櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

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お久しぶりでごさんす。
約半年ぶりなのかな。
遅くなって申し訳ないです。
ぶっちゃけるとネタ切れってのが1番の原因でしたね。ですが、色んな物を見て色々アイデアが浮かんできたので続きを書く事が出来ました。




27画

 

 

「………正々堂々戦う事を誓います。選手代表、櫻田奏。」

 

 

生徒会長である奏の選手宣誓が終わり、奏、修、灰にとっての最後の体育祭が始まった。

 

 

「ねぇ、灰さんって能力を使わなかったらどれくらい早いの?」

 

「どれくらいって……最近能力が向上して更に速くなってるのに比例して、能力を使わなくても速くなってるよ。まぁ、この学校の中では1番速いんじゃないかな。」

 

 

この体育祭では櫻田家、そして長谷川家の子ども達は能力を使用する事は禁止されていた。当たり前なのだが。

 

灰が走っている所を目にした人は殆ど居ない。最も、目で捉えられない速さだからだ。灰専用ランニングマシーンを使っている時に初めてわかるのだが、灰の四肢は全く見えない。微妙に残像が見える程度だ。それ程速く走っているという事だった。

 

能力を使わなかった場合、どの程度速いのか気になった茜は明に先程の質問をしていた。

 

 

「それに見てれば分かるよ。」

 

 

最初の種目は3年男子の徒競走から始まる様だ。何組か走っていき、灰の番がやって来た。

 

 

『位置について、よーい…』

 

 

パンッとスターターピストンの合図により、駆け出した。

 

 

「「「おぉ!」」」

 

 

茜も、周りの人も声に出して驚いていた。明の言う通り本当に速く、2位とは差が開く一方だ。そしてあっという間のゴール。

 

 

「大会とか出たら凄いんじゃない!?」

 

「それは無いかな、灰兄にその気は無いだろうし。」

 

「でも、楽しそうに走ってるよ。」

 

 

茜の言う通り、灰は楽しそうに走っていた。走り終えた表情も笑顔だ。

 

 

「速い事が灰兄の1番の長所だからだよ。1番努力してる所だし、結果が出てるからね。」

 

 

修は走れない為出場していない。3年生の徒競走は終わった。

 

「どうだい!この僕の最高の走り姿は!」

 

「ハイハイ、スゴカッタスゴカッタ。」

 

「本当に速いんだね、長谷川君は。」

 

「だるるるるぉ! 僕の努力のA☆KA☆SHIだからね!」

 

「「………」」

 

先程まで適当に流していた修と、巻き込まれる形で佐藤花まで灰の自慢話が続いていた。

 

 

「それ位にしておきなさい。佐藤さんが困ってますよ。」

 

 

お嬢様モードの奏が止める始末だ。

 

 

「僕は思っていたんだよ。修の瞬間移動より僕の高速行動の方が速いって。いや待てよ…彼女を作るのは僕より速いってか…何だよ修、リア充じゃん。末長く幸せに爆発しろよ。」

 

「何なんだよ!?」

 

 

これには修も花も真っ赤だった。

何かと騒がしい所になってしまっている奏達のクラスだ。

 

 

「かなちゃん達のクラスは見つけやすいね。」

 

『女子のみんなー!次は1年女子の徒競走だー!』

 

「まぁ、特に灰兄が騒がしいからね。」

 

『赤組を、櫻田さんのいるこの赤組を勝たせる為に!全力で!』

 

「大概、このクラスも騒がしいと思うけどね。」

 

「言わないで……」

 

『頑張るぞ!!!』

 

 

福品の掛け声に盛り上がるクラスだった。

茜達のクラスも騒がしい為、周りから多大な注目を浴びていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

体育祭の為、来賓の方も多い。櫻田家の子供達が出るという事でテレビカメラが入って来る事もあったのだが、事前にNGを出している為学校内に入る事は出来ない。だけど櫻田家の頑張る姿を見たいと言う人で溢れかえっているのは確かだった。

 

 

「これは凄い人集りだね…」

 

「前の学校とかは少なかったの?」

 

