櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

17 / 42


途切れてしまった毎日更新。
遊びに行ってたもので更新出来ませんでした。

許して下され。
とは言っても、毎日ずっと続けるのは無理があるので、2日空いたりする時もあるかもしれません。
もしくは1週間だったり、1ヶ月だったり…-

まぁ、気の向くまま更新します。




十六夜

 

 

「お待たせ。早いのね。」

 

「あっ、おはよう。し、執事ですからね!」

 

明(茜)と奏の出掛ける日が来てしまった。

朝に明と茜は打ち合わせをして、何かあった時の為に小型無線機を渡して、白と変装をした葵と茜(明)は遠くから見守っていた。

 

「バレなきゃ良いんだけど…」

 

「奏さんだから難しいけど、なんとか誤魔化さなきゃ。」

 

レストランに移動しようとするのだが、遠目からでも分かる程に明(茜)はカチコチだった。

 

「あの子大丈夫かしら…」

 

「茜さんなら大丈夫でしょ。」

 

「明、手が震えてるよ。」

 

こちらは誤魔化しきれないようだった。茜(明)は明(茜)が心配なようだ。

 

「ねえ、今日どうする?」

 

「こ、この後映画はどう?」

 

「映画? 何観るの?」

 

「えっと…ほら、あの〜…」

 

『《タイムストック》。』

 

「そう、《タイムストック》! 」

 

題名を思い出せなかったが、茜(明)から無線で教えてもらった。

 

「あぁ、今話題になってる映画ね。」

 

「そ、そう。良い機会だからさ、こういう時にしかかなちゃ…奏さん、映画とか観ないでしょ。」

 

「……確かに。自分から映画館に行く事なんで最近は無いわね。」

 

「じゃあそれで良い?」

 

「良いわよ。」

 

この会話のやり取りに一瞬冷やっとする茜(明)達だった。

明(茜)はバレない為に必死になるも、周りのお客さんから、視線を感じていて、かなり緊張しているのだった。

 

「明は、次期国王は誰になると思う?」

 

「誰がって…」

 

一瞬返答に困ったが、以前明と話した事を思い出した。

 

「俺達は執事として応えるだけだから、誰が国王になっても良いと思ってる。」

 

「ふ〜ん。明達は投票権が無いんだったわね。それはそれとして、最近茜とはどうなの?」

 

「え!?わた…茜さん!?」

 

「そう。」

 

茜(明)はまたこの質問か…と思った。櫻田家や兄妹からよく聞かれる質問ではあった。

 

「い、いや〜別に特に何も決して無いかな〜。」

 

「何かあったのね…」

 

最近明(茜)からすれば、《明》に惚れた事と、その惚れた相手と身体が入れ替わってしまった事だ。当てはまる事は大きくても2つはあった。

奏からは不審な目で見られるが、何故かそれ以降は掘り下げては来なかった。

 

食事を済ませ、映画館へと向かった。予め、《明》がチケットを予約していた為、並ぶ事も無くスムーズに買う事が出来て、良い席を取っていた。

白達もチケットを買って、館内に入っていった。

 

「これかなり観たかったんだ。」

 

「だろうと思ったよ。白兄は買うの? DVD。」

 

「それは観た後次第かな。」

 

「白はどういう映画が好きなの?」

 

「アクションとか好きかな。あとSFとか。」

 

「じゃあ今度一緒に何か観に行かない?」

 

「うん、良いよ。」

 

「(…俺、今離れた方が良いかな?)」

 

場の空気を読もうとした茜(明)。だが、今は離れる訳にはいかなかった。

明(茜)達はちょうど真ん中辺りで、茜(明)達はそれより後ろ側の方の席を取った。

 

そして映画が始まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「これは買いだな。」

 

「結構面白かったね。」

 

葵と白は映画を楽しんでいたが、茜(明)はそれどころでは無かった。

 

「ああ〜面白かった!」

 

「う゛ん゛、ぞうだね。」

 

あまりにも面白く感動したのか、明(茜)は号泣していた。これは流石に不味いのでは無いかと、茜(明)は悪い予感しかしていなかった。

 

「さて、これからどうしましょうか茜?」

 

「えっと…かなちゃんの服とかー」

 

