普段組み合わない人同士で会話させるのって意外と面白いですね。
さて、櫻田家にやってきた茜(明)のお話です。
長谷川家に居る明(茜)は書かないですね、きっと。
そしてついに、DVD3巻が届いて早速観てました。
本編も勿論面白いのですが、オーディオコメンタリーも面白いですね。微笑ましくて笑ってしまう。
ディスクに描かれている栞ちゃんの笑顔が可愛過ぎる。そして輝の表情も可愛い。
買った方は是非見て下さい。良い表情をしてますよ。
家に帰り着いた茜(明)と葵、荷物を置くと即座に葵の部屋に入った。
「葵さん、俺の力不足でこんな事になってしまって本当にすみません。」
「大丈夫…なのかはまだ分からないけど、茜の為に身体を張ったんだから。解決策を探しましょう。」
入れ替わってしまった事に、明は負い目を感じていたのだ。
「はい。とにかく、今日をやり過ごす為に頑張ります。それで、お願いなんですが…」
「何?」
「着替えを…手伝って下さい…」
「あ…なるほど。ちょっと待ってて、持ってくるから。」
流石に茜の物を物色する訳にはいかず、葵に頼る事しかできなかった。そして、着替えさせて貰ったのだが、ずっと目を閉じていた。
「はい、出来たよ。」
「ありがとうございます。」
「どう致しまして。何でも言ってね、協力するから。」
「……茜さんの為にお願いします。」
「明君の為にもよ。そこまで気を張らなくて良いのよ。」
「いえ、この身体は王族です。何かあってからでは遅いんです。もう、遅いのですが……」
「明君…もしかして緊張してる? 茜の身体になって。」
「そんな事は……うん、緊張してる。王族の身体だからこそ大切にしなきゃと思うと…」
「そ、そこまで気負わないで!」
王族を護る身でありながら、王族の身体になってしまった事に、心が不安定になってしまっていた。
「さっきは茜さんの前だったから耐えてたけど、不安で仕方ない…」
いつもしっかりしている明がここまで弱っていた。すると、ふわっと暖かく、葵が抱き締めてくれた。
「大丈夫。何とかなるとは言えないけど、元に戻る方法を考えよう。」
「はい…」
茜の身体の記憶が残っているのか、それか今明が弱っているのかどちらかなのだろうが、葵に抱き締められて安心した。
「とりあえず、ご飯の準備をしよう。」
「手伝うよ。」
「うん、お願い。あっ、制御の方は…」
「大丈夫。少し分かってきたから。」
先程までとは違い、しっかりと立つ事が出来て、歩く事も出来た。
キッチンに行き、晩御飯のシチューを作る準備を始めた。
さつきと3人で作っていると、栞も手伝いに来たが、4人で話している時に、栞から異様に視線を感じていた茜(明)だった。
「お母さん、お風呂入ってくるね。」
「分かったわ。」
「行こう、茜。」
「う、うん。」
と、自然な流れで行けるはずも無かった。
「葵姉とあか姉が一緒に入るなんて珍しいね。」
「じゃあ私も入る〜!」
岬と光の乱入だった。
「ごめんね、茜と相談したい事があって…」
「え〜私も聞きたい!」
「光はもうちょっと大きくなってからね。」
「えぇ…分かったよ。」
納得してくれて、2人は納得した。
脱衣所に行くと、茜(明)は目を閉じて葵に脱がせて貰った。そして、タオルを渡してもらい、顔に巻きつけて視界を塞いだ。
「どうしてタオルを?」
「茜さんの裸を見る訳にもいかないし、白兄の彼女の葵さんの裸を見る訳にはいかないよ。万が一目が開いてしまった時の対策だけどさ。」
「…………」
見えてなくても分かった。きっと、今葵は真っ赤だ。
髪や身体を洗ってもらい、風呂に浸かるまで少し時間が掛かってしまった。
だけど、触られている感触で茜の体格などが分かってしまい、真っ赤になるのは茜(明)も同じだった。
「明日までに解決策を見つけよう…これは耐えられない…」
「そうね…。あっちも多分同じ状況だと思うから。」
葵の予想は的中していた。
長谷川家の方でも、白が明(茜)を風呂に入れていたのだった。
「そういえば、葵さんは白兄と付き合ってる事を誰かに言ったんですか?」
「お母さんにしか言ってないかな。まだ皆に言うには勇気が足りなくて。」
「そうなんだ…でも、王様には言った方が良くない?」
「だよね…でも、選挙が終わるまで黙っていようかって考えるの。」
「あと2年弱か…長いな。」
「やっぱりそう思うよね。」
葵もいつ総一郎に、付き合っている話をするか悩んでいた。それは白も同じだった。
風呂から上がり、パジャマに着替えた後、また晩御飯の手伝いをして皆が風呂に入り終わると、食事を始めた。
幸いだったのが、父の総一郎が夜遅くに帰ってくる事だった。総一郎は人の感情を色で見分ける事が出来る為、茜(明)の色を見れば一目瞭然だったのかもしれない。