「山奥の田舎だったからね。こんなに人が来る事は絶対に無いよ。」

 

 

予め用意された櫻田家の特等席に櫻田姉弟は居た。白とは色んな話をしているのだが、以前居た学校についてはあまり聞いた事が無かった葵だ。

 

SPが四方を守り、白が近くで櫻田家を守っている形。

輝や光が屋台に眼を光らせたのだが、渚に止められ、渚が買いに出て行ったが人集りが凄い為時間が掛かっている。

 

 

「渚、大丈夫?」

 

『大丈……ちょ、ちょっとすみません、コスプレじゃないので写真とかは…はい、すみません…うん、大丈夫だよ。』

 

「本当に大丈夫?」

 

無線で確認を取るのだが、何かに捕まった渚だった。理由としては2人の格好だ。白は執事服で渚はメイド服。まだ中学生の女子がメイド服を着ている事にコスプレと勘違いした人がいたとかなんとか…

妹の事が心配な白だ。

 

 

「俺が行っても良かっ…」

 

『それは絶対にダメって言ってるでしょ!』

 

「…分かったよ…」

 

 

逆に白が行けば心配で仕方ない渚になるのは目に見えている。

 

 

『本当に大丈夫だから…ごめんなさい、撮影の為に着てる訳では無くてですね。』

 

 

無線から聴こえてくる渚はまたトラブルに巻き込まれていた。

 

 

「灰、今空いてる?」

 

『今? 空いてるよ。』

 

「渚を助けてあげて。」

 

『と言うと?』

 

 

この場から動けない白は灰に応援を呼んだ。

 

 

「メイド服だからまた絡まれてる。」

 

『分かった。』

 

「楽勝だったよ。」

 

 

返事をした後、数秒で渚と屋台で買ってきた荷物を抱えて現れた。

 

 

「ねぇ、びっくりするんだけど。」

 

「仕方ないだろう。可愛い妹が絡まれてるんだから、助けなきゃ。」

 

 

当の渚はやや不満気味だ。

 

 

「私1人で何とかなったよ。」

 

「渚自身で解決出来た確率は30%だよ。灰さんが行かなかったらそのまま写真撮影会が始まってたんじゃない?」

 

 

会話を聴いていた遥が能力で調べた結果だった。

 

 

「何おう!? 私だってやる時はやるよ!」

 

「渚は押しに弱いって事ね。つまりはそういう事だ。遥ちゃん。」

 

「はあ!?」

 

「え?そう言う事なの遥?」

 

「葵姉さんまで何言ってんの!?」

 

 

遥から追われる前に逃げた灰だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「そんなに落ち込む事ないよ茜。」

 

「あんなの恥ずかしいって…」

 

「まぁ…否定はしないけど…」

 

 

落ち込んでる茜から顔を背ける花蓮。何が起こったかと言えば、茜が走る出番になった時に、茜ファンクラブからの野太い大声援だった。

 

 

「「「あっかねっさま〜!!!」」」

 

 

これには周囲も驚きだった。余りにも恥ずかしかった為、イマイチな結果になってしまった。

 

 

「ほら、次は長谷川が出るよ。応援しないと。」

 

「そうね…応援しなきゃ…明君頑張れー!」

 

「えぇ…」

 

 

立ち直りの早さにやや引き気味な花蓮。

 

 

「ふふふ、この時を迎えてしまったな明。因縁の対決に決着をつけるぞ!」

 

「別に迎えても無いし、因縁でも無いし、決着も何も同じ赤組だろ。」

 

 

次の競技は玉入れだ。所定の位置に着いた途端に宣戦布告をされた明。因みに相手は灰。

 

 

「何事にも勝負は付き物…」

 

「戦う相手は白組だから。」

 

「避けては通れない相手がそこに居るならば戦うのみ!」

 

「居ねぇよ。」

 

 

ツッコミを入れるが、聞いては居なかった。

 

 

「勝った者は奏とデートな。」

 

「何でそこで私が出るの!?」

 

「何だと!?」

 

 

修のその一言に闘志を燃やす灰、そして聴いてしまった男子達の闘志が燃える。

 

 

「えぇ…」

 

