー
刀を取り出した。五億ヴァリスの刀である。
昔、ヒューマンの剣士に業物を使えと言われたな、と思い出す。
集団戦闘でのみだけど、業物を使っているよ。
「刀を、買ったんだ。高かったんだよ。
結構前のことだけど、ちゃんと報告はしてなかったよね。
そして実はこの刀、銘が無いんだ。
受け取るときにゴタゴタがあってね、付け損なってたんだ。
でも、決めたよ。先ほどのことを、私が一生覚えていられるように。
『サクラシオン』と、そう名付ける」
そうだ。この際だから、言っておこう。
「リュー、お願いがあるんだ」
「……何ですか?」
「もし、私が死んだら。私をここに埋めて欲しい。そして、私の刀を、『サクラシオン』を、私の墓標に……」
して欲しい、と言おうとして。
「ふざけるな! 私たちは友達だろう!
私はそうだと思っている! なら、一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に生きていくんだ!
生きていくんだ! だから、だから……。
死ぬなどと、口にしないで欲しい。
お願いだ、ユウ。私はお前まで失いたくないんだ」
「…………ゴメン、リュー」
「いや、私の方こそすまない。熱くなりすぎた」
リューの言う通りだった。
失敗も、後悔も、きっと沢山ある。
どうしようもないことも、きっとあるんだ。
でも、生きる事は、やめちゃいけない。
どんなに惨めでも、希望なんてなくても。
迷宮に桜が散った。
誰かを歓迎しているように、散っていた。
ヒラヒラと、ひらひらと、舞い散っていく。
短編集!
どうだったでしょうか。楽しめたなら嬉しいです。
よし、それでは簡単に説明を。
・花見サバイバルについて!
「きゃー。この人痴漢でーす!」
「てめぇ、ユウ! 何てこと言いやがるんだ!」
このシーンをどうしても入れたかったのに!
ちくしょう。ちくしょう……。
後、ベート君の考えを勝手に改造しています。
出来るだけ原作には沿うようにしていますが。
そして、じつはこの話は続きます。
肝心の花見が書けていないからね。
これ書いちゃうと、字数が……。
なので、次は番外か本編かは不明!
予定が未定なのです。スマヌ、スマヌ……。
・サクラメイキュウについて!
これには前知識が要ります。花言葉ですね。
紫苑の花言葉は『貴方を忘れない』
桜の花言葉は沢山あります。なので、詳しくは書きませんが、一つだけ。
『私を忘れないで』です。
正しくはフランスにおける桜の花言葉らしいです。
日本でも使うものだと思っていました。
これら話は同日のことで、ベートとの模擬戦の後にユウは桜と紫苑を見つけることになります。
エンチャントにも話したいことが……!
え? もういい? そうですか……。