『茜さん!』

 

「え?」

 

「やっぱり…」

 

「えっ!?何が?」

 

「あんた、茜でしょ。」

 

「あっ………」

 

バレてしまった。これは《明》の計画ミスであった。《茜》がここまで号泣する事を予感していなかった為、油断していたのだ。

 

「明が近くに居るんでしょう。呼んで来て。」

 

「……うん。明君、ごめん。」

 

『分かった…今行くよ。』

 

茜(明)達は明(茜)達と合流して、身体が入れ替わった経緯を話した。だが、奏は少し驚いただけだった。

 

「本当に入れ替わってたなんてね…」

 

「奏さん、あんまり驚かないんだね。」

 

「茜が堂々と町中で立っている方が驚きよ。」

 

《茜》にはグサッと来る言葉だった。確かに変装はしているとは言え、隠れようとしていなかった。これは堂々としていた方がバレないと思っての行動だった。

 

「んで、戻れる方法とかあるの?」

 

「色々試してはみたけど、ダメで今はお手上げ状態なんだ。かなちゃんは何か良い方法とか無い?」

 

「……はぁ…2人ともこっちに来なさい。」

 

奏に連れられ、茜(明)と明(茜)は人気の無い裏路地に入っていった。葵と白は顔を見合わせて何をするのか思いつかなかったが、待つ事にした。

 

「戻ったー!」

 

少し時間が経つと《茜》が嬉しそうに戻ってきたのだ。

 

 

「戻ったって…本当に茜?」

 

「うん! お姉ちゃん、戻ったよ! 私の身体に戻れたよ!」

 

「どうやったの?」

 

「どうだって良いでしょ。」

 

明と奏も戻って来て、説明する事を拒否した奏。何をしたのか話さない事を2人に約束させたようだ。

 

「皆、本当にごめん。」

 

「べ、別に良いよ。明君が悪いって訳じゃないし。こうして戻れた訳だから。」

 

「そうよ。責任を感じすぎないで。」

 

明の謝罪を優しく受け止める茜と葵。白も同じだった。

 

「さて、姉さん、茜。今日帰りは遅くなるから。それと白さん、明をお借りしますね。」

 

「え? かなちゃん?」

 

「何よ。今日は明と遊ぶんだから。約束は守って貰わなきゃ。」

 

「……分かった。」

 

茜が羨ましそうに見つめるが、約束は約束だった為、諦めるしか無かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

茜達とは別れて、町中を散歩する事にした奏と明だった。

 

「何で相談しなかったのよ。」

 

「…心配かける訳にはいかなかったから。」

 

「それで解決はしなかったでしょ。」

 

「それは…まぁ、確かにそうだった。でも、頼る訳にはいかなかったんだ。俺の力不足でああなった訳だし。」

 

「葵姉さんも言ったでしょ。責任を感じすぎないでって。仕方のなかった事よ。」

 

「優しいんですね。」

 

罪悪感でいっぱいではあったが、少し気が楽になったような気がした。

 

「ほら、明ってあんまり人に頼らないタイプでしょ。」

 

「それは奏さんにも言える事だよ。」

 

「……まず聞きなさい!」

 

奏と明は似たタイプだ。あんまり人に頼らずに自分で解決するような人だった。

 

「どうせ、執事だから私達王族に頼らないようにしようとか思ってるんだろうけど、頼りなさいよ。私達は他人じゃないんだから。」

 

「分かったよ。でも、それは奏さん自身にも言える事だからね。」

 

「分かってるわよ。その時はこき使ってあげるから。」

 

「大丈夫だよ。」

 

「執事だから?」

 

「そう。」

 

この後、デパートの服屋で奏から着せ替え人形にされて遊ばれる明だった。

 

 

 






次は灰か渚をメインにした話にしようかな。
ネタが思いつけばの話ですが……
思いつかなかったら、明か白のどちらかがメインになります。

そういえば、映画のタイトルは適当に付けました。
何か他作ネタとか引っ張ろうかなとか思ったのですが、やめました。そういうのが嫌な方とかいるんじゃないかとか考えてしまって…
いやもう、何かネタはやってた気はしますが…
一層の事やって良いかな? まぁ、気が向けばやりますかな。

では、また次回。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。