「そんなに嫌な顔されるとは不快なんですけど。」

 

 

嫌な表情の明に、青筋がビキビキ唸っている奏だった。

始まりの合図と共に一斉に玉を籠へと投げる一同。

 

投げていて明は考えた。

自分が何個入れたか分からなくね?っと。

普段なら飛び交う玉を目で追う事は可能かもしれない。だが、今は違った。

奏とデートしたいが為に燃え上がる男子達の玉投げの速さが異常だった。

 

結果的に赤組は勝ったが、誰が1番多く入れたか分からない始末になってしまった。よって、奏とのデートの件は無くなった。

 

 

「赤組凄かったね。何があったの?」

 

「修さんが勝った者に景品を出すって言い出した。」

 

 

テントに戻って来た明に茜が質問してきた。先程の玉投げの事だ。

 

 

「その景品って?」

 

「奏さんとのデート。」

 

「え!? また!?」

 

「結局誰が勝ったかってのは有耶無耶になってその話自体が無くなったけどね。」

 

 

それを聞いてホッとした茜だった。

1年生の綱引きが終了し、2年、そして3年生と終わり、お昼休憩となった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「もうすぐお父さん達が来るって。」

 

 

先程、総一郎から連絡を貰った葵が皆に伝える。

 

昼ご飯を食べ終え、少し休んでいる茜達。奏は次の競技の準備があると言って戻った。

 

櫻田家全員で作った弁当を皆で食べているが、その四方を長谷川兄妹が囲むように立っている。

 

 

「ねぇ…いつもより視線が多くない?」

 

 

茜はフードを被り、顔を隠している。まるで容疑者のように。

茜の言う通り、やたらと見られている。しかも写真を撮る人も居る。光はそれをチャンスだと思い込んでカメラ目線でピースしたりしているのを行儀が悪いと葵が注意していた。

 

 

「そりゃあ珍しいんだろ。 灰達の格好がよ。」

 

 

何故か執事服に着替えさせられていた灰と明。お昼休憩よりも先に執事の仕事を優先させられたのだ。

 

 

『少し思ったけどさ…僕の能力を使えば今から昼ご飯食べてもバレなくね?』

 

『明お兄ちゃんも食べてないんだから我慢しなよ。』

 

『それ以前に、高速行動を使えばそれだけでお腹空くから意味が無いんじゃないかな?』

 

 

無線での会話、そして器用にも腹話術で話している長谷川兄妹。兄妹以外には聴かれていないようだ。

 

 

『次の競技は?』

 

『部活対抗リレー。』

 

『何それ?』

 

 

渚と白は疑問符を浮かべた。 灰と明も分かっていないのだが。

 

 

『なんか、部活をしている人達でリレーをするみたいよ。修ちゃん曰く、結構盛り上がる競技らしいし。』

 

 

体育祭を経験した事はあるし、部活もある学校に居たのだが、通常ならば廃部になってもおかしくない人数なので同好会のような部活しか存在しなかった学校に、以前まで在学してた長谷川兄妹。 どこに盛り上がるポイントがあるのか分からなかった。

 

 

『ねぇ、ちょっと良いかしら?』

 

 

すると、突然4人の無線から奏の声が聴こえてきた。

 

 

『何ですか?』

 

『特に渚ちゃんと白さんにだけど、出てみない? 体育祭に。』

 

『…っと言うと?』

 

『こっちに来てまだ体育祭を経験してないでしょ。 白さんに至ってはそれを経験する前に卒業したじゃない。』

 

『出るにしても何にですか?』

 

『それは部活対抗リレーによ。 折角の機会だし、貴方達は部活じゃないけど、執事とメイド枠って事で。 それに執事服に着替えたのにまた着替えるのも勿体無いじゃない。』

 

 

どうしようかと4人は顔を見合わせる。その行動に何事かと茜や修は見ていた。

 

 

『どうする? 僕は是非とも出て見たいけど。』

 

『灰兄はどうでも良いとして、白兄が出たいかによるかな。』

 

『おいどうでも良いっ……』

 

『私もそれ思った。 でも私としては出たいかな。 皆と走れるなら楽しいし。』

 