後片付けをして、すぐに葵の部屋に行った。
「明君凄いね。茜を演じれるなんて。」
「執事ですから、それに一緒にいる事が多いから観察する機会も多いからね。」
「観察って…」
「体調が悪かった時の為だよ。無理させる訳にはいかないから。」
「あぁ、そういう事。」
「姉さん、茜、ちょっと良い?」
何か用があるらしく、奏が入ってきた。
「2人とも何か隠してる?」
「「っ!?」」
「なっ、何でかな?」
「栞が心配してたからよ。特に茜。」
やっぱりか…っと、茜(明)は内心思った。晩御飯の準備をしている時、食事をしている時、後片付けをしている時に、何度か話しかけられ、栞から異様な目で見られていたからだ。
「私は何とも無いよ。」
「私も。」
「そう。栞に心配かけさせないでよ。」
それだけ言うと、部屋から出て行った。2人から安堵の息が同時に出た。
明(茜)に教えなければならない事があり、携帯を確認するが、取り替えるのを忘れていた為、《茜》の携帯のままだった。メールが来ていて、見ても大丈夫か不安だったが、明(茜)からだった。とりあえず、返事は電話でする事にした。
『もしもし明君?』
「……やっぱり、自分の声が返ってくるのは変な気分だ。」
『私もそうだからね!』
「んで、話って?」
『明日、どうするかってかなちゃんからメールが来て…』
「大丈夫、プランは考えてあるから後でメールで送るよ。」
『分かった。ありがとう。』
「いや、こっちがありがとうだよ……」
『それと……さ…見た……の?』
明(茜)の声が恥ずかしがっているのが分かった。これは携帯や部屋の事を聞いてるのかと思った茜(明)だった。
「大丈夫だよ。茜さんからのメール以外見てないし、部屋も物色してないから。」
『そ、そこは良いんだ。その…お風呂や………トイレなど……』
明(茜)の言いたい事が分かってしまい、茜(明)は誰にも見られた事が無いくらい真っ赤になった。
「………見てないから…」
『その間は何!?』
「大丈夫、本当に見てないから!何だったら葵さんに聞いて!」
『もうお嫁に行けない……』
トイレやお風呂に入った事は事実だった。どうやらその事がバレたようだ。そしてそのまま通話が終了していた。
茜(明)の弁明の余地もなく、顔を両手で押さえた。今頃明(茜)も同じ体勢だろう。
「大丈夫? 茜と何の話をしているのか大体の事は分かったけど。」
「時間を巻き戻せる能力が欲しい…」
苦笑するしかない葵だった。
その後、明日の事を書きつつ謝罪メールを明(茜)に送り、今日は寝る事にした。
まだ先が不安な為、葵と一緒に寝る事になった。茜と同室の光には適当に誤魔化している葵だった。
「…その…葵さん、何も一緒のベッドで寝なくても…」
「良いじゃない。今は茜なんだから。」
「…はぁ…分かった。」
断るべきなのだろうが、頼り過ぎたが故に断らなかった。
同じベッドに入るが、体の向きは反対だった。流石に至近距離で見るには無理があった。
「ねえ、明君に聞きたかったんだけど、好きな人は居るの?」
「急にどうしたの…」
「ちょっと気になって…それに、私ばかり聞かれるのはちょっと恥ずかしくて…」
「成る程。今は…いないかな。」
いろんな人の顔を思い描くが、これと呼べる人物はいなかったようだ。
「…そう。茜の事はどう思ってるの?」
「どうって…可愛いとは思うし、良い人だけど…まぁ、好きかどうかは分からない。」
「ふふっ。」
「何で笑うの!?」
「ごめんごめん、やっぱり明君も男の子なんだなって思って。」
「それが分かってるのなら一緒に寝るだなんて誘うなよ…」
急に撫でられて驚いてしまった。
「なんかつい可愛くって。」
「それは茜さんの身体だからじゃないですか?」
「明君だからだよ。」
「…………男は可愛いって言われて喜ぶ人はそういないよ。」
「ごめん。」
「謝るなら手を退けて言ってよ。」
謝っても撫でるのをやめない葵だった。茜(明)が可愛くて仕方ないようだ。
「茜の事をよろしくね。」
「分かってますよ、執事ですから。」
明かされる明の好きな人!
はい、いないです。茜の事は意識してしまっているかもしれませんが。まぁ、暖かい目で見守って下さい。
葵と明を絡ませるのが何故か楽しかったなぁ…とか思ってました。
でも、他の組み合わせとかやってみると難しいだろうなぁ…とか思ってしまう。明と遥は凄く気が合いそうで凄く仲良しになれる気がするんだけど、上手く書けなさそうだな。とかなってしまうんですよ。仲は良い設定なんだけど。
・櫻田 茜(明)
《茜》の体型を知ってしまい、罪悪感が募ってしまっている。そして、葵には多大な感謝の気持ちを抱いている。
次回、奏と明(茜)のお出掛け!
では、また。