 

明と渚に心配そうに見つめられる白。だけど、長男としても考えは同じだった。

 

 

『俺は渚と同じ考えだよ。 こっちに来たけどこんな大きな体育祭に出れるのは嬉しいよ。 しかも兄妹揃ってるのが特に。 だから俺の事は気にするな。』

 

 

白の意見を聞いて、兄妹の答えは出たようだ。

 

 

『決まったようね。 じゃあまた後で連絡するわ。』

 

『奏さん、ありがとね。』

 

『どう致しまして。』

 

 

白からのお礼を受け取り、奏はすぐに他のスタッフや先生などに話しに行った。

 

長谷川兄妹達はお昼休憩を取っていたSPが戻って来たら、お昼ご飯にする事が出来た。

 

そしてお昼休憩が終わる前に4人に奏から無線が入り、部活対抗リレーの説明がされた。 だが、ここで問題が出た。

 

 

「許可は出たけど、後1人出れそうな人居る?」

 

 

部活対抗リレーは5人で1チームだ。長谷川兄妹は4人なので1人足りない。

 

 

「居るよ。」

 

「それなら良かった。どなた?」

 

 

4人全員が同時に奏を指差した。真顔で。

 

 

「ぇ!? 私!?」

 

「奏さん生徒会長だし。」

 

「僕達を出場させてくれたのは奏ちゃんだし。」

 

「ほら折角良い機会なので、俺達の力になって下さい。 それに頼れって言ったの奏さんだし。」

 

「王家の人が居た方が盛り上がるよ! 絶対! 」

 

 

長谷川兄妹からのこの意見である。

そして瞬時に灰が居なくなった。

 

 

「灰が居ない!? まさか!」

 

 

奏は周りを見渡し、灰を探した。だが見つける前に灰が戻って来て居た。 しかも柱に背を預け、腕を組んでいる。

 

 

「ふっふっふっ、そのまさかさ奏ちゃん! 話は全て通ったのさ! 君が僕達の一員になる事をね。ふははははは!!」

 

「やられた…」

 

 

奏が執事&メイドのチームに加わる事となった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

部活対抗リレーをする前に、部活をしている人達がユニフォームに着替え、部活紹介をされながら行進している。

 

それに乗じて長谷川兄妹の執事とメイドの卵の事を紹介されてる。 だけど、その中に奏も一緒に行進させられているのに、校内は?マークでいっぱいだ。 奏はパーカーを着ていて、フードを被っていた。まるで容疑者のように。因みに奏は体操服のままだ。

 

 

「だぁい丈夫だってかなっつぁん! 皆思ってるから、「何で奏様はメイド服じゃないんだ?」って。 皆期待してたんだよ。」

 

「絶対そこじゃないでしょ! 何で私がここに居るのかっていう疑問よ! ってか、そのモノマネムカつくんだけど。」

 

 

新1年生で執事がいる事は知っている者は少数だった。だけどこれで学校内全体に長谷川兄妹の存在が知れ渡った。

 

 

全員が整列した後、校長先生からの言葉を貰い、部活対抗リレーが始まろうとしていた。

男子の部と女子の部で分かれていたが、男子の部で走る事となった。

 

第1走者は渚。 渚の事が気になる第1走者達。 だが逆に渚も気になる物が目に入っている。

 

 

「(柔道部のあれって…バトンなのかな? そして剣道部は竹刀…長くない?)」

 

 

柔道部のバトン……それは畳だった。

因み渚達のは普通のバトンだ。

 

 

「位置について、よーい…」

 

 

スターターピストンが鳴り響き、一斉に走り出した。 まだ中学生で尚且つ女子である渚は後ろの方を走ってはいるが、メイド服なのに速かった。

 

続いての第2走者走者は奏。 バトンパスの練習をしていないのにも関わらず、完璧にこなしていた。後で聞くと「メイドですから!」っと胸を張って言っていたそうな…

 

 

陸上部や野球部、サッカー部等には徐々に離されていくが、第3走者の明へとバトンが渡った。

これまた綺麗にバトンが渡り、後ほど聞いてみると、「執事ですから」っと言っていた。

 

灰よりは断然遅いが、男子の中では速い方に入る明だ。なのでどんどん追い越して順位を上げていった。

 

第4走者は白…ではなく灰だった。

本来なら足が速い灰がアンカーが良いのであるが、灰曰く「最後は兄さんがゴールしてよ。」っと強く希望していた。これには明と渚も同じだった。

 

能力を使っていないが、凄まじく足が速い灰。上位に上り詰めていっている。

 

 

「兄さん! 後は頼んだよ!」

 

 

そしてアンカーへとバトンが渡った。身体は弱いが決して足が遅い訳では無かった。 兄妹と奏が繋いでくれたバトンを握りしめて一生懸命に走った。

 

だけど運動部には敵わなず、上位3位に入る事は出来なかった。だけど、決して悪い結果ではない。

 

長谷川兄妹にとって、特に白にとっては大切な経験となり、良い思い出となった。

 

結果的に大盛り上がりとなった部活対抗リレーだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「へぇ、それでリレーに出てたんだ。」

 

「ドキドキしちゃったよ。男子の中に女子が混ざってるから皆見てきてたからさ。岬も混ざってたら絶対見られてたよ。」

 

「それもあるけど、1番の原因は服だろ。」

 

 

遥の的確な突っ込み。それに気付かないのが渚だ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

続いての競技は2年生の借り物競争。

またも明が出場する事になっていて、体操服姿へと戻った明。

 

出されたお題を変える事は絶対に出来ない事がルール。

それを踏まえて開始した。

 

皆必死となって出されたお題を探し、次々とゴールしている。

そして遂に明の出番がやって来た。

 

スターターピストンの合図と共に走り出し、お題が書かれた紙を手に取ると、明は目を見開き戦慄した。

 

 

《次期国王になると思われる人》

 

 

他の人達は既に探し回っている中で、明は動けないでいた。

 

ルール上お題を変える事は出来ない。訳を話せば変える事が出来るかもしれないが、それをやってしまえばルールの意味がなくなってしまう。と頭の中で試行錯誤していた。

 

 

「明君どうしちゃったのかな?」

 

「好きな人…とか引き当てたんじゃない?」

 

「えっ!?」

 

 

茜と花蓮が思っている以上に事態は深刻なのだ。

 

 

「(次期国王…次期国王になる人……でも、これをやってしまえば…)」

 

 

長谷川家が今までやっていなかった投票をする事となる。それはしきたりを壊す事とにもなるのだ。

 

八方塞がりとなってしまった明。 明が此処まで動揺しているのに初めて見る白達が心配そうに見ている。 何があったのか無線で聴いてみるが返事が返ってこない。

 

だが漸く明は動き出した。

3年生の所へと向かい、奏の手を掴んだ。

 

 

「私? 悩んでたお題ってどんなのよ。」

 

 

奏からの質問にも答えられなかった。

 

 

「かかかかかかなちゃんなの!?」

 

「動揺し過ぎよ!」

 

 

関係ない所で動揺している茜だった。

 

 

ゴールして我に返った。 とんでもない事をしてしまった事に気がついた明。 スタッフがお題の紙を確認する前に灰張りの速さで隠し、「走ってる時に飛んでしまったみたいなんだ。 すみません。 でも、お題は生徒会の人って書いてありました。」っと誤魔化していた。

奏はその行動を見ていたが、あえて何も言わなかった。

 

 

体育祭は無事に終わったが、良い思い出もたくさん出来たが、それ以上に後悔の念に押し潰される事となった明。

 

その日の夜に高熱を出して倒れたのだった。

 

 

 





次回からは長谷川兄妹にとっては転機になる事ばかりが起きます。今までの執事&メイドの事を考え、過去の自分と将来の自分を考える事が多くなる事ばかりだと思われます。


・長谷川 白
ゴールした事よりも、兄妹と走れた事が1番の喜びを感じていて、この日を大切にしたいと思っている。だが、この日に倒れた明が心配。


次の更新はいつになるか分かりませんが、出来るだけ早めに更新出来るように頑張ります。
ではまた。

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